危険なメソッド [DVD]
フォーマット | 色, ワイドスクリーン, ドルビー |
コントリビュータ | ヴィゴ・モーテンセン, キーラ・ナイトレイ, デヴィッド・クローネンバーグ, ヴァンサン・カッセル, サラ・ガドン, マイケル・ファスベンダー |
言語 | 英語 |
稼働時間 | 1 時間 39 分 |
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商品の説明
【解説】
未だ多くの謎が残されている人間の“精神"という領域に果敢に挑み、その解明に生涯を捧げたジークムント・フロイトとカール・グスタフ・ユング。歴史上最も著名な、ふたりの心理学者の友情と決別の背景には、美しい患者との禁断の関係が隠されていた…。 「ヒストリー・オブ・バイオレンス」「イースタン・プロミス」で世界を驚愕させた鬼才デヴィッド・クローネンバーグが、「つぐない」の名脚本家クリストファー・ハンプトンによる舞台劇を映画化した本作は、若き日のユングを主人公にフロイトとの出会いから決別に至るまでの軌跡をたどる。そして実在したもうひとりの登場人物、ユングの患者であり愛人でもあった女性ザビーナ・シュピールラインの存在にスポットを当て、美しく聡明で過激な情動を内に秘めた“運命の女"と禁断のトライアングルで結ばれたユング、フロイトの関係性をドラマチックかつスリリングに映し出す。また、心の奥底に眠る感情をあぶり出す“言語連想テスト"やユングとフロイトが意見交換する“夢分析"シーンなど知的好奇心を刺激するエピソードも数多く描かれている。 「プロメテウス」「SHAME-シェイム-」「ジェーン・エア」など話題作に出演しているマイケル・ファスベンダーが、若き日のユングを繊細な感情表現で演じ、クローネンバーグ作品3本目の出演となるヴィゴ・モーテンセンが重厚な存在感でカリスマ性あふれる心理学者フロイトになりきっている。そして、鋭い感性と知性の持ち主にして、マゾヒスティックな性癖を隠し持つという異色のヒロイン、ザビーナを「パイレーツ・オブ・カリビアン」のキーラ・ナイトレイが演じ、凄まじい絶叫や過激なセックス・シーンも辞さない渾身の熱演を披露している。
【ストーリー】
1904年、チューリッヒのブルクヘルツリ病院に勤める29歳の精神科医ユングは、精神分析学の大家フロイトが提唱する斬新なメソッド“談話療法"を、新たな患者ザビーナに実践する。まもなくユングはザビーナの幼少期の記憶をたどり、彼女が抱える性的トラウマの原因を突き止めることに成功する。二人はしだいに医師と患者の一線を越えてお互いに愛情を抱き始めるが、ザビーナをめぐるユングの内なる葛藤はフロイトとの友情に亀裂を生じさせていく…。
【キャスト】
キーラ・ナイトレイ「パイレーツ・オブ・カリビアン」「つぐない」
ヴィゴ・モーテンセン「ロード・オブ・ザ・リング」「イースタン・プロミス」
マイケル・ファスベンダー「プロメテウス」「ジェーン・エア」
ヴァンサン・カッセル「ブラック・スワン」「イースタン・プロミス」
サラ・ガドン「コズモポリス」
【スタッフ】
監督:デヴィッド・クローネンバーグ「イースタン・プロミス」「ヒストリー・オブ・バイオレンス」「コズモポリス」
原作(戯曲)・脚本:クリストファー・ハンプトン「つぐない」「危険な関係」
製作:ジェレミー・トーマス「ラスト・エンペラー」「戦場のメリー・クリスマス」
撮影:ピーター・サシツキー「イースタン・プロミス」「ヒストリー・オブ・バイオレンス」
音楽:ハワード・ショア「ヒューゴの不思議な発明」「ホビット 思いがけない冒険」
【公開日】2012年10月公開
【スペック】
●映像特典
◆メイキングオブ「危険なメソッド」(約19分) 優雅な雰囲気を感じさせる作品の現場を、そのまま覗き込んだような魅惑のメイキング。フロイトが実際に住んでいた住居での撮影や、再現された数々の小道具によって20世紀初頭・ヨーロッパの空気がたちこめてゆく様子を映し出す。また、モーテンセンとファスベンダーの息詰まるような対話の場面や、ナイトレイの屋外での鬼気迫る演技の撮影された瞬間を捉えながら、同時に役者の素顔が垣間見えるリラックスした時間をも切りとっている。ハワード・ショアが指揮をとる劇伴収録の模様も収録。
◆キャスト・スタッフ
