かつて栄光を約束されたJリーガーたちが、ある者は加齢により、ある者はケガにより、第二の人生
を余儀なくされていく、その経緯と行く末を追ったルポ+インタビュー。
競技者のセカンド・キャリアを追うなかで、業界全体が抱える問題点やメディアの在り方なども浮き
彫りにされ、著者としても、その点を訴求してもいるようです。
が、印象的なのは、「その後」に、鈍く、しかしそれでも渋く光る人生の不思議。
著者は、エホバの輸血拒否事件から(『説得』:これは感動的な名作(問題作)です)オウムまで
宗教カルトを追い、「消えたマンガ家」シリーズでは創作の闇を追い、水木しげるをめぐる一連の著
作では、未開社会のアニミズムと近代に生きる私たちの無意識レベルでの底通性を追求していま
した。
片や、競馬の予想屋に迫るルポでは、リアルな現実に肉薄しながら、やはり計り知れない人生の
機微を描き、元SMAPの森くんを追った『爆音に焦がれて』では、興味がなかったSMAPのことまで
うっかり好きになりそうにもなったほどでした。
核燃料リサイクルから妖怪まで、馬券師から「萌え」まで、様々なトピックを追いながら、常に著者
によって、計り知れない人生の詫び寂を読まされてきました。
本書でも、引退した競技者の第二の人生を追いつつ、Jリーグが誕生したときのU-17世界戦メン
バーのその後を追いつつ、財前宣之と船越優蔵(と、ちょっと中田)の邂逅の物語が、各編を通し
て軸として浮かび上がる。
「自分はこれ」と思い定めた道に、あるいは拒否され、やがてその道を去って行くのは、競技者に限
ったことではあるまいと思うけど、予期せぬ「その後」に渋く光る味を付け加えてくれるのは、やはり現
役時代の取り組みによるのか、と。
「なんで可愛い女優とかアイドルがJリーガーとばかり結婚するのか」と憤っていたが、「それは、カッコ
良いからだ」と自分の中で結論が出た一冊。
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Hard After Hard(ハード・アフター・ハード) かつて絶望を味わったJリーガーたちの物語 単行本(ソフトカバー) – 2013/5/23
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購入オプションとあわせ買い
現役生活もハード、引退後もハード
登録抹消、戦力外通告、合同トライアウト、靭帯断裂…
Jリーガーたちの実像に迫る
かつて脚光を浴び、天才と呼ばれた選手であっても、
プロの壁にぶち当たり、怪我に苦しみ、
やがては引退に向き合わなければならない。
挫折と苦悩の果てに、彼らは何を思うのか。
プロサッカー選手の実像を浮き彫りにするノンフィクション。
「人には、いつかは現役を終える日がやってくる。
しかし、"人生"という試合からは、
誰も、死ぬまで降りることはできない」
―本書プロローグより―
第一章 財前宣之に会いに行く
第二章 森崎嘉之さん、あなたは今どこで何を
第三章 元祖天才・磯貝洋光という生き方
第四章 Jリーガーと性
第五章 再び財前に会いに行く
第六章 船越優蔵 みたび、輝く日に
第七章 中田英寿 その理想、高きがゆえに
第八章 1993年U-17世界選手権メンバーの軌跡を追うI
第九章 1993年U-17世界選手権メンバーの軌跡を追うII
第十章 船越優蔵 指導者としての再出発
第十一章 引退した財前に会いに行く
第十二章 藤田俊哉とセカンドキャリアについて考える
登録抹消、戦力外通告、合同トライアウト、靭帯断裂…
Jリーガーたちの実像に迫る
かつて脚光を浴び、天才と呼ばれた選手であっても、
プロの壁にぶち当たり、怪我に苦しみ、
やがては引退に向き合わなければならない。
挫折と苦悩の果てに、彼らは何を思うのか。
プロサッカー選手の実像を浮き彫りにするノンフィクション。
「人には、いつかは現役を終える日がやってくる。
しかし、"人生"という試合からは、
誰も、死ぬまで降りることはできない」
―本書プロローグより―
第一章 財前宣之に会いに行く
第二章 森崎嘉之さん、あなたは今どこで何を
第三章 元祖天才・磯貝洋光という生き方
第四章 Jリーガーと性
第五章 再び財前に会いに行く
第六章 船越優蔵 みたび、輝く日に
第七章 中田英寿 その理想、高きがゆえに
第八章 1993年U-17世界選手権メンバーの軌跡を追うI
第九章 1993年U-17世界選手権メンバーの軌跡を追うII
第十章 船越優蔵 指導者としての再出発
第十一章 引退した財前に会いに行く
第十二章 藤田俊哉とセカンドキャリアについて考える
- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社カンゼン
- 発売日2013/5/23
- 寸法13 x 1.8 x 18.8 cm
- ISBN-104862551726
- ISBN-13978-4862551726
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商品の説明
著者について
1961年東京生まれ、茨城育ち。ノンフィクション作家。1989年、処女作『説得―エホバの証人と輸血拒否事件』で講談社ノンフィクション賞受賞。主な著書に、『麻原彰晃を信じる人びと』(洋泉社)、『庵野秀明スキゾ・エヴァンゲリオン』(太田出版)、『消えたマンガ家』(太田出版)、『人格障害をめぐる冒険』(草思社)など。漫画家・水木しげる氏との共著も多数。『フットボールサミット第2回検証・中田英寿という生き方』にも寄稿している。
