邦題「旅愁」は、原題「 September Affair 」にそぐわない。September Song といい、ラフマニノフのピアノ交響曲といい、映画内でこんなに音楽をしっとりと聴き惚れさせる映画を初めて視聴した。邦題を付けるとすれば「アンダンテ」。
思いがけず現実生活から切り離された二人は、過去を捨てて愛し合う二人だけのシャングリラに。元エンジニアの男と元ピアニストの女は、それぞれの元の職業に関わることで次第に過去に関わっていく...ピアノ教師はまるで悪魔のような質問を投げかけ、二人は失楽園へ。愛が愛することに止まらず、幸せにすること、これを見事に描き切った。
旅愁 [DVD]
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フォーマット | ブラック&ホワイト, 字幕付き |
コントリビュータ | ウィリアム・ディターレ, ジョーン・フォンテイン, ジョセフ・コットン |
稼働時間 | 1 時間 45 分 |
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商品の説明
イタリアから米国へ向かう旅客機に、若いピ アニスト、マニナ・スチュアートとニューヨークの技師デイヴィッド・ロー レンスが乗り合わせた。マニナはコンサートの契約で、デイヴィッドは妻キ ャサリンと離婚するために帰るところだった。だが旅客機が故障を起こしてナ ポリに不時着した。マニナとデイヴィッドは昼食をとりに町へ出かけ、帰 ってみると機は出発してしまっていた。2人は数日間ポンペイとカプリ島に旅行 することにした。カプリ滞在中、2人の友情は恋に発展していった。そして2 人はあの旅客機が墜落し乗客は2人を含めすべて死んだと報告されたことを知 った。デイヴィッドとマニナの新しい生活がこのときから始まった。その頃デ イヴィッドの妻が息子と一緒にイタリアに来て真相を知ってしまったのだが…
登録情報
- 梱包サイズ : 18.03 x 13.76 x 1.48 cm; 83.16 g
- EAN : 4571339483766
- 監督 : ウィリアム・ディターレ
- メディア形式 : ブラック&ホワイト, 字幕付き
- 時間 : 1 時間 45 分
- 発売日 : 2011/2/22
- 出演 : ジョセフ・コットン, ジョーン・フォンテイン
- 販売元 : ファーストトレーディング
- ASIN : B004OUEAWQ
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 37,664位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 3,472位外国のドラマ映画
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年7月13日に日本でレビュー済み
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2021年8月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ラフマニノフが使われていることを前から聞いていたのに初めてこの映画を観た。荒っぽい行動も言葉もなく、現代から見れは少し歯がゆい。白黒ながらナポリとその周辺、フィレンツェなど美しい景色も見られた。
2021年9月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まぁ、それだけの理由で買いました。
2019年12月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中高生の頃NHKで何度か見て印象に残った映画でした。ラフマニノフのピアノ協奏曲2番を知りレコードを買ったりしました。65歳女性です。
2022年10月3日に日本でレビュー済み
■ 概要