インタビュー集(約33分)
キーラ・ナイトレイ マイケル・ファスベンダー ヴィゴ・モーテンセン ヴァンサン・カッセル デヴィッド・クローネンバーグ(監督) ジェレミー・トーマス(製作) ハワード・ショア(音楽) 【登場順】 メインのキャストたちがそれぞれの役柄についての考察や演じる上でのポイント、フロイトとユングについて、自身の思うところを語る。また共演者や監督・クローネンバーグについての印象なども、それぞれが熱く語っている。クローネンバーグをはじめとするスタッフ陣も、史実を元にした作品が内包する深みとそれぞれの解釈、キャスト・スタッフの仕事の素晴らしさについて語っている。
◆海外版予告編
◆日本版予告編
●音声特典:オーディオ・コメンタリー:監督 デヴィッド・クローネンバーグ
監督・デヴィッド・クローネンバーグが全編にわたり作品を徹底解説! フロイト・ユングについての豊富な知識をベースとして、作品中で描かれる20世紀初頭からフロイト登場以降の精神医学についての考察や、物語の時代背景について明快に語りつくす。各キャラクターの心情の変化や、その場面で自身が選び抜いた表現についてのコメント、ポストプロダクションについてのこだわりなどから浮かび上るのは、クローネンバーグ自身の映画メソッド。脇に至るまでの個々のキャラクターや、家具や背景となる場所についての細部に至るこだわりの数々は、この映画を隅々まで理解するための最強の解説である。クローネンバーグが本編時間中喋りつくす、監督ファン必見の濃密コメンタリー!
●封入特典
◆解説リーフレット
(「フロイト、ユング、シュピールライン、グロスー ―『危険なメソッド』の主人公たち」 鈴木晶/「自我と賢者とアニマ」柳下毅一郎/フロイトとユング関連年表/精神分析用語解説/キャスト・スタッフ プロフィール)
DSZD08070/4,700円(税込4,935円)/COLOR/本編99分/片面2層/1.主音声:ドルビー5.1ch(英語)2.コメンタリー:ステレオ(英語)/1.日本語字幕 2.コメンタリー用字幕(予定)/16:9LB
【視聴制限】※本作品は、12歳未満の方にとって不適切な表現が含まれています。12歳未満の方は、親または保護者の方とご覧ください。
【販売元】東映株式会社【発売元】東映ビデオ株式会社
登録情報
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 言語 : 英語
- 製品サイズ : 25 x 2.2 x 18 cm; 60 g
- EAN : 4988101170524
- 監督 : デヴィッド・クローネンバーグ
- メディア形式 : 色, ワイドスクリーン, ドルビー
- 時間 : 1 時間 39 分
- 発売日 : 2013/6/21
- 出演 : キーラ・ナイトレイ, ヴィゴ・モーテンセン, マイケル・ファスベンダー, ヴァンサン・カッセル, サラ・ガドン
- 字幕: : 日本語
- 販売元 : TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
- ASIN : B00B7ITC3K
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 81,014位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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デヴィッド・クローネンバーグが監督した2012年公開のイギリスとドイツ共同制作の歴史映画です。
ユングをマイケル・ファスベンダーが、フロイトをヴィゴ・モーテンセンが、ユングの愛人となるザビーナ・シュピールラインをキーラ・ナイトレイが見事に演じきっています。
ぼくは精神分析にもともと興味を持っていて、友人がこの映画のことを教えてくれたので、観ることにした次第です。
精神分析といえば、フロイトが祖ですが、その後アンナ・フロイトが自我心理学を立ち上げアメリカで隆盛を見て、現在では自己心理学に帰着しています。
またメラニー・クラインが対象関係論を創始し、イギリス学派を形成します。
そしてフランスではジャック・ラカンが独創的なフロイト解釈を推し進め、ラカン派を主導しました。
