著者の橘さんは、日本の将来に起こることを3つのシナリオで検討しています。
①楽観シナリオ: アベノミクスが成功して高度経済成長がふたたび始まる
②悲観シナリオ: 金融緩和は効果がなく、デフレ不況がこれからも続く
③破滅シナリオ: 国債価格の暴落(金利の急騰)と高インフレで財政は破綻し、大規模な金融緩和が起きて日本経済は大混乱に陥る
1960年代、70年代の日本で起きた高度経済成長は、そのベースに人口ボーナスがあった事を考慮すると、日本は1990年頃から従属人口指数が増加に転じる人口オーナス期に入り、2050年以降には従属人口指数は90%を越えて行くと予測されています。
つまりイノベーション、生産性向上を努力しても楽観シナリオの達成には構造的に大きな抗力が働くと予測されます。
また破滅シナリオを「国の債務調整」という視点から分析すると、インフレが起こる一方で増税、社会保険料値上げ、金融抑圧の方法で債務を減らしていく「連続的債務調整」と、戦後に起きたような数年間の高インフレと財産税により、国民の財産が国に収奪される「非連続的債務調整」のどちらかが起こると考えられます。
橘さんは将来の不確実性に対して、国内対応の「ヘッジ」を紹介しています。どの方法も一考に価するものですが、オプション等のデリバティブでリスクを取る方法には賛成出来ません。
理論的には理解出来ても、海千山千のスペキュレーターの餌食になって虎の子の財産を失う姿を想像してしまいます。
円安による好調な企業業績、順調な有効求人倍率や低い完全失業率を材料に、安倍さんは2018年10月に第4次安倍政権をスタートしますが、米国の景気後退期入りはもう間近で、世界好景気頼みのアベノミクスも風前の灯火です。
その後は"マッドサイエンティスト"のようなエコノミストたちが財政インフレ、ヘリマネ、政府紙幣のような血迷った経済政策を提唱してくるかも知れません。
案の定出てきましたね。「現代貨幣理論(MMT)」。推進派の中野剛士さんの著書「日本の没落」読むと、経済は政治の二の次で、財政破綻は大衆(現存在)が勝利する「文明の没落」フェーズだから、願ってもないシナリオです。つまりMMTが毒まんじゅうだと本人がネタバレしていました。(苦笑)
米国の景気後退期入りに起こると考えられる円高・ドル安を好機として、タイミング良くドル預金もしくは米国債を購入する方法もありかなと思います。
私自身はよりセーフな方法として「日本の非居住者」を目指しています。
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日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル 単行本(ソフトカバー) – 2013/3/15
橘 玲
(著)
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購入オプションとあわせ買い
アベノミクスはその端緒となるのか!? 大胆な金融緩和→国債価格の下落で金利上昇→円安とインフレが進行→国家債務の膨張→財政破綻(国家破産)…。そう遠くない未来に起きるかもしれない日本の"最悪のシナリオ"。 その時、私たちはどうなってしまうのか? どうやって資産を生活を守っていくべきなのか? 不確実な未来に対処するため、すべての日本人に向けて書かれた全く新しい資産防衛の処方箋。恐れる必要はない! しかし、備える必要はある! 作家・橘玲が贈る、生き残りのための資産運用法!
