「僕のヒコーキ雲」や「マダムと奥様」などに続く、日記ベースのエッセイ集。
期間は2012年12月から2014年3月まで。
この時期の著者の暮らしぶりは、パリと東京の往来が多く、
それをパリは工房であり、独りで創作活動に勤しむところ。
その対比で、東京は舞台であり、
創作物を具現化(ライブ、映画化、舞台化などに)するために様々な人と会い、
目まぐるしく動くところと位置付けている。
この視点で読んでいくと、なるほどなぁと得心する。
出版時期が、かの離婚騒動直後であり、やや商業主義な匂いも否めないし、
タイトルが逆手にとったような「不屈」という名前であることにも、当初は唸るところもあったが、
現在タイタンに所属し、メディアにも多数出演し、
「シングルファザー作家」というスタンスを確立しようとしているところに、
往来からのファンは、暖かなまなざしで見守っていこうと思う。
それにしても、今のビジュアルへの変貌ぶりは、
10代の頃、エコーズを聞いていたファンには想像もできなかったが、
このエッセイは、彼の日常における「闘いっぷり」がこれでもかというくらいに綴られている。
かつて、尾崎豊は「生きることとは日々を告白することである」と云っていた。
その意味で、このエッセイは、
まさしくロックンローラー辻仁成の「まだまだ突っ走っていきます宣言」に他ならない。
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不屈 単行本(ソフトカバー) – 2014/7/24
辻仁成
(著)
小説、映画、ロック、演劇、パリの生活、そして、息子とのこと...2012年10月から2014年7月まで、作家・辻仁成がくじけないため、そして、毎日、自分を鼓舞するために書き続けてきた日記の一部をまとめたエッセイ集です。
- 本の長さ318ページ
- 言語日本語
- 出版社キノブックス
- 発売日2014/7/24
- ISBN-104908059004
- ISBN-13978-4908059001
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商品の説明
著者について
辻仁成 (つじ・ひとなり) 東京都生まれ。1989年『ピアニシモ』ですばる文学賞を受賞、作家デビュー。'97年『海峡の光』で芥川賞、'99年『白仏』のフランス語翻訳版『Le Bouddha blanc』で、仏フェミナ賞・外国小説賞を日本人として初めて受賞。著書に『太陽待ち』『サヨナライツカ』『右岸』『クロエとエンゾー』『永遠者』などがある。詩人、ミュージシャン、映画監督、演出家としても活躍。現在は拠点をフランスにおき、創作に取り組む。
登録情報
- 出版社 : キノブックス (2014/7/24)
- 発売日 : 2014/7/24
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 318ページ
- ISBN-10 : 4908059004
- ISBN-13 : 978-4908059001
- Amazon 売れ筋ランキング: - 522,959位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 15,796位エッセー・随筆 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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東京生まれ。
89年「ピアニシモ」ですばる文学賞を受賞し、作家デビュー。97年「海峡の光」で第116回芥川賞、99年「白仏」の仏翻訳語版「Le Bouddlha blan」で、仏フェミナ賞・1999年外国小説賞を日本人としては初めて受賞。
文学以外の分野でも幅広く活動している。監督・脚本・音楽を手がけた映画「千年旅人」「ほとけ」「フィラメント」「ACACIA」でも注目を集め、メディアの垣根を越えたその多岐にわたる活躍は、今、もっとも注目されている。2003年より渡仏。現在はフランスを拠点に創作活動を続けている。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年11月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
パリでの日常、日本での仕事。
2つの国を往き来する生活の日記エッセイ。
辻仁成という人のポリシーが伝わってくる。
その、軸ぶれのないポリシーに感心や共感ができる。
が、軸ぶれがない分、ちょっとお腹いっぱい。
小説の辻仁成よりも、読み進めるのに時間がかかった。
2つの国を往き来する生活の日記エッセイ。
辻仁成という人のポリシーが伝わってくる。
その、軸ぶれのないポリシーに感心や共感ができる。
が、軸ぶれがない分、ちょっとお腹いっぱい。
小説の辻仁成よりも、読み進めるのに時間がかかった。
2019年10月12日に日本でレビュー済み
辻仁成のwebエッセイが好きで読み始めた。50代前半時のエッセイで子供の成長や小説や教授職、監督業についてと多岐に渡り面白い。
その一方で当時の奥さん──中山美穂の記述が極端に少ない。彼女に頼まれていたかもしれないが…
忙しく立ち働く夫を前に表現者中山美穂も焦れたのかもしれない。
若い恋人と出ていった彼女を悪く思ったものだが、夫婦の数だけドラマがあるのだなと今は思う。
その一方で当時の奥さん──中山美穂の記述が極端に少ない。彼女に頼まれていたかもしれないが…
忙しく立ち働く夫を前に表現者中山美穂も焦れたのかもしれない。
若い恋人と出ていった彼女を悪く思ったものだが、夫婦の数だけドラマがあるのだなと今は思う。