僕は、本を読んで何かの見方が変わる本が素晴らしいと思います。合理的な思考とは、新たな事実を知った時に自分の知ってる知識と比較して、どちらか選び取とるか、2つの間のジンテーゼを考えるということです(人は、自分の反対意見に必ず反発します。これを、認知的不協和と呼ぶのですが。そこを乗り越えられないことを頑固と呼ぶのです)。
原発の知識をもって、反原発を掲げるならわかります。しかし、知識もなしに反原発を言うのは、幻想を見ていると思います。「ホウシャセン」って怖いよね。つまりそこらへんの土地も怖いから反原発!という論調の人がほとんどだと思います。この知識のなさが、偏見を助長していることに気づきましょう。
人間は抽象化ができる生き物です。この膨大な世界の情報を、抽象化でとらえるのです。時に、それがバイアスや偏見に繋がります。言っておきますが、原発は福島にありません。原発は福島市ではなく双葉郡にあります。福島、福島といって抽象化しないでください。
限りある資源の地球上で、我々の種の寿命を伸ばすために、化石燃料への依存度の低い、もしくは全くない社会になってほしいと願っています。そのために、現時点での現実可能なエネルギー源が原子力なのです。それを選ぶほかないということです。
でもまてよ、と、僕は認知科学とかバイアスについて勉強したからこう考えられるのであって、普通の人はそうではない。人は合理的ではない。自分の信念に反する事実ははねのけてしまう。ということは、そういう面で、原発は普及が難しいということがわかった。日本は、一周回って、技術的には問題は少ないが、反発する人が多いという点で、普及できない、という何とも悲しい現状なのかなと思った。
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「反原発」の不都合な真実 (新潮新書) 新書 – 2012/2/17
藤沢 数希
(著)
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- ISBN-104106104571
- ISBN-13978-4106104572
- 出版社新潮社
- 発売日2012/2/17
- 言語日本語
- 本の長さ208ページ
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カスタマーレビュー |
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5つ星のうち4.3
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価格 | ¥770¥770 | ¥858¥858 | ¥880¥880 |
【新潮社】藤沢数希 作品 | 原発廃絶が「正義」の今、改めて全電力のリスクと将来性を比較すると、意外な結論に!日本の命運を左右するエネルギー問題について冷静に論じた一冊。 | 結婚相手選びは株式投資と同じ。夫婦はゼロサムゲーム=食うか食われるかの関係にある。そんな男女の「損得勘定」と、適切な結婚相手の選び方を解き明かす。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2012/2/17)
- 発売日 : 2012/2/17
- 言語 : 日本語
- 新書 : 208ページ
- ISBN-10 : 4106104571
- ISBN-13 : 978-4106104572
- Amazon 売れ筋ランキング: - 95,480位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 234位新潮新書
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2018年9月14日に日本でレビュー済み
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火力、水力、再生可能エネルギーと安全であり問題のない発電方法はそもそもない。火力水力再生可能エネルギーで起こる問題と天秤にかけてどちらが良いのか考えるべきだと思いました。
便利の代償を誰が背負うのか、経済的政治的な問題もあるが倫理的な問題が大きいことを知りました。
便利の代償を誰が背負うのか、経済的政治的な問題もあるが倫理的な問題が大きいことを知りました。
2012年3月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
化石燃料の大気汚染と原子力発電による死亡者数を比較していて、
確かに化石燃料由来の大気汚染の健康被害は深刻だと思いました。
ただ、著者はこれを原子力発電との比較でしか考慮していません。
本書でグラフで図示されている通り、
化石燃料は発電以外でも使用し、
火力発電由来の大気汚染物質は日本では10〜20%前後なので、
