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Ｊ・カーペンター監督の、クールな音楽に惹きつけられる、オカルト・ホラーの佳作です。
古びた教会の地下で、謎の緑色の液体が発見される。
それは、７００万年前に封じられたという『悪』であり、今まさに、目覚めようとしていた。
調査に赴いた学者・学生たちは、図らずも人類滅亡の危機に直面する････。
絵づらとしては、荘厳なセットが素晴らしい、ゴシックホラー調です。
しかし内容的には、量子力学、不確定性原理など、よく分からん科学用語を使い、ＳＦホラーという趣が強い。
夢の通信は、「アウターリミッツ」を想起させます。
おそらくは、‘７０年代風のオカルト映画に、ＳＦ要素をかけ合わせる事で、
『荒唐無稽な話を、いかにマジに見せるか』というホラー・フィクションの命題に挑戦した、と。
それが、本作最大の狙いでしょう。
そして、本作最大の魅力は、監督一流のムード作り。ジワジワと醸成される緊張感は絶品です。
例えるなら、子供の頃、ノストラダムスの予言に抱いた不安････それと似たような感覚が、胸に蘇ります。
不気味なホームレスたちに包囲された教会で、一人一人消えていくスリル。
善男善女が洗脳され、襲ってくる恐怖感。
「アメイジンググレイス」を歌う黒人の行為には、本田美奈子もビックリでしょう。
しかし、あまり派手な見せ場はなく、‘８０年代ホラーとしては地味すぎるのがやや不満。
終わり方も実にアッサリ。決まり手が、女学生の体当たり、って････。
まぁこれは、窮鼠猫を噛む、という事なのでしょう。
この物語には「猫とネズミ」という、隠れたモチーフがあったのです。
（窮鼠のことわざも、カーペンターは中国系俳優からでも聞いて、知っていたと思われます。）
猫とネズミ、つまり悪魔と人間････生き残るのはどちらか？
なお、現在の日本では、ピカチュウよりジバニャンが優勢のようです。
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