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明治天皇を語る (新潮新書) 新書 – 2003/4/10
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偉大なる指導者の知られざる魅力!
前線兵士の苦労を想い、みずから質素に甘んじる生活。ストイックなまでに贅沢を戒めるその一方で、実は大のダイヤモンド好き。日本史上、天皇として最も有名にして謎の多い「明治天皇」の人間像を、日本研究の第一人者が縦横無尽、かつ平易に語り尽くす。
- 本の長さ189ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2003/4/10
- ISBN-104106100010
- ISBN-13978-4106100017
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商品の説明
抜粋
明治天皇の伝記を書こうと思ったときに、まず問題になったのは、どういう資料があるかということでした。彼に関する一般的な知識不足は、なにも関係者が証拠を隠滅したからというわけではありません。実際の事情はまったく逆で、完璧な資料が残っています。宮内庁が編纂した全十三巻(最終巻は索引)一万ページ以上もある『明治天皇紀』という公式記録です。何年何月何日に明治天皇が何をしたか、誰と会ったか、周辺でなにが起こったかなど、年代順に一日単位で事細かに書かれてあります。
この本がなければ、おそらく私は明治天皇の伝記を書けなかっただろうと思います。しかし、『明治天皇紀』は読んでもそれほど面白いものではありません。どうでもいい不必要なことまで詳しく書いてあるからです。私はもっと読みやすい、楽しい本を作ろうと思ったのです。
明治天皇が亡くなられた後、侍従たちに対しては「喋るな」というような命令が出ていたと思います。それに従い、多くの侍従たちは証言を残しませんでした。が、のちになって二人の侍従がかなり詳しく語っています。
ところが、彼らの思い出話は、場合によっては実に些細でありつまらない。これらを知っていることが悪いことではありませんけれども、それだけでは明治天皇という人物を知る手掛りにはなりません。
また例えば、侍従だった坊城俊良が回想録『宮中五十年』で「数多くの新聞に毎日丹念に目を通していた」と書けば、別の侍従日野西資博は『明治天皇の御日常』で「ある時期までは見出しに目を通していたが、途中で見なくなってしまった」と書くなど、日頃の振る舞いについては、それぞれの内容が矛盾することも多いのです。
幼少期についても、ある人の回想では病気がちの少年だったかと思えば、ある人によれば健康、活発、いじめっこ、相撲が強い少年だったりする。実際に明治天皇がどういう人物だったのかを見定めることはかなり難しいことなのです。
大変困ったのは、日記や手紙がないことでした。日記があればどんなにありがたいことだったでしょう。彼の父である孝明天皇は、怒りに満ちたたくさんの手紙を残しています。明治天皇の手紙も残っていないわけではない。ただ、内容が乏しいのです。私が見た限り、事務的なことしか書かれていません。
明治天皇は自分の書いた字を人に見せたくなかったようです。自信がなかったためかどうかはわかりません。短歌を詠むとき、まず紙切れに歌を書いて、誰か字の上手な女官に命じてきれいな紙に書かせたあとは、自分の原稿は破って捨てていました。それゆえ、歌稿は一つも残っていないでしょう。伝記を書こうとする身には大変困ります。
これが、明治天皇とほぼ同じ時代を生きたイギリスのヴィクトリア女王のことなら、事情は全然違います。
ヴィクトリア女王には子供が九人おり、毎日、彼女はすべての子供に手紙を書いていました。その上、日記もつけていました。その手紙はすでに数巻の本にまとめられており、そこから彼女の人柄を読み取ることもできる。
また英国の宮廷は、日本の朝廷に比べはるかに君主の私生活が人々の目に触れやすい世界でした。ですからヴィクトリア女王のことを書こうと思ったら、無数の資料の中から好きなものを選ぶことができるわけです。そんな書きやすさもあってか、どうみても明治天皇より強力な君主だったとは思えない彼女のために、『エンサイクロペディア・ブリタニカ』は五コラム半──三ページ近くを割いています。
