戦争学というのは耳慣れない言葉だが、戦争を学問として捉え、その発生や抑止、社会とのかかわり、戦争の勝利、国家戦略等を学問的に考察しようとする活動を表す用語である。日本で戦争と言えば、趣味としてのミリタリーと狭義の意味で戦略・戦術について論じられる場合が殆どであり、戦争自体が学問として認知されているとは言い難い状況である。本書の中で筆者は「日本において戦争学を創設したいと心から切望している」としている。本書の意義はまさにその点にある。本書の内容は筆者の主張を前面に押し出したものにはなっておらず、どちらかといえば戦争に関する様々な先人達の考え方を紹介するという形になっているが、それは左記に記した通り「戦争学を創設する」ための第1歩と考えているからだろう。
本書は9章構成になっており、それぞれ「戦争とは何か」「戦争の起源と原因」「平和とは何か」「戦争の勝利とは何か」「戦争の様相と社会的変化」「戦争の機と役割」「戦争指導とは何か」「国家戦略」「戦争の将来像を考える」となっている。前半部分で戦争の起源や定義といったいわば「戦争の外側」を定義し、後半部分で「戦争の内部」に踏み込んで戦争と社会との関わり合いを論じている。その中で筆者は先達の見解を数多く紹介することで、読者がこれらの議論について多角的に考えることができるように努めている。
重ねて言うが本書は戦争についての何か結論や主張を前面に押し出した著作ではない。戦争について読者自身が考えを深めるためのガイドラインなのだ。そういった意味で戦争学について未熟な我が国において本書の価値は高い。
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戦争学原論 (筑摩選書 63) 単行本 – 2013/3/1
石津 朋之
(著)
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- 本の長さ378ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2013/3/1
- 寸法13.2 x 2.4 x 18.8 cm
- ISBN-10448001568X
- ISBN-13978-4480015686
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2013/3/1)
- 発売日 : 2013/3/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 378ページ
- ISBN-10 : 448001568X
- ISBN-13 : 978-4480015686
- 寸法 : 13.2 x 2.4 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 546,407位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2015年1月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
筆者の研究に以前より興味があり購入しました。日本の戦略家の中で筆者の視点、論点が幅が広く勉強になります。購入の価値ありですね。
2020年3月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
論旨が一貫せず、著者が言いたいことを思いつくまま書き連ねたという感が強い。
海外の学者の論説を切り貼りしつつ、時には賛同し時には反対意見が述べられているが、これという論証がない。
その学者の論説紹介も、やり方が非常に下手で説明が片手落ちという印象がぬぐえない。
一言でいうと出来の悪い学部生の卒論を読んでいるような印象を受けた。
慎重に推敲を重ねたとは思えないし、編集者もあまり仕事をしなかったようだ。
それとこの本は全編書き下ろしじゃないね。よそで書いたものの寄せ集めのようだ。
例えば第5章「戦争の様相と社会の変化」の内容は『検証太平洋戦争とその戦略1 総力戦の時代』に収められた「総力戦と社会の変化」を少し手直ししただけ。
どうりで章と章でくどくど内容の重複があると思った。
別に論文集ならそれはそれでいいけど、初出はあとがきとかに書いておいてほしい。
武田 康裕/神谷 万丈編『新訂第5版 安全保障学入門』(亜紀書房、2018年)を読んだほうが大系的に戦争の基礎が学べるだろう。
