プラトンの中期対話篇。ソクラテス刑死の場に居合わせたパイドンが当日のソクラテスの様子を語る設定。
死は魂と肉体の分離であり肉体は滅んでも魂は不死であると言うソクラテス。シミアスやケベスらの論争相手にイデア論を基にした想起説などを用いながらそれを証明していきます。魂が不死であることを理論を積み重ねて証明していく過程は読み応えがありました。死後の魂の裁き、輪廻転生の話などは仏教に通じるものがあるのかなと思います。
ソクラテスが達観した態度で毒薬を飲み干す最期の場面が深く心に残りました。難解なところも多いため、あらかじめイデア論や想起説について予習をしておくと読みやすくなると思います。
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
新品:
¥858¥858 税込
ポイント: 52pt
(6%)
無料お届け日:
3月31日 日曜日
発送元: Amazon.co.jp 販売者: Amazon.co.jp
新品:
¥858¥858 税込
ポイント: 52pt
(6%)
無料お届け日:
3月31日 日曜日
発送元: Amazon.co.jp
販売者: Amazon.co.jp
中古品: ¥128
中古品:
¥128

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
パイドン: 魂の不死について (岩波文庫 青 602-2) 文庫 – 1998/2/16
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥858","priceAmount":858.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"858","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"y4VTrc1sRxmdBHmuVLPEX0Esq1FXkSdNlWHb5Gum2eSJ%2B0XSDLbOtNjkxWK%2Bp%2FoWgFEc8IFLp%2BNllxB4%2B0IjGfUyDa0Ro%2BsCZUasJe7XDWzM41ubazSjlcYIP5Tik4Lo","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥128","priceAmount":128.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"128","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"y4VTrc1sRxmdBHmuVLPEX0Esq1FXkSdN4lwr%2Ff0o6GEUl0UjypIpMyaCDOZzcTsq0jF4gHmReWOez3a%2FzxuOwUwYTumyDmjoXQaxo7VrxKbcqsnZ8xVXl04w7X%2B5wLja9jX%2B2nARtMNAAXEPGcEGSumzpYR6XBvYC7KOljqsKJRRAAAYYSfEgQ%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
人間のうちにあってわれわれを支配し,イデアを把握する力を持つ魂は,永遠不滅のイデアの世界と同族のものである.死は魂の消滅ではなく,人間のうちにある神的な霊魂の肉体の牢獄からの解放である-ソクラテスの最期のときという設定で行われた「魂の不死」についての対話.『国家』へと続くプラトン中期の代表作.
- ISBN-104003360222
- ISBN-13978-4003360224
- 出版社岩波書店
- 発売日1998/2/16
- 言語日本語
- 本の長さ222ページ
よく一緒に購入されている商品

対象商品: パイドン: 魂の不死について (岩波文庫 青 602-2)
¥858¥858
最短で3月31日 日曜日のお届け予定です
在庫あり。
¥627¥627
最短で3月31日 日曜日のお届け予定です
在庫あり。
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (1998/2/16)
- 発売日 : 1998/2/16
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 222ページ
- ISBN-10 : 4003360222
- ISBN-13 : 978-4003360224
- Amazon 売れ筋ランキング: - 10,033位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 9位その他の西洋思想関連書籍
- - 12位古代・中世・ルネサンスの思想
- - 19位西洋哲学入門
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2022年11月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
世間のクトゥルフ神話よりもプラトンのミュートスを信じました。
特に「哲学によって己を清めた者」という記述は。
哲学の目的を丁寧に説明しており。
これだけでも哲学の目的論を説明するのには。
私にとって足りています。
プラトンの書籍は対話劇になっており。
文学作品のように読みやすい構成ですね。
おまけの注釈と一緒に読めば。
理解しやすいのですし。
世間のとあるクトゥルフ神話みたいな話が不合理で。
起源を探していたら。
プラトンのミュートスがどうにも真理であり。
受け入れやすい上に好まれる哲学の起点になりました。
特に「哲学によって己を清めた者」という記述は。
哲学の目的を丁寧に説明しており。
これだけでも哲学の目的論を説明するのには。
私にとって足りています。
プラトンの書籍は対話劇になっており。
文学作品のように読みやすい構成ですね。
おまけの注釈と一緒に読めば。
理解しやすいのですし。
世間のとあるクトゥルフ神話みたいな話が不合理で。
起源を探していたら。
プラトンのミュートスがどうにも真理であり。
受け入れやすい上に好まれる哲学の起点になりました。
2016年9月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
小林秀雄さんの講演CDの中で「パイドロス」に言及している箇所があり、ずっと頭の片隅に残ってはいたのですが、哲学には無縁だと云うか無学だったため、ずっと読まずじまいでした。
そんなある日、読む本がなく本屋を廻っていたところ、この「パイドン」を見付け、“間違えて”購入してしまいました。
似たような経験をされた方も少なくないと思いますが、こう云う“間違い”は得てして“当たり”である場合が多いのです。
正直、哲学には無縁だと云うか無学だった身としては、ソクラテスがどうとかプラトンがどうとか言われてもよく分らないし興味もなかったのですが……
一読目。
話頭は転々と、本当に転々とし、最初の疑問が何であったのか忘れそうになったころ、ソクラテスじいさんのギアがトップに入る。
各所に散らばっていたピースが畳み掛けられるように繋がり、見事 『魂の不死について』 の証明が成される。
ホームズもポアロもお手上げの曲芸飛行。 お見事!!
