前作で大輔は栞子に告白しその返事を待つ過程が本作の基盤です。全体を通して二人の距離が3つのエピソードを通じて徐々に近づいていきます。構成はプロローグと三つのエピソードそしてエピローグで、一つのエピソードが終わると断章が置かれます。エピローグでは次作へのひきとなるエピソードがあります。
さて、各話の語り手が主人公の五浦大輔なのはこれまでどおりですが、附属する断章の語り手はそれぞれ違います。それぞれの語り手の人生の背景が語られますが、しかもすべて母親の智恵子が絡んでいる。栞子は大輔に返事するためには決着をつけなくてはならない。でもそれが何かは分かり切っていることなのですが、最期に栞子自身が語ることでけりがつく。そのためにこういう構成にしたようです。
断章の語り手はおおよそ次の通りです。
第一話の断章1の語りは志田。
第二話の断章は栞子の友人、滝野リュウ。
第三話の断章は栞子自身です。
それぞれの人生の人には語りたくない部分が描かれます。そして同時に栞子が大輔以外のから見た姿が語られます。もちろん、語り手たちはその姿を母、智恵子とダブらせている。それは栞子自身ですらそうなのだ。
そしてエピローグはなかなか感動的かつ、次作を大いに期待させるものです。でも案外、これは、あれかも…
栞子は母とそっくりな自らに不安を感じ続けている。それが大輔の思いにこたえることをはばからせている。
父と母の出会いと残された父は幸せだったのか。父に大輔を重ねてしまうと、大輔を不幸にしかねないのではないかと悩む。それは栞子が内面も外面も母、智恵子に生き写しなのことがすべての原因。自分を母と重ねてしまわざるを得ず、そしてそのことに魅力を感じている。それが回答を延ばし続けてきた原因だった
物語は4月に始まり5月に至る。栞子が大輔と取り決めた期限だが、それは同時に栞子が智恵子との決着をつける期限でもある。五月は母子にとって等しく選択の時だ
母、智恵子は自分の能力を信頼している。そして娘を相方に迎え入れたいと願っている。娘、栞子はそんな母に似た自分自身をおそれる。それを乗り越えてハッピーエンドとはいくかは読んで確かめましょう
ただ、一つ言えるのは大輔は男気がある、ということです。
前作よりもテンポがよく、無駄な登場人物もなく、完成度が高まっています。安心して読める一冊です。
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ビブリア古書堂の事件手帖5 ~栞子さんと繋がりの時~ (メディアワークス文庫) 文庫 – 2014/1/24
三上 延
(著)
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購入オプションとあわせ買い
驚異のミリオンセラー。日本で一番愛される文庫ミステリ、待望の第5巻
静かにあたためてきた想い。無骨な青年店員の告白は美しき女店主との関係に波紋を投じる。彼女の答えは──今はただ待ってほしい、だった。
ぎこちない二人を結びつけたのは、またしても古書だった。謎めいたいわくに秘められていたのは、過去と今、人と人、思わぬ繋がり。
脆いようで強固な人の想いに触れ、何かが変わる気がした。だが、それを試すかのように、彼女の母が現れる。邂逅は必然──彼女は母を待っていたのか? すべての答えの出る時が迫っていた。
静かにあたためてきた想い。無骨な青年店員の告白は美しき女店主との関係に波紋を投じる。彼女の答えは──今はただ待ってほしい、だった。
ぎこちない二人を結びつけたのは、またしても古書だった。謎めいたいわくに秘められていたのは、過去と今、人と人、思わぬ繋がり。
脆いようで強固な人の想いに触れ、何かが変わる気がした。だが、それを試すかのように、彼女の母が現れる。邂逅は必然──彼女は母を待っていたのか? すべての答えの出る時が迫っていた。
- 本の長さ322ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2014/1/24
- 寸法15 x 10.6 x 1.5 cm
- ISBN-104048662260
- ISBN-13978-4048662260
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登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (2014/1/24)
- 発売日 : 2014/1/24
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 322ページ
- ISBN-10 : 4048662260
- ISBN-13 : 978-4048662260
