サントリーミステリー大賞読者賞受賞作。登場人物が少ないということもあり大変シンプルで読みやすく一気に通読できました。
また、主人公羽島の息子の死因が気になっていたが最後の数ページで一気に謎が解ける。高島さんの一連の著作の中で一押しです。

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イントゥルーダー (文春文庫 た 50-1) 文庫 – 2002/3/10
高嶋 哲夫
(著)
一度も会ったことのない息子が死の淵に――。ハイテク犯罪の聖餮となった我が子よ。迫りくる異界からの浸入者に研究者は立ち向かう!
- 本の長さ377ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2002/3/10
- ISBN-104167656272
- ISBN-13978-4167656270
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2002/3/10)
- 発売日 : 2002/3/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 377ページ
- ISBN-10 : 4167656272
- ISBN-13 : 978-4167656270
- Amazon 売れ筋ランキング: - 686,536位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1949年7月7日、岡山県玉野市生まれ。慶應義塾大学工学部卒。同大学院修士課程を経て、日本原子力研究所研究員となる。1979年、日本原子力学会技術賞受賞。カリフォルニア大学に留学し、帰国後作家に転身。『帰国』で第24回北日本文学賞、『メルトダウン』で第1回小説現代推理新人賞、『イントゥルーダー』で第16回サントリーミステリー大賞の大賞・読者賞をダブル受賞。2007年、松竹映画・米ユニバーサルピクチャーズ初の共同制作で『ミッドナイトイーグル』が映画化され、日米同時公開。2010年『風をつかまえて』が第56回青少年読書感想文全国コンクールの課題図書(高等学校の部)に選定。2017年『福島第二原発の奇跡』でエネルギーフォーラム賞優秀賞を受賞。
神戸在住のため、自身が阪神・淡路大震災に被災して以降、『M8』『TSUNAMI』『東京大洪水』『富士山噴火』『巨大地震の日』『震災キャラバン』『東海・東南海・南海巨大連動地震』(全て集英社)、『アニマート』(漫画原作。週刊ヤングジャンプにて連載)、『巨大地震の後に襲ってきたこと』(宝島社)などで防災・減災に関する啓蒙を、また『世界に嗤われる日本の原発戦略』(PHP研究所)などで原子力に関するルポや意見表明を行っている。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年2月6日に日本でレビュー済み
大手コンピュータ会社副社長の身に降りかかった、突然の息子の交通事故死。
ただ息子の存在すら知らなかった過去に別れた恋人との子供だった。
息子は麻薬を使用して路上で事故にあったがこれまでの生活で麻薬に関係ありそうな事実は無かった。
調べて行くうちに関東電力の新潟県での原発にからんだ地盤、圧力容器設計捏造に関するものだった。
事件性を匂わせながらも核心部分は最後になってようやく登場し読者をいらいらさせる。挙句には自社の社長と関東電力の関係が突然出てきて突拍子も無いサスペンスになってしまった。
一般文学通算1369作品目の感想。2015/02/05 18:20(in中国・山東省・青島)
ただ息子の存在すら知らなかった過去に別れた恋人との子供だった。
息子は麻薬を使用して路上で事故にあったがこれまでの生活で麻薬に関係ありそうな事実は無かった。
調べて行くうちに関東電力の新潟県での原発にからんだ地盤、圧力容器設計捏造に関するものだった。
事件性を匂わせながらも核心部分は最後になってようやく登場し読者をいらいらさせる。挙句には自社の社長と関東電力の関係が突然出てきて突拍子も無いサスペンスになってしまった。
一般文学通算1369作品目の感想。2015/02/05 18:20(in中国・山東省・青島)
2008年6月20日に日本でレビュー済み
読後思わず初出を見たら、1999年となっている。
なんともはやこれを見て驚いた。
本作は、ITベンチャーから大企業にまで育て上げた企業パートナーの
ドラマとも、コンピュータ開発にしのぎを削る企業での開発者の姿と
も、また、我が子の存在を25年間も知らず生きてきた父とその子との
邂逅の運命とも、ま、いろんなように読めるでしょう。
しかし、その様々な人間、開発者、経営者、親子、夫婦、家族等々の
