QEDシリーズ、本作の舞台は鎌倉です。
鎌倉には土地勘があるのでいろいろ楽しめました。
一方で知らない話も多く、勉強になりました。
鎌倉の名水は鎌倉の水がまずかったから評価された、というのは
目から鱗が落ちた気がしましたね。
砂金はあまりなさそうですが
(だからこそ、奥州の金に目をつけたのでしょうし)、
稲村ヶ崎の砂鉄は有名ですね。
洗って金は得られなくても、
少なくとも鉄(くろがね)得られそうです。
それが”かね”沢だったり”かね”川だったりしたのかもしれません。
頼朝が立場が弱かったのは分かっていたつもりですが、
そこまでいくと哀れを催してきました。
自分勝手な弟を粛正したのは身を守るためだったのですね。
その歴史の新解釈は非常に興味深く楽しめましたが、
事件の謎解きの方は…、
狂気の人が病的な思考で無茶な事件を起こすよりは
ずっとマシな展開ではありましたが、
背景を頼朝と北條一族になぞらえたといわれても
あまり歴史解説との結びつきにピンと来るものがなく、
その点は残念でした。
ただ、鎌倉の歴史に新たな視点が得られることだけは受け合いです。
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QED~ventus~〈鎌倉の闇〉 (講談社文庫) 文庫 – 2007/9/14
高田 崇史
(著)
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闇に浮かぶ、源三代にまつわる謎の解!
「神は三種類に分類される。まず第一が、大自然。次は祖霊(それい)。最後は、時の朝廷に対して戦い、恨みを呑んで亡くなっていった人々」。銭洗弁天、鶴岡八幡宮、御霊神社……鎌倉をそぞろ歩く奈々、沙織の棚旗姉妹に、桑原崇が説く、源三代にまつわる謎の答えが、そのとき密室で起こった社長失踪事件をも解き明かす!
「神は三種類に分類される。まず第一が、大自然。次は祖霊(それい)。最後は、時の朝廷に対して戦い、恨みを呑んで亡くなっていった人々」。銭洗弁天、鶴岡八幡宮、御霊神社……鎌倉をそぞろ歩く奈々、沙織の棚旗姉妹に、桑原崇が説く、源三代にまつわる謎の答えが、そのとき密室で起こった社長失踪事件をも解き明かす!
- 本の長さ326ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2007/9/14
- ISBN-104062758210
- ISBN-13978-4062758215
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2007/9/14)
- 発売日 : 2007/9/14
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 326ページ
- ISBN-10 : 4062758210
- ISBN-13 : 978-4062758215
- Amazon 売れ筋ランキング: - 415,175位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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著者について
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昭和33年東京都生まれ。明治薬科大学卒。『QED 百人一首の呪』(講談社ノベルス)で、第9回メフィスト賞を受賞しデビュー(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『鬼神伝』(ISBN-10:4061827359)が刊行された当時に掲載されていたものです)
-
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上位レビュー、対象国: 日本