- 寸法 : 15 x 10.6 x 1.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 132,338位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 359位メディアワークス文庫
- - 3,241位日本文学
- カスタマーレビュー:
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2020年5月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
人物描写が良い。話の展開も飽きさせないし
登場人物達の優しさや気づかいが良い。
登場人物達の優しさや気づかいが良い。
2014年1月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
全巻持ってます。純粋な小説として、物語としてはともかくとして、
「ビブリア」として、ふつうに「らしさ」があり、安心して読めます。
今回は、1〜4巻とは「構成」が違います。
ビブリアは通常、主人公である「俺」、五浦大輔の視点で描かれていますが、
章と章の間に「断章」と称して、別のキャラクター視点で描かれる、短いエピソードが追加されています。
プロローグ→一章→断章→二章・・・みたいな流れ。
これが、良い感じの「仕掛け」になっていて、エピローグに繋がっています。
普通に読むと、エピローグで「あれ?」ってなってしまいます。
何か、矛盾してない?と。
しかし、よく読むと、「ああ、なるほどー」と・・・。
少しネタバレですが、断章が、何故「視点」が入れ替わって書かれているのか。
終盤の、栞子さんと母親の会話で語られたエピソード。
そこに出てくる日付。
それらを踏まえて、プロローグをもう一度、よく読み返してみると・・・
あとは、自分で「謎」を解いてください。
本書に、その解は載っていませんが、あえて答えを語らず、読者に解を求めるとは・・・ワタシは生粋のミステリはあまり読みませんが、こういうのはミステリでは良くある手法なのでしょうか?
作者も、なかなか憎い演出をするなぁ、と感じました。
「ビブリア」として、ふつうに「らしさ」があり、安心して読めます。
今回は、1〜4巻とは「構成」が違います。
ビブリアは通常、主人公である「俺」、五浦大輔の視点で描かれていますが、
章と章の間に「断章」と称して、別のキャラクター視点で描かれる、短いエピソードが追加されています。
プロローグ→一章→断章→二章・・・みたいな流れ。
これが、良い感じの「仕掛け」になっていて、エピローグに繋がっています。
普通に読むと、エピローグで「あれ?」ってなってしまいます。
何か、矛盾してない?と。
しかし、よく読むと、「ああ、なるほどー」と・・・。
少しネタバレですが、断章が、何故「視点」が入れ替わって書かれているのか。
終盤の、栞子さんと母親の会話で語られたエピソード。
そこに出てくる日付。
それらを踏まえて、プロローグをもう一度、よく読み返してみると・・・
あとは、自分で「謎」を解いてください。
本書に、その解は載っていませんが、あえて答えを語らず、読者に解を求めるとは・・・ワタシは生粋のミステリはあまり読みませんが、こういうのはミステリでは良くある手法なのでしょうか?
作者も、なかなか憎い演出をするなぁ、と感じました。
2018年5月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この作品のシリーズは、全巻持っています。主人公と栞子さんがだんだん信頼関係ができ、親密にもなってきていますね。
2018年4月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ブラック・ジャック(以下B.J)の章をkindleで読みました。物語のネタになっているチャンピオンコミック第4巻の初版本を(貸本に払い下げてもらい)私も持っており、また手塚治虫ファンクラブ会員でしたので会員同士に文通や交流があったのも知っています。
この物語は、事実とフィクションが巧みにミックスされていて面白く、泣かされる話でもあり感心しました。漫画のB.Jも人と人の不思議な繋がりや運命を描いた感動話が多いので、作者は物語のスタイルでもB.Jにオマージュを捧げているんだと思います。
この物語は、事実とフィクションが巧みにミックスされていて面白く、泣かされる話でもあり感心しました。漫画のB.Jも人と人の不思議な繋がりや運命を描いた感動話が多いので、作者は物語のスタイルでもB.Jにオマージュを捧げているんだと思います。
2018年5月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この小説はを読んでいると、鎌倉の情景と登場人物達に入りこみ、とても楽しいです。