昔,テレビで遠藤が「相手を背負った味方にあえて弱いパスを出してひきつけてから空いたところにパスを出す.」というような話をしていたことがあったが,この本の題名にある「ムダなパス」とはまさにそれ.釣りのパスとでもいおうか.
サッカーは頭のいい人たちが集まってやった方が面白いというのが良く分かる.
副題になっている「1本のパスからサッカーの"3手先"が見えてくる」というのは将棋のような比喩であるが,パスをする際に自分とパスする味方のことだけ考えるのではなく,ムダなパスを使って相手の動きも誘い,さらに有利な状況を作り出すことができるという意味であろう.
先日のFIFAクラブワールドカップで,サントスとバルセロナがやっていた試合をこの本を読んでからみるとさらに楽しめる.
シャビはホントに一秒おきぐらいで首を振って周りを確認している.
内容としては,息子の所属しているサッカーチームでも「バルサのサッカー」を目標にしているが,そこで言われていることとほぼ同じようなことが具体的に書かれている.つまり結構,実践的だ.
バルサのしている現代サッカーは思い切って一言でいうと「無理をしない」サッカーなのではないかと思う.クラブワールドカップのバルサをみていると本当に無理をしていない.そして「無理をしない」サッカーをするにはどうすればいいかについて書かれているのがこの本である.
あの試合を見ているとバルサのパスの繋がり方は異常に見える.
どういう風に異常なのか良く見てみると,ハーフとフォワードのポジションが固定されていなくて,本当に 4-6-0 という感じで動いている.シャビのような考え方と動き方を前の6人がしているということなのだろう.
もしかして,「ボランチをこなせる選手が多いチームが強い」なんてことも言えるのではないかという気がしてきた.
つまり,11人遠藤がいれば,日本はかなり強くなれるのではないか.
【ストライカー目線のボランチ論】【サイドバック目線のボランチ論】という章があるが,要はボランチの動きを理解している選手の多い方が強く,さらに理解しているだけでなく,そのように動くことができる選手の多い方がさらに強いということなのではないだろうか.
…というような想像が膨らむ面白い本であった.
この本でサッカー観戦がさらに楽しくなった.

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なぜボランチはムダなパスを出すのか? ~1本のパスからサッカーの"3手先"が見えてくる~ (サッカー小僧新書) 新書 – 2011/12/20
北 健一郎
(著)
ボランチ――。
ポルトガル語で「舵取り」を意味する、このポジションはサッカーで最も重要な役割を担っています。しかし、実際にボランチのプレーがクローズアップされることは多くありません。なぜか? それは「ボランチの見方」がサッカーファンに浸透していないからです。
ほんの2、3歩のポジション移動、一見無駄に見えるパス交換、パスを出す前の体の向きなど、普通に見ているだけでは気づかないプレーで、中盤を支配できるかできないかは決まります。
この本ではシャビ、遠藤保仁など名手と呼ばれる選手をサンプルにしながら、ボランチの奥深さについて解説します。「サッカーを見る目」をレベルアップさせ、「サッカーをより深く語れる」ようになる1冊です。
◎構成
第1章 『ボランチのプレーを読み解く「10」の新常識』
第2章 『ストライカー目線のボランチ論』
第3章 『サイドバック目線のボランチ論』
第4章 『現代サッカーを動かすボランチたち』
第5章 『最終テスト・サッカーの"3手先"が見えるようになる』
ポルトガル語で「舵取り」を意味する、このポジションはサッカーで最も重要な役割を担っています。しかし、実際にボランチのプレーがクローズアップされることは多くありません。なぜか? それは「ボランチの見方」がサッカーファンに浸透していないからです。
ほんの2、3歩のポジション移動、一見無駄に見えるパス交換、パスを出す前の体の向きなど、普通に見ているだけでは気づかないプレーで、中盤を支配できるかできないかは決まります。
この本ではシャビ、遠藤保仁など名手と呼ばれる選手をサンプルにしながら、ボランチの奥深さについて解説します。「サッカーを見る目」をレベルアップさせ、「サッカーをより深く語れる」ようになる1冊です。
◎構成
第1章 『ボランチのプレーを読み解く「10」の新常識』
第2章 『ストライカー目線のボランチ論』
第3章 『サイドバック目線のボランチ論』
第4章 『現代サッカーを動かすボランチたち』
第5章 『最終テスト・サッカーの"3手先"が見えるようになる』
- 本の長さ189ページ
- 言語日本語
- 出版社白夜書房
- 発売日2011/12/20
- ISBN-104861918332
- ISBN-13978-4861918339
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商品の説明
著者について
北 健一郎