第1部 序
第1章 <近未来小説>日本人を待っていた浅い眠り
第2章 最悪のなかの最善を探せ
第2部 破
第3章 普通預金は最強の金融商品
第4章 たった3つの金融商品で「国家破産」はこわくない
第3部 急
第5章 財政破綻時の資産運用戦略
第6章 経済的リスクを"奇跡"に変える
第1部 序
第1章 <近未来小説>日本人を待っていた浅い眠り
第2章 最悪のなかの最善を探せ
第2部 破
第3章 普通預金は最強の金融商品
第4章 たった3つの金融商品で「国家破産」はこわくない
第3部 急
第5章 財政破綻時の資産運用戦略
第6章 経済的リスクを"奇跡"に変える
- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社ダイヤモンド社
- 発売日2013/3/15
- 寸法15 x 1.6 x 21.1 cm
- ISBN-104478024375
- ISBN-13978-4478024379
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商品の説明
著者について
作家。2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。「新世紀の資本論」と評された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部の大ベストセラーに。著書に『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 究極の資産運用編』 『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 至高の銀行・証券編』 (以上ダイヤモンド社)などがある。最新刊『不愉快なことには理由がある』(集英社)が発売中。ザイ・オンラインとの共同サイト『橘玲の海外投資の歩き方』 にて、お金、投資についての考え方を連載中。
登録情報
- 出版社 : ダイヤモンド社 (2013/3/15)
- 発売日 : 2013/3/15
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 224ページ
- ISBN-10 : 4478024375
- ISBN-13 : 978-4478024379
- 寸法 : 15 x 1.6 x 21.1 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 151,815位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 501位金融・ファイナンス (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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2002年、国際金融小説『マネーロンダリング』でデビュー。同年、「新世紀の資本論」と評された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』が30万部を超えるベストセラーに。06年『永遠の旅行者』が第19回山本周五郎賞候補。『言ってはいけない 残酷すぎる真実』で2017新書大賞受賞。橘玲公式サイト http://www.tachibana-akira.com/
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年10月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2015年3月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本は、おそらくこの本を売るために、あえて表題を「国家破産に
備える資産防衛マニュアル」としたのであって、決してアベノミクス
を失敗だと断定して、資産防衛を呼びかけている本ではありません。
それを期待して読むと肩すかしを食らうことになります。また、金融
ハウツウ本でもない。マニュアルという意味は、個人の皆さんも、金
融資産防衛を怠りなく、お手製の手法で頑張ってという意味だと理解
すべきなのだと思います。
内容は、金融投資手法の初歩を、大学学部の講義レベルで行った本と
考えれば良いと思います。但し、数理経済学の話はしていませんから、
金融工学を期待して読むと、失望すると思います。つまり、世間知ら
ずの文系の学部学生さん達に向けて、アベノミクス始動期にえられた
トピックスをちりばめて、あえて極論を展開するスタイルでレクチャ
ーすることで、金融屋の考え方の基本を解説してくれている本です。
いわば、橘玲の白熱教室といった内容の本ですね(NHKの番組「~
~の白熱教室」をもじりました。)。その辺りをわきまえて読むのな