二読目。
“しかし、この証明内容であれば、ここまで話頭を転々とさせる必要はないよなあ?”
ひょっとして、僕は何か勘違いをしているのかも知れない。そうだ、これは彼が処刑される直前のお話だ。
彼は、自分自身よりも弟子たちを納得させる必要がある筈だ。だって、ソクラテスが弟子の頭をずっと撫でるシーンがある。
ひょっとすると、彼自身は 『魂の不死について』 信じていなかったのかも知れない。残される弟子達の為に――彼らの哲学を止めないために、死の間際に方便を使ったのかも知れない。……しかし、だとすれば、これは、そんな悲しいお話なのだろうか?
三読目。
いや、そうではない。
ソクラテスの態度・言動には(あまりにも)悲壮感がない、なさ過ぎる。
悲壮感どころか、(ウソを吐いている人間特有の)“筋が通り過ぎている”感じすらもない。
話頭は転々とし、最初の疑問が何であったか忘れそうになったころに、全てのピースが繋がる。
弟子の頭をずっと撫でていたが、これは慰めるためか?鼓舞するためではないのか?誰を?自分と、自分の対話相手を?
そうか、彼は、最初から答えを知っていたワケでも、弟子たちの為に夢物語を騙ったのでもない。ただただ、本気で考えたんだ。
そう思わないと、彼の態度と言動の意味が分からない。
「魂は不死であるか?」
自身の死の間際まで、与えられた課題に本当の本気で取組み、考えた。
そこまで考えたのであれば、魂が不死であるかどうかはもうどっちでも良いようにすら思えてくるが、それでも――であるからこそ、ソクラテスによって導き出された結論は「魂は不死である」なのではないか?
……と云う感じで 『なに?哲学ってこんなに面白いの?若い時に読んでおけば良かった!!』 と思わせてくれた本です。
文句なし星五つでお願いします。
* 「パイドロス」も後日購入、読みましたが、それは次回の講釈で。
そんなある日、読む本がなく本屋を廻っていたところ、この「パイドン」を見付け、“間違えて”購入してしまいました。
似たような経験をされた方も少なくないと思いますが、こう云う“間違い”は得てして“当たり”である場合が多いのです。
正直、哲学には無縁だと云うか無学だった身としては、ソクラテスがどうとかプラトンがどうとか言われてもよく分らないし興味もなかったのですが……
一読目。
話頭は転々と、本当に転々とし、最初の疑問が何であったのか忘れそうになったころ、ソクラテスじいさんのギアがトップに入る。
各所に散らばっていたピースが畳み掛けられるように繋がり、見事 『魂の不死について』 の証明が成される。
ホームズもポアロもお手上げの曲芸飛行。 お見事!!
二読目。
“しかし、この証明内容であれば、ここまで話頭を転々とさせる必要はないよなあ?”
ひょっとして、僕は何か勘違いをしているのかも知れない。そうだ、これは彼が処刑される直前のお話だ。
彼は、自分自身よりも弟子たちを納得させる必要がある筈だ。だって、ソクラテスが弟子の頭をずっと撫でるシーンがある。
ひょっとすると、彼自身は 『魂の不死について』 信じていなかったのかも知れない。残される弟子達の為に――彼らの哲学を止めないために、死の間際に方便を使ったのかも知れない。……しかし、だとすれば、これは、そんな悲しいお話なのだろうか?