本作には「不倫をあまりにも美化しすぎている」との批判があるが、映画とはそのようなものである。
技術者・経営者のデイヴィッド・ローレンス(ジョゼフ・コットン)とピアニストのマニーナ・ステュアートは飛行機に乗り遅れた。その飛行機が墜落し、二人は死亡したと誤報された。
デイヴィッドは妻とうまく行っておらず、お互い惹かれたこともあり、このチャンス!を利用して秘密の生活に入った。
マニーナに恩師のマリヤ・サルヴァティニ(フランソワーズ・ロゼエ)は二人の行動を激しく批判するが、しかし二人をサポートする。その後デイヴィッドの妻が訪ねてきたりする。
二人は最初のうちは幸せな生活を送るが、次第に退屈ないしは陰鬱の影が忍び寄ってくる。
そんな時にディヴィッドは偶然に自分の会社の製品が設置されているのを見かけて手伝う。またマニーナは以前に契約していた演奏会のことを思い出す。
最後に二人は仕事に戻る決心をしてアメリカに戻る。
補足。ピアニストなのでピアノを弾く場面がある。「情炎の海/若き人妻の恋」「ジェーン・エア」でもピアノを弾く場面あり。
■ ジョセフ・コットン
有名俳優で出演作を見る機会も多い。
「(1950)追いつめられた男/Walk Softly, Stranger」。これをご覧になられた方は少ないだろう。共演はアリダ・ヴァリ。
クリス(ジョゼフ)は悪いことをしながら大人になって故郷に戻った。昔話したことがある金持ちの娘イレーヌ(アリダ)に会った。イレーヌはスキーの事故で車イス生活となっていた。昔は思っても見なかったがイレーヌはクリスが好きなようである。
イレーヌの父親の会社で働いたが、昔の関係で賭博場の強盗をした。後ほど本件で捕まった。刑務所にイレーヌが面会に来た。「出所するまで待つ」と手を握った。
「(1953)ナイアガラ/Niagara」。こちらは有名。共演はジーン・ピーターズ。ジョージ(ジョゼフ)は妻のローズとナイアガラに来た。新婚のレイ/ポリー(ジーン)・カトラー夫妻と知り合った。しかしローズの愛人に殺されそうになり反撃して逆に殺した。さらにローズを追い詰めて絞め殺した。
アメリカ側に逃れようとボートに乗ったが、そこにはポリーがいた。強引のボートを出すが、故障して滝に向かって流された。
もう一つジーン・ピーターズとの共演。「(1953)殺人の青写真/Blue Print For Murder」。今度はジーンが悪役。ホイットニー(ジョゼフ)の弟は妻が死亡した後に再婚した。弟も死亡した。後妻(ジーン)は二人の子供と暮らしていたが、子供の一人も死亡した。ホイットニーは後妻に疑問を抱く。
ついでながらジョーン・フォンテインの姉のオリヴィア・デ・ハヴィランドとの共演が三作。「(1964)ふるえて眠れ/Hush… Hush, Sweet Charlotte」「1972)叫ぶ女/埋められた女/THE SCREAMING WOMAN」「(1977)エアポート'77/バミューダからの脱出/Airport '77」。
■ ジョーン・フォンテイン
ジョーンは当時大量生産された西部劇映画や犯罪映画には出演していない。ジョーンの映画はよく見ているが、みなさんにあまりなじみがないものを。
「(1944)情炎の海/若き人妻の恋/Frenchman's Creek」。これは「(1940)レベッカ/Rebecca」と同じくダフニ・デュ・モーリエの原作。「レベッカ」よりはこちらがよい。ヒッチコックではないし、なにしろジョーンが海賊になって大活躍する。
ジョーンは可愛いだけではない。悪役もこなしている。「(1947)アイヴィー、三股浮気女の殺人計画/Ivy」。アイヴィー(ジョーン)は結婚しているが医師ロジャーと浮気している。またさらに良さそうな男性マイルズが現れた。アイヴィーは夫を殺してロジャーの仕業に見せかけて、マイルズと結婚するという一石三鳥の計画を立てた。