つまり、精神分析といえば、以上のところまでが範囲で、ユングは「分析心理学」というカテゴリーになり、精神分析と似て非なるものなのです。
ここに、フロイトとの反目があったのでしょう。
映画でもあったとおり、フロイトの汎性欲説に対して、ユングはリビドー(性的エネルギー)を中性化しました。
また、これもまた映画にあったとおり、ユングは偶然などないすべては必然である、というようなフロイトからしてみればオカルトと思うような領域に入っていてしまいました(とはいえフロイトもテレパシーを研究していたのですが)。
そもそもユングは『ユング自伝』(みすず書房、1972)を読めばわかるように、霊感があったように見受けられます(ユングの母親は霊感が強かったそうです)。そのためいわゆる「オカルト」方面に行ったのだと思われます。
というわけで、「精神分析はユダヤ人の学問だ」という偏見を打破するために、非ユダヤ人であるユングを「精神分析界の王子」としてフロイトは最初、大歓迎していたのですが、やがて亀裂が入り、決裂することになります。
いまとなってもユングが正しかったのか、フロイトが正しかったのか、分からないでしょうし、何を「正しい」とするのかという問題もあります。
ぼくの診たところ、ザビーナは精神病ではなく、幼児のときに受けたしつけ(お尻を打たれるということ)にリビドーが固着してしまって、「屈辱」に快感を覚えてしまうという性倒錯者であると考えられます。
そんな性倒錯者ザビーナですが、知的な面がとてもすぐれているのでユングは次第に惹かれていきます。
つまり、「逆転移」が生じてユングはザビーナを愛するようになり、また、反対に、「転移」によってザビーナはユングを愛するようになります。
しかし、よくよく映画を観てみると、簡単に「転移/逆転移」で片付けてしまっていいのかなぁという疑問も湧いてくるのも確かなのですが、映画のタイトルが「危険なメソッド」だとすると、その「危険なメソッド」とは「談話療法talking cure」のことであり、二者関係で行われる精神分析治療では「転移/逆転移」が起こってくることが必定なのです。
さて、この映画には箴言というか警句というか至言に満ち満ちていて、その中の一つを以下にとりあげたいと思います。
「正気の医師には治せない」
これはある時まで精神疾患を抱えながら精神科医になろうと努力していたぼくには福音に聞こえました。
なんとなれば、哲学者パスカルも『パンセ』(中公文庫、1973)のなかでこう言っているのですし。
「人間は、もし気が違っていないとしたら、別の違い方で気が違っていることになりかねないほどに、必然的に気が違っているものである」(p.283)
ぼくはいつも独学で本を読むことで精神分析を勉強していますが(しがないサラリーマンです)、やっぱり映像で見ると記憶の定着率が違う気がします。
いろいろな情報があるので、それが紐付けになって容易に思い出しやすくなるんでしょうね。
これからも何回も何回も観てみようと思います。
DVDを購入することも検討しています。
フロイトやユングに興味がある方、または、精神分析に対して嫌悪感を抱いている人も面白く観れること請け合いです。
オススメです。
最終的にユングとフロイトを分かつのも自分の存在。
一人、「破壊的なぶつかりが創造する」という女性こそが
二人を破壊したのが痛快といえば痛快。
ただ、写実的な映像は無駄を省いた美しさをつかの間、くれるも
どうも人間的な魅力に乏しい。
実際の哲学者がどのようだったか分からないが、
哲学者だからこそ性欲なり学術的な抑圧なりに素直なのではないか。
その素直さを映画から感じることはできず。
ただ、言葉でやりとりして相手の深層とやりとりした(風)の後に
訣別する流れは好きです。
"A Most Dangerous Method"(ノンフィクション)を原典とする舞台劇"The Talking Cure"が原作。同作の脚本を担当したクリストファー・ハンプトンが脚色している。
フロイトによる談話療法や人間の深層意識を探る精神分析などが描かれており、ユングとフロイト、精神医学、心理学に興味を持つ人向きなドラマ。
精神の病に対し現代から見て遥かに知識も技術も劣って、人々も偏見を持っていた時代に飛躍的に発展させた二人の精神科医の邂逅と訣別。