葛藤の、中心を作るのが原発の建設にあったとは。
中越地震は2004年だったんだ、と言う事実は、この小説の価値をいや増しにも増すものでしょう。
いやはやまいった。これはすごい。
なんともはやこれを見て驚いた。
本作は、ITベンチャーから大企業にまで育て上げた企業パートナーの
ドラマとも、コンピュータ開発にしのぎを削る企業での開発者の姿と
も、また、我が子の存在を25年間も知らず生きてきた父とその子との
邂逅の運命とも、ま、いろんなように読めるでしょう。
しかし、その様々な人間、開発者、経営者、親子、夫婦、家族等々の
葛藤の、中心を作るのが原発の建設にあったとは。
中越地震は2004年だったんだ、と言う事実は、この小説の価値をいや増しにも増すものでしょう。
いやはやまいった。これはすごい。
2013年9月13日に日本でレビュー済み
地震・火山・津波と日本における災害を追って本を読んで来た。その寄り道でM8、ジェミニの方舟、津波と読み進んだ。津波ではメルトダウン寸前の話が出て来て、著者の経歴には日本原子力研究所研究員を経て…、とあり、この人が原発に対してどう思っているのか、関心を持った。日本で起こる自然災害には複合災害として付き纏う原発の事を日本人はもっと知っておくべきだ。
3.11.の時、その事を一番知らなかった、知らされなかったのは日本人であった。日本に居た外国人が慌てて帰国する姿を見送る私達の心は、置いてけぼりを喰った寂しさと安全神話が無効にになった虚しさで一杯だった。
『津波』の中で自分を犠牲に追い込み日本を救った技術者の事が、3.11.の際の福島第一原発の事を改めて知りたい、と思うきっかけになった。『死の淵を見た男』のレビューを読むと『あの時、日本は、「北海道」「(人の住めない)東北関東」「西日本」に三分割されるところだったという。』と言う記述があった。東京に住んでいるが、周りの街路樹がボロボロと枯れて行った。だから、難しい事は分らなくても、命に対するナニカが行われた事は分る。
何も言わないどころか、謝罪(謝罪とは真心を込めたものを言うのだ)も無く、値上げまでしている電力会社には腹が立つが、現場で働く人達は私達と同じ様な普通の国民なのだ。そう思うと誇りがどこか宇宙の彼方へすっ飛んでしまったであろう、その人達の苦しみも分る気がする。その時、判断をした政治家と上層部は憎たらしいが!
何故、原発はいつも活断層の真上は近くに吸い寄せられた様に作られるのだろう。日本が活断層だらけなのだ、と言えばそれまでだが、それが分っていて何故建設をするのだ...増大する電気の需要を賄うため...本当にそれだけなのか?私は原発に対しては、“必要なのです!”と言われると、そうかな?、と同意に近い処で思ってしまう。反対をしている人達の話を聞くと、それも正しい姿の様な気がする。ただ、わたしの様な分らない事だらけの人間が考えあぐねている間に、世の中では運転再開の話が進んでいる様だ。
こう言う時の日本の政治家の態度はどうも解せない。他の国であれば是非論が政治の世界でも飛び交う様な気がする。それは党が変っても政治家の態度は変らない、という事が顕かになった今、政治家に何を期待せよ、と言うのだ。
、
今迄読んだ三冊とは全くピッチの違うものであった。一般の国民が漠然と感じている事をストーリーとして目の前にまざまざと描き出してくれた本だ。大企業と政治家、闇の力...これが実は本当の姿だ、とは認めたくないが、心の中では『何を今更驚いているのか?』と言う気持ちも50%はある。途中まで読んで、後ろに書かれた『…なおこの作品はフィクションで…』を思わず確認・再確認してしまった。だけど、最後に心に残ったものは、言葉さえ交わしたことの無い父親と息子の強い絆だった。
3.11.の時、その事を一番知らなかった、知らされなかったのは日本人であった。日本に居た外国人が慌てて帰国する姿を見送る私達の心は、置いてけぼりを喰った寂しさと安全神話が無効にになった虚しさで一杯だった。
『津波』の中で自分を犠牲に追い込み日本を救った技術者の事が、3.11.の際の福島第一原発の事を改めて知りたい、と思うきっかけになった。『死の淵を見た男』のレビューを読むと『あの時、日本は、「北海道」「(人の住めない)東北関東」「西日本」に三分割されるところだったという。』と言う記述があった。東京に住んでいるが、周りの街路樹がボロボロと枯れて行った。だから、難しい事は分らなくても、命に対するナニカが行われた事は分る。
何も言わないどころか、謝罪(謝罪とは真心を込めたものを言うのだ)も無く、値上げまでしている電力会社には腹が立つが、現場で働く人達は私達と同じ様な普通の国民なのだ。そう思うと誇りがどこか宇宙の彼方へすっ飛んでしまったであろう、その人達の苦しみも分る気がする。その時、判断をした政治家と上層部は憎たらしいが!
