昭和で最も偉大なスーパースターの石原裕次郎の存在を知って、数年が経ちますが、兄の慎太郎が書いたこの作品は、読まないと人生大損というようなある種の強迫観念のような気分で読みましたが、一気に読めたわけではなく、集中力がなく、読書があまり好きになれない私には少しずつ、何年もかけて読みました。そして、今日の深夜に読み終わりました。
慎太郎の記憶力が素晴らしい。鮮明に裕次郎とのエピソードを記憶していて、細かくセリフから何から書かれているから、頭がいい人だなという印象が残った。また、文章の書き方も、味があり、個性的というか、さすが、芥川賞を最年少で受賞しただけあるなと思いました。文章の書き方などは非常に勉強になりました。興味深かったです。学べるものがあります。
私は裕次郎さんの魅力に取りつかれてしまいました。私は1994年生まれで、今年29歳で昭和の大スターなぞ、全く知らなかったのです。まさに、裕次郎はたくさんの人にとって『太陽』のような存在だったことは間違いないでしょう。
石原兄弟のような人生は非常に稀ですよね。運がよかった。全ては運。たまたま。という考え方はあまり好きではないのですが、実際はそうなんですよ。人生は運である。運が10割。裕次郎も運がよかっただけ。大スターになれたのはたまたま。自分が裕次郎に生まれていたかもしれない。輪廻転生があるとすれば、裕次郎みたいな大当たりの人生もあるのですから、人生捨てたもんじゃないなと思います。この星には78億人くらいの様々な人生が営まれていますが、戦争で戦死する人生や、ホームレスでその日の食事にすら困る人もいるわけだから、人生は平等ではないですよね。裕次郎は、病苦に苛まれたが、大スターとしての人生を歩めたので、幸せな方だったのかも。ただ、自分の人生は裕次郎みたいな大スターには絶対になれないけれど、日々、好きなだけ音楽を聞けたり、まあまあ幸せですね。3か月前までは〇にたいという希死念慮が凄くて、苦しみまくったけれど、苦しんだ分、神様はご褒美くれる、幸せをくれるということは間違いない。
何かを得れば、何かを失う。裕次郎に子供ができなかったのも、大スターになれた代わりに、名声を手に入れた代わりに、何かを失うという神様の手腕によるものなのかなと思った。良いことと悪いことは表裏一体ですからね。良いことが起きれば起きるほど、何かで嫌な思いをするのがこの世の、人生の真理なのかなと思っています。
どんなに成功しても、大スターになっても、人生の苦しみからは逃れられない。裕次郎は、最期は苦しみぬいた。人生で苦しまない人なんているわけがない。
裕次郎がご臨終したときに、慎太郎が窓のブラインドを開けて、明るい陽射しと風が入ってきて、裕次郎は深夜ではなく、この明るい陽射しと共に、風と共に、愛したヨットで天国へと旅立った
のだなというような意味の文章に、慎太郎の文才が垣間見える。美しい描写だなと思いました。
裕次郎が亡くなって、窓のブラインドを開けて、日差しが入ってくる。裕次郎の顔も日差しにより、明るく照らされたことでしょう。感動のシーンだなと思った。
人間の「死」にすごく、感動を覚えるんです。
「苦しみの人生を頑張って生き抜いたんだ。そして、それらから解放され、もっと素晴らしい世界へと旅立ったんだ。」って、感動する。がんばって生き抜いたその生き様に。
裕次郎の激動の人生を思い出しながら、亡くなったという事実に、「本当に頑張りましたね。戦い抜きましたね。お疲れ様です。」と涙を流し、称える。感動してしまうんです。
まき子夫人や慎太郎などが黒い服を着て、とても悲しそうな表情で、裕次郎の死を受け止めている場面に、とても感情移入して、何度も涙を流しました。
裕次郎も慎太郎ももう、永眠し、天国へと旅立ちましたが、幸せになっていることを想像します。
様々な病に戦い抜いている裕次郎の姿が描かれていて、戦っている、苦しんでいるということに物凄い価値を感じました。私は、今、人生は苦痛すら、有難い。報酬なのかなと悟りました。苦しみたくないけれど、苦しんでいる自分に価値と尊さを感じるんです。
もし、天国が苦しみがあまりない世界なら、今のうちに苦しみは経験していたいです。あまり多く経験はしたくないけれど、苦しみが人としての器を成長させるのだから、苦しみにはとても価値がある。
苦しみぬいている自分はとてもスゴイ。尊い。価値がある。素晴らしい。
そういう心構えでいけば、嫌でも苦痛のあるこの人生を少しは喜びや生きがいを感じながら、過ごせそうで。苦しみ=喜び というところまでの境涯になりたいです。
裕次郎さんの人生はとても感動的なものだった。
自分もレベルや影響力は違うが、人生の価値というものはどれだけ成功したかではなく、どれだけ幸福感を感じ、幸せだったかで計りたい。
どれだけ成功しているかということで人生の価値を判断してしまうと、ほとんどの人が不満な人生になってしまう。
自分は人生の価値を、どれだけ幸福であり、どれだけ苦しんだかということで価値を定めたいと少し考えています。
話が脱線しすぎてしまいました。裕次郎は大スターで幸せ者だって思っても、彼なりの苦労や苦痛は間違いなくあったんですよ。成功したらしただけの苦痛が待っている。どんな人にも苦痛はあるんです。地位や名声は関係ない。みんな苦しいんです。生きるのに。