1982年 7月6日生まれ。北海道旭川市出身。日本ジャーナリスト専門学校卒業後、放送作家事務所を経て、フリーライターとしての活動を始める。2005年からサッカー専門誌・ストライカーDX(学習研究社)の編集者として働くかたわら、フットサル専門誌・フットサルナビ(白夜書房)を中心に原稿を執筆。2009年3月、ストライカーDX編集部を離れて独立。現在はサッカー、フットサル を中心に活動中。主な著書に『フットサル速効マニュアル100』 『リカルジーニョ神技バイブル』(いずれも白夜書房)、『サカテク』 『ゴールキーパー専門講座』 『ジャイアントキリングを起こす19の方法』(いずれも東邦出版)、『サッカー戦術とは何か?が誰にでも簡単に分かるようになる本』(共著/毎日コミュニケーションズ)がある。
1982年 7月6日生まれ。北海道旭川市出身。日本ジャーナリスト専門学校卒業後、放送作家事務所を経て、フリーライターとしての活動を始める。2005年からサッカー専門誌・ストライカーDX(学習研究社)の編集者として働くかたわら、フットサル専門誌・フットサルナビ(白夜書房)を中心に原稿を執筆。2009年3月、ストライカーDX編集部を離れて独立。現在はサッカー、フットサル を中心に活動中。主な著書に『フットサル速効マニュアル100』 『リカルジーニョ神技バイブル』(いずれも白夜書房)、『サカテク』 『ゴールキーパー専門講座』 『ジャイアントキリングを起こす19の方法』(いずれも東邦出版)、『サッカー戦術とは何か?が誰にでも簡単に分かるようになる本』(共著/毎日コミュニケーションズ)がある。
登録情報
- 出版社 : 白夜書房 (2011/12/20)
- 発売日 : 2011/12/20
- 言語 : 日本語
- 新書 : 189ページ
- ISBN-10 : 4861918332
- ISBN-13 : 978-4861918339
- Amazon 売れ筋ランキング: - 546,568位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1982年7月6日生まれ。北海道旭川市出身。日本ジャーナリスト専門学校卒業後、放送作家事務所を経て、フリーライターとしての活動を始める。2005年からサッカー専門誌・ストライカーDX(学習研究社)の編集者として働くかたわら、フットサル専門誌・フットサルナビ(白夜書房)など各媒体で原稿を執筆。2009年3月、ストライカーDX編集部を離れて独立。現在はサッカー、フットサルを中心に活動中。
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トップレビュー
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2012年1月24日に日本でレビュー済み
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2012年7月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
タイトルの面白さに惹かれて購入しました。
具体的な例を元にその意図が解説されていて、分かりやすい構成になっています。
実在の選手へのインタビュー(ヒアリング)の内容には非常に興味を持ちました。
サッカー観戦の世界がちょっと広がりますよ。
おススメです。
具体的な例を元にその意図が解説されていて、分かりやすい構成になっています。
実在の選手へのインタビュー(ヒアリング)の内容には非常に興味を持ちました。
サッカー観戦の世界がちょっと広がりますよ。
おススメです。
2016年2月19日に日本でレビュー済み
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すごく良い本を安く手に入れることができました。また機会がありましたら、Amazonを利用します
2011年12月27日に日本でレビュー済み
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シャビと遠藤のプレーを中心に説明されています。
特に遠藤のプレーについては,他のJリーガーからの話も交えて,その意図や状況を解説しています。
遠藤の話で印象に残ったのは,サイドチェンジは決して優先順位の高いプレーではないということ。
リスクが高く,確実に成功する時でないと,チャレンジすることはないとのことです。
横パスがカットされたり,チェンジしたサイドで1対1という状況をどう見るかはチームコンセプトにも関係しているでしょう。あらためて考えさせられました。
ボランチという表現は日本ではよく使用され,チームを操るハンドルという解釈がなされます。
よって本書ではそのパスを取り上げ,詳細に分析しています。
個人的には,DFラインの前での守備の役割や,トップを追い越して得点するプレーなどについても触れてほしかったと感じています。
ただ,動かないボランチが優れているというのが本書のスタンスですが。
特に遠藤のプレーについては,他のJリーガーからの話も交えて,その意図や状況を解説しています。
