ゴーストライターの実態は垣間見えるが、数年間にわたって特定の雑誌に書き綴った文章を、章立てして並べているだけ。何度も同じような内容が出てきて、最後まで読み通すのが辛かった。
この筆者は、いつも雑文を合わせて一冊の本に仕立て上げているのだろうなと思わせる本。雑文を書き続けることが出来るのは、もちろん、市場価値があることの証左で、それはそれで才能なのだろうが。
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ビジネス書の9割はゴーストライター 単行本 – 2014/5/25
吉田 典史
(著)
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購入オプションとあわせ買い
経験豊富な著者が、ゴーストライターの仕事の実態や収入、トラブルとその対処法などを豊富な実例から紹介し、出版ビジネスの「正体」に迫る。そして、著者・出版社・ライターの関係性をふまえてライターの地位向上の必要性を説く。基礎知識Q&Aも所収。
- 本の長さ205ページ
- 言語日本語
- 出版社青弓社
- 発売日2014/5/25
- 寸法12.8 x 1.6 x 18.8 cm
- ISBN-104787233785
- ISBN-13978-4787233783
商品の説明
著者について
1967年、岐阜県生まれ。2006年からフリージャーナリスト。特に人事・労務の観点から企業の取材を重ねる。事件・事故など社会問題の取材も精力的に続けている。著書に『悶える職場』(光文社)、『封印された震災死その「真相」』(世界文化社)、『震災死』『あの日、「負け組社員」になった…』(ともにダイヤモンド社)、『年収1000万円!稼ぐ「ライター」の仕事術』(同文舘出版)など。
登録情報
- 出版社 : 青弓社 (2014/5/25)
- 発売日 : 2014/5/25
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 205ページ
- ISBN-10 : 4787233785
- ISBN-13 : 978-4787233783
- 寸法 : 12.8 x 1.6 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,270,249位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2022年3月17日に日本でレビュー済み
現役のライターです。
著者が「主婦ライター」と作中で呼ぶ部類に入るのでしょう。
およそ8年ほど前の本ですが、興味があり購入しました(Amazon外です)。
著者のライターとしての経験や出版業界の実態など、参考になる話もありました。
とはいえ、気分良く読めるものではありませんでした。読後感が非常によくないので、今から読もうと思っている方はやめておいたほうが無難です。
この本を手にするのは「ゴーストライターについて知りたい」、「ライターの基礎知識を得たい」、「経験豊富な先輩ライターから学びたい」そういった方でしょう。
ゴーストライターとしての著者が、いかに出版業界でひどい扱いを受けてきたか、愚痴を読みたくて買う方はいないと思います。
得るものがあるだろうと手にした私にとっては、1/4は勉強になり、3/4は読まなくてもいい内容でした。
著者がこの本を書くまでに、様々な苦労をされたのだろうことは分かります。
だからといって、末端で働くライターを否定したり、低収入のライターをディスる必要はないと思います。
※5流の「主婦ライター」なので、日本語が荒れていてごめんなさいね。
作中から、印象に残った部分の引用です。
「この主婦たちは経験が浅い。守備範囲が極端に狭い。そのため(中略)純然たるライターというよりも、やはり「主婦ライター」なのだと思う。この人たちを観察していると、早稲田大学出身者が目立つ。話をしていて感じるのは、自分をほかの女性たちよりも高いところに置いていることだ。(p.104-105より引用)」
著者のいう「純然たるライター」の定義がどこにあるのか不明ですが、とにかく偏見がすごい(笑)。
私の知る「主婦ライター」は子どもが小さいので家で面倒を見ていたい、でも生活の助けになるなにかがしたい。書くことが好きだから文章を書く仕事はどうだろうか、といった風にはじめる方が多いです。
勉強家の方も多いです。少なくとも私のまわりでは、積極的に学びたい、良い文章を書きたい、と努力される方が大半という印象です。
8年前は早稲田出身の高飛車な主婦ライターが9割だったのかもしれませんが。
「根拠もなく、「わたしは優秀」と思い込む。本当に優秀な人なら、年収二百万以下ということはありえないだろう(p. 105より引用)」
夫の扶養の範囲で働きたい主婦は、そもそもそんな収入を求めてないですね。
月6万円ほど入ってくればいいです。あくまで専業は主婦、ライターは副業なので。