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2019年4月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2012年11月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
前の巻から登場した歴史好きで雑誌編集者の妹沙織とともに、鎌倉探訪に出かける奈々。鎌倉のガイド記事を書くためという名目で、博覧強記のタタルがかり出されて案内役になります。鎌倉のすみずみまで歴史と民俗学の地層を掘り下げきる、「アースダイバー」的なタタルの解説があいかわらず読者を震撼させます。
一方で稲村モールドという会社の中での殺人、社長の失踪事件が起き、いつものようにジャーナリストの小松崎がこれを追ってゆきます。
QEDシリーズの定番である、現代の事件と歴史の暗部の壮大なパノラマの絡ませ方が、直前の二作「竹取伝説」「龍馬暗殺」ではいまひとつでしたが、今作では新たなスタンスが見いだされたと思います。
鎌倉という地の歴史、砂鉄のとれる稲村ヶ崎、たたらの一族、弁財天伝説の真実など、この地の支配攻防の末に、幕府を開いた流人頼朝。しかし北条氏一族の傀儡でもあった危うさと悲劇性が三代目の公曉にいたるまで、タタルの説によって明らかにされます。
その頼朝像と、現代の社長、竜願寺の像がはからずもメタフォアのように重なるのです。直接には関わりはないものの、こういう「事件の置き方」を作者は今回、見いだしたのだなと思いました。そして頼朝像のほうもそれによって、単なる歴史知識ではない、深い陰翳を与えられた気がします。
表面の現代の事件の謎解きよりも、むしろそれに照らし返されることで、相乗的に鎌倉という土地の存在感自体が大きく立ち上がった、そんな思いがあります。もちろんその逆も同時に存在し、いつの世も変わらぬ支配者の宿命のようなものを、現代の小さな事件もになわされます。
この一冊を持って、一日、ぜひ「鎌倉」をめぐってみたいと思います。
一方で稲村モールドという会社の中での殺人、社長の失踪事件が起き、いつものようにジャーナリストの小松崎がこれを追ってゆきます。
QEDシリーズの定番である、現代の事件と歴史の暗部の壮大なパノラマの絡ませ方が、直前の二作「竹取伝説」「龍馬暗殺」ではいまひとつでしたが、今作では新たなスタンスが見いだされたと思います。
鎌倉という地の歴史、砂鉄のとれる稲村ヶ崎、たたらの一族、弁財天伝説の真実など、この地の支配攻防の末に、幕府を開いた流人頼朝。しかし北条氏一族の傀儡でもあった危うさと悲劇性が三代目の公曉にいたるまで、タタルの説によって明らかにされます。
その頼朝像と、現代の社長、竜願寺の像がはからずもメタフォアのように重なるのです。直接には関わりはないものの、こういう「事件の置き方」を作者は今回、見いだしたのだなと思いました。そして頼朝像のほうもそれによって、単なる歴史知識ではない、深い陰翳を与えられた気がします。
表面の現代の事件の謎解きよりも、むしろそれに照らし返されることで、相乗的に鎌倉という土地の存在感自体が大きく立ち上がった、そんな思いがあります。もちろんその逆も同時に存在し、いつの世も変わらぬ支配者の宿命のようなものを、現代の小さな事件もになわされます。
この一冊を持って、一日、ぜひ「鎌倉」をめぐってみたいと思います。
2023年1月27日に日本でレビュー済み
あいかわらず「目からウロコ」が落ちた方が多いことに驚く。こういった方はSF小説を読んだらタイムトラベルやワープ航法が可能だと信じてしまうのだろうか。
QEDシリーズはあくまでエンターテインメントであって、歴史の真実を書いている訳では無い。嘘っぱちは言いすぎだが、面白くするために書いてないことや誤魔化していることがいくらでもある。
今回の話で言えば頼朝の墓について、それが1779年までなかったと書いてあり、頼朝が傀儡であった証拠だと言っている。これ自体は事実かもしれないが、さてでは「目からウロコ」が落ちた人は、同時代の北条義時や泰時の墓はどうだったのか気にならないのだろうか。さぞ立派な墓が建っているだろうと気にならないのだろうか。