何故、原発はいつも活断層の真上は近くに吸い寄せられた様に作られるのだろう。日本が活断層だらけなのだ、と言えばそれまでだが、それが分っていて何故建設をするのだ...増大する電気の需要を賄うため...本当にそれだけなのか?私は原発に対しては、“必要なのです!”と言われると、そうかな?、と同意に近い処で思ってしまう。反対をしている人達の話を聞くと、それも正しい姿の様な気がする。ただ、わたしの様な分らない事だらけの人間が考えあぐねている間に、世の中では運転再開の話が進んでいる様だ。
こう言う時の日本の政治家の態度はどうも解せない。他の国であれば是非論が政治の世界でも飛び交う様な気がする。それは党が変っても政治家の態度は変らない、という事が顕かになった今、政治家に何を期待せよ、と言うのだ。
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今迄読んだ三冊とは全くピッチの違うものであった。一般の国民が漠然と感じている事をストーリーとして目の前にまざまざと描き出してくれた本だ。大企業と政治家、闇の力...これが実は本当の姿だ、とは認めたくないが、心の中では『何を今更驚いているのか?』と言う気持ちも50%はある。途中まで読んで、後ろに書かれた『…なおこの作品はフィクションで…』を思わず確認・再確認してしまった。だけど、最後に心に残ったものは、言葉さえ交わしたことの無い父親と息子の強い絆だった。
2009年8月24日に日本でレビュー済み
この小説には所謂「章」がなく、その代わり一日単位で物語が進んでいく面白い構成となっている。その一日がとても中身の濃い作品となっていて、読み手を引き付る要素にも感じられる。
物語はあるコンピュータ開発者の主人公に突然息子がいたと知らされたことから、この二人の関係がどのようになっているのか興味を抱かせられる。しかし、その息子は瀕死の状態であったことから謎が深まる。
一日の間にいろいろな人間が登場し、息子の周辺を巡って思わぬ展開が繰り広げられていく。
作品の中に出てくる技術的な事柄や説明などは、カタログをそのまま引っ張り出して並べているに過ぎなく、無機質的な内容に作家としての素人っぽさを感じる。
また、人間の感情表現にも深みがなく、読者をのめり込ませるだけの力が感じられない。
サントリーミステリー大賞・読者賞を受賞した作品にしては、いまから読むと内容に無機質さが感じられて、受賞内容に疑問を感じる。
物語はあるコンピュータ開発者の主人公に突然息子がいたと知らされたことから、この二人の関係がどのようになっているのか興味を抱かせられる。しかし、その息子は瀕死の状態であったことから謎が深まる。
一日の間にいろいろな人間が登場し、息子の周辺を巡って思わぬ展開が繰り広げられていく。
作品の中に出てくる技術的な事柄や説明などは、カタログをそのまま引っ張り出して並べているに過ぎなく、無機質的な内容に作家としての素人っぽさを感じる。
また、人間の感情表現にも深みがなく、読者をのめり込ませるだけの力が感じられない。
サントリーミステリー大賞・読者賞を受賞した作品にしては、いまから読むと内容に無機質さが感じられて、受賞内容に疑問を感じる。
2005年5月6日に日本でレビュー済み
お互い生きて会うことのなかった父子だが、羽嶋の息子を思う気持ちの変化が印象的だった。息子のことを知りたいと思う父親としての心が、次第に息子が巻き込まれた事件の真相を暴いていく。息子が一度も会ったことのない父親を慕う気持ちも印象に残った。ハイテク犯罪と親子の絆を絡ませ、最後まで飽きさせずに読める面白い作品。
2015年5月9日に日本でレビュー済み
ストーリーにまったく、ひきこまれない。
途中でほうりだしまいた。
他の評価が信じられません。
それに会社名がユニックスなんて、常識ないですね。
小説家なら、最低限コンピュータ業界を勉強してほしい。
途中でほうりだしまいた。
他の評価が信じられません。
それに会社名がユニックスなんて、常識ないですね。
小説家なら、最低限コンピュータ業界を勉強してほしい。
2010年3月29日に日本でレビュー済み
主人公は羽嶋。息子がひき逃げに遭い、意識不明の重体になる。しかし、その事故には不審な点が…羽嶋は事故の手がかりを得るため奔走する。はたして真相は?