ユングはロシアの裕福なユダヤ人の娘で統合失調症患者のザビーナにフロイトの提唱する談話療法を試みる。
フロイトの案でもともと精神科医志望であったザビーナに仕事を手伝わせるようになったユング。ザビーナは優れた分析能力を披露してみせる。
ザビーナの症状が性的トラウマでその原因が父親にあることを突き止めるがザビーナはそのトラウマをユングに転移させ、彼を誘惑し医師と患者の関係から男と女の関係に変えてしまう。
ユングとザビーナのセックスはアブノーマルなものでザビーナのマゾヒズムによるものだった。
ユングとザビーナの関係は恋愛感情によるものであったのだろうか。転移・逆転移なのかユング自身の抑圧されていた欲望の発露だったのか。ザビーナはユングに不倫をさせることで自身に罪悪感が生じるのを望んでいたのかもしれない。
ユングの妻は夫の変化に気付いていたようで彼を引き留めることに必死であった。
ザビーナはチューリッヒ大学医学部に入学し、統合失調症に関する論文を発表(提出)している。
ユングとの不倫関係は長く続き、学問的にもお互いに影響し合っていたが彼の子を産みたいという思いがユングに負担となり破局した。
ザビーナは退院後はフロイトに師事して精神分析家になった。
モスクワで幼稚園を運営するがスターリンによる精神分析学への迫害から閉演させられる。
ロシア系ユダヤ人医師と結婚、後に病没。1942年ザビーネはナチによって娘ともども殺された。
2002年にドキュメンタリー映画「私の名はザビーナ・シュピールライン」が作られ彼女の再評価のきっかけとなっている。
ユングが面白いのは現実主義的でありながら唯物論者でないところだ。偶然を認めないというのは通常、唯物論的思考であるが彼の場合それが超自然的な事象へと思考を巡らせてしまう。故にフロイトと相容れない関係になってしまったのだろう。
ユングとフロイトの関係は当初から上手くいっている様には描かれていない。フロイトはユングを自身の後継者にと思っていたがユングの方はフロイトを否定することから始まっていた。
ユングの若干子供じみた部分があるのに対しフロイトは終始大人として描かれ、寛大な父と反発する息子の様に見える演出であった。
ユングがオカルトやスピリチュアルに走るのを危惧し、さらに患者を愛人にしているという噂にも頭を悩ます(この件はユングの否定を信じてしまった)。
その後徹底的にユングを嫌うようになったのは彼の姿勢に失望したからであろうがきっかけはザビーナとの不倫を隠していたことにあるのかもしれない。
劇中船の帆柱が十字架の様に見えその後登場するオットー・グロス(精神分析医で薬物依存患者、快楽主義者)がユングにザビーナとのセックスをけしかけるのは、エデンの園の蛇のような役回りに見えた(出番こそ少なかったがユングに多大な影響を与えた)。父親が牧師であったユングはキリスト教に疑問や不信感を抱きながら恐れの様な感情も持っていた。最終的には彼はグノーシス派となる。
フロイトが常に危機感を抱いているように見えたのは彼がユダヤ系であること、精神医学に対し、ナチス、ヒトラーが理解を示していなかったことが大きい。
ベースが実話であるだけにドラマづくりが難しかったのではと思う
ザビーナを演じたキーラ・ナイトリーは病状に伴う芝居の変え方などがとてもよかった。
とても良く出来た映画であったが個人的には映像に一工夫欲しかった。
この作品を観たので、肩透かしでがっかり・・
内容がノンフェクション的だから、ぶっとんだことはあまりできないのだろうし
フロイトとユングの時代の精神分析の話だから、時代も昔で、こういう感じにはなるんだろうけども。
期待したものと違った・・・
次第にユングが陥っていく様は面白かったです。
そして奇しくも登場人物の個々のやりとりが時には伏線となって
微妙な人間関係を構築していく興味深い映画でした。
この分野は映画界にとっても、もっともっと深堀りが出来て
広がりのある世界だと思います。
史実に基づいて登場人物の関係性を描いているのかもしれないが、
表情からセリフまで、不快になるばかり。
気味の悪い人々の物語を、より一層不快さに輪をかけてなぞった作品という印象しか持てませんでした。
ただ主人公と女の依存関係が逆転したのは面白かったですね〜
あとπおつとスパンキングシーンあります!!!