野ばら作品の特徴として、必ずと言って良いほど終盤では速読になる気がします。それは何故か。余りにも圧巻だからです。文章をダイレクトに心に刻まなければ、と焦るほどに。
私はキリスト教信者ですが、そういう事は関係なく楽しく読めました(と言ってはおかしいですが…)野ばら作品には救いがあるかないか、かなり評価が分かれるとは思いますが…最後の四郎の言葉は、悪魔でも神の使いでもない、ただの“愚か”な人間の美しさへの叫びでした。自分は美しいと思えるものに出逢ったのだと切なく主張する最期はまさに、圧巻。

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デウスの棄て児 単行本 – 2003/6/1
嶽本 野ばら
(著)
不義の子として生まれ、神に弄ばれ、棄てられ、絶望し、私は神を見限りました――。神をも畏れぬ強烈な解釈で、キリシタン3万7千人殉教の「天草四郎」の悲劇を衝撃的に描いた、平成の耽美派作家2003年書き下ろし最新作。
「私を衝き動かしてきた、私の生きる原動力となってきたものを、今となっては正直に告白しなければなりますまい。それは神、つまりは天主への憎しみ。この世界を創造し、摂理を生み出した全能の天主なるものが事実存在するならば、私はそのものに復讐を企てる為だけに心血を注いできたのです」
天草四郎―日本キリシタン史最大の悲劇となった3万7千人殉教事件の主人公は、その美貌とたぐい稀なるカリスマ性だけが人々に知られ、その生い立ちも、反乱のきっかけも、殆どが謎とされている。 本書は、先ごろ三島賞候補となった著者が、これらの謎に衝撃的な解釈を加えてまったく新しいドラマに仕立てた、嶽本野ばら流歴史エンターテイメントである。現代によみがえる鮮烈な「天草四郎」像を、どうかご堪能いただきたい。
「私を衝き動かしてきた、私の生きる原動力となってきたものを、今となっては正直に告白しなければなりますまい。それは神、つまりは天主への憎しみ。この世界を創造し、摂理を生み出した全能の天主なるものが事実存在するならば、私はそのものに復讐を企てる為だけに心血を注いできたのです」
天草四郎―日本キリシタン史最大の悲劇となった3万7千人殉教事件の主人公は、その美貌とたぐい稀なるカリスマ性だけが人々に知られ、その生い立ちも、反乱のきっかけも、殆どが謎とされている。 本書は、先ごろ三島賞候補となった著者が、これらの謎に衝撃的な解釈を加えてまったく新しいドラマに仕立てた、嶽本野ばら流歴史エンターテイメントである。現代によみがえる鮮烈な「天草四郎」像を、どうかご堪能いただきたい。
- 本の長さ174ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日2003/6/1
- ISBN-104093861218
- ISBN-13978-4093861212
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
不義の子として生まれ、神に弄ばれ、棄てられ、絶望し、私は神を見限りました。神に背きし者、その名は「天草四郎」-。切支丹3万7千人殉教の悲劇を強烈な解釈で描く。
登録情報
- 出版社 : 小学館 (2003/6/1)
- 発売日 : 2003/6/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 174ページ
- ISBN-10 : 4093861218
- ISBN-13 : 978-4093861212
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,164,314位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 189,346位文学・評論 (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2007年4月4日に日本でレビュー済み
痛みの中に希望があります
ほんとにすごいです
守りたいことが明確です
きっと世界の終わりと対になる(真逆だけど)作品です
痛みが嫌になるくらいあるけど99%の希望と1%の絶望の物語です
人と関わること愛することの重みを知らない知ろうとしない人こそ是非読みなさい!!!!!
ほんとにすごいです
守りたいことが明確です
きっと世界の終わりと対になる(真逆だけど)作品です
痛みが嫌になるくらいあるけど99%の希望と1%の絶望の物語です
人と関わること愛することの重みを知らない知ろうとしない人こそ是非読みなさい!!!!!
2019年11月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
天草四郎を創造主やキリストを憎悪する悪魔の子として位置付け、神による救済をテーマに取り上げた着眼点は素晴らしいのだが、いかんせんそのテーマの壮大さに比べ物ページ数が短すぎる。
ただでさえ嶽本の文体は独白文が多く、絢爛な言葉による内面世界の圧倒的吐露が魅力なのに、人生という絶対的理不尽と向かい合ったときの信心の変化を描写するにはあまりにページ数が少なすぎで、遠藤周作の[沈黙]に比べると説得力にかける展開となり、最大のクライマックスである天草四郎の最後の独白が上滑りぎみになったことが誠に残念。
ただでさえ嶽本の文体は独白文が多く、絢爛な言葉による内面世界の圧倒的吐露が魅力なのに、人生という絶対的理不尽と向かい合ったときの信心の変化を描写するにはあまりにページ数が少なすぎで、遠藤周作の[沈黙]に比べると説得力にかける展開となり、最大のクライマックスである天草四郎の最後の独白が上滑りぎみになったことが誠に残念。
2004年1月7日に日本でレビュー済み
世界、人間に対する行き場のない憤り。誰が悪いわけでもなく、誰もが自分勝手に生きていれば最後に傷つくのは、心優しい貧しく弱い者たち。
時代背景を踏まえたうえでの大胆なストーリーに驚きました。宗教の根本的な意義ってこういうことか、と思いました。信じるものがあって生きていくことはどんなにすばらしいことか。ラストは天草四郎というか
、作者本人の姿ともとれますが。面白かったですよ。
野ばらさんの作品はどれも大好きですが、特にこれは誰にでもお薦めできる作品です。
時代背景を踏まえたうえでの大胆なストーリーに驚きました。宗教の根本的な意義ってこういうことか、と思いました。信じるものがあって生きていくことはどんなにすばらしいことか。ラストは天草四郎というか
、作者本人の姿ともとれますが。面白かったですよ。
野ばらさんの作品はどれも大好きですが、特にこれは誰にでもお薦めできる作品です。
2003年7月9日に日本でレビュー済み
嶽本野ばら氏が新境地を拓いた『デウスの棄て児』は、基督者が持つ苦悩や、当時の社会問題などを、主人公、天草四郎の苦悶と絡めながら、人間が生きる事の意味をストレートに伝えた作品となっている。直球感動ストーリーで、いかにも嶽本氏らしいという感を禁じ得なかったが、愛する事と憎む事、どちらが真の生に値するのかといった人類史的命題を、深く考えさせられるに至った。面白かったよ。