ブックライターの依頼を請けると、100万円くらいまとめて原稿料が入る場合もあります。その際も個人事業主になって、経費をガンガン使って、やはり扶養の範囲内で働くわけです。
ライターという職業は、大変なこともありますが、やりがいのある仕事です。
文字を書く仕事を真剣にしていると、どこまでいっても「勉強したりない」と感じるものです。
書いては勉強し、読んでは勉強し、まだ足りないと、ひたすら学び続ける姿勢も必要だと思います。
そうしていくうちに経験も身につき、色々なことが分かってきます。
著者の熱意に触れ、自分の知らない世界を知り、ひとつの形にしていく職業を、誇りに思うゴーストライターもたくさんいます。
まだまだ未熟ですが、私もそのひとりです。
ですので、こちらの内容にはまったく賛同できませんでした。
こういう意見もあるのだな、という参考程度に留め、『調べる技術・書く技術』野村進著あたりを読み返そうと思います。
こちらの著書のほうが、よほど勉強になるので。
中古本で購入したのに、低評価をつけて申し訳ないとは思いつつ。
この本で勉強しようと考えている「主婦ライター」の方の目に留まればいいと、レビューさせていただきました。
著者が「主婦ライター」と作中で呼ぶ部類に入るのでしょう。
およそ8年ほど前の本ですが、興味があり購入しました(Amazon外です)。
著者のライターとしての経験や出版業界の実態など、参考になる話もありました。
とはいえ、気分良く読めるものではありませんでした。読後感が非常によくないので、今から読もうと思っている方はやめておいたほうが無難です。
この本を手にするのは「ゴーストライターについて知りたい」、「ライターの基礎知識を得たい」、「経験豊富な先輩ライターから学びたい」そういった方でしょう。
ゴーストライターとしての著者が、いかに出版業界でひどい扱いを受けてきたか、愚痴を読みたくて買う方はいないと思います。
得るものがあるだろうと手にした私にとっては、1/4は勉強になり、3/4は読まなくてもいい内容でした。
著者がこの本を書くまでに、様々な苦労をされたのだろうことは分かります。
だからといって、末端で働くライターを否定したり、低収入のライターをディスる必要はないと思います。
※5流の「主婦ライター」なので、日本語が荒れていてごめんなさいね。
作中から、印象に残った部分の引用です。
「この主婦たちは経験が浅い。守備範囲が極端に狭い。そのため(中略)純然たるライターというよりも、やはり「主婦ライター」なのだと思う。この人たちを観察していると、早稲田大学出身者が目立つ。話をしていて感じるのは、自分をほかの女性たちよりも高いところに置いていることだ。(p.104-105より引用)」
著者のいう「純然たるライター」の定義がどこにあるのか不明ですが、とにかく偏見がすごい(笑)。
私の知る「主婦ライター」は子どもが小さいので家で面倒を見ていたい、でも生活の助けになるなにかがしたい。書くことが好きだから文章を書く仕事はどうだろうか、といった風にはじめる方が多いです。
勉強家の方も多いです。少なくとも私のまわりでは、積極的に学びたい、良い文章を書きたい、と努力される方が大半という印象です。
8年前は早稲田出身の高飛車な主婦ライターが9割だったのかもしれませんが。
「根拠もなく、「わたしは優秀」と思い込む。本当に優秀な人なら、年収二百万以下ということはありえないだろう(p. 105より引用)」
夫の扶養の範囲で働きたい主婦は、そもそもそんな収入を求めてないですね。
月6万円ほど入ってくればいいです。あくまで専業は主婦、ライターは副業なので。
ブックライターの依頼を請けると、100万円くらいまとめて原稿料が入る場合もあります。その際も個人事業主になって、経費をガンガン使って、やはり扶養の範囲内で働くわけです。
ライターという職業は、大変なこともありますが、やりがいのある仕事です。
文字を書く仕事を真剣にしていると、どこまでいっても「勉強したりない」と感じるものです。
書いては勉強し、読んでは勉強し、まだ足りないと、ひたすら学び続ける姿勢も必要だと思います。
そうしていくうちに経験も身につき、色々なことが分かってきます。
著者の熱意に触れ、自分の知らない世界を知り、ひとつの形にしていく職業を、誇りに思うゴーストライターもたくさんいます。
まだまだ未熟ですが、私もそのひとりです。
ですので、こちらの内容にはまったく賛同できませんでした。
こういう意見もあるのだな、という参考程度に留め、『調べる技術・書く技術』野村進著あたりを読み返そうと思います。
こちらの著書のほうが、よほど勉強になるので。
中古本で購入したのに、低評価をつけて申し訳ないとは思いつつ。
この本で勉強しようと考えている「主婦ライター」の方の目に留まればいいと、レビューさせていただきました。
2014年6月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「ビジネス書の9割は、ゴーストライターが書いている」
このことを耳にしたら、あなたはどう思うだろうか?