ら、とてもためになる本です。
たとえていうと、この本は、安倍政権下、銀行や証券会社に入社した
新人が、職務に必要な資格を取るためにする猛烈な勉強の合間に、頭
を柔らかくするために読むことが期待される副読本じゃないかな。も
ちろん、この本を難解とみるか、面白い副読本とみるかは人それぞれ
だと思います。しかし、金融投資の世界でトップに出世する人なら、
この本に面白い副読本・劇画みたいな本という評価を下すと思います。
そう肝に銘じて、新人さん達、この本を読破することにチャレンジして
みて下さい。少々難しくて俺は出世しないタイプだと感じた場合でも、
きっと、皆さんの今後の人生に役に立つ知識・見識を幾つも拾い出す
ことができる優れた本だからです。
思うに、世界を見渡し歴史をひもとけば、国家破産はありふれた事で
すから、国境を越えて巨額な金融マネーを循環させている投資家達(
トップ金融マン達)は、戦争革命と国家破産を織り込みつつ、時々の
権力者達と各種の交渉をしながら、もっとダイナミックでドラマチッ
クな投資をしているはずなのですが、そういう書き方をこの本はして
いない。TPP、HFT、商品相場と為替相場と金利政策の関係、等々、
書足らないところが沢山ある、、、。
身近なところでは、1ドルが80円から120円に半年程度の短期間変われ
ば、各国の国力を円で評価したものの意味内容が大きく変わりますから、
この影響が日本経済に大きな変化を生じさせているはずなのに、石油安
の影響等で、それが表面化していない。急激な円安で2015年春現在、
共産中国のいわゆる大企業初任給が日本を越えている現実を考えれば、
この本が書いているコーヒー一杯の値段が桁違いに高くなる話なんて
驚くに値しない。これから先の現実は、この本が描く世界よりもさらに
驚くべき形で展開し、ドラマチックなものになるはずです。おそらく、
日本人で良かったという結果で終わると、私は考えていますが、橘玲さん
はどう考えているのでしょうね。彼の真価が問われるのはそのときのはず
です。だから、この本は読まなくても、橘玲の今後には期待して下さいね。
備える資産防衛マニュアル」としたのであって、決してアベノミクス
を失敗だと断定して、資産防衛を呼びかけている本ではありません。
それを期待して読むと肩すかしを食らうことになります。また、金融
ハウツウ本でもない。マニュアルという意味は、個人の皆さんも、金
融資産防衛を怠りなく、お手製の手法で頑張ってという意味だと理解
すべきなのだと思います。
内容は、金融投資手法の初歩を、大学学部の講義レベルで行った本と
考えれば良いと思います。但し、数理経済学の話はしていませんから、
金融工学を期待して読むと、失望すると思います。つまり、世間知ら
ずの文系の学部学生さん達に向けて、アベノミクス始動期にえられた
トピックスをちりばめて、あえて極論を展開するスタイルでレクチャ
ーすることで、金融屋の考え方の基本を解説してくれている本です。
いわば、橘玲の白熱教室といった内容の本ですね(NHKの番組「~
~の白熱教室」をもじりました。)。その辺りをわきまえて読むのな
ら、とてもためになる本です。
たとえていうと、この本は、安倍政権下、銀行や証券会社に入社した
新人が、職務に必要な資格を取るためにする猛烈な勉強の合間に、頭
を柔らかくするために読むことが期待される副読本じゃないかな。も
ちろん、この本を難解とみるか、面白い副読本とみるかは人それぞれ
だと思います。しかし、金融投資の世界でトップに出世する人なら、
この本に面白い副読本・劇画みたいな本という評価を下すと思います。
そう肝に銘じて、新人さん達、この本を読破することにチャレンジして
みて下さい。少々難しくて俺は出世しないタイプだと感じた場合でも、
きっと、皆さんの今後の人生に役に立つ知識・見識を幾つも拾い出す
ことができる優れた本だからです。
思うに、世界を見渡し歴史をひもとけば、国家破産はありふれた事で
すから、国境を越えて巨額な金融マネーを循環させている投資家達(
トップ金融マン達)は、戦争革命と国家破産を織り込みつつ、時々の
権力者達と各種の交渉をしながら、もっとダイナミックでドラマチッ
クな投資をしているはずなのですが、そういう書き方をこの本はして
いない。TPP、HFT、商品相場と為替相場と金利政策の関係、等々、
書足らないところが沢山ある、、、。
身近なところでは、1ドルが80円から120円に半年程度の短期間変われ
ば、各国の国力を円で評価したものの意味内容が大きく変わりますから、
この影響が日本経済に大きな変化を生じさせているはずなのに、石油安
の影響等で、それが表面化していない。急激な円安で2015年春現在、
共産中国のいわゆる大企業初任給が日本を越えている現実を考えれば、
この本が書いているコーヒー一杯の値段が桁違いに高くなる話なんて
驚くに値しない。これから先の現実は、この本が描く世界よりもさらに
