地上で最もホットな指揮者(ユニバーサル・ミュージックのコピーです)の魅力を伝えるための入門的なアルバムでCDとDVDの2枚組みです。CDはドゥダメルがレコーディングした曲の抜粋で、全13曲収録されています。DVDはエンリケ・サンチェス・ランチによるドゥダメルに関するドキュメンタリーが収録されています。
先ずCD。3、5、6、8、12 が初CD化作品です。通して聴きましたが、ありきたりですが、ドゥダメルが本領を発揮しているのは、9:ダンソン 第2番 10:組曲<マヤ族の夜>から 12:コンガ・デル・フエゴ・ヌエボ 13:マンボ=ウエスト・サイド・ストーリーから のようなリズムに乗ったダンサブルな曲のようです。13 のマンボはyou tubeで見ましたが、ドゥダメルはバーンスタインに輪をかけたように指揮の時に踊りまくっていますし、オケの面々も立ち上がり踊りながら演奏しています。殆どジャズのビック・バンドののりです。クラシックもここまでやるかという気がしないでもありません。しかし、ベートーヴェンのSyn.''5は録音がデッドという事もありますが、もう一つピンときません。それなら、春祭はどうかといいますと、これもいまひとつという感じです。you tubeでドボルザークのSyn.No.9、ベートーヴェンのSyn.No.5 を見ましたが、ドゥダメルは飛び跳ねて指揮をしていますが、オケの面々はもう一つ乗り切れず、ちぐはぐな感じがしました。D.G.はカラヤン、バーンスタインという巨匠をなくし、早く次のスターを作り出したいのでしょうが、カルロス・クライバー、クラウデオ・アバード、小澤征爾のデヴュー時と比べると少し物足りないように思います。
DVD,これはドゥダメルがコンサートを成功させるまでのドキュメンタリーです。番組でも多くの時間が割かれていますが、何故クラシック不毛の地ベネズエラで彼のような才能が出てきたのでしょうか?色々な要因があると思いますが、やはり、エル・システマが大きな役割を演じていると思います。事実ドゥダメルもここに入って才能を発揮させました(当然無料です)。また、シモン・ボルバリs.o.も大きな注目を浴びています。CDは入門編ですが、DVDはかなり役立ち、興味深く面白いです。