三読目。
いや、そうではない。
ソクラテスの態度・言動には(あまりにも)悲壮感がない、なさ過ぎる。
悲壮感どころか、(ウソを吐いている人間特有の)“筋が通り過ぎている”感じすらもない。
話頭は転々とし、最初の疑問が何であったか忘れそうになったころに、全てのピースが繋がる。
弟子の頭をずっと撫でていたが、これは慰めるためか?鼓舞するためではないのか?誰を?自分と、自分の対話相手を?
そうか、彼は、最初から答えを知っていたワケでも、弟子たちの為に夢物語を騙ったのでもない。ただただ、本気で考えたんだ。
そう思わないと、彼の態度と言動の意味が分からない。
「魂は不死であるか?」
自身の死の間際まで、与えられた課題に本当の本気で取組み、考えた。
そこまで考えたのであれば、魂が不死であるかどうかはもうどっちでも良いようにすら思えてくるが、それでも――であるからこそ、ソクラテスによって導き出された結論は「魂は不死である」なのではないか?
……と云う感じで 『なに?哲学ってこんなに面白いの?若い時に読んでおけば良かった!!』 と思わせてくれた本です。
文句なし星五つでお願いします。
* 「パイドロス」も後日購入、読みましたが、それは次回の講釈で。
2020年5月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
プラトンの著書は同じ出版社からから出ているのですが豪華版になっており、ちょっと手を出しにくいというのが難点です。ですが、本書は文庫本になっており非常に手ごろで歓迎です。時代によって興味を持つ人たちが増えてきたということがあるのかなとは思いますが。
これまでいろいろの方が翻訳をされておりますが本書は現代語で訳されておりますので比較的読みやすいです。
ソクラテス及びプラトンはどういう人かというこをと知らない人はいないとは思いますが彼らの霊魂不滅とイデアを否定したり、半信半疑に思ったりしている人は多いのではないかと思われます。
実は彼らは霊界に行き霊人たちと話をしてきており、彼らにとってはそこは実在もいいところなのです。ですが、それをアテネの人たちにストレートに話をしても相手にされないし、むきに話すとバカにされてしまうのがおちなので観念で創作したかのように「哲学」的に見せかけて一生懸命に説得して(口説いて)いた。しかし、それでは説得力が弱かった。
それで、ソクラテスなき後、プラトンは自分がとは言わずにソクラテスと誰かを対話する形で霊魂の不滅とイデアのことを書物にしていった。
実は、読む人たちもそういう前提で読まれるといいのですが、半信半疑で読み終わり訳者の解説にたどり着くと残念ながら訳者もインテリの一人であり学者ですから内容は「観念の殻」からは脱皮できていない。
イデア(Idea)を辞書で引くと「観念」と出るのが今の世である。
偉大なソクラテスとプラトンが言おうとしていたことを心底信じていただければこれほど素晴らしい本はなく、大勢の方々に是が非でも読んで戴きたいお勧めの本です。
ミラクル
これまでいろいろの方が翻訳をされておりますが本書は現代語で訳されておりますので比較的読みやすいです。
ソクラテス及びプラトンはどういう人かというこをと知らない人はいないとは思いますが彼らの霊魂不滅とイデアを否定したり、半信半疑に思ったりしている人は多いのではないかと思われます。
実は彼らは霊界に行き霊人たちと話をしてきており、彼らにとってはそこは実在もいいところなのです。ですが、それをアテネの人たちにストレートに話をしても相手にされないし、むきに話すとバカにされてしまうのがおちなので観念で創作したかのように「哲学」的に見せかけて一生懸命に説得して(口説いて)いた。しかし、それでは説得力が弱かった。
それで、ソクラテスなき後、プラトンは自分がとは言わずにソクラテスと誰かを対話する形で霊魂の不滅とイデアのことを書物にしていった。
実は、読む人たちもそういう前提で読まれるといいのですが、半信半疑で読み終わり訳者の解説にたどり着くと残念ながら訳者もインテリの一人であり学者ですから内容は「観念の殻」からは脱皮できていない。
イデア(Idea)を辞書で引くと「観念」と出るのが今の世である。
偉大なソクラテスとプラトンが言おうとしていたことを心底信じていただければこれほど素晴らしい本はなく、大勢の方々に是が非でも読んで戴きたいお勧めの本です。
ミラクル
2005年3月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