驚くべき形で展開し、ドラマチックなものになるはずです。おそらく、
日本人で良かったという結果で終わると、私は考えていますが、橘玲さん
はどう考えているのでしょうね。彼の真価が問われるのはそのときのはず
です。だから、この本は読まなくても、橘玲の今後には期待して下さいね。
2023年8月3日に日本でレビュー済み
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知っている事ばかり。
私には復習的な内容でした。
私には復習的な内容でした。
2021年5月18日に日本でレビュー済み
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ある日突然、国家破産することは無く、事前に金利上昇などの兆候が有るとのこと。兆候が現れてから対策しても間に合うとのこと。兆候を見落とさないようにしたい。
2019年8月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
もう少し、素人向けに書かれていると良かったです。
2013年3月17日に日本でレビュー済み
本書「日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル」は、日本が国家破産、あるいは、債務危機に直面するかどうかについてではなく、日本に居住を構える日本の生活者として、「もしも」、日本が国家破産、あるいは、債務危機に直面した場合に、どのような金融商品を活用してどうやって金融資産を守る対処をして自分の資産を守ればいいのかということに対しての橘玲さんによる処方箋です。
対象読者としては、金融のことにそんなに詳しい訳ではない普通に生活している日本人と想定しているのかとお見受けしました。まったく金融のことを知らない人には簡単ではない内容も入っているかもしれませんが、説明は初歩的なところから丁寧にされています。
投資の初級者の方は本文を、中級者以上の方はコラムを読むのが良いのかと思います。
私としてはコラムのいくつかの箇所が面白かったです。特に、十分に知らなかった国債ベアファンドの商品特性の説明と、米国で日本国債ベアETF(レバレッジ2倍のJGBS、レバレッジ3倍のJGBD)が上場しているは知らなかったので、非常に参考になりました。
第1章の「高金利・円安・高インフレ」が到来した後の日本の姿の近未来小説は読み物として大変読み応えがありました。投資アイデアも含めて全て近未来小説風の一冊になっていても面白かったかもしれません。
2013年初頭はアベノミクス効果でマーケットは沸いていますが、アベノミクスのその後のシナリオを橘玲さんは下記のように分析されています。
1.楽観シナリオ アベノミクスが成功して高度経済成長がふたたび始まる
2.悲観シナリオ 金融緩和は効果がなく、円高によるデフレ不況がこれからも続く
3.破滅シナリオ 国債の暴落(金利の急騰)と高インフレで財政は破綻し、大規模な金融危機が起きて日本経済は大混乱に陥る
仮に3の「破滅シナリオ」が現実のものになったとする場合、ある日朝起きたら日本が世界が変わっていたということはなく、「高金利・円安・高インフレ」が次のようなプロセスで進行するでしょうというシナリオが描かれています。
第1ステージ 国債価格が下落して金利が上昇する
第2ステージ 円安とインフレが進行し、国家債務の膨張が止まらなくなる
最終ステージ(国家破産) 日本政府が国債のデフォルトを宣告し、IMFの管理下に入る
日本の財政危機という切り口で、金融商品は多岐にわたって紹介がされています。
ローンは変動ではなく固定にすべき、外貨預金、国債ベアファンド、日本国債ベアETF、物価連動国債、FX、日経平均先物・オプション、株の信用売り、という様々な投資アイデアが提供されています。
また、橘玲さんによると、不動産の値上がりは'@不動産賃料が上がり、'A不動産価格は下がるということです。金投資はお勧めされていません。
興味深い点は、1.楽観シナリオ、2.悲観シナリオの全期間と3.破滅シナリオ第1ステージは「普通預金が最強」とのことです。私は個人的には同じように「普通預金が最強」とまでは思いませんが、破滅シナリオを想定する場合には十分な流動性を用意しておくべきという観点は非常に重要であると考えます。
物価連動国債は、日本国債への懸念が顕在化する状況を想定した投資で日本国債を買うという気持ち悪さを克服できるかどうか、また、本書においてデフォルトの可能性は無視して良いという見解のようですが、その可能性をどう解釈するかは読者の価値観によりましょう。国債のデフォルト懸念がない段階での金利上場局面では有効かもしれません。(モーニングスターの朝倉社長も同様の投資アイデアを提供されております。)