著者が言う大気汚染による甚大な健康被害は、
原子力発電を止めることによってそれほど大きく増えそうにはありません。
あくまで原子力発電の事故による被害より大気汚染による死者が多い
(二者だけを比較した場合)ということです。
電気料金が原子力発電の比率を高めると安くなるという議論も胡散臭いと思う。
著者が書いている通り電気料金の安い国は環境負荷の高い石炭火力の比率の高い国ばかりです。
電力業が完全国営の韓国は別にしても、原子力発電は政府の巨大な財政的負担無しには存在しない発電手段です。
ウラン燃料自体、ウランの濃縮という行為が軍事技術でもあり、
他の化石燃料のように自由に取引出来るようなものではありません。
原子力発電だけに限って言えば電気料金というのはコストの一部分でしかないので、
産業界と電力業界が喜ぶからといって低コストであるわけではありません。
原子力発電を増やすことは、他の発電手段なら電気代に含んでいるべきコストを
国民が税金によって肩代わりすることになります。
著者の意見に反して原子力発電は温暖化対策の切札にはならず、エネルギー源としては有望でないと考えます。
1つ目の理由は核燃料の濃縮とプルトニウムが軍事転用可能なものとして管理しなければならず、
化石燃料由来のエネルギーの代替として広く普及させることと矛盾するからです。
NPT核不拡散とエネルギー源としての普及に解消出来ない矛盾があります。
2つ目の理由としてウランは絶対量が少な過ぎます。
温暖化の切札として利用しようとすると、可採年数は1/5以下になるはずです。
新興国と中国は原子力発電を使いたがっていますが、
資源量が少ないからといって使うなとは言えないため、
ウランの可採年数は自ずと低下していきます。
サンシャイン計画などについても誤解しているような記述があります。
一般的な感覚からすれば、投入された予算は大きいと言えますが、
予算規模は年間で60億とか80億です。
原子力発電で投下された国の予算はもんじゅ関係だけでこれを軽く超えます。
(高速増殖炉の開発費用は1兆円を超えている)。
しかも、サンシャイン計画は現在も継続中で
太陽光発電などは研究目標は数年毎に絶えず達成されています。
サンシャイン計画は別にしても、
自然エネルギーに関して補助金は悪という議論と、
原子力発電で交付金をバラまくことがWinWinの関係という著者の主張は、
整合性がありません。
事実誤認については他にも、例えば太陽電池による発電単価は約50円とありますが、
計算方法による違いはありますが、現状ではほぼ家庭電力料金並みのはずです。
ソーラーパネルの主原料のシリコンは産業廃棄物としては無害です。
カドミウムテルルを使ったソーラーパネルが主流と書いてあるのは嘘です。
日本のメーカーはカドミウムテルルが有害なため使用していません。
アメリカのファーストソーラーというメーカーはカドミウムテルルを使った
ソーラーパネルを製造していますが、彼らのビジネスモデルは廃棄処分するパネルは
全量回収し、リサイクルして使用するというものです。
原子力発電を敢えて続ける場合、よりましな方法として、
トリウム溶融塩炉のパイロット炉が建設可能なら、
高速増殖炉・燃料再処理事業を捨て、
プルトニウムを消費しながら軽水炉から置き換えていく選択肢もあるかもしれません。
自分にとっては原子力発電は行き止まりの袋小路なので、
著者の主張とは裏腹に原子力発電を継続可能にする方法があるようには見えません。
経済性やコスト、補助金ビジネスは悪である、などの論点で著者が批判する他の発電手段と原子力発電との比較で論理の整合性が取れていません。そもそも論拠に示している事実などが極端に原子力発電の場合は楽観的で、他のエネルギー源の場合は不正確であったり中途半端であったりしています。エネルギーのポートフォリオが大切と書いて置きながら、博打の1点掛けのように原子力発電を持ち上げたり、逆にコストだけを取り上げて批判したり、また別のところではコストの実績値は重要でないとか将来のコストは誰にもわからないなどど書いたりしています。
確かに化石燃料由来の大気汚染の健康被害は深刻だと思いました。
ただ、著者はこれを原子力発電との比較でしか考慮していません。
本書でグラフで図示されている通り、
化石燃料は発電以外でも使用し、
火力発電由来の大気汚染物質は日本では10〜20%前後なので、
著者が言う大気汚染による甚大な健康被害は、
原子力発電を止めることによってそれほど大きく増えそうにはありません。
あくまで原子力発電の事故による被害より大気汚染による死者が多い
(二者だけを比較した場合)ということです。
電気料金が原子力発電の比率を高めると安くなるという議論も胡散臭いと思う。
著者が書いている通り電気料金の安い国は環境負荷の高い石炭火力の比率の高い国ばかりです。
電力業が完全国営の韓国は別にしても、原子力発電は政府の巨大な財政的負担無しには存在しない発電手段です。
