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発送元: Amazon 販売者: 京極商店【すり替え詐欺防止対策済】
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2011 危うく夢見た一年 単行本 – 2013/5/31
スラヴォイ・ジジェク
(著),
長原 豊
(翻訳)
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購入オプションとあわせ買い
定価=本体2200円+税
この年に何が起きたのか?
ウォール街占拠運動、アラブの春、ロンドンやギリシャの民衆蜂起、
イランの宗教原理主義の先鋭化、ノルウェイの連続射殺事件、
そして日本での福島原発事故と首相官邸前行動……
はたしてこれは、革命の前兆なのか、それとも保守反動の台頭なのか?
(日本語版にはオリジナル序文〔『ダークナイト ライジング』論〕、および2011年の各国の闘争・蜂起の写真を所収)
【著者より】
本書は、われわれが置かれている布置連関についての「認知図」に貢献するための一つの努力である。
まず現代資本主義の主要な特徴についての簡単な描写を提示し、次いで社会的敵対性への反作用において起きた反動現象(とくにポピュリスト的な叛乱)に焦点を絞り込んで、そこでヘゲモニーを握っているイデオロギーの輪郭にラフな描写を与えることにしよう。
後半では、二つの大きな解放運動である〈アラブの春〉と〈ウォール街占拠運動〉を論じ、システムの機能強化をもたらすことなくシステムと闘うにはどうしたらよいのかという難問に立ち向かうことにする。(…)
どの「真実」が、グローバルな資本主義との関係で、今日、述べられねばならないのか?
【目次】
日本語版序文 衆愚の街(ゴッサム・シティ)におけるプロレタリア独裁
第Ⅰ章 序論――〈War Nam Nihadan〉
第Ⅱ章 支配から搾取と叛乱へ
第Ⅲ章 政治的代議の「夢仕事」
第Ⅳ章 邪悪な民族的〈モノ〉の回帰
第Ⅴ章 ポスト・イデオロギーの砂漠へようこそ
第Ⅵ章 アラブの四季
第Ⅶ章 ウォール街占拠、あるいは新たな始まりの暴力的な静けさ
第Ⅷ章 《ザ・ワイヤー》、あるいは非―出来事的なこの時代で何を為すべきか
第Ⅸ章 羨望と怨念を超えて
第Ⅹ章 結論―未来からの合図
訳者解説
この年に何が起きたのか?
ウォール街占拠運動、アラブの春、ロンドンやギリシャの民衆蜂起、
イランの宗教原理主義の先鋭化、ノルウェイの連続射殺事件、
そして日本での福島原発事故と首相官邸前行動……
はたしてこれは、革命の前兆なのか、それとも保守反動の台頭なのか?
(日本語版にはオリジナル序文〔『ダークナイト ライジング』論〕、および2011年の各国の闘争・蜂起の写真を所収)
【著者より】
本書は、われわれが置かれている布置連関についての「認知図」に貢献するための一つの努力である。
まず現代資本主義の主要な特徴についての簡単な描写を提示し、次いで社会的敵対性への反作用において起きた反動現象(とくにポピュリスト的な叛乱)に焦点を絞り込んで、そこでヘゲモニーを握っているイデオロギーの輪郭にラフな描写を与えることにしよう。
後半では、二つの大きな解放運動である〈アラブの春〉と〈ウォール街占拠運動〉を論じ、システムの機能強化をもたらすことなくシステムと闘うにはどうしたらよいのかという難問に立ち向かうことにする。(…)
どの「真実」が、グローバルな資本主義との関係で、今日、述べられねばならないのか?
