一度でいいから闘鶏を見に来てくれないか。俺の生き様を理解してほしい。
B級帝王コーマン×「断絶」モンテ・ヘルマン×「ガルシアの首」ウォーレン・オーツ×「天国の日々」ネストール・アルメンドロス!
今年、遂に日本初公開となった不遇の超カルト傑作! ここにきて、まさかまさかのHD化! ! 信じがたい商品! 大丈夫なのか! ?
製作時私は、誰も考えたことのない<闘鶏の映画化>という、全く新しい事を成し遂げようとしている高揚感に包まれた。 そして公開後、何故それまで闘鶏映画が無かったのかが解った。それは誰も闘鶏の映画など観たくなかったからだ。 いったいなぜ今、この映画を公開するのか教えてほしい。でもこの映画はいい映画だ。-ロジャー・コーマン
B級映画の帝王ロジャー・コーマンが、映画としてはじめて扱う"闘鶏"というテーマに観客が飛びつき大ヒットするものと確信、『断絶』(71)の興行惨敗でハリウッドから干されていた弟子モンテ・ヘルマン監督にチャンスを与え製作した超異色作。しかし闘鶏が盛んな米南部ジョージア州をメインに公開も大惨敗、コーマンは製作費を回収するべく、関係ない別作品場面を入れて再編集、タイトルも「BORN TO KILL」、「WILD DRIFTER」など次々と変更され、しまいにはポスターでウォーレン・オーツは斧を振りかざしてしまった(そんなシーンは無い)。しかしこの不遇極まりない本作だが、数々の大監督たちのお気に入りウォーレン・オーツが『ガルシアの首』と双璧をなす大熱演を披露、のちにアカデミー受賞ネストール・アルメンドロス初のアメリカ映画作品など、映画史的価値は絶大。そして後にも先にも本作にしかないであろう凄絶な愛の表現。あなたは本作でアメリカ映画の真の実力とその闇の深さに驚愕するだろう。 本リリースにおける本編は恐らく世界初、まさかのHDニューマスター。モンテ・ヘルマン監督による編集の後に、コーマンの命令を受けたルイス・ティーグが様々なかたちで血なまぐさい闘鶏シーンを挿入するなど混乱した痕跡が見受けられるのが画面サイズ。もともとスタンダードサイズで撮影され、天地を切って1:1.85のアメリカンビスタで上映された本作ですが、この度はまさかのダブルテレシネを敢行し、本編をスタンダードとビスタの2バージョンで収録します。画面サイズの歪さを確認するのもこの異色作の楽しみの一つである。さすがコーマン。