ウラン燃料自体、ウランの濃縮という行為が軍事技術でもあり、
他の化石燃料のように自由に取引出来るようなものではありません。
原子力発電だけに限って言えば電気料金というのはコストの一部分でしかないので、
産業界と電力業界が喜ぶからといって低コストであるわけではありません。
原子力発電を増やすことは、他の発電手段なら電気代に含んでいるべきコストを
国民が税金によって肩代わりすることになります。
著者の意見に反して原子力発電は温暖化対策の切札にはならず、エネルギー源としては有望でないと考えます。
1つ目の理由は核燃料の濃縮とプルトニウムが軍事転用可能なものとして管理しなければならず、
化石燃料由来のエネルギーの代替として広く普及させることと矛盾するからです。
NPT核不拡散とエネルギー源としての普及に解消出来ない矛盾があります。
2つ目の理由としてウランは絶対量が少な過ぎます。
温暖化の切札として利用しようとすると、可採年数は1/5以下になるはずです。
新興国と中国は原子力発電を使いたがっていますが、
資源量が少ないからといって使うなとは言えないため、
ウランの可採年数は自ずと低下していきます。
サンシャイン計画などについても誤解しているような記述があります。
一般的な感覚からすれば、投入された予算は大きいと言えますが、
予算規模は年間で60億とか80億です。
原子力発電で投下された国の予算はもんじゅ関係だけでこれを軽く超えます。
(高速増殖炉の開発費用は1兆円を超えている)。
しかも、サンシャイン計画は現在も継続中で
太陽光発電などは研究目標は数年毎に絶えず達成されています。
サンシャイン計画は別にしても、
自然エネルギーに関して補助金は悪という議論と、
原子力発電で交付金をバラまくことがWinWinの関係という著者の主張は、
整合性がありません。
事実誤認については他にも、例えば太陽電池による発電単価は約50円とありますが、
計算方法による違いはありますが、現状ではほぼ家庭電力料金並みのはずです。
ソーラーパネルの主原料のシリコンは産業廃棄物としては無害です。
カドミウムテルルを使ったソーラーパネルが主流と書いてあるのは嘘です。
日本のメーカーはカドミウムテルルが有害なため使用していません。
アメリカのファーストソーラーというメーカーはカドミウムテルルを使った
ソーラーパネルを製造していますが、彼らのビジネスモデルは廃棄処分するパネルは
全量回収し、リサイクルして使用するというものです。
原子力発電を敢えて続ける場合、よりましな方法として、
トリウム溶融塩炉のパイロット炉が建設可能なら、
高速増殖炉・燃料再処理事業を捨て、
プルトニウムを消費しながら軽水炉から置き換えていく選択肢もあるかもしれません。
自分にとっては原子力発電は行き止まりの袋小路なので、
著者の主張とは裏腹に原子力発電を継続可能にする方法があるようには見えません。
経済性やコスト、補助金ビジネスは悪である、などの論点で著者が批判する他の発電手段と原子力発電との比較で論理の整合性が取れていません。そもそも論拠に示している事実などが極端に原子力発電の場合は楽観的で、他のエネルギー源の場合は不正確であったり中途半端であったりしています。エネルギーのポートフォリオが大切と書いて置きながら、博打の1点掛けのように原子力発電を持ち上げたり、逆にコストだけを取り上げて批判したり、また別のところではコストの実績値は重要でないとか将来のコストは誰にもわからないなどど書いたりしています。
2021年5月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
原発とはどのような構造か、どのようにして事故は起こったのか? そんなこともよくわからずに、メディアの煽りで「反原発」に陥ってはいないだろうか。世界の生活水準の向上やEVの普及等により、より電力増強が要請される中、地球温暖化防止・脱炭素議論の嚆矢としての原発再稼働は待ったなしと思われる。原発の技術革新で福島第1原発のような事故は防げるという見通しも示す、示唆に富む一冊。
2020年10月23日に日本でレビュー済み
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ガースーで知った。ちゃんと読ムンバイ!!
2013年6月13日に日本でレビュー済み
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購入時点で評価が高かったレビュー「実証性と理論が弱い」を確認した後に読んだが,大気汚染の死亡者数を示し,その内の何%が火力発電によるもの,と前提をきちんと明確化して計算しており,導かれた値に誤りはないと判断する。
他のレビューには,都合のいいデータだけ使っているとか,怪しげで胡散臭いとの評価もあるが,WHOのほか,参考資料の出展を確認する限り怪しげなものはない。反原発派が使っているデータも引用してくれということであろうか?