【目次】
日本語版序文 衆愚の街(ゴッサム・シティ)におけるプロレタリア独裁
第Ⅰ章 序論――〈War Nam Nihadan〉
第Ⅱ章 支配から搾取と叛乱へ
第Ⅲ章 政治的代議の「夢仕事」
第Ⅳ章 邪悪な民族的〈モノ〉の回帰
第Ⅴ章 ポスト・イデオロギーの砂漠へようこそ
第Ⅵ章 アラブの四季
第Ⅶ章 ウォール街占拠、あるいは新たな始まりの暴力的な静けさ
第Ⅷ章 《ザ・ワイヤー》、あるいは非―出来事的なこの時代で何を為すべきか
第Ⅸ章 羨望と怨念を超えて
第Ⅹ章 結論―未来からの合図
訳者解説
- 本の長さ272ページ
- 言語日本語
- 出版社航思社
- 発売日2013/5/31
- 寸法2.6 x 13 x 18.8 cm
- ISBN-104906738036
- ISBN-13978-4906738038
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商品の説明
出版社からのコメント
(本書「序論」より)
本書は、われわれが置かれている布置連関についての「認知図」(ジェイムソン)に貢献するための一つの努力である。
まず現代資本主義の主要な特徴についての簡単な描写を提示し、
次いで社会的敵対性への反作用において起きた反動現象(とくにポピュリスト的な叛乱)に焦点を絞り込んで、
そこでヘゲモニーを握っているイデオロギーの輪郭にラフな描写を与えることにしよう。
後半では、二つの大きな解放運動である〈アラブの春〉と〈ウォール街占拠運動〉を論じ、
システムの機能強化をもたらすことなくシステムと闘うにはどうしたらよいのかという難問に立ち向かうことにする。 (…)
どの「真実」が、グローバルな資本主義との関係で、今日、述べられねばならないのか?
本書は、われわれが置かれている布置連関についての「認知図」(ジェイムソン)に貢献するための一つの努力である。
まず現代資本主義の主要な特徴についての簡単な描写を提示し、
次いで社会的敵対性への反作用において起きた反動現象(とくにポピュリスト的な叛乱)に焦点を絞り込んで、
そこでヘゲモニーを握っているイデオロギーの輪郭にラフな描写を与えることにしよう。
後半では、二つの大きな解放運動である〈アラブの春〉と〈ウォール街占拠運動〉を論じ、
システムの機能強化をもたらすことなくシステムと闘うにはどうしたらよいのかという難問に立ち向かうことにする。 (…)
どの「真実」が、グローバルな資本主義との関係で、今日、述べられねばならないのか?
著者について
スラヴォイ・ジジェク
1949年、スロヴァニア生まれ。
リュブリアナ大学社会学研究所上級研究員、ロンドン大学バークベック校国際ディレクター。
ラカン派マルクス主義者として現代政治、哲学、精神分析、文化批評など多彩な活動をつづける。
翻訳された著書に、『終焉の時代を生きる』(国文社)、『ポストモダンの共産主義』(ちくま新書)、
『パララックス・ヴュー』(作品社)、『大義を忘れるな』『暴力』(ともに青土社)、
『ロベスピエール/毛沢東』(河出文庫)など多数。
長原 豊
1952年、富山県生まれ。法政大学経済学部教授。
著書に『天皇制国家と農民』(日本経済評論社)、『われら瑕疵ある者たち』(青土社)、
訳書にジジェク『迫り来る革命』(岩波書店)、『器官なき身体』(河出書房新社)、
バディウ『ワーグナー論』、ジェイムソン『ヘーゲル変奏』(ともに青土社)など多数。
1949年、スロヴァニア生まれ。
リュブリアナ大学社会学研究所上級研究員、ロンドン大学バークベック校国際ディレクター。
ラカン派マルクス主義者として現代政治、哲学、精神分析、文化批評など多彩な活動をつづける。
翻訳された著書に、『終焉の時代を生きる』(国文社)、『ポストモダンの共産主義』(ちくま新書)、
『パララックス・ヴュー』(作品社)、『大義を忘れるな』『暴力』(ともに青土社)、
『ロベスピエール/毛沢東』(河出文庫)など多数。
長原 豊
1952年、富山県生まれ。法政大学経済学部教授。
著書に『天皇制国家と農民』(日本経済評論社)、『われら瑕疵ある者たち』(青土社)、
訳書にジジェク『迫り来る革命』(岩波書店)、『器官なき身体』(河出書房新社)、
バディウ『ワーグナー論』、ジェイムソン『ヘーゲル変奏』(ともに青土社)など多数。
登録情報
- 出版社 : 航思社 (2013/5/31)
- 発売日 : 2013/5/31
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 272ページ
- ISBN-10 : 4906738036
- ISBN-13 : 978-4906738038