恐らく、出版業界に精通している人であれば、「そりゃ当然だろ!」と思うかも知れない。
逆に、本をほとんど読まない人であれば、「一種の詐欺ではないのか?」と思うかも知れない。
そこで、著者はゴーストライターの実態を、さまざまな視点から描いたわけであるが、残念ながら日本には、ゴーストライターの真の実態について書かれた本が全くと言って良いほどなかった。
そのことを考えると、この本の存在価値は非常に大きいと言える。
ただ、私がそれ以上に気になったのは、出版業界全体が、「超」のつくほどの売り上げ至上主義に毒されてしまっていることである。
実際に、私は売り上げ至上主義や、ビジネス書を含めた「軽薄な本」の乱造を、拙著の『もう読みたい本がない!』(幻冬舎ルネッサンス新書刊)で強く批判しているが、残念ながら出版不況そのものは、私が『もう読みたい本がない!』を刊行した当時(2011年10月)よりも、さらに深刻化してしまっている。また、同時に1つの企画を、時間をかけてじっくりと温める余裕がほとんど無くなっている(余談だが、私は『もう読みたい本がない!』を、ライターの手を借りずに1人だけで書いている。しかも、文献集めや、図表の作成も全て1人でこなしている。そのため、執筆開始から刊行までに2年近くもかかっている)。
そのことを踏まえると、出版社が「今話題の人」の著作(新刊)を、ゴーストライターを使ってでも大量に出そうとする理由が、はっきりと分かるはずである。
ただ、この本の内容は、読者にゴーストライターの厳しさを、徹底的に叩き込むものとなっている。
そのため、出版業界を志望する人がこの本を読むと、気が滅入ってしまうかも知れないが、この本は、読者に甘い幻想を抱かせるタイプの書籍よりも、はるかに読む価値の高い本と言える。
だから、この本は出版業界を志望する全ての人に読んで欲しいと思う。
このことを耳にしたら、あなたはどう思うだろうか?