海外の学者の論説を切り貼りしつつ、時には賛同し時には反対意見が述べられているが、これという論証がない。
その学者の論説紹介も、やり方が非常に下手で説明が片手落ちという印象がぬぐえない。
一言でいうと出来の悪い学部生の卒論を読んでいるような印象を受けた。
慎重に推敲を重ねたとは思えないし、編集者もあまり仕事をしなかったようだ。
それとこの本は全編書き下ろしじゃないね。よそで書いたものの寄せ集めのようだ。
例えば第5章「戦争の様相と社会の変化」の内容は『検証太平洋戦争とその戦略1 総力戦の時代』に収められた「総力戦と社会の変化」を少し手直ししただけ。
どうりで章と章でくどくど内容の重複があると思った。
別に論文集ならそれはそれでいいけど、初出はあとがきとかに書いておいてほしい。
武田 康裕/神谷 万丈編『新訂第5版 安全保障学入門』(亜紀書房、2018年)を読んだほうが大系的に戦争の基礎が学べるだろう。
2020年1月30日に日本でレビュー済み
近刊の
多湖淳『戦争とは何か』
を読む前に、日本人による戦争論を予習しておこうと思い手に取りました。
他のレビューにある通り、著者の戦争学構築に向ける姿勢には真摯なものを感じます。第Ⅰ部「戦争の本質を考える」では、軍事学のみならず国際政治学、平和学、歴史学、人類学など多方面の関連文献を丁寧に検討しています。単なる引用ではなく、それぞれのディシプリンの特徴を踏まえたうえで学際的に議論することは、実は学者にとってはなかなかできない技です。戦争の原因について、筆者がトゥキュディデス『戦史』に挙げられた利益・恐怖・名誉の「三要素」に立ち戻ったところがユニークに感じられました。ペルシア戦争後のギリシア情勢ー多数のポリスが存立する中で、アテネ・スパルタ・テーベなどが覇権を確立しようとしていたーは、確かに現代世界の縮図であるかもしれませんね。
第Ⅱ部「戦争と社会との関係性を考える」は、戦略論に帰結する内容になっています。本書全体に当てはまりますが、著者が依拠している戦略論ないしそれに近い研究は、クラウゼヴィッツを筆頭として、リデル・ハート、マイケル・ハワード、クレフェルト、ルトワックあたりが主体です。著者の戦争への展望は、平和に向けた様々な努力にもかかわらず、戦争が人類の営為の一つである以上その根絶は難しい、といったところ。そして日本のとるべき道としては、リデル・ハートの間接的アプローチがあてはまるイギリスがモデルとして想定されています。ここはマハン流に通商も含めたシーパワーの確保、と言っても良い気がしますが、艦隊決戦は論外として、マハンの露骨な(?)植民地主義はいただけないか。
周知の通り日本では防大以外で「戦争学」が講義・研究されることは稀です。著者より若手の軍事史研究者も、日本の大学で然るべき地位を占められているとは思えません(評者自身はアカデミズムの人間ではありませんが...)。戦争アレルギーもさることながら、軍事というと何かマニアな響きにしか感じていない風潮もあるのではないのでしょうか。一般の大学でも戦争学の研究が進み、名著『失敗の本質』シリーズのような学際的な研究成果をあげることが急務かと痛感しました。
他のレビューにある通り、著者の戦争学構築に向ける姿勢には真摯なものを感じます。第Ⅰ部「戦争の本質を考える」では、軍事学のみならず国際政治学、平和学、歴史学、人類学など多方面の関連文献を丁寧に検討しています。単なる引用ではなく、それぞれのディシプリンの特徴を踏まえたうえで学際的に議論することは、実は学者にとってはなかなかできない技です。戦争の原因について、筆者がトゥキュディデス『戦史』に挙げられた利益・恐怖・名誉の「三要素」に立ち戻ったところがユニークに感じられました。ペルシア戦争後のギリシア情勢ー多数のポリスが存立する中で、アテネ・スパルタ・テーベなどが覇権を確立しようとしていたーは、確かに現代世界の縮図であるかもしれませんね。
第Ⅱ部「戦争と社会との関係性を考える」は、戦略論に帰結する内容になっています。本書全体に当てはまりますが、著者が依拠している戦略論ないしそれに近い研究は、クラウゼヴィッツを筆頭として、リデル・ハート、マイケル・ハワード、クレフェルト、ルトワックあたりが主体です。著者の戦争への展望は、平和に向けた様々な努力にもかかわらず、戦争が人類の営為の一つである以上その根絶は難しい、といったところ。そして日本のとるべき道としては、リデル・ハートの間接的アプローチがあてはまるイギリスがモデルとして想定されています。ここはマハン流に通商も含めたシーパワーの確保、と言っても良い気がしますが、艦隊決戦は論外として、マハンの露骨な(?)植民地主義はいただけないか。