しかし明治天皇の場合、まず価値のある資料を選択することから始めなければならないのです。ヴィクトリア女王にくらべ、書くのが困難な理由はそれだけではありません。なによりも明治天皇の人生のほうが、彼女のそれに比べはるかに複雑で興味深いからなのです。
著者について
1922年ニューヨーク生まれ。コロンビア大学名誉教授。日本文学や日本文化の研究、紹介における長年の多大な貢献に対し、勲二等旭日重光章、菊池寛賞、全米文芸評論家賞などを受賞。文化功労者にも選ばれた。著書に『日本文学の歴史』『足利義政』(中央公論新社)『明治天皇(上下巻)』(新潮社)など。
著者について

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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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多方面の記録から、深く研修され、推測される歴史。
感動すら覚えます。
キーン先生、教えて頂きありがとうございました。
タブーが多い天皇という題材を扱っていますが、外国人だからこそ突っ込んで書ける部分があると思います。 (キーンさんは国籍上“日本人”になってくれました。 とても素敵なことをしてくださったと思います。 ただ、良い悪いではなく、精神的に米国人であることは絶対に変わらないものだと思います。 スペイン語(CUBA語)ではun americano (estadounidense) aplatanado en Japonと表現できるでしょう。)
ただ、その負の部分なのかもしれませんが、「明治天皇は〜であった。」と断ずる部分が多かったのは少々気になりました。 書き手とはそういったものなのかもしれませんし、そこが伝記を書くことの難しさなのでしょう。 いくら研究したとしても、明治天皇のように直接接した人々が極端に少ないひとの場合は特に、人格や性格を断定して描くことは難しいのではないかと感じています。
また、明治天皇が儒教(中国)からどの程度影響を受けていたのかについては、さらに研究がなされるべきだと思います。 漢字が中国からの輸入品で、明治の元号が漢詩から取られているのであれば、影響がないとは言えないのでしょうけれど。
いい取引したいですね。
ありがとうございました。
こんなに魅力的な人だったと初めて知りました。外国ではこんなに
評価されている人なのに日本では全くと言っていいほど感心を
持たれてないのが残念です。
ただ乃木希典が明治帝に嫌われていたとするものには少し疑問に感じる節がある。
著者は乃木が生涯元帥になれず大将どまりで軍人的名誉にならない学習院院長においやられたのがその理由としている。
たしかに乃木は軍事的能力が他者に比べ劣っており、明治帝もそのことを指摘している。
だが「精紳家」「武士道的日本人」として優秀な乃木を人間的に愛していたからこその院長就任ではなかったのだろうか。
そうでなければ日露戦争での失態を悔む乃木に明治帝が言った、「今は死ぬべきときではない、卿もし死を願うならばわれの世を去りてのちにせよ」という発言の真意がわからなくなる気がする。
この本の本編ともいえる『明治天皇』を読んでいないのでこれ以上はなんともいえないが。
これらの本と飛鳥井雅道さんの『明治大帝』を読み比べるのもおもしろいかもしれない。
想定外に面白かった。今まで特定の天皇について何かを読んだこともなかった。著者がNY生まれで是々非々に語るドナルド・キーンであることも大きいと思う。江戸から明治は天皇の在り方が大きく変わった時代だった。これは明治天皇の為人によることが大きい。服装、外国人との付き合い方にしても、バイアスなく良いものは取り入れる。「わが園に/しげりあひけり/外國の/草木の苗も/おほしたつれば」という歌は素晴らしい。何より権力(軍事)の行使姿勢や、常に国民の立場に立った考え方は、なるほど、一人の人間として尊敬できる。
なかなか面白かったです。想像通り。
明治天皇を肯定も否定もせず、客観的に分析し、
主観的な考えも繰り出しながら、
決して読み手を何らかの方向に持っていこうとしていない著者の姿勢が、
ものすごく気持ちが良かったです。
非常に読みやすく、中学生以上であれば何にも問題なく読めます。
おすすめです。