恐らく、出版業界に精通している人であれば、「そりゃ当然だろ!」と思うかも知れない。
逆に、本をほとんど読まない人であれば、「一種の詐欺ではないのか?」と思うかも知れない。
そこで、著者はゴーストライターの実態を、さまざまな視点から描いたわけであるが、残念ながら日本には、ゴーストライターの真の実態について書かれた本が全くと言って良いほどなかった。
そのことを考えると、この本の存在価値は非常に大きいと言える。
ただ、私がそれ以上に気になったのは、出版業界全体が、「超」のつくほどの売り上げ至上主義に毒されてしまっていることである。
実際に、私は売り上げ至上主義や、ビジネス書を含めた「軽薄な本」の乱造を、拙著の『もう読みたい本がない!』(幻冬舎ルネッサンス新書刊)で強く批判しているが、残念ながら出版不況そのものは、私が『もう読みたい本がない!』を刊行した当時(2011年10月)よりも、さらに深刻化してしまっている。また、同時に1つの企画を、時間をかけてじっくりと温める余裕がほとんど無くなっている(余談だが、私は『もう読みたい本がない!』を、ライターの手を借りずに1人だけで書いている。しかも、文献集めや、図表の作成も全て1人でこなしている。そのため、執筆開始から刊行までに2年近くもかかっている)。
そのことを踏まえると、出版社が「今話題の人」の著作(新刊)を、ゴーストライターを使ってでも大量に出そうとする理由が、はっきりと分かるはずである。
ただ、この本の内容は、読者にゴーストライターの厳しさを、徹底的に叩き込むものとなっている。
そのため、出版業界を志望する人がこの本を読むと、気が滅入ってしまうかも知れないが、この本は、読者に甘い幻想を抱かせるタイプの書籍よりも、はるかに読む価値の高い本と言える。
だから、この本は出版業界を志望する全ての人に読んで欲しいと思う。
2015年6月4日に日本でレビュー済み
著者の問題意識としては悪くない。
しかし、全体の構成や文章は優れているとは言えない。
結果としてあまり薦められる本ではない。
著者が言いたいことは単純だ。
要は、ゴーストライターの処遇が悪すぎるという嘆きだ。
本は定価の10%が著者の印税収入になるのが一般的らしいが、
この10%を名前を貸しているだけの「著者」と実際に書いたゴーストライターとで
山分けするそうだ。
その際、名義貸し、すなわち、「名ばかり著者」が10%のうち、半分以上、通常は
7%くらいはもらって、残りを実際に書いたゴーストライターがもらうことになるという。
下手をすると、ゴーストの取り分は1~2%にまで圧縮されることもあるらしい。
そのうえ、ゴーストであるから、本には名前も載らない。
苦労の割に、これではカネもうけもできないし、名誉も得られない、酷いではないか!
というのが本書の著者の言い分なのである。
労働に見合った対価を求めるという点では、確かに、名義貸しだけで印税の半分以上を
持って行ってしまうのは理不尽なような気もする。同情の余地はある。
しかし、ゴーストとしては、自分には知名度もないし、もっと言えば、自分で書きたいテーマが
うまく設定できていないから、ゴーストという立場に甘んじているわけだ。
一方、ゴーストを使う「著者」としては自分には時間がないから、あるいは、文章力はなから、しかし、
自己宣伝はしたいから本を出版しようと思って、ゴーストを使う。
この間、出版社の編集者は、これはサラリーマンとして本を商品として仕立てる役割を担う。
いわば、この3者の利害が一致して、ゴーストによる出版がなかば公然と行われていると言える。
だから、本書の著者が、名義貸しの「著者」に対して文章力がないなどと執拗に非難しているが、
これはちょっと的外れなような気もする。名義貸しの「著者」は、知名度はあっても文章力がないからこそ
ゴーストを使っているのだ。
同様に、本書の著者は、出版社の編集者に対してさえ、彼らは文章を書けいない、と繰り返し罵倒している。
でも、これもちょっと変だ。編集者の多くは、本は好きかもしれないが、自分では文章を書けないからこそ、
普通のサラリーマンとして出版社に勤務し、編集者をやっているに過ぎない。
編集者だって、文章が上手いなら、それこそ自分で作家なりになっているだろう。実際、編集者から作家に
なる人もいる。
こうしてみてくると、ゴーストの低処遇を非難し、待遇改善を求めるのは間違ってはないとは思うが、
名義を貸している「著者」や出版社の編集者を、彼らは文章が書けないと言って攻撃するのは、
根本的にお門違いのような気がする。
しかも、このお門違いの批判を、本書では、雑誌に掲載された文章を十分に整理しないまま掲載しているせいもあって、
同じような恨み、つらみが何度も何度も語られる。
他のレビューにもあったが、これでは、一般の読者は、飲み屋で堂々巡りのような愚痴を延々と聞かされているような
気分に陥るのである。
それこそ、本書の編集者は、もっと重複部分をカットとして全体をすっきりと仕上げようとは思わなかったのだろうか?