全体の感想として,大学の専門的な講義などとは違い,一般市民を対象にした講演会やシンポジウムで話した内容を活字にして出版した印象が強い。
例えば,数式を展開する上で「計算を簡単にするために数字を丸めて」とか,「計算上は無視できるほど小さくなる」,「ざっくりと」,「要点を絞って簡単に計算」といった表現が多くあり,これが計算結果の信憑性を損ねてしまっている。胡散臭いと感じさせる要因だ。
縦書きの本文中ではなく,数式・計算過程を隣ページに横書きに示した方が説得力が増したのではなかろうか。この点で星を一つ減らした。
あまり耳にしないが,「どの発電方式でどれだけの人が死ぬか」という観点で発電方式の安全度を比較する場合,死亡者数を発電電力量で除すのは正しく,その単位は(人/kWh)になる。
火力発電などの大気汚染で人が死ぬというのは,確かに日本では考えられないことにも思えるが,ここのところの中国のPM2.5問題もあり,“胡散臭い”では済まされないかもしれない。
計算したところ原子力が最も安全だという氏の結論は,反原発派にとっては途轍もなく大きい「不都合な真実」なのだろう。この手の本には原発推進派が高い評価を与え,反原発派が誹謗中傷するという構図は良く目にする。それにしても,書評の場を用いて自身の反原発意見を披露し,主張を展開するというのはいかがなものか。
一方,化石燃料を燃やして発電し,その電気を充電して電気自動車を利用するのは非効率との記述があるが,コンバインドサイクル発電の効率・送電ロス・電気自動車システムの効率を加えたものと,内燃機関(ガソリンエンジン)の効率ではどちらが有利なのか,データが欲しかった。
氏の言うとおり,原子力発電と電気自動車の組み合わせは確かに魅力的だが,原子力発電で水を電気分解して水素を作り,それで燃料電池車を動かすのとではどちらが有益なのか,素人ながらに疑問に感じた。
なお,アゴラなどで活躍する氏を今までは数学者だと思っていたが,巻末の著者紹介を見ると理論物理学者であった。
他のレビューには,都合のいいデータだけ使っているとか,怪しげで胡散臭いとの評価もあるが,WHOのほか,参考資料の出展を確認する限り怪しげなものはない。反原発派が使っているデータも引用してくれということであろうか?
全体の感想として,大学の専門的な講義などとは違い,一般市民を対象にした講演会やシンポジウムで話した内容を活字にして出版した印象が強い。
例えば,数式を展開する上で「計算を簡単にするために数字を丸めて」とか,「計算上は無視できるほど小さくなる」,「ざっくりと」,「要点を絞って簡単に計算」といった表現が多くあり,これが計算結果の信憑性を損ねてしまっている。胡散臭いと感じさせる要因だ。
縦書きの本文中ではなく,数式・計算過程を隣ページに横書きに示した方が説得力が増したのではなかろうか。この点で星を一つ減らした。
あまり耳にしないが,「どの発電方式でどれだけの人が死ぬか」という観点で発電方式の安全度を比較する場合,死亡者数を発電電力量で除すのは正しく,その単位は(人/kWh)になる。
火力発電などの大気汚染で人が死ぬというのは,確かに日本では考えられないことにも思えるが,ここのところの中国のPM2.5問題もあり,“胡散臭い”では済まされないかもしれない。
計算したところ原子力が最も安全だという氏の結論は,反原発派にとっては途轍もなく大きい「不都合な真実」なのだろう。この手の本には原発推進派が高い評価を与え,反原発派が誹謗中傷するという構図は良く目にする。それにしても,書評の場を用いて自身の反原発意見を披露し,主張を展開するというのはいかがなものか。
一方,化石燃料を燃やして発電し,その電気を充電して電気自動車を利用するのは非効率との記述があるが,コンバインドサイクル発電の効率・送電ロス・電気自動車システムの効率を加えたものと,内燃機関(ガソリンエンジン)の効率ではどちらが有利なのか,データが欲しかった。
氏の言うとおり,原子力発電と電気自動車の組み合わせは確かに魅力的だが,原子力発電で水を電気分解して水素を作り,それで燃料電池車を動かすのとではどちらが有益なのか,素人ながらに疑問に感じた。
なお,アゴラなどで活躍する氏を今までは数学者だと思っていたが,巻末の著者紹介を見ると理論物理学者であった。
2014年12月31日に日本でレビュー済み
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2014年度の高校生英語ディベート大会の論題は「原発廃止」
この藤沢さんは突然有名人になりました。"Who is Kazuki Fujisawa?" He is a scientist. ....それで一番引用された論理は否定側から,原発稼働によって喘息など大気汚染で亡くなる人が年間~人なくなる,というもの。論理はこの本に依拠して,火力発電所が排出されるNox, SOxの量。その汚染で病気になる人の数→稼働によって,減少する大気物質の量,よっと「原発再稼働」すべし,だって,この本に書いてあるのだから~
つきどころ満載の議論ですが,これで勝ち抜いたチームもありました。原因→結果のリンクが長いと,予期しないような結論が導き出される典型例です。
この藤沢さんは突然有名人になりました。"Who is Kazuki Fujisawa?" He is a scientist. ....それで一番引用された論理は否定側から,原発稼働によって喘息など大気汚染で亡くなる人が年間~人なくなる,というもの。論理はこの本に依拠して,火力発電所が排出されるNox, SOxの量。その汚染で病気になる人の数→稼働によって,減少する大気物質の量,よっと「原発再稼働」すべし,だって,この本に書いてあるのだから~
つきどころ満載の議論ですが,これで勝ち抜いたチームもありました。原因→結果のリンクが長いと,予期しないような結論が導き出される典型例です。
2020年10月7日に日本でレビュー済み
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原子力発電所の存在と価値観が変わりました。