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犬がいたから 単行本 – 2007/11/26
人生に疲れ、途方にくれていたあの頃、そっと寄り添い、支えてくれた犬たちがいた! 『盲導犬クイールの一生』の石黒謙吾が贈る、心にしみいる「犬と人との物語」珠玉のショートストーリー7編。
- 本の長さ168ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2007/11/26
- ISBN-104087813894
- ISBN-13978-4087813890
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商品の説明
著者について
雑誌編集者を経て、書籍の執筆、企画編集に携わる。
2001年刊行の「「盲導犬クイールの一生」は大きな感動を巻き起こし、87万部の大ヒットに。
登録情報
- 出版社 : 集英社 (2007/11/26)
- 発売日 : 2007/11/26
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 168ページ
- ISBN-10 : 4087813894
- ISBN-13 : 978-4087813890
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,399,917位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 33,113位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について

石黒謙吾(いしぐろ けんご)
著述家・編集者・分類王
1961年金沢市生まれ。
著書には映画化されたベストセラー『盲導犬クイールの一生』、糸井重里氏に高評価を得た『2択思考』、さまざまな図表を駆使し森羅万象を構造オチの笑いとしてチャート化する“分類王”としての『図解でユカイ』ほか、『ダジャレヌーヴォー』『エア新書』『カジュアル心理学』『2択チャートde心理診断』『CQ判定常識力テスト』『ナベツネだもの』『ベルギービール大全』『短編集 犬がいたから』『キャンバスに蘇るシベリアの命』など幅広いジャンルで著書多数。
プロデュース・編集した書籍も、ベストセラー『ジワジワ来る○○』(片岡K)、『ナガオカケンメイの考え』(ナガオカケンメイ)、『ザ・マン盆栽』(パラダイス山元)、『負け美女』(犬山紙子)など200冊近くにのぼる。
「ただ愚直に進む」をモットーとした動詞的生き方で、著者としての活硬軟取り混ぜた活動のみならず、ニッチなカルチャー書籍企画も次々とプロデュースし続ける。
上京後、油絵描いて芸大3浪のあと出版の世界に。講談社『PENTHOUSE』記者、『Hot-Dog PRESS』編集者を経て93年に独立。
草野球歴33年で年間40試合というバリバリの現役プレーヤー。日本ビアジャーナリスト協会副会長。全国キャンディーズ連盟代表。
高校野球とビールと犬と笑いとキャンディーズを、そして熱いモノすべてを愛する。好きな言葉は「金を残すは銅、仕事を残すは銀、人を残すは金」。
**ひとりほぼ日的ブログー「イシブログケンゴ」
http://www.blueorange.co.jp/blog/
カスタマーレビュー
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
アート・ディレクションや、言葉のキャスティング、
キャメラワークなど、まるで映画作品を見ているようです!
各ページ上下に余白を多めにとられているのも、
フィルムを横にズラしていくような感じですし、
ワイド画面の映画作品っぽいのでしょうか。
ちょっとセピアがかった印象もしますね。
また、こまかいBGM曲の指定もさることながら、
音場の表現が素晴らしくて、感動しました(特に第2話 海の犬)。
ボクの映画鑑賞ポイントはサントラなんですが、
映画作品における“音”の体感比率は50%以上。
まったく曲がなくて、水や風の音をフィーチャーする
タルコフスキーの映画も、その“音”と映像が、
言葉に匹敵するメッセージ性を帯びてくるのです。
活字媒体では、当然“音”はないはずなのですが、
アニメ化や映画化を意識したエンタメ作品では、
勝手にアタマの中でヒット曲のBGMが鳴ります。
レイ・ブラッドベリあたりの詩的な作品では、
自然の音が、3D音場を作って、自分を包みこんでくれます。
国語がニガテだった自分にとっては、
音の情景を無理なく想起させてくれる描写こそが、
本の世界にいざなってくれるカギでした。
『犬がいたから』では、そんな“音”のカギで各章の扉をあけて、
石黒さんの頭の中のワンちゃんにご挨拶、という不思議な感覚があります。
無音や、かすかな音、そして爆音まで、
ダイナミックレンジも広いですし、
色彩ゆたかなサラウンド空間の中心には、
常にワンちゃんの温もりという“音”が、
息づいており、1/fゆらぎを出しています。
各短編が余韻を残してくれますので、
活字にはないフェードアウト部分を大切にしたく、
すぐに次のエピソードにうつることができません。
歓声の途切れぬうちに次のナンバーにうつるような、
ノリのいいジャンルのライブ盤ではなく、
ドーナツ盤のA面を集めたオムニバス盤といったところでしょうか。
お気に入りの1話を繰り返して読みたくなるような。
帯では、人と犬のコンチェルトと書かれていますが、
章構成の方は、組曲(スイート)ですね。
1本の糸で数珠つなぎになっているのではなく、
中心にいる犬のモチーフから、放射状に各エピソードが存在しています。
ということで、久しぶりに文芸の醍醐味に取りつかれ、
興奮してしまいました。
少しの間奏、もとい、感想が、ちょっと長くなってしまい、すみませんでした。
あと、表紙の先輩ちゃんの目には、思わず吸い込まれてしまいました!