ひたすらゴーストの低処遇を嘆き、名義貸しの「著者」や出版社の編集者を責めるだけではなく、
もう少し広く出版会全体を見渡して、原稿料のあり方や、「著者」、ゴースト、出版社、取次、小売店の間の利益配分の問題や、
そもそも、洪水のように押し寄せる出版物の中で、どうやったら質の高い出版文化を構築していけるかといったような、
ちょっと高い視点からの問題提起が欲しかったと思う。
こういうことにまで言及されていたら、もっといい本になったと思う。
しかし、全体の構成や文章は優れているとは言えない。
結果としてあまり薦められる本ではない。
著者が言いたいことは単純だ。
要は、ゴーストライターの処遇が悪すぎるという嘆きだ。
本は定価の10%が著者の印税収入になるのが一般的らしいが、
この10%を名前を貸しているだけの「著者」と実際に書いたゴーストライターとで
山分けするそうだ。
その際、名義貸し、すなわち、「名ばかり著者」が10%のうち、半分以上、通常は
7%くらいはもらって、残りを実際に書いたゴーストライターがもらうことになるという。
下手をすると、ゴーストの取り分は1~2%にまで圧縮されることもあるらしい。
そのうえ、ゴーストであるから、本には名前も載らない。
苦労の割に、これではカネもうけもできないし、名誉も得られない、酷いではないか!
というのが本書の著者の言い分なのである。
労働に見合った対価を求めるという点では、確かに、名義貸しだけで印税の半分以上を
持って行ってしまうのは理不尽なような気もする。同情の余地はある。
しかし、ゴーストとしては、自分には知名度もないし、もっと言えば、自分で書きたいテーマが
うまく設定できていないから、ゴーストという立場に甘んじているわけだ。
一方、ゴーストを使う「著者」としては自分には時間がないから、あるいは、文章力はなから、しかし、
自己宣伝はしたいから本を出版しようと思って、ゴーストを使う。
この間、出版社の編集者は、これはサラリーマンとして本を商品として仕立てる役割を担う。
いわば、この3者の利害が一致して、ゴーストによる出版がなかば公然と行われていると言える。
だから、本書の著者が、名義貸しの「著者」に対して文章力がないなどと執拗に非難しているが、
これはちょっと的外れなような気もする。名義貸しの「著者」は、知名度はあっても文章力がないからこそ
ゴーストを使っているのだ。
同様に、本書の著者は、出版社の編集者に対してさえ、彼らは文章を書けいない、と繰り返し罵倒している。
でも、これもちょっと変だ。編集者の多くは、本は好きかもしれないが、自分では文章を書けないからこそ、
普通のサラリーマンとして出版社に勤務し、編集者をやっているに過ぎない。
編集者だって、文章が上手いなら、それこそ自分で作家なりになっているだろう。実際、編集者から作家に
なる人もいる。
こうしてみてくると、ゴーストの低処遇を非難し、待遇改善を求めるのは間違ってはないとは思うが、
名義を貸している「著者」や出版社の編集者を、彼らは文章が書けないと言って攻撃するのは、
根本的にお門違いのような気がする。
しかも、このお門違いの批判を、本書では、雑誌に掲載された文章を十分に整理しないまま掲載しているせいもあって、
同じような恨み、つらみが何度も何度も語られる。
他のレビューにもあったが、これでは、一般の読者は、飲み屋で堂々巡りのような愚痴を延々と聞かされているような
気分に陥るのである。
それこそ、本書の編集者は、もっと重複部分をカットとして全体をすっきりと仕上げようとは思わなかったのだろうか?
ひたすらゴーストの低処遇を嘆き、名義貸しの「著者」や出版社の編集者を責めるだけではなく、
もう少し広く出版会全体を見渡して、原稿料のあり方や、「著者」、ゴースト、出版社、取次、小売店の間の利益配分の問題や、
そもそも、洪水のように押し寄せる出版物の中で、どうやったら質の高い出版文化を構築していけるかといったような、
ちょっと高い視点からの問題提起が欲しかったと思う。
こういうことにまで言及されていたら、もっといい本になったと思う。