著者は故ダイアナ妃のセラピストであり、親友の一人である。
その親交は、王室時代から、1997年8月31日の自動車事故に至るまで続いていました。
驚くべきことに、ダイアナは
「自分は決して長生きしないだろう」
「不自然な死に方をするだろう」
といった、死の予感をよく語っていたといいます。
また、《クレオパトラのような人》という比喩に対して肯定し、
「彼女たちって、みんな殺されてしまったでしょう？」とも応えたそうです。
ダイアナにそういった「第６感」の、存在や影響を手ほどきした人物こそ、本書の著者 シモーヌです。
著者自身、幼い頃から不思議な力を宿しており、
その能力によりヒーリングすることを生業としています。
そのような「第６感」を通じた付き合いの中から、
ダイアナにも不思議な感覚を伝授していきました。
著者による回顧録からうかがい知れるダイアナの真実は、当たり前ではありますが、あまりに人間的です…
本能的と言い換えてもいいかも知れません。
生前、著者はダイアナにこう言われて、本書を記すことにしたといいます。
「シモーヌ、もし私に何かあったら、真実を語って」
「真実」の中にはセラピストとしての、判断材料になりそうな事柄も多くありました。
過食症、腸内洗浄を繰り返し弱った身体、容姿におけるコンプレックス、生まれ育った家族の背景…
華々しいダイアナ像しか知らなかったので、どれも痛々しく感じました。
また、親友として語られたであろう「真実」も生々しく記されています。
皇太子の生活の裏側、宮殿内の不道徳の連鎖、私文書の公表、等
英王室の信頼に影響を及ぼしかねない話まで種々多様に語られています。
勿論すべてを鵜呑みにする訳ではありませんが、
そこには、ヒトの本能の醜い側面がふんだんに盛り込まれています。
正直、ここまでの「真実」の告白を望んでいたのかは疑問ですが、
ダイアナという存在が、英王室という体制に一石を投じたことは間違いなさそうです…
いずれ訪れるであろう ダイアナの実子、ウイリアム王子の国王即位。
そこにダイアナの想いがどれだけ反映されるのでしょう…
ダイアナの遺した、身体と心のＤＮＡの行方は如何に。
その時こそ、この本の真価が問われるのではないでしょうか。
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