多くのレビュワーの方々がおっしゃってるように、
サウンドはcradle of filthとの共通点をちょいちょい感じさせます。
ゲテモノ的な高音シャウトと野太いデス声を使い分けるボーカル、
生気を全く感じさせない不気味ながら美しいシンセサイザー、
ブラストを多用しないドラム等がそういった印象を与えるのでしょう。
cradleの数ある作品の中でも、
5thアルバム『Midian』のテイストに近いかと思います。
私はシンフォブラックには、
『美しいのに醜い。醜いのに美しい』
そういう絶妙なバランスを持ったサウンドを求める傾向があります。
先ほど挙げましたクレイドルや、
フランスのアノレクシアネルヴォサ等がそうです。
で、このchthonicというバンドのサウンドも正にそっち系。
ストライク中のストライクでした。
どの曲も疾走感に満ちた極悪な激烈サウンドで、
聴いていて血液が沸騰してくるかのような高揚感が得られます。
そこへトドメの一撃と言わんばかりの絶妙なタイミングでブラストが入ってくるのが憎い(^^)
また、二曲に一曲ぐらいの割合でギターソロ(上手い、そしてクサい)が登場するのも嬉しいですね。
二胡の悲痛さと透明感を併せ持ったアジアンチックな音色も良い。
是非多くのブラックメタラーに聴いていただきたいバンドですね。
もちろん星5つで。
余談ですが、ライナーにも書いてあります通り、
この二胡って楽器は限りなく人の声と近い音色が鳴る楽器なんですよね。
聴いていて女性シンガーの声と勘違いしてしまう場面がよくありました。