「(1948)不時着結婚/You Gotta Stay Happy」。こちらはコメディ。共演はジェームス・ステュアート。ダイアナ(ジョーン)は超大金持ち。毎日グダグダの生活だったが、せっつかれて結婚した。しかし新婚旅行の時に、ホテルの隣の部屋に逃げ込んだ。潰れそうな航空会社を経営しているマーヴィン(ジェームス)。マーヴァンの貨物機に乗せてもらうが不時着。ダイアナはマーヴィンの会社に出資しようとするが断られる。
「(1953)『デカメロン夜話(海賊パガニノ、道徳の賭け、医師の娘)/Decameron Nights」。デカメロン夜話から三話を抜き出したアンソロジー。ジョーンとルイ・ジュールダンがすべてに登場する。14世紀の話なので古いが、とても面白い。「(1948)忘れじの面影/Letter from an Unknown Woman」よりは断然いい。ルイはコメディの方が似合うようである。例えば「(1952)幸福の時間、ビビとペギー/The Happy Time」「(1954)愛の泉/Three Coins in the Fountain」。
本作には「不倫をあまりにも美化しすぎている」との批判があるが、映画とはそのようなものである。
技術者・経営者のデイヴィッド・ローレンス(ジョゼフ・コットン)とピアニストのマニーナ・ステュアートは飛行機に乗り遅れた。その飛行機が墜落し、二人は死亡したと誤報された。
デイヴィッドは妻とうまく行っておらず、お互い惹かれたこともあり、このチャンス!を利用して秘密の生活に入った。
マニーナに恩師のマリヤ・サルヴァティニ(フランソワーズ・ロゼエ)は二人の行動を激しく批判するが、しかし二人をサポートする。その後デイヴィッドの妻が訪ねてきたりする。
二人は最初のうちは幸せな生活を送るが、次第に退屈ないしは陰鬱の影が忍び寄ってくる。
そんな時にディヴィッドは偶然に自分の会社の製品が設置されているのを見かけて手伝う。またマニーナは以前に契約していた演奏会のことを思い出す。
最後に二人は仕事に戻る決心をしてアメリカに戻る。
補足。ピアニストなのでピアノを弾く場面がある。「情炎の海/若き人妻の恋」「ジェーン・エア」でもピアノを弾く場面あり。
■ ジョセフ・コットン
有名俳優で出演作を見る機会も多い。
「(1950)追いつめられた男/Walk Softly, Stranger」。これをご覧になられた方は少ないだろう。共演はアリダ・ヴァリ。
クリス(ジョゼフ)は悪いことをしながら大人になって故郷に戻った。昔話したことがある金持ちの娘イレーヌ(アリダ)に会った。イレーヌはスキーの事故で車イス生活となっていた。昔は思っても見なかったがイレーヌはクリスが好きなようである。
イレーヌの父親の会社で働いたが、昔の関係で賭博場の強盗をした。後ほど本件で捕まった。刑務所にイレーヌが面会に来た。「出所するまで待つ」と手を握った。
「(1953)ナイアガラ/Niagara」。こちらは有名。共演はジーン・ピーターズ。ジョージ(ジョゼフ)は妻のローズとナイアガラに来た。新婚のレイ/ポリー(ジーン)・カトラー夫妻と知り合った。しかしローズの愛人に殺されそうになり反撃して逆に殺した。さらにローズを追い詰めて絞め殺した。
アメリカ側に逃れようとボートに乗ったが、そこにはポリーがいた。強引のボートを出すが、故障して滝に向かって流された。
もう一つジーン・ピーターズとの共演。「(1953)殺人の青写真/Blue Print For Murder」。今度はジーンが悪役。ホイットニー(ジョゼフ)の弟は妻が死亡した後に再婚した。弟も死亡した。後妻(ジーン)は二人の子供と暮らしていたが、子供の一人も死亡した。ホイットニーは後妻に疑問を抱く。
ついでながらジョーン・フォンテインの姉のオリヴィア・デ・ハヴィランドとの共演が三作。「(1964)ふるえて眠れ/Hush… Hush, Sweet Charlotte」「1972)叫ぶ女/埋められた女/THE SCREAMING WOMAN」「(1977)エアポート'77/バミューダからの脱出/Airport '77」。
■ ジョーン・フォンテイン