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横パスがカットされたり,チェンジしたサイドで1対1という状況をどう見るかはチームコンセプトにも関係しているでしょう。あらためて考えさせられました。
ボランチという表現は日本ではよく使用され,チームを操るハンドルという解釈がなされます。
よって本書ではそのパスを取り上げ,詳細に分析しています。
個人的には,DFラインの前での守備の役割や,トップを追い越して得点するプレーなどについても触れてほしかったと感じています。
ただ,動かないボランチが優れているというのが本書のスタンスですが。
2013年5月24日に日本でレビュー済み
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日本代表の不動のボランチ,遠藤。遠藤がなぜ「代えのきかない選手」なのか分からなかった。しかし,この本を読んでその意味が分かった。遠藤は2手先,3手先を常に予測してプレーしている。だからスムーズにパスが出せるのだ。
「遅いパス」も時には重要らしい。敵のマークがずれ,スペースが生まれるというメリットがあるのである。
しかし,遠藤を「ボランチ」と言い切ってしまうのには違和感を覚える。確かに日本代表の4-2-3-1の2のところにいる時はボランチである。しかし,ガンバ大阪は4-4-2のシステムを使っているので,正確に言えばガンバでの遠藤はボランチではなく,セントラルミッドフィールダーと呼ぶのが正しい。
この本の大部分が遠藤について書かれている。「なぜ遠藤はムダなパスを出すのか?」と言い換えてもいいくらいだ。遠藤は50〜60種類のゴールに直結するパスを出すという。それだけの引き出しがあるのも驚きである。味方がプレーしやすいパスを出すようにしているらしい。
本書によれば,遠藤が本当によく考えてパスを出しているのが分かる。前方の味方にパス,敵をそこへ引きつけておいてリターンをもらい,左サイドのサイドバックにパス。一見ムダとも思える1本目のパスがその後の攻撃を展開していく上で重要なのだ。遠藤は本当に2,3手先を読んでパスを出している。常に味方と敵のポジションや動きを把握し,どんな展開になるのかをシミュレーションする。この本を読み終わると,遠藤やシャビのすごさが少しは分かるようになる。オシム元日本代表監督は「考えながら走れ」と言ったが,1流のサッカー選手は確かに考えながら走っているのを実感させられた本であった。
「遅いパス」も時には重要らしい。敵のマークがずれ,スペースが生まれるというメリットがあるのである。
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この本の大部分が遠藤について書かれている。「なぜ遠藤はムダなパスを出すのか?」と言い換えてもいいくらいだ。遠藤は50〜60種類のゴールに直結するパスを出すという。それだけの引き出しがあるのも驚きである。味方がプレーしやすいパスを出すようにしているらしい。
本書によれば,遠藤が本当によく考えてパスを出しているのが分かる。前方の味方にパス,敵をそこへ引きつけておいてリターンをもらい,左サイドのサイドバックにパス。一見ムダとも思える1本目のパスがその後の攻撃を展開していく上で重要なのだ。遠藤は本当に2,3手先を読んでパスを出している。常に味方と敵のポジションや動きを把握し,どんな展開になるのかをシミュレーションする。この本を読み終わると,遠藤やシャビのすごさが少しは分かるようになる。オシム元日本代表監督は「考えながら走れ」と言ったが,1流のサッカー選手は確かに考えながら走っているのを実感させられた本であった。
2014年8月15日に日本でレビュー済み
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無駄に見えるパスによって時間を作ることの意味が理解できた。実践でとても役にたった。
2013年8月16日に日本でレビュー済み
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ダブルボランチの連携の仕方とディフェンスについてももう少し詳しく書いてあると嬉しかった。
けど,ボランチの役割がわかる1冊でした。
けど,ボランチの役割がわかる1冊でした。
2013年7月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ボランチ、いや、ゲームメーキングに対する考え方がクリアーになりました。
書き方は、サッカーを知る人なら誰しも理解出来る文章で書かれており、直ぐに読めてしまいます。ガンバの遠藤選手を取り上げて、ボランチに対する遠藤の素晴らしさを描いていますが、それはそのままサッカーをやる人には、自分を見直すきっかけを与えることになると共に、サッカー観戦を更に面白くさせることになるのではないでしょうか?!
書き方は、サッカーを知る人なら誰しも理解出来る文章で書かれており、直ぐに読めてしまいます。ガンバの遠藤選手を取り上げて、ボランチに対する遠藤の素晴らしさを描いていますが、それはそのままサッカーをやる人には、自分を見直すきっかけを与えることになると共に、サッカー観戦を更に面白くさせることになるのではないでしょうか?!