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「UZA」Type-A, Type-K, Type-Bともに、DVDの巻末に、「ギンガムチェック Music Video〜高橋栄樹監督ver.〜」が収められている。
渡辺麻友ふんする少女は、中学時代に、親が仕事で大成功をおさめた。現在では豪邸で何不自由なく暮らしている。しかし、仕事の成功と引き換えに、家族の心は離散してしまう。家族の団欒を失った少女（渡辺麻友）は心身のバランスを失い、高校も欠席している。
心配した級友の大島優子が麻友宅を訪れ、帰り際、何気なく「何かほしいものはない？」と訊く。麻友は返答する。「タイムマシーン」と。昔、家族仲良く暮らしていた団地住まいの時代に戻りたいというのだ。
大島は考える。大島自身も乗り越えた過去の経験がある。そして、クラスメートみんなで麻友のためにタイムマシーンを作ることになる・・・
この小作品は、人の心の回復には、これまで蓄積されてきた記憶（思い出）の賦活が不可欠であることを表現している。
楽曲（ギンガムチェック）も、温かな友情と、回復への喜びを爽やかに演出しており、良質な短編作品になっている。
前作「ギンガムチェック」のミュージックビデオは、Joseph Kahn監督の指揮のもとで制作された、闊達で奇想天外なエンターテイメント性の高い作品であった。それに対して高橋栄樹監督ver.は、落ち着いたストーリー性の高い作品となっている。どちらも楽曲（ギンガムチェック）の特性をうまく引き出しており、評価は多分にメディア受容者の好みに拠る。両者を比較して鑑賞するのも面白いであろう。
高橋栄樹は、東宝映画「DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る」の監督も務め、今やAKB48プロジェクトに欠かせない存在になっている。高橋氏が、今後、AKB48をどのように表現し伝えてくれるか、楽しみである。