(※表紙写真モデルのワンちゃんは“石黒先輩”というお名前です^^)
特に「夜の犬」と「裏口にいた犬」が大好きで何度読んでも胸がいっぱいになります。
押し付けがましくない文章はムダがなく、淡々と語られ、それでいてたまらなく温かです。
犬の佇まい、表情、仕草の描写が素晴らしく作者の犬への愛情の深さを感じとれます。
主人公が、浪人生だったり、母のいない少年だったり、警備員だったりと、著者本人の体験を基にした短編のほか、OLも主役を務めています。
読みはじめて、第1話の浪人生の境遇にさっそく浸かってしまいました。
仕送りなしのひとり暮らしで、学費や絵の具代も稼がなくてはならない。主人公の芸大浪人生が感じる寂寥感は、自分が18歳でひとり暮らしをはじめたときのことを思い出させました。
自分より絵のうまい予備校生に囲まれ、主人公の心はささくれだっていきます。そんな「僕」に寄り添ってくれるのは、バイト先の踊り場につながれていた柴犬のジローでした。バイト先に出勤するとき、毎晩8時の「パッへルベルのカノン」を合図にしたゴミ集めを終えたとき、ジローは「僕」の目を見つめてくれました。
閉塞した日常を打ち破るように、バイト先の名曲喫茶が閉店を迎え……。
この他、波の音、車のエンジン音、『展覧会の絵』、『ボレロ』など、各小説の背景に流れる音を聞きながら読んでもらえることを想定しています。
『盲導犬クイールの一生』は、一匹の盲導犬の一生を追う実話で、最後にクイールは亡くなってしまいました。多くの人の涙をさそう物語でしたが、本書に登場する7つの掌編は、けっして「泣ける」小説を意図していません。静かに、淡々と物語が進んでいきます。
音楽を繰り返し聞くように、繰り返し開いてみてはいかがでしょうか。
人生のいろいろな場面に犬がいた。
犬がいたから救われた。犬がいたから深く生きられた。
そんな思い出のある方に、特にお勧めです。
本を開いて最初に感じたのは、天地やノド・小口が妙に広いな、ってこと。字を大きめにして行間を詰めてあるのは、わざとそうしたんだなって分かります。切り取られて貼り付けられているような感じなのは、おそらく著者がこの短編集の作品をスナップ写真のような感触を意識して書いたからでしょう。
最初の作品「裏口にいた犬」で、不覚にも目から汁が(笑)。オレも家を出て浪人した経験があるんで、主人公の気持ちが凄く分かるんです。大学生でもなければ社会人でもない。初めて家族と別れ、これ以上ないくらい中途半端な状態で1年間「受験」という機会を待ち続けなければならない。後から考えれば屁のようにつまらないことで、リスカやら縊死まで考えるような、ちょっと特殊な精神状態に追い込まれていく。
そんなアンバランスな精神状態を、アルバイト先の裏口にいた犬との触れ合いがかろうじて支えてくれるってのは、とてもリアルで、正直心の奥に眠らせていた記憶を呼び覚まされてしまいました。
あと、犬の目線で犬の気持ちを語らせると、このヒト、滅茶苦茶巧いです(実は、涙腺決壊したのは犬のモノローグを読んだ瞬間だったりする)。本当に、犬が好きで好きでたまらないくらい好きなんだな、と言うのが伝わってきますよ。
イメージして欲しいBGMに「パッへルベルのカノン」が指定されているってのも、ちょっとニクい仕掛けと言えます。これは、他の6つの短編も同様ですけどね。
今日仕事を終えて帰ったら、残りの4編もきっちり読ませてもらいます。
いい本です。
買って損はないと思いますよ。
どの作品にもイメージとして音楽が使われていて、音楽の流れにストーリーがうまく乗っている。巻末にイメージした楽曲の一覧が載っているのでBGMにしながら読むのも一興かも知れない。
人と犬とのエピソード…心に響きます。
本の表紙は石黒さんの愛犬の「先輩」ちゃんですよ♪