本書では、小学校の先生の殺人犯人を、推理する主体は、警察ではない。
それは、生徒であり、先生の同僚であり、かつての恋人であり、生徒の父親でもある。
この過程で、それぞれの立場に応じた、被害者に対する微妙な心理が、赤裸々に描かれている。
それら心理の方向性は、それぞれの立場で、著しく異なる。
そして、最終的に、犯人を推理するのは、読者だ。
物語を読んでいる途中で、ある可能性が脳裏をよぎる。
その可能性には、強い嫌悪感と絶望感を伴うので、意識的に思考の片隅に追いやって、読み進んだ。
しかし、読者が最終的に推理する、犯人の心理のベクトルは、あまりにやるせない。
ただ、著者の導く結論の方向は、きわめて現代的だと言える。
読後に、爽快感はまるでない。
この事が、強いインパクトでもある。
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プリズム (創元推理文庫) (創元推理文庫 M ぬ 1-2) 文庫 – 2003/1/24
貫井 徳郎
(著)
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小学校の女性教師が自宅で死体となって発見された。彼女の同僚が容疑者として浮かび上がり、事件は容易に解決を迎えるかと思われたが……。万華鏡の如く変化する事件の様相、幾重にも繰り返される推理の構築と崩壊。究極の推理ゲームの果てに広がる瞠目の地平とは?『慟哭』の作者が本格ミステリの極限に挑んで話題を呼んだ衝撃の問題作。
- 本の長さ295ページ
- 言語日本語
- 出版社東京創元社
- 発売日2003/1/24
- ISBN-10448842502X
- ISBN-13978-4488425029
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登録情報
- 出版社 : 東京創元社 (2003/1/24)
- 発売日 : 2003/1/24
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 295ページ
- ISBN-10 : 448842502X
- ISBN-13 : 978-4488425029
- Amazon 売れ筋ランキング: - 18,527位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 80位創元推理文庫
- - 103位ミステリー・サスペンス・ハードボイルド (本)
- - 401位日本文学
- カスタマーレビュー:
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5 星
生徒たちに人気のある若く美人の小学校の女性教師を殴殺したのは誰か
『プリズム』(貫井徳郎著、創元推理文庫)には、3度も驚かされました。1番目は、生徒たちに人気のある若く美人の小学校の女性教師がアンティーク時計で殴殺された事件について、「Scene1 虚飾の仮面」では被害者が受け持っていた5年生の男子生徒が、「Scene2 仮面の裏側」では被害者の同僚女性教師が、「Scene3 裏側の感情」では被害者の元恋人の眼科医が、「Scene4 感情の虚飾」では被害者の不倫相手の外科医が、不審な死の真相を追う探偵役を務めるという形式のユニークさ。2番目は、Sceneが進むにつれて、被害者の女性教師の思いもかけない実態が次々と明らかにされていくというストーリー展開の巧みさ。3番目は、Scene1、2、3で展開された推理が、Scene4に至って悉く覆され、意外な犯人が浮かび上がってくるというミステリとしての完成度の高さ。このような極上の作品を捻り出す貫井徳郎という稀有の推理作家を、これまで知らずに過ごしてきたとは、何という迂闊者なのだと反省頻りの私。
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上位レビュー、対象国: 日本
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2011年10月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
アントニイ・バークリーの『毒入りチョコレート事件』を読んでおられる方が、この『プリズム』読まれたら、『プリズム』は『毒入りチョコレート事件』の形式を踏襲した作品だと、すぐに気がつかれるだろう。
アントニイ・バークリーの『毒入りチョコレート事件』は、推理マニアの集団が、ある毒殺事件に対して、おのおのの推理を披露し合うという形式である。ある人物によって提示された推理・解決案は、次の人物が示す問題点や疑問点で論破されていくというものだ。論破されてしまうのだけれど、提出された推理のどれもが、それなりに説得力をもち、推理小説の唯一無二の解決に疑問を投げかけた作品だ。
貫井徳郎の『プリズム』も、この形式をとっている。
教師として、誰からも慕われていた女性が死んだ。死因は置き時計によるものと思われる頭部の打撲。だが、司法解剖の結果、彼女の体内から睡眠薬が検出され、自宅の部屋の窓には、ガラス切りであけた穴があった。事故死ではなく、他殺の疑いが強まる。そして、彼女の教え子や、同僚や、元恋人や、不倫相手がそれぞれ語り手となって、被害者について語っていく。
