映画ブローン・アパートでの、ユアン・マクレガーとのフルヌードファックシーンで、リアルな演技を見せたミシェル・ウィリアムズがモンローを演じます。(今回もフルヌードシーンはあるがバックショットだけ)
ウィリアムズのモンロー役起用には異論も強かったそうですが、見事にまでモンローをコピーした素晴らしい演技を見せてます。
身長もこの撮影当時の年齢もモンローとほぼ同じウィリアムズですが、仕草や体の動きや表情などは勿論のこと目の輝かせ方までモンローを正確にコピーしてます。
この映画が素晴らしいのはウィリアムズの演技だけでは無く、撮影技術が大変優れている点で、ライティングやレンズの選定などが秀逸で、どの瞬間を切り取っても芸術的ポートレート写真ができるようなシーンが多くあります。
また登場する車は当時実際に使われた車と全く同じものを揃えたようで、同じく当時の姿のままのロンドン各所と併せて、まるで最新機材を持った撮影スタッフがモンロー滞在中のロンドンにタイムスリップして撮った映画のようです。
ちなみにモンロー一行を乗せる車は1952年ROLLS ROYCE SILVER WRAITH LIMOUSINE。7日間の恋人役エディ・レッドメインが乗るのは2座席オープンの1947年MGTC。二人を後席に乗せて走るのが1950年Wolseley 6/80 。更にはレッドメインの後ろにチラと映るヴァンも1954年Morris Commercial J-Type Vanと言う徹底ぶりです。
特に印象的なのは、薄暗い夕暮れの中、走るWolseley6/80の車窓に流れる周りの木々の影に重ねて映る車内のウィリアムズの表情で、バックに流れるNat King Coleの歌うThe Autumn Leaves が雰囲気を盛り上げ最高です。……が、歌詞の字幕が邪魔してブチ壊しにしてるのが残念です。
ストリーミングで見た後はBlu-ray版を購入し、字幕の出ない原語モードで視聴することをお奨めします。