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仕事くれ (新潮文庫 ケ 12-2) 文庫 – 1999/8/1
- 本の長さ694ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1999/8/1
- ISBN-104102138129
- ISBN-13978-4102138120
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商品の説明
メディア掲載レビューほか
米国企業は契約社会だから、いつ一方的に解雇を通告されるかわからない。また、個人がいくらがんばっても会社ぐるみ株式公開買い付け(TOB)、企業の合併・買収(M&A)でいつバラバラにされるかわかったものではない。そのテンションの高さを描いたサスペンス小説。
主人公ネッド・アレンはコンピューター雑誌の広告営業の中堅幹部。日本流に言えば課長か。コンピューター業界は伸びていても広告予算は有限だから競争は厳しい。ゼロサムである。ただしアレンの雑誌「コンピュワールド」は発行部数ナンバー3だが最近メキメキ売り上げを伸ばし、近くナンバー2となるかもしれない。
アレンは猛烈に働く。今のポスト、収入に魅力があるからだ。貧しい家庭に育ち地方の三流州立大学を出てニューヨークに出てきたものの、職を転々としていた。ふとしたことから今のボス、発行人のチャック・ザナッシに認められ入社した。幸運であった。営業のセンスもあったが実績を上げ昇進を重ねた。美貌のキャリアウーマン、PR会社のリジーと知り合い押しの一手で結婚する。歩合給に近いから年齢の割には高給だし、いわゆるディンクス(ダブル・インカム・ノー・キッズ)の生活がどんなものか具体的に見せてくれる。ゼイタクである。
クリスマスも間近い。ボーナスはどうだろうか。皆うきうきとしている折よくないニュースがあった。西部出張中のザナッシが突然シカゴの本社に呼びつけられた。ドイツ屈指の多国籍企業クラング・ザンデルリンク社がそっくり雑誌社を買収したというのである。オレたちは解雇かと動揺するが、ドイツ資本の代表者クレプリンは全員安泰と言って安心させ、コッソリ、アレンにザナッシはクビ、後任はあなたとささやく。年収は一躍4倍だ。ただし発表までは秘密に。
禍転じて福。妻に豪華なプレゼント、カリブ海旅行はファーストクラス。夢のような冬休暇を終え、さあ新年の初出社、今日からおれがボスと社内に一歩踏み入れると空気がおかしい。ガードマンが社員証で身分をチェックし「人材部」へ。聞こえはいいがリストラ担当部である。1週間でザンデルリンク社がスペンサー・ラドマン社にコンピュワールド社を売却。新オーナーは雑誌廃刊を決定した。
2週間分の給料、4分の1年(つまり3カ月)は会社の医療保険適用。クールな手続き。面白いのは(当人にとってはそれどころではないが)管理職雇用支援プログラム8カ月のチャンスが与えられる。原題はそのもの"THE JOB"。
(東洋信託銀行顧問 神崎 倫一)
(日経ビジネス2000/4/10号 Copyright©日経BP社.All rights reserved.)
-- 日経ビジネス
著者について

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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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それとは対照的に欧米的資本主義の象徴のようなものが本編に沢山登場してくるのが印象的だった。
作中の、人生はけっして簡単にはいかず我々はその大半をもがいて過ごす
というフレースが印象的だった。