作中で、原発についての議論がある。作者は、元原子力研究所の研究員だっただけに、原発については人よりも深く考えていたのだろう。作中では、賛成派と反対派の意見が記されている。それを読んで感じたのは、しばらくの間は原発を使う必要があるということだ。原発は確かに絶対安全ではない。しかし、少なくともCO2を出さないエネルギー源であることは確かだ。オバマのグリーン・ニューディール政策もまだ実行されていない。それまでの過渡期の主要エネルギー源として、原子力は有効だと思われる。その後はどうするのか?心配無用、日本にそれを解決できるテクノロジーがある。「マグネシウム文明論」がそれである。マグネシウムを海水から取り出してエネルギーとして使うこの技術は、世界中に普及すれば一気にCO2排出量を70%ぐらい削減できるだろう。それぐらい画期的なテクノロジーである。近い将来、マグネシウムを燃やして電気を作り、マグネシウム電池車に乗ることになるだろう。それまでのつなぎとして原子力発電は続ける必要がある。
覚せい剤、ダンプによる事故、原発…伏線らしきものが張られ、何か大きなものがその背後にあることを感じさせる。ミステリーの王道と言ってもよい。その真相が明らかになったとき、この本が賞を取った理由が分かった。途中までは、あまり夢中になって読めず、もっとコンピューターの(主人公はコンピューター・エンジニア)部分を中心に、クライム・ノベル風にしたほうが面白いなどと思ったのだが、やはり賞を取る作品は違う。きちんとどんでん返しもあった。この物語のハイライトは最後の20ページぐらいにある。それまでは退屈な場面もあるが、我慢して読む価値はある。ラストが単純な大団円でないところも気に入った。
作中で、原発についての議論がある。作者は、元原子力研究所の研究員だっただけに、原発については人よりも深く考えていたのだろう。作中では、賛成派と反対派の意見が記されている。それを読んで感じたのは、しばらくの間は原発を使う必要があるということだ。原発は確かに絶対安全ではない。しかし、少なくともCO2を出さないエネルギー源であることは確かだ。オバマのグリーン・ニューディール政策もまだ実行されていない。それまでの過渡期の主要エネルギー源として、原子力は有効だと思われる。その後はどうするのか?心配無用、日本にそれを解決できるテクノロジーがある。「マグネシウム文明論」がそれである。マグネシウムを海水から取り出してエネルギーとして使うこの技術は、世界中に普及すれば一気にCO2排出量を70%ぐらい削減できるだろう。それぐらい画期的なテクノロジーである。近い将来、マグネシウムを燃やして電気を作り、マグネシウム電池車に乗ることになるだろう。それまでのつなぎとして原子力発電は続ける必要がある。
覚せい剤、ダンプによる事故、原発…伏線らしきものが張られ、何か大きなものがその背後にあることを感じさせる。ミステリーの王道と言ってもよい。その真相が明らかになったとき、この本が賞を取った理由が分かった。途中までは、あまり夢中になって読めず、もっとコンピューターの(主人公はコンピューター・エンジニア)部分を中心に、クライム・ノベル風にしたほうが面白いなどと思ったのだが、やはり賞を取る作品は違う。きちんとどんでん返しもあった。この物語のハイライトは最後の20ページぐらいにある。それまでは退屈な場面もあるが、我慢して読む価値はある。ラストが単純な大団円でないところも気に入った。