※一時期、1986年版と2013年版のレビューが混在していたが、再びきっちり分かれている。本レビューは、あくまで1986年版を対象としている。
推理作家協会、大学のミステリークラブなどにアンケートを送付し、508人の回答によって選ばれた作品を紹介したもの。海外篇と日本篇それぞれベスト100を1〜2ページで紹介。海外篇はさらに101位〜198位(同順位が10作品ほどある)を、タイトルと作家名を一覧にしてある。
ただ、こういったアンケートにありがちだが、選出されたのは定番的な作品が大半を占める。
要するに古典ミステリを知るのに適しているということである。
その上、1986年の刊行なので、2014年の現在から見ると、選ばれた作品そのものの少なくない部分が“古色蒼然”と見えても致し方ないが、だからといって楽しめないことはない。
そして、時代の影響も受けており、本書刊行直前にブームになった横溝正史氏の代表作がいくつも選出されたり、冒険小説(海外篇も同様)も少なくない。また、当時としては比較的新しい島田荘司氏の『
占星術殺人事件 (講談社文庫)
]』『
斜め屋敷の犯罪 (講談社文庫)
』、赤川次郎氏の佳作『
マリオネットの罠 (文春文庫)
』も選ばれている。
海外篇だと、『
あなたに似た人 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 22-1))
人』『
火刑法廷[新訳版] (ハヤカワ・ミステリ文庫)
』『
黒後家蜘蛛の会 (創元推理文庫 167-1)
』あたりは、ある意味で玄人っぽい選択である。
刊行当時は『
匣の中の失楽 (講談社ノベルス)
』『
11枚のとらんぷ (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)
』などは品切れになっており、現在のようにインターネットで簡単に古書を探すこともままならず、最寄りの図書館で見つけた時は嬉しかった。
個人的には、本書で知り、読むことになった作品も少なくない。
昨今のミステリやラノベに影響を与えている作品もあるし、現代作品に飽きて“古典”にアプローチしたくなった場合にも、本書は有益である。

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東西ミステリーベスト100 (文春文庫 編 4-1) 文庫 – 1986/12/1
文藝春秋
(編集)
- 本の長さ331ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日1986/12/1
- ISBN-104167217139
- ISBN-13978-4167217136
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (1986/12/1)
- 発売日 : 1986/12/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 331ページ
- ISBN-10 : 4167217139
- ISBN-13 : 978-4167217136
- Amazon 売れ筋ランキング: - 520,145位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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