裕次郎の闘病でそれが分かり、救われました。私の人生も、苦痛はありました。希死念慮が。でも、裕次郎も苦しんでいた。あんな偉大なスターでも。自分一人だけが苦しいんじゃないんだって。励まされました。
たまに、夢に裕次郎が出てきます。どんな夢を見るのか毎回、寝るのが楽しみなのですが、裕次郎はきっと、天国で幸せに暮らしている。
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弟 単行本 – 1996/7/12
石原 慎太郎
(著)
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- 本の長さ388ページ
- 言語日本語
- 出版社幻冬舎
- 発売日1996/7/12
- ISBN-104877281193
- ISBN-13978-4877281199
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
小樽、湘南の少年時代。海との結合。父の死と経済的逼迫。放蕩の季節を経て、一躍映画界のスターへ。そして栄光と比例するように襲いかかる病魔との闘いの日々。たった一人の弟の光と影に秘められた知られざる生涯。
登録情報
- 出版社 : 幻冬舎 (1996/7/12)
- 発売日 : 1996/7/12
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 388ページ
- ISBN-10 : 4877281193
- ISBN-13 : 978-4877281199
- Amazon 売れ筋ランキング: - 151,703位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 3,720位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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1932年神戸市生まれ。一橋大学卒。55年、大学在学中に執筆した「太陽の季節」で第一回文學界新人賞を、翌年芥川賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 オンリー・イエスタディ (ISBN-13: 978-4344414501 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年8月25日に日本でレビュー済み
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2023年11月5日に日本でレビュー済み
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私達の世代からすれば石原裕次郎はもはや過去の人間であり、なかなかその人生に関心を持てないように思う(そもそも知らないかもしれない)。▼しかし、本書は、「太陽の季節」よろしくあの世代の青春を語りながら、そのあまりにも壮絶な病との闘いを描くことを通じて、私達の世代すら引き込む力を持つ。▼若いころからヨットを乗り回し、交友関係も充実した彼らの人生は、客観的に見たら恵まれた人生であり、やっかみを買うものであるし、現にそのような記述も混じっている。ただし、石原裕次郎についての圧倒的かつ壮絶な描写を前に、やっかむ気持ちも吹き飛ぶほどのすごい本である。
2023年11月11日に日本でレビュー済み
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石原信太郎の人間性が如実に表現されてます。一読の価値大いにあり。
2015年4月6日に日本でレビュー済み
非常に読みづらい。著者にもその弟にも思い入れがない為、兄の異常なオカルティスト振りだけが鼻についた。
2023年8月6日に日本でレビュー済み
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裕次郎さんが慎太郎さんに、養子を貰おうとしたエピソードが、とくに印象に残った。結婚して、子どもを授かるだけが、すべてではないのだろうが……。
それにしても、二人のうちどちらかが欠けていても、これほど有名な二人にはならなかった。
それにしても、二人のうちどちらかが欠けていても、これほど有名な二人にはならなかった。
2023年4月4日に日本でレビュー済み
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全国的に有名人となった二人の深い兄弟愛に感動しました。
2022年9月3日に日本でレビュー済み
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石原慎太郎さんの人柄、裕次郎さんとの兄弟の絆。どんどん引き込まれました。
2022年6月6日に日本でレビュー済み
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石原慎太郎さんの本を読んだことないので購入してみました。
石原裕次郎と兄弟の話なのでファンじゃないかたは読んでもつまらないかもしれません。
石原裕次郎と兄弟の話なのでファンじゃないかたは読んでもつまらないかもしれません。