私は、全ての点で本書と同じ見通しを持っていないですし、破滅シナリオでの投資手法では多少違う方法も考えている部分はあります。また、多少隅をつつくようなところで気になる点等はありましたが、作家としての文章力や分かりやすさという点ではさすがと思いましたし、数々の日本国債危機に関連付けた金融商品の紹介は、思考の体操にもなりました。
論旨を分かりやすくする工夫がされていますし、過大に危機を煽ったり扇動したりするのではなく、冷静かつ淡々とした文章は私好みであります。
「破滅シナリオ」が実現した場合、日本に居住を構える日本人であれば、必ずダメージを受けます。
大きな点で気になったところは、論点を分かりやすくするためにシナリオがシンプルになりすぎていて、国債暴落のインパクトが、日本固有の問題として収まりすぎている感じがしました。
もしもここで言う「最終ステージ」が現実化し、本当に日本国債に端を発した金融危機が来れば、金融資産を多少うまく立ち振る舞えばどうにかなるような問題を超える可能性も高いのではないかと思います。
JGB(日本国債=Japanese Government Bond)危機に端を発する世界金融危機が起き、日本という世界3位の経済規模を持つ国家と日本の金融機関や日本企業がこぞって破滅的な状態になったとき、どういう世の中を迎えることになるのでしょうか。
絶妙のタイミングで大きくレバレッジを掛けたベットで大儲けが出来る投資家も、ごく一部で、プロ・個人に関わらずいるでしょうが、大多数の一般人には難しいでしょう。
大多数の一般人は、多少金融市場で儲けることが出来たとしても、仕事、社会、政治を含めた日常生活のあらゆる面で悪い方向に働き、良いことはありそうにありません。良いことを考えて思いつくのは、六本木や銀座の夜の店の女の子の質が上がりそうだということくらいです(私にとってはどうでもいいことですが)。
「破滅シナリオ」が現実化しなくても、現実味が帯びてきた段階で、金融市場は橘玲さんの想定する「破滅シナリオ」に近い状況になる可能性はあります。
ただ、それでも、自分の生活と金融資産を守るため、最低限のリスクヘッジは考えておきたいところです。
私が個人的に思うことは、将来的な危機への懸念の可能性を考慮するならば、中長期的な観点では、なるべく流動性のある資産を持っておくこと、個人のバランスシートの左側は固定しない、右側は金利を固定しておくことでしょう。
日本国家財政の問題は、日本国民としてはナイーブで難しい問題であり、ハードランディングかソフトランディングになるか分かりませんが、向こう10年以内に現実として起こることを無視するにはリスクが高い問題であるのではないかと私も思っています。
結局、本書で紹介されているような対処法については事前に知っておき、いざという時には動ける準備をしておくこと、自分なりの心の準備を持っておき、世の中の扇動に惑わされないように、というのが現段階で必要な心構えなのかもしれません。
破滅シナリオが起きてしまったらどうするかよりも、1番難しいのは、破滅シナリオが起きる兆候をどう読み、動くタイミングをどう判断するかなんですがね。
まあ、まだしばらくの間は時間がありそうですし、日本の危機の可能性に情報面で有利なのは日本人ですから、破滅シナリオが実現しないよう祈りつつも、実際に起きてしまったら、なるようになるしかないですし、自分のことは自分で何とかするぞという気概を持つしかないでしょう。。
対象読者としては、金融のことにそんなに詳しい訳ではない普通に生活している日本人と想定しているのかとお見受けしました。まったく金融のことを知らない人には簡単ではない内容も入っているかもしれませんが、説明は初歩的なところから丁寧にされています。
投資の初級者の方は本文を、中級者以上の方はコラムを読むのが良いのかと思います。
私としてはコラムのいくつかの箇所が面白かったです。特に、十分に知らなかった国債ベアファンドの商品特性の説明と、米国で日本国債ベアETF(レバレッジ2倍のJGBS、レバレッジ3倍のJGBD)が上場しているは知らなかったので、非常に参考になりました。
第1章の「高金利・円安・高インフレ」が到来した後の日本の姿の近未来小説は読み物として大変読み応えがありました。投資アイデアも含めて全て近未来小説風の一冊になっていても面白かったかもしれません。
2013年初頭はアベノミクス効果でマーケットは沸いていますが、アベノミクスのその後のシナリオを橘玲さんは下記のように分析されています。
1.楽観シナリオ アベノミクスが成功して高度経済成長がふたたび始まる
2.悲観シナリオ 金融緩和は効果がなく、円高によるデフレ不況がこれからも続く
3.破滅シナリオ 国債の暴落(金利の急騰)と高インフレで財政は破綻し、大規模な金融危機が起きて日本経済は大混乱に陥る
仮に3の「破滅シナリオ」が現実のものになったとする場合、ある日朝起きたら日本が世界が変わっていたということはなく、「高金利・円安・高インフレ」が次のようなプロセスで進行するでしょうというシナリオが描かれています。