- 寸法 : 2.6 x 13 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,157,527位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 127,900位ノンフィクション (本)
- - 176,685位人文・思想 (本)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
星5つ中4.3つ
5つのうち4.3つ
3グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2017年6月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
何時ものジジェク節が痛快に炸裂する好著。2011年は日本でもそうだが、世界のあちこちで民衆の叛逆の狼煙が上げられた年。『バットマン』ダークナイト三部作の分析に始まる本書では、解放を求め、革命的暴力(昔とは大分違う、新たな形態のものではあるが)を行使し、人民の祝祭が歓喜と興奮と共に享受されたあの年を、我々はどう捉えれば良いのか?と云うテーマが、当時の諸々の事象(フィクションでは他に『ザ・ワイヤー』や『コリオレイナス(英雄の証明』が取り上げられている)を縦横無尽に分析して論じられている。ジジェク自身が訛りの強い英語で、盛んに身振り手振りを繰り返し乍らウォール街占拠運動の場で演説した映像は今でもYoutubeで観ることが出来るが、この叛乱の不定な開放性に耐えてこの民主主義を求める流れを持続させて行くにはどうすべきか、あれやこれやと逆説とアイロニーに満ちた洞察がぶち撒けられていて、毎度のことながらひねくれたレトリックが多少理解出来なくとも、何となく最後まで読めてしまう。余りすっきりした読後感の残る本ではないが、「そのモヤモヤを抱え続けた儘闘え!」と言われている様な気もしないでもない。
2013年7月20日に日本でレビュー済み
日本にとって、2012年が「危うく夢見た一年」だった。
脱原発を求める市民運動がかつてない勢いを見せ、デモで政治は変わると誰もが夢見た。
しかし、2012年の末、その夢から醒めるような出来事が起きた。言うまでもなく、野田佳彦首相(当時)による解散総選挙と、その結果としての第二次安倍晋三内閣の生誕に他ならない。
安倍内閣は現在のところ、経済政策にウェイトを置いた政権運営を進めているが、参院選では原発再稼働を表明し更には憲法改正をも訴えている。
リベラル派にとって壊滅的なのは、それらの政策を有権者が支持しているということである。原発再稼働をあれだけ批判していたかつての運動はもはや見る影もなく、かつて夢を見ていた知識人らの白痴が曝け出された。
それだけでは無い。現下、日本の政治状況においてリベラルが安心できる要素など何一つ無い。軍拡と恫喝を続ける中国。草の根レベルで決定的に感情が悪化している韓国。対話の道を閉ざしながら暴走を続ける北朝鮮。リベラルの出る幕はどこにも無いかのように見える。
そういった政治状況の中で、ジジェクを読むことに何の意味があるのか。この本を買おうと思っている人にとっての疑問はそこに行きつくだろう。ジジェクは語る
現代において人々が抱えている不満はシステムとしての資本主義に向けられている。問題はシステムそのものであり、個別のその腐敗体系ではない。現代で複数政党制度に基づく代議制民主主義がとる形態では、資本主義的過剰に対処することができない。言い換えれば、民主主義は発案しなおされねばならないということである。(本書、p.183)
果たして、発案され直した民主主義が必要な程までに、世界は不安定になりつつある。ジジェクによれば「確かなことは、既存のシステムがそれ自身を無期限に再生産できないということだけ」である。
システムが既に臨界点を迎えているということはわが国においては受け入れられやすいかもしれない。あらゆる社会機構が行き詰まりを見せる中、安倍内閣が選んだ政策は「国家社会主義」とも揶揄される大規模な財政出動だったが、これは資本主義システムの危機的な要素を自民党が「器官」(政府)として「身体」(国体)に働きかけたと見るべきではないか。そしてそれは上手にいっているかのように見える。リベラル派が失敗したのは、器官を変えれば身体も一気に変わると思い込んでいたことに他ならない。更に踏み込んで言うなら、民主党への政権交代のあまりに酷い失敗もこの誤謬が原因である。
レイシズムが蔓延り、候補者への物理的暴力が振るわれ、ネット上では罵詈雑言が飛び交う中、どこかに救いはあるのだろうか。民主主義はその腐りきった自身を果たして再生させることができるのだろうか。ジジェクの解答はこの危機的状況が「窮地の基本的な座標軸を急速に変える可能性がある」というものである。