実は大河ドラマの主人公となった北条義時の墓も2005年になるまで見つかっていなかった。吾妻鏡に「頼朝の墓の近く」に埋葬されたとあるが、その遺構が発見(と言うか推定)されたのが2005年。この本の初版発行が2004年。つまり頼朝の墓がどうのこうのと言っているが、その時点で義時の墓はどこにあるのかさえ分からない状態であったのである。現在は頼朝の墓と併せて国指定史跡になっている。
1779年に島津に再建された頼朝よりよっぽど酷い。
つぎに義時の息子、泰時はどうだったかと言うと、こちらは情勢が落ち着いたのか墓は確認されている。だが調べて見ればわかるが、ただの古い墓石で近頃の霊園のお墓の方がよっぽど大きい。
このことからどう言ったことが考えられるか。
泰時の墓の隣には臨済宗僧侶の墓がならんでおり、はっきりとはしないが臨済宗の影響はあったと思われる。浄土宗や浄土真宗では「死後は阿弥陀様のもとで極楽浄土にいる」と説くが、禅宗は基本的に「死後はどうなのか考えても仕方ないから、生きているうちに悟りに近づこう」と言うのが考えである。死は避けられないものであるのでもちろん墓はあるが、死後を大事に扱う浄土宗とは大きく違う。
源頼朝だけでなく、北条氏もそうだったとすれば、当時の鎌倉では墓というものに重きを置いてなかったと考える方が正しくはないだろうか。
作者が言うように頼朝の墓がなかったのが冷遇されたためであれば、北条氏の権力を確立させた義時・泰時の墓がこんな状態なのはなぜか。平等院鳳凰堂なみの寺でも立てていれば作者の説も成り立つが、頼朝と同じような扱いであれば全く説得力がない。
当然作者も北条義時の墓のことは知っていたはずである。頼朝の墓を知っていて義時の墓を知らないなどありえない。基本的に「頼朝の墓の近く」であることは吾妻鏡に記載されているし、推定されたあとは同一の史跡として取り扱われている。
しかしエンターテインメントであるのだから書く必要はない。歴史書ではないのでそれが正しいかどうかは問題じゃない。作者はそういうスタンスでQEDシリーズを書いていると思う。
QEDは好きなシリーズだが、読者に「これが真実」だと思わせるところは気になる。エンターテインメントであって真実では無いのだけど。
タタルが言うことを全て真実だと思って調べもしないし疑問にも思わないのであれば、歴史の真実は遠のくばかりだと思う。
QEDシリーズはあくまでエンターテインメントであって、歴史の真実を書いている訳では無い。嘘っぱちは言いすぎだが、面白くするために書いてないことや誤魔化していることがいくらでもある。
今回の話で言えば頼朝の墓について、それが1779年までなかったと書いてあり、頼朝が傀儡であった証拠だと言っている。これ自体は事実かもしれないが、さてでは「目からウロコ」が落ちた人は、同時代の北条義時や泰時の墓はどうだったのか気にならないのだろうか。さぞ立派な墓が建っているだろうと気にならないのだろうか。
実は大河ドラマの主人公となった北条義時の墓も2005年になるまで見つかっていなかった。吾妻鏡に「頼朝の墓の近く」に埋葬されたとあるが、その遺構が発見(と言うか推定)されたのが2005年。この本の初版発行が2004年。つまり頼朝の墓がどうのこうのと言っているが、その時点で義時の墓はどこにあるのかさえ分からない状態であったのである。現在は頼朝の墓と併せて国指定史跡になっている。
1779年に島津に再建された頼朝よりよっぽど酷い。
つぎに義時の息子、泰時はどうだったかと言うと、こちらは情勢が落ち着いたのか墓は確認されている。だが調べて見ればわかるが、ただの古い墓石で近頃の霊園のお墓の方がよっぽど大きい。
このことからどう言ったことが考えられるか。
泰時の墓の隣には臨済宗僧侶の墓がならんでおり、はっきりとはしないが臨済宗の影響はあったと思われる。浄土宗や浄土真宗では「死後は阿弥陀様のもとで極楽浄土にいる」と説くが、禅宗は基本的に「死後はどうなのか考えても仕方ないから、生きているうちに悟りに近づこう」と言うのが考えである。死は避けられないものであるのでもちろん墓はあるが、死後を大事に扱う浄土宗とは大きく違う。