第1ステージ 国債価格が下落して金利が上昇する
第2ステージ 円安とインフレが進行し、国家債務の膨張が止まらなくなる
最終ステージ(国家破産) 日本政府が国債のデフォルトを宣告し、IMFの管理下に入る
日本の財政危機という切り口で、金融商品は多岐にわたって紹介がされています。
ローンは変動ではなく固定にすべき、外貨預金、国債ベアファンド、日本国債ベアETF、物価連動国債、FX、日経平均先物・オプション、株の信用売り、という様々な投資アイデアが提供されています。
また、橘玲さんによると、不動産の値上がりは'@不動産賃料が上がり、'A不動産価格は下がるということです。金投資はお勧めされていません。
興味深い点は、1.楽観シナリオ、2.悲観シナリオの全期間と3.破滅シナリオ第1ステージは「普通預金が最強」とのことです。私は個人的には同じように「普通預金が最強」とまでは思いませんが、破滅シナリオを想定する場合には十分な流動性を用意しておくべきという観点は非常に重要であると考えます。
物価連動国債は、日本国債への懸念が顕在化する状況を想定した投資で日本国債を買うという気持ち悪さを克服できるかどうか、また、本書においてデフォルトの可能性は無視して良いという見解のようですが、その可能性をどう解釈するかは読者の価値観によりましょう。国債のデフォルト懸念がない段階での金利上場局面では有効かもしれません。(モーニングスターの朝倉社長も同様の投資アイデアを提供されております。)
私は、全ての点で本書と同じ見通しを持っていないですし、破滅シナリオでの投資手法では多少違う方法も考えている部分はあります。また、多少隅をつつくようなところで気になる点等はありましたが、作家としての文章力や分かりやすさという点ではさすがと思いましたし、数々の日本国債危機に関連付けた金融商品の紹介は、思考の体操にもなりました。
論旨を分かりやすくする工夫がされていますし、過大に危機を煽ったり扇動したりするのではなく、冷静かつ淡々とした文章は私好みであります。
「破滅シナリオ」が実現した場合、日本に居住を構える日本人であれば、必ずダメージを受けます。
大きな点で気になったところは、論点を分かりやすくするためにシナリオがシンプルになりすぎていて、国債暴落のインパクトが、日本固有の問題として収まりすぎている感じがしました。
もしもここで言う「最終ステージ」が現実化し、本当に日本国債に端を発した金融危機が来れば、金融資産を多少うまく立ち振る舞えばどうにかなるような問題を超える可能性も高いのではないかと思います。
JGB(日本国債=Japanese Government Bond)危機に端を発する世界金融危機が起き、日本という世界3位の経済規模を持つ国家と日本の金融機関や日本企業がこぞって破滅的な状態になったとき、どういう世の中を迎えることになるのでしょうか。
絶妙のタイミングで大きくレバレッジを掛けたベットで大儲けが出来る投資家も、ごく一部で、プロ・個人に関わらずいるでしょうが、大多数の一般人には難しいでしょう。
大多数の一般人は、多少金融市場で儲けることが出来たとしても、仕事、社会、政治を含めた日常生活のあらゆる面で悪い方向に働き、良いことはありそうにありません。良いことを考えて思いつくのは、六本木や銀座の夜の店の女の子の質が上がりそうだということくらいです(私にとってはどうでもいいことですが)。
「破滅シナリオ」が現実化しなくても、現実味が帯びてきた段階で、金融市場は橘玲さんの想定する「破滅シナリオ」に近い状況になる可能性はあります。
ただ、それでも、自分の生活と金融資産を守るため、最低限のリスクヘッジは考えておきたいところです。
私が個人的に思うことは、将来的な危機への懸念の可能性を考慮するならば、中長期的な観点では、なるべく流動性のある資産を持っておくこと、個人のバランスシートの左側は固定しない、右側は金利を固定しておくことでしょう。
日本国家財政の問題は、日本国民としてはナイーブで難しい問題であり、ハードランディングかソフトランディングになるか分かりませんが、向こう10年以内に現実として起こることを無視するにはリスクが高い問題であるのではないかと私も思っています。
結局、本書で紹介されているような対処法については事前に知っておき、いざという時には動ける準備をしておくこと、自分なりの心の準備を持っておき、世の中の扇動に惑わされないように、というのが現段階で必要な心構えなのかもしれません。
破滅シナリオが起きてしまったらどうするかよりも、1番難しいのは、破滅シナリオが起きる兆候をどう読み、動くタイミングをどう判断するかなんですがね。
まあ、まだしばらくの間は時間がありそうですし、日本の危機の可能性に情報面で有利なのは日本人ですから、破滅シナリオが実現しないよう祈りつつも、実際に起きてしまったら、なるようになるしかないですし、自分のことは自分で何とかするぞという気概を持つしかないでしょう。。