登録情報
- 出版社 : カンゼン (2013/5/23)
- 発売日 : 2013/5/23
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 288ページ
- ISBN-10 : 4862551726
- ISBN-13 : 978-4862551726
- 寸法 : 13 x 1.8 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 975,679位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 24,861位スポーツ (本)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年10月17日に日本でレビュー済み
サッカー版
将棋の子 (講談社文庫)
といった感じ。中田英寿は羽生善治だと思えばいいか。
小学生の夢の職業であるサッカー選手。だれだって一度は憧れたことはあるだろう。
でもその実相は決して華やかなだけではないということは年をとればわかってくる。
U17の時点では日本代表であっても、その後はプロになる人間もいれば、大学に進学するものもいる。
怪我、挫折でそれぞれの岐路へ進む選手たちの姿。
怪我でうまく行かなかった天才財前、元祖国見タワーの船越の選手生活も印象深い。
サッカー選手はスポットライトを浴びてしまったがために平凡な人生は一般人以上にハードに感じてしまうし、
また引退後のサッカーが上手いという「手に職」は、全くと言っていいほど稼げるものではないわけで。
読んでいてい苦笑いを浮かべてしまったのは18歳で簿記の勉強をする中田少年の姿だった。
島田紳助、矢沢永吉と同類のニオイがする。
サッカーをドライに大金を稼ぐ手段としてしか考えてなかったんだろうな。
でも、だからこそあそこまで成功したんだろう。
いまはサッカー界で飯を食ってないからこそ毒舌を吐ける磯貝の言葉が本質をついてる。
以下抜粋
ユースのやつもさ、練習生でさあ、5万か10万もらってやらされて、あんなの奴隷だよ奴隷、俺に言わせりゃあ。
確かにこんだけチームが多くなって経営的に大変とか言うけど、やり方はいっぱいあると思うよ。
選手協会が出せばいいんだよマスコミに。サッカーはみみっちんだよと。底辺だよ。
小学生の夢の職業であるサッカー選手。だれだって一度は憧れたことはあるだろう。
でもその実相は決して華やかなだけではないということは年をとればわかってくる。
U17の時点では日本代表であっても、その後はプロになる人間もいれば、大学に進学するものもいる。
怪我、挫折でそれぞれの岐路へ進む選手たちの姿。
怪我でうまく行かなかった天才財前、元祖国見タワーの船越の選手生活も印象深い。
サッカー選手はスポットライトを浴びてしまったがために平凡な人生は一般人以上にハードに感じてしまうし、
また引退後のサッカーが上手いという「手に職」は、全くと言っていいほど稼げるものではないわけで。
読んでいてい苦笑いを浮かべてしまったのは18歳で簿記の勉強をする中田少年の姿だった。
島田紳助、矢沢永吉と同類のニオイがする。
サッカーをドライに大金を稼ぐ手段としてしか考えてなかったんだろうな。
でも、だからこそあそこまで成功したんだろう。
いまはサッカー界で飯を食ってないからこそ毒舌を吐ける磯貝の言葉が本質をついてる。
以下抜粋
ユースのやつもさ、練習生でさあ、5万か10万もらってやらされて、あんなの奴隷だよ奴隷、俺に言わせりゃあ。
確かにこんだけチームが多くなって経営的に大変とか言うけど、やり方はいっぱいあると思うよ。
選手協会が出せばいいんだよマスコミに。サッカーはみみっちんだよと。底辺だよ。
2013年5月31日に日本でレビュー済み
これはサッカー本としては、特殊な内容だと感じました。
いやはや、出てくる人たちが濃いのなんのって。
礒貝なんかは、ハチャメチャな天才ぶりを発揮していて、
代表監督を1票1万円にして、一般の人たちも参加して選べばいいなど言いたい放題。
財前や船越、それに加えて中田ヒデも出てきて、
彼らの生き様が見えてきます。
タイトル通りのハードな人生だなぁと。
日本サッカーへの問題提起へと発展していく流れは
深く考えさせられます。
いやはや、出てくる人たちが濃いのなんのって。
礒貝なんかは、ハチャメチャな天才ぶりを発揮していて、
代表監督を1票1万円にして、一般の人たちも参加して選べばいいなど言いたい放題。
財前や船越、それに加えて中田ヒデも出てきて、
彼らの生き様が見えてきます。
タイトル通りのハードな人生だなぁと。
日本サッカーへの問題提起へと発展していく流れは
深く考えさせられます。
2013年10月16日に日本でレビュー済み
20年前のJリーグ初年度。当時日本で開催されたU17世界選手権に出場した若者たちや当時のJリーガーへ現状を取材。また、のべ8年間にわたり綴られた12章のうち3章が財前宣之に割かれており本作の柱となっている。全体的に本人へのインタビューはないが、何かと「中田英寿」と比較している部分が煩わしい。