源頼朝だけでなく、北条氏もそうだったとすれば、当時の鎌倉では墓というものに重きを置いてなかったと考える方が正しくはないだろうか。
作者が言うように頼朝の墓がなかったのが冷遇されたためであれば、北条氏の権力を確立させた義時・泰時の墓がこんな状態なのはなぜか。平等院鳳凰堂なみの寺でも立てていれば作者の説も成り立つが、頼朝と同じような扱いであれば全く説得力がない。
当然作者も北条義時の墓のことは知っていたはずである。頼朝の墓を知っていて義時の墓を知らないなどありえない。基本的に「頼朝の墓の近く」であることは吾妻鏡に記載されているし、推定されたあとは同一の史跡として取り扱われている。
しかしエンターテインメントであるのだから書く必要はない。歴史書ではないのでそれが正しいかどうかは問題じゃない。作者はそういうスタンスでQEDシリーズを書いていると思う。
QEDは好きなシリーズだが、読者に「これが真実」だと思わせるところは気になる。エンターテインメントであって真実では無いのだけど。
タタルが言うことを全て真実だと思って調べもしないし疑問にも思わないのであれば、歴史の真実は遠のくばかりだと思う。
2009年11月22日に日本でレビュー済み
そこまで長々と薀蓄を語り(これはいつもの事だけど)、事件に興味が無いのなら、殺人事件を盛り込む必要も無いのでは? と正直思ってしまった。
薀蓄部分は面白いのだけど、妹の沙織がうるさい。騒がしい。恥ずかしがる奈々の気持ちがわかる。笑
新作が出たら結局読むと思いますけど、沙織がレギュラー化するのならちょっと考えるかも。彼女、歴史は詳しそうなので便利キャラとして出てくるんだろうなあ… 次も出てくるみたいだし。
まあ、奈々とタタル、小松崎だけでは話が進まなくなってきたんでしょうかね…。
薀蓄部分は面白いのだけど、妹の沙織がうるさい。騒がしい。恥ずかしがる奈々の気持ちがわかる。笑
新作が出たら結局読むと思いますけど、沙織がレギュラー化するのならちょっと考えるかも。彼女、歴史は詳しそうなので便利キャラとして出てくるんだろうなあ… 次も出てくるみたいだし。
まあ、奈々とタタル、小松崎だけでは話が進まなくなってきたんでしょうかね…。
2004年9月2日に日本でレビュー済み
薬剤師の桑原崇ことタタルが歴史の講釈をしながら、同時に事件の謎も解決する「QED」シリーズ。今回は鎌倉を舞台に、タタルと棚旗奈々、沙織の姉妹、それに小松崎の四人が、鎌倉時代の歴史の闇に踏み込んでいきます。
鎌倉時代の謎と、現実の失踪事件の謎を割合で換算すれば、8対2ぐらいかなあ。メイン・ディッシュはタタルが展開する鎌倉時代の蘊蓄で、デザートに失踪事件が差し出されるといった感じ。鎌倉のカラー地図も織り込まれていて、これはもう、歴史紀行ミステリーと言っていいんじゃないかと、そんな印象を持ちました。
鎌倉という場所に興味がある人は、「へえっ。そこにはそんな由来があったんだ」とか「ふーん。源頼朝って……そうだったんだあ」と、その地を、そして鎌倉時代を散策するように楽しむことができるのではないでしょうか。
タタルが開陳する鎌倉時代の蘊蓄はかなりマニアックで、正直、うざったく感じた部分もありました。そのマニアックな毒を薄めていたのが、沙織のキャラでした。彼女のあっけらかんとした言動は、なかなか愉快で楽しませてもらいました。
タイトルの中の「ventus」というのは、ラテン語で「風」を意味する言葉なんだそうです。歴史の持つイメージとメッセージとを掛けて、この言葉を持ってきたみたい。「QED.」(以上、証明終わり)とラテン語で繋がっているっていうのもあったかも。
鎌倉時代の謎と、現実の失踪事件の謎を割合で換算すれば、8対2ぐらいかなあ。メイン・ディッシュはタタルが展開する鎌倉時代の蘊蓄で、デザートに失踪事件が差し出されるといった感じ。鎌倉のカラー地図も織り込まれていて、これはもう、歴史紀行ミステリーと言っていいんじゃないかと、そんな印象を持ちました。