左派がかつて夢見た新たな社会は完全に潰え、崩壊した。「社会を変えるには」と言って街頭に飛び出した市民を待ち受けていたのは限りない罵詈雑言と無視、そして自らの生活だけを考えることに必死な人々の醒めた視線だった。夢を見ていたのはほんの一部の人間だったのである。
ならば今、その夢が何だったのか。そして今の状況が何に依拠しているのかを考える必要がある。この本は、ジジェクの著作の中では比較的分かりやすい。普段、欧米メディアの海外ニュースに慣らされている日本人にとっては新しい視点を提供してくれるだろう。ここには明確な解答は無い。しかし、読者に新たな視点を提供し、「認知図」のオルタナティブを提供する上では間違いなく抜群に面白い。エジプト革命が喜劇とも言うべき結末を迎えようとする中であっても、本書は未だに有効である。そして、それがスラヴォイ・ジジェクの凄まじさを証明している。
脱原発を求める市民運動がかつてない勢いを見せ、デモで政治は変わると誰もが夢見た。
しかし、2012年の末、その夢から醒めるような出来事が起きた。言うまでもなく、野田佳彦首相(当時)による解散総選挙と、その結果としての第二次安倍晋三内閣の生誕に他ならない。
安倍内閣は現在のところ、経済政策にウェイトを置いた政権運営を進めているが、参院選では原発再稼働を表明し更には憲法改正をも訴えている。
リベラル派にとって壊滅的なのは、それらの政策を有権者が支持しているということである。原発再稼働をあれだけ批判していたかつての運動はもはや見る影もなく、かつて夢を見ていた知識人らの白痴が曝け出された。
それだけでは無い。現下、日本の政治状況においてリベラルが安心できる要素など何一つ無い。軍拡と恫喝を続ける中国。草の根レベルで決定的に感情が悪化している韓国。対話の道を閉ざしながら暴走を続ける北朝鮮。リベラルの出る幕はどこにも無いかのように見える。
そういった政治状況の中で、ジジェクを読むことに何の意味があるのか。この本を買おうと思っている人にとっての疑問はそこに行きつくだろう。ジジェクは語る
現代において人々が抱えている不満はシステムとしての資本主義に向けられている。問題はシステムそのものであり、個別のその腐敗体系ではない。現代で複数政党制度に基づく代議制民主主義がとる形態では、資本主義的過剰に対処することができない。言い換えれば、民主主義は発案しなおされねばならないということである。(本書、p.183)
果たして、発案され直した民主主義が必要な程までに、世界は不安定になりつつある。ジジェクによれば「確かなことは、既存のシステムがそれ自身を無期限に再生産できないということだけ」である。
システムが既に臨界点を迎えているということはわが国においては受け入れられやすいかもしれない。あらゆる社会機構が行き詰まりを見せる中、安倍内閣が選んだ政策は「国家社会主義」とも揶揄される大規模な財政出動だったが、これは資本主義システムの危機的な要素を自民党が「器官」(政府)として「身体」(国体)に働きかけたと見るべきではないか。そしてそれは上手にいっているかのように見える。リベラル派が失敗したのは、器官を変えれば身体も一気に変わると思い込んでいたことに他ならない。更に踏み込んで言うなら、民主党への政権交代のあまりに酷い失敗もこの誤謬が原因である。
レイシズムが蔓延り、候補者への物理的暴力が振るわれ、ネット上では罵詈雑言が飛び交う中、どこかに救いはあるのだろうか。民主主義はその腐りきった自身を果たして再生させることができるのだろうか。ジジェクの解答はこの危機的状況が「窮地の基本的な座標軸を急速に変える可能性がある」というものである。
左派がかつて夢見た新たな社会は完全に潰え、崩壊した。「社会を変えるには」と言って街頭に飛び出した市民を待ち受けていたのは限りない罵詈雑言と無視、そして自らの生活だけを考えることに必死な人々の醒めた視線だった。夢を見ていたのはほんの一部の人間だったのである。
ならば今、その夢が何だったのか。そして今の状況が何に依拠しているのかを考える必要がある。この本は、ジジェクの著作の中では比較的分かりやすい。普段、欧米メディアの海外ニュースに慣らされている日本人にとっては新しい視点を提供してくれるだろう。ここには明確な解答は無い。しかし、読者に新たな視点を提供し、「認知図」のオルタナティブを提供する上では間違いなく抜群に面白い。エジプト革命が喜劇とも言うべき結末を迎えようとする中であっても、本書は未だに有効である。そして、それがスラヴォイ・ジジェクの凄まじさを証明している。
2014年1月8日に日本でレビュー済み
デモやオキュパイについて書かれた本はたくさんありますが、この本も必読です。非常に興味深く読めました。