スラスラ読めるというので、買いました。
実際は、じっくり読めば、内容は理解できるという程度。
これは恐らく、言葉は平易でも表現が回りくどいからだと思います。
哲学って言葉の運用にスキがあってはいけないんですねぇ、と一人納得。
薄い本なのに、哲学的表現にもう一つピンと来ない私は、おかげで内容を理解するのにすごく時間がかかってしまいました。
「哲学を甘くみてはいけない」と実感した一冊。
実際は、じっくり読めば、内容は理解できるという程度。
これは恐らく、言葉は平易でも表現が回りくどいからだと思います。
哲学って言葉の運用にスキがあってはいけないんですねぇ、と一人納得。
薄い本なのに、哲学的表現にもう一つピンと来ない私は、おかげで内容を理解するのにすごく時間がかかってしまいました。
「哲学を甘くみてはいけない」と実感した一冊。
2022年10月30日に日本でレビュー済み
プラトンが初めて「イデア論」を提唱した重要な著作とされる。
イデアとは、ものごとの本来の姿、本質といった概念である。
そしてソクラテス/プラトン哲学においては、それがそのまま「理想の姿」であるという価値判断を含む概念でもある。
イデアは純粋な思惟によってのみ認知できるとの主張がプラトン哲学の基礎にありながら、他方では人間は肉体という制約により純粋な思惟を実現し得ず、生きた状態ではイデアは認知できないとするのもプラトン哲学の主張でもある。
そのため、イデアを少なくとも理論上認知可能なものとして定義するためには、「魂の不滅」が要請されるとするのが本著である。
つまり、肉体の制約を離れ純粋な思惟が可能となる「魂」の状態においてこそイデアは認知することができると本著では主張される。
この主張が有意味な論証であるためには、事実としての「魂の不滅」が不可欠となるだろう。
しかしここで行われるのは、魂の不滅は「要請される」との主張のみであり、魂の不滅も、魂の状態ならば純粋な思惟が可能であることも、残念ながら論証されるわけではない。
しかしそれでも私は、ソクラテス/プラトン哲学には価値があると考える。
ソクラテス/プラトン哲学において注目されるべきは「真偽」ではなく、実践哲学・道徳哲学として、その哲学が、そのように考えることが、どう人の生き方に作用するかという点ではないだろうか。
イデアは肉体という制約のため生きた人間には認知不能、ならば知ろうとすることに意味はないのだろうか。
ソクラテスの立場は否であり、私もそこに注目する。
認知し得ないながらも、極力肉体の制約を排除し思弁に生きよ。
イデアの認知を目指して生きよ。
それがソクラテスの指南だ。
人間は如何に生きるべきか。
これを常に問い続けたのがソクラテスでありプラトンであった。
この問いは真理そのものを問う純粋哲学とは一線を画す。
思えば、人の世には完全・完成が無理でもそこに近づく営みに価値があるという類のものは無数にある。
例えば人とのコミュニケーション。
確かに他人同士が完全に理解し合うことは不可能なのかもしれない。
ならば最初からコミュニケーションなどしない方が良いことになるのだろうか。
そんなことは決してないはずだ。
部分的な相互理解であっても(そしてたとえその中に幾分かの誤解が含まれていたとしても)、相互無理解よりは遥かに良い状態ではないだろうか。
しかも相互理解の限界はそれ程低いものではなく、相互の誠意ある対話によりかなりの程度まで深い到達が可能なものだ。
では、彼らが目指した生き方は果たして「善い」ものなのだろうか。
ここでもやはり「真偽の問題ではない」という前提が顔を出す。
共感する人もいれば嫌悪する人もいだろうが、それでいいのだと思う。
彼らは彼らの信念に生きようとしたのであり、それ自体を否定することは誰にも出来ないだろう。
私は、真偽のみでプラトン哲学を判ずることに対しては、文学を「フィクションだから嘘で無価値だ」と言って否定するようなもったいなさを覚える。
ところで、本著における「イデアは実在するが生きた人間には認知し得ない」という主張は、論理的に重要な含意を持つ。
それは、「認知できる」ことは「存在する」ことの証明になり得るとしても、「認知できない」ことは「存在しない」ことの証明にはならない、という立場が暗黙に前提されているからだ。
「無いことを証明する」のは、人間の知覚ではないということだ。
また本著の舞台設定は、ソクラテスの処刑の当日に行われた対話として描かれている。
人間は最終的には肉体の束縛を離れイデアを認知し得る魂に至るのだという論理から、自らの処刑を従容として受け入れるソクラテスの姿が描かれるのだ。