鎌倉という場所に興味がある人は、「へえっ。そこにはそんな由来があったんだ」とか「ふーん。源頼朝って……そうだったんだあ」と、その地を、そして鎌倉時代を散策するように楽しむことができるのではないでしょうか。
タタルが開陳する鎌倉時代の蘊蓄はかなりマニアックで、正直、うざったく感じた部分もありました。そのマニアックな毒を薄めていたのが、沙織のキャラでした。彼女のあっけらかんとした言動は、なかなか愉快で楽しませてもらいました。
タイトルの中の「ventus」というのは、ラテン語で「風」を意味する言葉なんだそうです。歴史の持つイメージとメッセージとを掛けて、この言葉を持ってきたみたい。「QED.」(以上、証明終わり)とラテン語で繋がっているっていうのもあったかも。
2020年8月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
推理とかミステリーとかで読むと本当につまらない。歴史は好きだが正直どうでもいい感じ話。作者うんんちく御披露目的な。思っていたのと違ったので評価は低いですが、細かい歴史が好きな人には面白いのかも。
2014年4月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
QED御一行の鎌倉案内であります。鎌倉観光の予習に再読。
逆転の視点と語呂合わせから読み解く鎌倉史の裏側は、胡散臭くもあり、もっともらしくもあり、よく調べたものだと感心はするんですが、結局、何でもかんでも北条家のせいだったというようなありがちな陰謀史観に収めてしまったのが安直で残念。
今回、事件はほんのおまけあつかいで、物語はあってなきがごとし。タタルと沙織による歴史解説がほぼ全編にわたって続きます。歴史の解説を読んで勉強した気分になれたら満足、という方でもないならお勧めしかねる内容。
逆転の視点と語呂合わせから読み解く鎌倉史の裏側は、胡散臭くもあり、もっともらしくもあり、よく調べたものだと感心はするんですが、結局、何でもかんでも北条家のせいだったというようなありがちな陰謀史観に収めてしまったのが安直で残念。
今回、事件はほんのおまけあつかいで、物語はあってなきがごとし。タタルと沙織による歴史解説がほぼ全編にわたって続きます。歴史の解説を読んで勉強した気分になれたら満足、という方でもないならお勧めしかねる内容。
2007年9月22日に日本でレビュー済み
前作の「龍馬暗殺」は、惨劇の真っ只中、徹夜で龍馬について語るという、あんまりな設定で唖然としたのですが、さすがに作者も反省したのか、本作では、現代の事件は小松崎、「鎌倉の闇」を暴くのはタタルと完全分業制になっています。で、現代の事件の真相が、タタルが語る「鎌倉の闇」の相似形となっているという構成。
「鎌倉の闇」ですが、源頼朝以下3代の鎌倉幕府の源氏将軍についてのお話。頼朝というのは、実に評価の一定しない人物。一方では、武士政権を樹立した革命的天才と評され、他方では、北条氏に操られた木偶に過ぎない、と切り捨てられる。タタルが語る頼朝像はいかに?そして「鎌倉の闇」とは何か?それがどう現在の社長失踪事件と結びつくのか?乞うご期待。
なお、前作で狂歌と川柳を取り違えるなど、細かいミスが指摘されていますが、本作でも「享年」の使い方など、歴史に詳しい方とは思えないミスがやや見受けられます・・・残念。
「鎌倉の闇」ですが、源頼朝以下3代の鎌倉幕府の源氏将軍についてのお話。頼朝というのは、実に評価の一定しない人物。一方では、武士政権を樹立した革命的天才と評され、他方では、北条氏に操られた木偶に過ぎない、と切り捨てられる。タタルが語る頼朝像はいかに?そして「鎌倉の闇」とは何か?それがどう現在の社長失踪事件と結びつくのか?乞うご期待。
なお、前作で狂歌と川柳を取り違えるなど、細かいミスが指摘されていますが、本作でも「享年」の使い方など、歴史に詳しい方とは思えないミスがやや見受けられます・・・残念。