周知の通り日本では防大以外で「戦争学」が講義・研究されることは稀です。著者より若手の軍事史研究者も、日本の大学で然るべき地位を占められているとは思えません(評者自身はアカデミズムの人間ではありませんが...)。戦争アレルギーもさることながら、軍事というと何かマニアな響きにしか感じていない風潮もあるのではないのでしょうか。一般の大学でも戦争学の研究が進み、名著『失敗の本質』シリーズのような学際的な研究成果をあげることが急務かと痛感しました。
2013年3月23日に日本でレビュー済み
本書は、戦争・戦略研究の第一人者の石津氏による、これまでの研究の集大成と呼べるものだと思います。戦争の起源や将来像を論じることはもとより、戦争における「勝利」の意味や「戦争指導」といった様々なテーマについても深く考察されています。
平和や戦争をめぐる問題の核心に迫りたい方や、国際情勢を軍事の視点からより重層的に理解したい方には、まず何より本書から目を通すことを強くお勧めします。
目次より
序章 戦争は学問たり得るか
第I部 戦争の本質を考える
第1章 戦争とは何か
第2章 戦争の起源と原因を考える
第3章 平和とは何か
第4章 戦争の勝利とは何か
第II部 戦争と社会の関係性を考える
第5章 戦争の様相と社会の変化
第6章 戦争の機能と役割
第7章 戦争指導とは何か
第8章 国家戦略を考える
終章 戦争の将来像を考える
平和や戦争をめぐる問題の核心に迫りたい方や、国際情勢を軍事の視点からより重層的に理解したい方には、まず何より本書から目を通すことを強くお勧めします。
目次より
序章 戦争は学問たり得るか
第I部 戦争の本質を考える
第1章 戦争とは何か
第2章 戦争の起源と原因を考える
第3章 平和とは何か
第4章 戦争の勝利とは何か
第II部 戦争と社会の関係性を考える
第5章 戦争の様相と社会の変化
第6章 戦争の機能と役割
第7章 戦争指導とは何か
第8章 国家戦略を考える
終章 戦争の将来像を考える
2017年12月10日に日本でレビュー済み
他の方が言っているように、結論部分には筆者の論理の飛躍など大きな問題があろう。しかし、戦争をどう捉えるか、また今現在どのように捉えられているかという部分においては様々な視点から述べられておりいい本であったと思う。
そもそも結論部分は筆者の考えであり、その部分も丸々飲み込む必要性は一切無い。公務員の方がこのような考えを本として世間一般に出すこと自体問題のある行為(ここに日本で戦争についての言論がタブーになっている現状を見ることが出来る)と見てとることが出来るが、それと結論での言説の批判には一切関係がない。本書の結論部分は一個人として戦争を見てきた人の中での意見であるからである。
そもそも結論部分は筆者の考えであり、その部分も丸々飲み込む必要性は一切無い。公務員の方がこのような考えを本として世間一般に出すこと自体問題のある行為(ここに日本で戦争についての言論がタブーになっている現状を見ることが出来る)と見てとることが出来るが、それと結論での言説の批判には一切関係がない。本書の結論部分は一個人として戦争を見てきた人の中での意見であるからである。
2013年10月4日に日本でレビュー済み
まず著者の日本に戦争学を根付かせたいと言う熱意が伝わってくる。だからといって論理の飛躍があるわけではなく、冷静にこれまでの欧米での研究成果を分析し、最後に自分の意見をほのめかしている。さすが学者ですねえ。自衛官崩れの自称専門家と意見が合わない理由が分かったような気がします。レベルが違うんです。
戦争関連の本が筑摩書房から出ること自体が異色。だが著者は思想と言う観点から戦争の実態を見事に描き出していると思います。筑摩さん有り難う。
戦争関連の本が筑摩書房から出ること自体が異色。だが著者は思想と言う観点から戦争の実態を見事に描き出していると思います。筑摩さん有り難う。
2020年5月31日に日本でレビュー済み
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商品自体が汚れていました。
後半数ページにわたって汚れがついていて、新品を買ったはずなのにとても残念でした、、。
後半数ページにわたって汚れがついていて、新品を買ったはずなのにとても残念でした、、。