語り手の視点が変わることで、被害者の人物像もおのずと変わってくる。被害者の女性のいろいろな面が見えてくる。
ひとりの人間がいろいろな面を持っているのはあたりまえのことだが、こと本格謎解きミステリにおいては、これは扱いにくい要素だ。登場人物たちが一貫したキャラクターをもち、そこから発せられる客観的な情報があるからこそ、唯一無二の解決が成り立つ。人間のもつ多面性を描写することで、多重・複数解決を提示した作品。
アントニイ・バークリーの『毒入りチョコレート事件』は、推理マニアの集団が、ある毒殺事件に対して、おのおのの推理を披露し合うという形式である。ある人物によって提示された推理・解決案は、次の人物が示す問題点や疑問点で論破されていくというものだ。論破されてしまうのだけれど、提出された推理のどれもが、それなりに説得力をもち、推理小説の唯一無二の解決に疑問を投げかけた作品だ。
貫井徳郎の『プリズム』も、この形式をとっている。
教師として、誰からも慕われていた女性が死んだ。死因は置き時計によるものと思われる頭部の打撲。だが、司法解剖の結果、彼女の体内から睡眠薬が検出され、自宅の部屋の窓には、ガラス切りであけた穴があった。事故死ではなく、他殺の疑いが強まる。そして、彼女の教え子や、同僚や、元恋人や、不倫相手がそれぞれ語り手となって、被害者について語っていく。
語り手の視点が変わることで、被害者の人物像もおのずと変わってくる。被害者の女性のいろいろな面が見えてくる。
ひとりの人間がいろいろな面を持っているのはあたりまえのことだが、こと本格謎解きミステリにおいては、これは扱いにくい要素だ。登場人物たちが一貫したキャラクターをもち、そこから発せられる客観的な情報があるからこそ、唯一無二の解決が成り立つ。人間のもつ多面性を描写することで、多重・複数解決を提示した作品。
2019年2月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この作品は、4人の人物達が自分なりに犯人探しをし、推理し、それぞれに犯人を勝手な自己満足で犯人だと決めていくのです。ネタバレしてはいけないので詳細は記載しませんが、被害者である人物をそれぞれの立場から観ている事で、ハッキリとした被害者の性格が、独善的である事でキャラが分かりにくいです。よって、殺害動機もまた、犯人もそれぞれが勝手に納得してしまうつくりになっている。これをミステリーというジャンルにして良いのか?ラストまで読んでみて、ハッキリ分かるのは、被害者を思うとちょっと誰からも本当の意味では愛されてなかったのかな?人間って独善的な生き物だなと思えてならない。
2018年5月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ライトノベルとして読むのにはちょうどいいのかもしれませんが、
私としては軽い、と思いました。さっと読める分、読後感も希薄です。
私としては軽い、と思いました。さっと読める分、読後感も希薄です。
2022年7月2日に日本でレビュー済み
『プリズム』(貫井徳郎著、創元推理文庫)には、3度も驚かされました。
1番目は、生徒たちに人気のある若く美人の小学校の女性教師がアンティーク時計で殴殺された事件について、「Scene1 虚飾の仮面」では被害者が受け持っていた5年生の男子生徒が、「Scene2 仮面の裏側」では被害者の同僚女性教師が、「Scene3 裏側の感情」では被害者の元恋人の眼科医が、「Scene4 感情の虚飾」では被害者の不倫相手の外科医が、不審な死の真相を追う探偵役を務めるという形式のユニークさ。
2番目は、Sceneが進むにつれて、被害者の女性教師の思いもかけない実態が次々と明らかにされていくというストーリー展開の巧みさ。
3番目は、Scene1、2、3で展開された推理が、Scene4に至って悉く覆され、意外な犯人が浮かび上がってくるというミステリとしての完成度の高さ。
このような極上の作品を捻り出す貫井徳郎という稀有の推理作家を、これまで知らずに過ごしてきたとは、何という迂闊者なのだと反省頻りの私。
1番目は、生徒たちに人気のある若く美人の小学校の女性教師がアンティーク時計で殴殺された事件について、「Scene1 虚飾の仮面」では被害者が受け持っていた5年生の男子生徒が、「Scene2 仮面の裏側」では被害者の同僚女性教師が、「Scene3 裏側の感情」では被害者の元恋人の眼科医が、「Scene4 感情の虚飾」では被害者の不倫相手の外科医が、不審な死の真相を追う探偵役を務めるという形式のユニークさ。
2番目は、Sceneが進むにつれて、被害者の女性教師の思いもかけない実態が次々と明らかにされていくというストーリー展開の巧みさ。
3番目は、Scene1、2、3で展開された推理が、Scene4に至って悉く覆され、意外な犯人が浮かび上がってくるというミステリとしての完成度の高さ。
このような極上の作品を捻り出す貫井徳郎という稀有の推理作家を、これまで知らずに過ごしてきたとは、何という迂闊者なのだと反省頻りの私。

『プリズム』(貫井徳郎著、創元推理文庫)には、3度も驚かされました。