ジョーンは当時大量生産された西部劇映画や犯罪映画には出演していない。ジョーンの映画はよく見ているが、みなさんにあまりなじみがないものを。
「(1944)情炎の海/若き人妻の恋/Frenchman's Creek」。これは「(1940)レベッカ/Rebecca」と同じくダフニ・デュ・モーリエの原作。「レベッカ」よりはこちらがよい。ヒッチコックではないし、なにしろジョーンが海賊になって大活躍する。
ジョーンは可愛いだけではない。悪役もこなしている。「(1947)アイヴィー、三股浮気女の殺人計画/Ivy」。アイヴィー(ジョーン)は結婚しているが医師ロジャーと浮気している。またさらに良さそうな男性マイルズが現れた。アイヴィーは夫を殺してロジャーの仕業に見せかけて、マイルズと結婚するという一石三鳥の計画を立てた。
「(1948)不時着結婚/You Gotta Stay Happy」。こちらはコメディ。共演はジェームス・ステュアート。ダイアナ(ジョーン)は超大金持ち。毎日グダグダの生活だったが、せっつかれて結婚した。しかし新婚旅行の時に、ホテルの隣の部屋に逃げ込んだ。潰れそうな航空会社を経営しているマーヴィン(ジェームス)。マーヴァンの貨物機に乗せてもらうが不時着。ダイアナはマーヴィンの会社に出資しようとするが断られる。
「(1953)『デカメロン夜話(海賊パガニノ、道徳の賭け、医師の娘)/Decameron Nights」。デカメロン夜話から三話を抜き出したアンソロジー。ジョーンとルイ・ジュールダンがすべてに登場する。14世紀の話なので古いが、とても面白い。「(1948)忘れじの面影/Letter from an Unknown Woman」よりは断然いい。ルイはコメディの方が似合うようである。例えば「(1952)幸福の時間、ビビとペギー/The Happy Time」「(1954)愛の泉/Three Coins in the Fountain」。
2017年11月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今回購入しました旅愁のDVDはいままで出ていた旅愁のDVDより画質が良かったので満足しています
2014年2月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
主演女優の方が先日80何歳で亡くなられたとの記事を読み注文し、懐かしい白黒えいがを見て感動しました。
2020年10月9日に日本でレビュー済み
映画音楽のスタンダードナンバー「セプテンバー・ソング」の魅力に惹かれて、かれこれ4回ぐらい鑑賞している。
何度観てもいい映画だな、こういうのが名画だよなと実感する。肩がこらない映画はやはりいい。
展開がうまい。メロドラマ・不倫ものの傑作。
洗練された台詞。スターの演技のすばらしさ。脚本の無駄のなさ。そして冒頭に挙げた音楽の素晴らしさ。何をとっても堅実で端正なつくり。品がある。
地味な作品なんだけど、とにかくいい。ジョーン・フォンテインの美しさと気品、賢明さ。
ジョセフ・コットンの貫禄と押さえた演技。
このふたりにしかつくれない静かな世界観。こういう映画はもう作られないのかな。
大人の落ち着いた性格の二人がくりなすラブストーリーに派手さはないが、やっていることは飛行機事故でふたりとも死んだことにして、異国の地で名前を変えて幽霊ぐらしという大胆さ(笑)。すごいアバンチュール。
カーネギーホールのピアノコンサートシーンは大迫力。終盤のあの軽やかすぎる手の動かし方。映像にすると、ピアニストが奏でる音色だけではなく動きがクローズアップで見ることが出来るから得した気分。本当に人間業とは思えない。高速すぎる。
ラストの別れのシーンが悲しいけどいい。男の踏ん切りの悪さが浮き彫りにされる。捨てるのは女の方だった。
でも、こんなに優しさに溢れた不倫映画ってなかなかない。全部が愛で繋がってる気がする。
ジョセフ・コットン演じるデヴィッドの奥さん役の名女優ジェシカ・タンディの存在感、演技も必見。
