食材をそのまま出すものがレシピとして出されるのが納得行かない、と言う意見があります。
ぼく、これ、違うと思うんですよね。凄くバカみたいに見えるレシピも、よく読んでみると必ず一手間かかっています。
冷やしミニ塩トマトを批判している人居ますけど、これまで普通に料理をやってきたぼくですが、一回塩をした食材を冷蔵庫に入れるなんて、考えたこと無いですね。塩はそもそもふらないでそのまま出していましたが、確かに一回冷蔵庫で寝かせると表面と内側で食感がいつもと違って、新鮮な感じになります。
レシピとしては（ぼくはマンガの方を読まずに買ったので）「えー…これは…」というものの連続ですが、そもそものコンセプトとしては「旦那が居ない場合これは使える」だったと思うのですが、どちらかと言うと「一人暮らしでこれは使える」というもののオンパレードでした。
世の中にある料理本は基本的に「二人のために」「ちょっと手間をかけて」というものしかないのですが、ここまで徹底的に「手間がかからずうまければ良いや」というレシピ本にあったのは初めてですね。
卵かけご飯にハチミツを少し垂らすとか、キムチチャーハンにイチゴジャムを入れるとか（ん？これはどこかで聞いた気も…）自分で思いつくことはまず無いですね。
何かと一人のことが多いこのご時世、食事にほんの少しのアクセントを加える方法を手軽に学べるという意味では、実は手間がかかったレシピ（だって、王道で創れば良いものをわざわざ邪道で作っているのに味がととのうようになんて、そんなレシピ、ネットで出しても本で出すことは少ないでしょう）をわざわざ本の形で出したことは、意義があると思うんですよ。
「ずぼら飯」という括りで、その作り方に哲学を感じるのは、その「ずぼら」を一つのキャラクターがアリかナシかで迷いながら作っているからだと思う。
だから、「ずぼら」をひとりで研究している人には、むしろ反発を生むレシピ本とも言えるでしょうね。
ぼくは最近漸く「いいかげん料理」に惹かれてきた（忙しくて作れないときに外に出るのもコンビニ弁当を食べるのもイヤですからね）所だったので、この本は超ありがたいですよ。
この本に出会うタイミングも必要だと思う。
ロストジェネレーションには、非常にお勧めのレシピ本です。
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