1番目は、生徒たちに人気のある若く美人の小学校の女性教師がアンティーク時計で殴殺された事件について、「Scene1 虚飾の仮面」では被害者が受け持っていた5年生の男子生徒が、「Scene2 仮面の裏側」では被害者の同僚女性教師が、「Scene3 裏側の感情」では被害者の元恋人の眼科医が、「Scene4 感情の虚飾」では被害者の不倫相手の外科医が、不審な死の真相を追う探偵役を務めるという形式のユニークさ。
2番目は、Sceneが進むにつれて、被害者の女性教師の思いもかけない実態が次々と明らかにされていくというストーリー展開の巧みさ。
3番目は、Scene1、2、3で展開された推理が、Scene4に至って悉く覆され、意外な犯人が浮かび上がってくるというミステリとしての完成度の高さ。
このような極上の作品を捻り出す貫井徳郎という稀有の推理作家を、これまで知らずに過ごしてきたとは、何という迂闊者なのだと反省頻りの私。
1番目は、生徒たちに人気のある若く美人の小学校の女性教師がアンティーク時計で殴殺された事件について、「Scene1 虚飾の仮面」では被害者が受け持っていた5年生の男子生徒が、「Scene2 仮面の裏側」では被害者の同僚女性教師が、「Scene3 裏側の感情」では被害者の元恋人の眼科医が、「Scene4 感情の虚飾」では被害者の不倫相手の外科医が、不審な死の真相を追う探偵役を務めるという形式のユニークさ。
2番目は、Sceneが進むにつれて、被害者の女性教師の思いもかけない実態が次々と明らかにされていくというストーリー展開の巧みさ。
3番目は、Scene1、2、3で展開された推理が、Scene4に至って悉く覆され、意外な犯人が浮かび上がってくるというミステリとしての完成度の高さ。
このような極上の作品を捻り出す貫井徳郎という稀有の推理作家を、これまで知らずに過ごしてきたとは、何という迂闊者なのだと反省頻りの私。
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2011年6月30日に日本でレビュー済み
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本来は被害者や殺人家庭は個人個人の視点よってバラバラという作品らしいですが、
やはり、犯人は終始、一番怪しかったあの人だと思います。
少なくとも現実世界はならあの人が逮捕されちゃうでしょうね。証拠が明らかすぎます。
いや、でもいろんな推理が聞けてとても楽しい本です。
やはり、犯人は終始、一番怪しかったあの人だと思います。
少なくとも現実世界はならあの人が逮捕されちゃうでしょうね。証拠が明らかすぎます。
いや、でもいろんな推理が聞けてとても楽しい本です。
2016年8月13日に日本でレビュー済み
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最後の終わり方が、がっかり。こんな手法もあるのかもしれないが、最後の数ページで大どんでん返しを期待して読み進んでいただけに「なんじゃこれは?って感じです」ワクワクしながら読んでた時間返して欲しい。
2010年7月14日に日本でレビュー済み
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小学校の美人教師が、他殺と思える状況で変死。教え子、同僚教師、元恋人、不倫相手と、彼女の周囲にいた人物たちが、「真相」を推理していく趣向のミステリー。一見、合理的と思えた推理が次々に崩壊し、被害者の新たな一面が明らかになるにつれて、事件の様相も変化していく。
最終的な推理を読者に委ねてしまうという、面白い趣向のミステリーだと思うし、それなりによくできている部分も多いのだが、結果的にはあまり成功していないように思う。
理由はいろいろあるが、最後に登場する不倫相手の推理に無理がある(衝撃的な結論に至っている割にはあまりに根拠が弱い)ことと、四者四様の推理を展開する語り手自身が犯人だという可能性も否定できないことだろう。
語り手が犯人かもしれない、というのは作者として想定内とも言えるだろうが、もしそうなら、語り手は「自分以外の容疑者を探すフリ」をしていることになり、彼らは何のために推理しているのかわからなくなる(自分への疑いを逸らすためではないのは明らか)。そのあたり、作者自身が「推理ゲーム」の幅を狭めているような気がするんだけどね…。
最終的な推理を読者に委ねてしまうという、面白い趣向のミステリーだと思うし、それなりによくできている部分も多いのだが、結果的にはあまり成功していないように思う。
理由はいろいろあるが、最後に登場する不倫相手の推理に無理がある(衝撃的な結論に至っている割にはあまりに根拠が弱い)ことと、四者四様の推理を展開する語り手自身が犯人だという可能性も否定できないことだろう。
語り手が犯人かもしれない、というのは作者として想定内とも言えるだろうが、もしそうなら、語り手は「自分以外の容疑者を探すフリ」をしていることになり、彼らは何のために推理しているのかわからなくなる(自分への疑いを逸らすためではないのは明らか)。そのあたり、作者自身が「推理ゲーム」の幅を狭めているような気がするんだけどね…。