夫が飛行機事故で死んだと思ってたのに、実は生きててしかも愛人と暮らしてたなんて、かなりぶっとんだ設定ですから。かなり難しい役柄だと思う。リアリティに迫りすぎるとどろどろでいやな感じになるのに、すんでのところでとめているというか。リアルなんだけど生々しくならず、あくまで映画という夢の枠からはみ出さないようにしている。
「私はすべてでなければほしくない」の台詞に象徴されるように、恋の始まりの段階から首尾一貫している女性。
重いといえば重いし、不器用といえば不器用だけど、女はいつも恋に命がけ。真剣そのもの。
対して、なにからなにまでグラグラの男性。
今までの仕事一筋の生き方に疲れ、少し休みたかったという気持ちはすごくわかるしその疲弊感は伝わってくるが、あまりにもその場のノリで生きてる感じ。偶然美しくて話も合う女性がいたからなんとなく恋をして、恋だけでは暇になり、なんとなく仕事をはじめ、なんとなく大切な一人息子に会いたいと思い始め、妻を恋しく思う。気ままだが、それなりに男らしく優しい男。
男女の違いが如実に描かれている。
別れのけじめをしっかりつける女性。これはあるべき理想だ。優しい男は自分から正面切ってふるなんてことができないから。「あなたから別れを言ってほしかった」という台詞が唯一の愚痴、それも優しい愚痴だと思えた。
何度観てもいい映画だな、こういうのが名画だよなと実感する。肩がこらない映画はやはりいい。
展開がうまい。メロドラマ・不倫ものの傑作。
洗練された台詞。スターの演技のすばらしさ。脚本の無駄のなさ。そして冒頭に挙げた音楽の素晴らしさ。何をとっても堅実で端正なつくり。品がある。
地味な作品なんだけど、とにかくいい。ジョーン・フォンテインの美しさと気品、賢明さ。
ジョセフ・コットンの貫禄と押さえた演技。
このふたりにしかつくれない静かな世界観。こういう映画はもう作られないのかな。
大人の落ち着いた性格の二人がくりなすラブストーリーに派手さはないが、やっていることは飛行機事故でふたりとも死んだことにして、異国の地で名前を変えて幽霊ぐらしという大胆さ(笑)。すごいアバンチュール。
カーネギーホールのピアノコンサートシーンは大迫力。終盤のあの軽やかすぎる手の動かし方。映像にすると、ピアニストが奏でる音色だけではなく動きがクローズアップで見ることが出来るから得した気分。本当に人間業とは思えない。高速すぎる。
ラストの別れのシーンが悲しいけどいい。男の踏ん切りの悪さが浮き彫りにされる。捨てるのは女の方だった。
でも、こんなに優しさに溢れた不倫映画ってなかなかない。全部が愛で繋がってる気がする。
ジョセフ・コットン演じるデヴィッドの奥さん役の名女優ジェシカ・タンディの存在感、演技も必見。
夫が飛行機事故で死んだと思ってたのに、実は生きててしかも愛人と暮らしてたなんて、かなりぶっとんだ設定ですから。かなり難しい役柄だと思う。リアリティに迫りすぎるとどろどろでいやな感じになるのに、すんでのところでとめているというか。リアルなんだけど生々しくならず、あくまで映画という夢の枠からはみ出さないようにしている。
「私はすべてでなければほしくない」の台詞に象徴されるように、恋の始まりの段階から首尾一貫している女性。
重いといえば重いし、不器用といえば不器用だけど、女はいつも恋に命がけ。真剣そのもの。
対して、なにからなにまでグラグラの男性。
今までの仕事一筋の生き方に疲れ、少し休みたかったという気持ちはすごくわかるしその疲弊感は伝わってくるが、あまりにもその場のノリで生きてる感じ。偶然美しくて話も合う女性がいたからなんとなく恋をして、恋だけでは暇になり、なんとなく仕事をはじめ、なんとなく大切な一人息子に会いたいと思い始め、妻を恋しく思う。気ままだが、それなりに男らしく優しい男。
男女の違いが如実に描かれている。
別れのけじめをしっかりつける女性。これはあるべき理想だ。優しい男は自分から正面切ってふるなんてことができないから。「あなたから別れを言ってほしかった」という台詞が唯一の愚痴、それも優しい愚痴だと思えた。