ソクラテスの最期のシーンは荘厳であり、このシーンを読むだけでも、本著の価値はあると思われる。
イデアとは、ものごとの本来の姿、本質といった概念である。
そしてソクラテス/プラトン哲学においては、それがそのまま「理想の姿」であるという価値判断を含む概念でもある。
イデアは純粋な思惟によってのみ認知できるとの主張がプラトン哲学の基礎にありながら、他方では人間は肉体という制約により純粋な思惟を実現し得ず、生きた状態ではイデアは認知できないとするのもプラトン哲学の主張でもある。
そのため、イデアを少なくとも理論上認知可能なものとして定義するためには、「魂の不滅」が要請されるとするのが本著である。
つまり、肉体の制約を離れ純粋な思惟が可能となる「魂」の状態においてこそイデアは認知することができると本著では主張される。
この主張が有意味な論証であるためには、事実としての「魂の不滅」が不可欠となるだろう。
しかしここで行われるのは、魂の不滅は「要請される」との主張のみであり、魂の不滅も、魂の状態ならば純粋な思惟が可能であることも、残念ながら論証されるわけではない。
しかしそれでも私は、ソクラテス/プラトン哲学には価値があると考える。
ソクラテス/プラトン哲学において注目されるべきは「真偽」ではなく、実践哲学・道徳哲学として、その哲学が、そのように考えることが、どう人の生き方に作用するかという点ではないだろうか。
イデアは肉体という制約のため生きた人間には認知不能、ならば知ろうとすることに意味はないのだろうか。
ソクラテスの立場は否であり、私もそこに注目する。
認知し得ないながらも、極力肉体の制約を排除し思弁に生きよ。
イデアの認知を目指して生きよ。
それがソクラテスの指南だ。
人間は如何に生きるべきか。
これを常に問い続けたのがソクラテスでありプラトンであった。
この問いは真理そのものを問う純粋哲学とは一線を画す。
思えば、人の世には完全・完成が無理でもそこに近づく営みに価値があるという類のものは無数にある。
例えば人とのコミュニケーション。
確かに他人同士が完全に理解し合うことは不可能なのかもしれない。
ならば最初からコミュニケーションなどしない方が良いことになるのだろうか。
そんなことは決してないはずだ。
部分的な相互理解であっても(そしてたとえその中に幾分かの誤解が含まれていたとしても)、相互無理解よりは遥かに良い状態ではないだろうか。
しかも相互理解の限界はそれ程低いものではなく、相互の誠意ある対話によりかなりの程度まで深い到達が可能なものだ。
では、彼らが目指した生き方は果たして「善い」ものなのだろうか。
ここでもやはり「真偽の問題ではない」という前提が顔を出す。
共感する人もいれば嫌悪する人もいだろうが、それでいいのだと思う。
彼らは彼らの信念に生きようとしたのであり、それ自体を否定することは誰にも出来ないだろう。
私は、真偽のみでプラトン哲学を判ずることに対しては、文学を「フィクションだから嘘で無価値だ」と言って否定するようなもったいなさを覚える。
ところで、本著における「イデアは実在するが生きた人間には認知し得ない」という主張は、論理的に重要な含意を持つ。
それは、「認知できる」ことは「存在する」ことの証明になり得るとしても、「認知できない」ことは「存在しない」ことの証明にはならない、という立場が暗黙に前提されているからだ。
「無いことを証明する」のは、人間の知覚ではないということだ。
また本著の舞台設定は、ソクラテスの処刑の当日に行われた対話として描かれている。
人間は最終的には肉体の束縛を離れイデアを認知し得る魂に至るのだという論理から、自らの処刑を従容として受け入れるソクラテスの姿が描かれるのだ。
ソクラテスの最期のシーンは荘厳であり、このシーンを読むだけでも、本著の価値はあると思われる。
2019年7月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
何かの本でパイドンのことが書かれていたので
買ってみましたが
哲学的なことはほぼ分かりませんし
こういう手の本はあまり読まないので
読みにくかったです…。
内容は対話方式で
ためになるところはいくつもありました!
読みにくいところを我慢できれば
よい本と思います
買ってみましたが
哲学的なことはほぼ分かりませんし
こういう手の本はあまり読まないので
読みにくかったです…。
内容は対話方式で
ためになるところはいくつもありました!
読みにくいところを我慢できれば
よい本と思います