スコットランドのみずみずしい風景、そこで、両親に愛されながら育ったリタ。
そして、初恋と、日本人との恋愛。
そんな、若草物語を読んでいるような懐かしさを感じさせる前半。
母親や妹との確執の残る中、愛を信じて日本に渡る彼女。
スコッチウィスキーの再現を一途に追い求める仕事一徹の夫、
子供のできない孤独。
言葉の通じない国中で夫の成功を支えつつも、
とまどいながら生きるリタを描く後半。
こんな女性がいたんだなと、そのドラマチックな生涯に心惹かれ、
一気に読んでしまった。
また夢を愚直に追い求める竹鶴政孝という人物についても、
興味深く読んだ。
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望郷 (角川文庫) 文庫 – 2014/6/20
森 瑤子
(著)
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ニッカウヰスキー創業者・竹鶴正孝とその妻・リタの生涯を描く感動の物語
英国に生まれ育ったリタ。初恋の人を失い、失意の底にいた彼女はモルトウイスキーの製法を学びにきた竹鶴政孝と運命的に出逢う。極東の日本で政孝の生涯を献身的に支え続けたリタの心のよりどころとは――。
英国に生まれ育ったリタ。初恋の人を失い、失意の底にいた彼女はモルトウイスキーの製法を学びにきた竹鶴政孝と運命的に出逢う。極東の日本で政孝の生涯を献身的に支え続けたリタの心のよりどころとは――。
- 本の長さ512ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2014/6/20
- 寸法10.8 x 2 x 14.9 cm
- ISBN-104041013364
- ISBN-13978-4041013366
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登録情報
- 出版社 : KADOKAWA; 改版 (2014/6/20)
- 発売日 : 2014/6/20
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 512ページ
- ISBN-10 : 4041013364
- ISBN-13 : 978-4041013366
- 寸法 : 10.8 x 2 x 14.9 cm
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2015年4月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
明治維新から僅か半世紀後に単身英国に渡り、ウィスキー作りを学んで日本に持ち帰り、初めて国産品を世に出した竹鶴氏を支えたリタ夫人の物語。
全てがチャレンジであった二人の歴史が夫人のストイックな視線で描かれており、当時の英国人と日本人の気質の違いまで判って大いに参考になりました。
全てがチャレンジであった二人の歴史が夫人のストイックな視線で描かれており、当時の英国人と日本人の気質の違いまで判って大いに参考になりました。
2014年12月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
夢中で読んでしまいました。
その時代の国際結婚は大変だったのですね。涙無しでは、読めなかったです。
子供ができないのは、七年経験あるので、気持ちがわかります。
まさはるさんが忙しいけど、優しい人で良かったですね。
朝ドラとは違った風景が見えました。
その時代の国際結婚は大変だったのですね。涙無しでは、読めなかったです。
子供ができないのは、七年経験あるので、気持ちがわかります。
まさはるさんが忙しいけど、優しい人で良かったですね。
朝ドラとは違った風景が見えました。
2014年6月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
当時、どのように評価されたは覚えていませんが、リタさんと政孝さんの物語は私はとても心打たれました。時期の朝ドラの題材にこの二人が取り上げられると知ってからもう一度読みたいと思い続けていました。念願かなって復刊を知り商魂逞しいなとも思いつつ本当に嬉しい。届くのが楽しみです。
2018年12月23日に日本でレビュー済み
連続ドラマのマッサンが放送されていた時、本屋で関連本と宣伝されていて購入した本だったが、
主人公のリタがドラマの明るく一生懸命なエリー(ドラマではこういう名前)と印象が違いすぎて
いたので、当時はそんなに熱心に読まなかった。
しかし久しぶりに再読すると、リタの哀しみや孤独感が身近に感じられて涙が出そうになった。
ドラマのヒロインほど幸せそうな感じはなく、もっと複雑で繊細な内面の女性だった。
戦死した婚約者への思いをひきずっている彼女は、日本人の政孝と恋に落ち結婚して日本へ渡り、結果
スコットランドの家族と絶縁状態になってしまう。子供を授かって「もう自分一人ではない」と喜ぶが、
