本書は、その書名のとおり、「資格試験に合格」したいと思う全ての人たちにとっての勉強法（だけにはとどまりませんが）について書かれた本ですが、大きく前半と後半との２部構成になっていると評せると思います。
前半すなわち第１章から第４章までは、主として時間管理・タスク管理です。働きながら資格を取ろうと目指す人に焦点を当てており、どうやって勉強時間を確保し、能率的に日々の時間や目標までのスケジュールを管理するかという点について、述べられています。それゆえ、この前半の章は、資格試験勉強をする人だけでなく、とにかく毎日の仕事その他しなくてはならないことが多すぎて忙しいという社会人の方（最近は高校生いや中学生・小学生さえも勉強や塾予備校や習い事で大変忙しいそうですけれども）にとっても、そのノウハウは大変に役に立つ内容といえるでしょう。「オーガナイザーシート」というのは著者千葉先生が開発された、そのためのツールということになります。
後半（第５章〜第７章）は、主として試験のための勉強法、だけではなく勉強を始める初期から、中期、さらには仕上げ期すなわち直前ひいてはいざ試験当日にわたるまでの、著者千葉先生の貴重なアドバイスが「具体的に」述べられています。ここでは特に「具体的」という点を強調したいと思います。スタートの際の心構え、復習法、複数科目の勉強法、ムダの省き方、知識の定着方法、弱点の克服法、調子が悪い日には、ラストスパート期の注意、等々です。どちらかというと資格試験の中でも司法試験に焦点を当てていますが、同じ法律系の資格のみならず他のあらゆる資格試験や、英語のTOEICなどの試験さらには学生の入試にも当然拡張適用できる事柄であることは間違いありません。従って、この後半部は、別に働きながら資格を目指す人だけでなく、とにかく試験を受験する全ての方にとって勉強の能率と生産性を上げるのに役に立つものといえましょう。
全体として、平易な文章で書かれていて、読みやすいです。
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