政孝に見せようと着た浴衣が出血で血まみれになり流産。深く悲しんだリタと彼女を気遣う夫は日本人の
女の子を養女にし、流産した子に呼び掛けていた沙羅という名前を付ける。
しかし、沙羅はリタが溺愛しすぎて反発しまた母親が白人であるという差別に耐え切れず、出奔をして
またもリタは愛する人を失ってしまう。
第二次世界大戦中、周囲の人々のますます激しくなる差別や特高の厳しい取り調べにリタは心身ともに
ボロボロになり、「わたし、この鼻を削りたい。この眼を黒くしたい。」と政孝に打ち明ける。優しい
政孝はそんな妻に「わしはおまえのありのままの姿を愛しておるのだぞ」と言って慰める。
これを読むと当時の国際結婚が非常に珍しいため、周りの理解も乏しく差別も今以上にひどかった事が
よく分かる。リタ自身も繊細な性格なので、支えている夫がいてもどこか孤独であり、また愛情や想いが
強すぎて駄目になるとボロボロに傷ついてしまう。おそらく作者の森瑤子は夫がイギリス人だったので、
それを敏感に感じ取り感情移入したのではないだろうか。
最後の方でリタ夫妻は政孝のおいを養子にする。彼が歌子という女性と結婚し、リタは歌子にミルクティーの
入れ方を母親のように教える場面があり、とても感動的だった。
主人公のリタがドラマの明るく一生懸命なエリー(ドラマではこういう名前)と印象が違いすぎて
いたので、当時はそんなに熱心に読まなかった。
しかし久しぶりに再読すると、リタの哀しみや孤独感が身近に感じられて涙が出そうになった。
ドラマのヒロインほど幸せそうな感じはなく、もっと複雑で繊細な内面の女性だった。
戦死した婚約者への思いをひきずっている彼女は、日本人の政孝と恋に落ち結婚して日本へ渡り、結果
スコットランドの家族と絶縁状態になってしまう。子供を授かって「もう自分一人ではない」と喜ぶが、
政孝に見せようと着た浴衣が出血で血まみれになり流産。深く悲しんだリタと彼女を気遣う夫は日本人の
女の子を養女にし、流産した子に呼び掛けていた沙羅という名前を付ける。
しかし、沙羅はリタが溺愛しすぎて反発しまた母親が白人であるという差別に耐え切れず、出奔をして
またもリタは愛する人を失ってしまう。
第二次世界大戦中、周囲の人々のますます激しくなる差別や特高の厳しい取り調べにリタは心身ともに
ボロボロになり、「わたし、この鼻を削りたい。この眼を黒くしたい。」と政孝に打ち明ける。優しい
政孝はそんな妻に「わしはおまえのありのままの姿を愛しておるのだぞ」と言って慰める。
これを読むと当時の国際結婚が非常に珍しいため、周りの理解も乏しく差別も今以上にひどかった事が
よく分かる。リタ自身も繊細な性格なので、支えている夫がいてもどこか孤独であり、また愛情や想いが
強すぎて駄目になるとボロボロに傷ついてしまう。おそらく作者の森瑤子は夫がイギリス人だったので、
それを敏感に感じ取り感情移入したのではないだろうか。
最後の方でリタ夫妻は政孝のおいを養子にする。彼が歌子という女性と結婚し、リタは歌子にミルクティーの
入れ方を母親のように教える場面があり、とても感動的だった。
2014年8月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
余計な修飾を用いずに主人公の内面を浮き立たせる、引き込まれるような文章。
史実からも乖離せず、哀しさと美しさを見事に表現した作品。
史実からも乖離せず、哀しさと美しさを見事に表現した作品。
2014年11月28日に日本でレビュー済み
前半は思いきり「風と共に去りぬ」の影響を受けている感じ。
背景の書き込みや調査が足りないと思った。
フィクションとしても物足りない。
背景の書き込みや調査が足りないと思った。
フィクションとしても物足りない。
2014年7月25日に日本でレビュー済み
出版したものが殆ど絶版になっている。
森瑶子の一本スジが通った女性らしさ(夫にトイレへ行くことを悟られないよう、複数設けた話など)を高校生の頃
読んだ私だが、手元には一冊も残っていない。男と女の関係性がわかりかけた私、子どもなし・夫という伴侶を得て10年と少し、森瑶子の文章をいま一度まとめて読みたい。
本題。
あまちゃん、花子とアンが絶好調の朝ドラ。外国人女性がヒロインで大丈夫かと本気で思ったが女優さんの知名度よりも森瑶子原作ということで、ひとまず安堵した。
彼女は20年以上前に神に召されたが、彼女が紡ぐ文章はマガジンハウスの雑誌よりも重く、普遍性に溢れている。
森瑶子の一本スジが通った女性らしさ(夫にトイレへ行くことを悟られないよう、複数設けた話など)を高校生の頃
読んだ私だが、手元には一冊も残っていない。男と女の関係性がわかりかけた私、子どもなし・夫という伴侶を得て10年と少し、森瑶子の文章をいま一度まとめて読みたい。
本題。
あまちゃん、花子とアンが絶好調の朝ドラ。外国人女性がヒロインで大丈夫かと本気で思ったが女優さんの知名度よりも森瑶子原作ということで、ひとまず安堵した。
彼女は20年以上前に神に召されたが、彼女が紡ぐ文章はマガジンハウスの雑誌よりも重く、普遍性に溢れている。