親戚に帰国子女のバイリンガルの高学歴子女、や、西洋人とのハーフの兄弟がいる。また私の通った学校には、帰国子女が3-4割ほどいた。
彼女ら彼らが様々な苦労、努力をしつつ、日本語にコンプレックスを抱えていること、中学から片方を捨てるとそれまでバイリンガルでも大人になると完全に話すだけで片方は読み書きは全くダメになること、さらにはアイデンティティが揺らいでいる人も結構多かった。様々なパターンを色々知っているので、そのあたりはこの著書の内容とあまり変わらなかった。
ただ日本で実際に子育てをしていると、周りのママ友さんたちの幼少時の英語熱の高さに驚くばかり。さらに文科省がますます愚策で、小学校で英語教育、さらには英検〇級を持っていれば入学試験が楽になると聞いてエスカレートするばかり。
こんなに子供が減っていて、大学が全入時代になり、高校・大学関係者皆が「お母さんたちの頃より確実に学力は落ちています」と口をそろえて言うのに、「教育熱心な」ママさんたちは英語に関して焦る話ばかり口にするのだ。
私自身、常日頃、この著者と同じ説を唱えていたが、一介のおばさんが話をしても説得力に欠けるので、この本を入手した。
私には何も新鮮ではなかったが、丁寧なリサーチがされていたので、英語教育に不安を覚えているママ友さんに読んでもらおうと思う。
付け加えるが、私は日本で子育てをしているので、バイリンガル教育は不要と思い、子供の幼少期の英語教育は何もしなかったが、現在中学生になる娘には英語を教えている。(文科省認定の英語の教科書はこの20年ますます質が低下している)
この著者も最後の方で唱えているが、やはり基礎としては中学英語をしっかり勉強するのが一番だからだ。普通の人はそれが最も大切。その後英語を使っての仕事がしたいと思えば、自ら進んですればいいのだ。
「幼少期の脳の育成の際に、母語での思考力を阻害するような教育はしてはならない。」
20数年前、大学の言語学(Liguistics)で読んだ英語の著書にも、様々なデータと共に同じことが書いてあった。意外と古くからある学説だ。
(英語コンプレックスの日本人の学説ではない。)
単に日本における英語ビジネスの陰に隠れてしまっているだけなのだ。

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英語を子どもに教えるな (中公新書ラクレ 120) 新書 – 2004/2/1
市川 力
(著)
国際社会を生き抜くために必要な「本物のコミュニケーション能力」とは何か。教育学博士の著者は、のべ13年間アメリカに滞在し、1000人の「帰国生」に学習指導する過程で、発音はぺらぺらでも授業を理解する英語力を身に付けられなかったり、日本語を喪失してしまったりする悲劇を目の当たりにした。この経験をふまえて、日本で進む早期英語教育の現場を徹底取材し、警鐘を鳴らす。終章で親が留意すべき一○のポイントを提案する。
- 本の長さ280ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2004/2/1
- ISBN-104121501209
- ISBN-13978-4121501202
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商品の説明
著者について
市川力(いちかわ・ちから) 教育学博士。1963年東京都生まれ。88年学習院大学大学院人文科学研究科心理学専攻博士前期課程修了。二年間、東京都下の学習塾での指導の後、90年大手進学塾の海外進出スタッフとして米国イリノイ州シカゴ郊外に赴任。96年コネチカット州グリニッチに進学舎VERITAS(米国在住日本人子女のための学習塾)を設立。Hamilton Universityで教育学博士号取得。2003年春に帰国。
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2004/2/1)
- 発売日 : 2004/2/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 280ページ
- ISBN-10 : 4121501209
- ISBN-13 : 978-4121501202
- Amazon 売れ筋ランキング: - 277,725位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 125位英語・外国語 (本)
- - 171位こどもの英語学習
- - 268位中公新書ラクレ
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2018年4月13日に日本でレビュー済み
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2019年10月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
英語を「安易に」子どもに教えるな、という著者の主張は、とても納得のいくものでした。と同時に、子どもに英語を教えている身です。著者もまったく英語教育が不要とは言っていません。そのやり方や親が幻想を抱きすぎることに、弊害があると。英語教育のどこをいいとこどりするのか、そのためにはとても参考になる一冊です。
2019年2月24日に日本でレビュー済み
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私自身の経験から、英語を身に着けるために必要な能力は正しい日本語の能力であること、英語を使って何を話すかが重要であって英語が喋れる事が重要ではないという事、本当な必要な英語力は大学からでも集中的に勉強すれば十分身につくという事は、分かっているつもりです。むしろこの本を通じて早期英語教育の弊害に振れ、母国語も英語も中途半端になるというセミリンガルの悲劇を知り、衝撃を受けています。
姪っ子2人は英語の幼児教育で有名な幼稚園を卒園後にもずっと英語レッスンに通っているそうです。月謝が1人当たり3~5万円/月ぐらいかかるので、当然家計に相当な負担になる筈ですが、父からそれなりの援助はしてもらっているようで続けているようです。そういった経緯もあって、父は私の1年生の娘にもなぜ英語を学ばせないのかという話を良くしてきます。お金が必要なら出すと。でも本当に今の時期にそこまで英語教育にお金を掛ける事が大切な事なのかと、将来本当に大学に進学した時に教育費が必要な時期に蓄えがなくなるようなら、子供にとってはむしろそっちの方が不幸な話ではないかと感じます。
私の父のような人にはぜひこの本を手に取って自分の考え方を振り返って貰いたい。そのぐらいの印象深いお薦めの本です。
姪っ子2人は英語の幼児教育で有名な幼稚園を卒園後にもずっと英語レッスンに通っているそうです。月謝が1人当たり3~5万円/月ぐらいかかるので、当然家計に相当な負担になる筈ですが、父からそれなりの援助はしてもらっているようで続けているようです。そういった経緯もあって、父は私の1年生の娘にもなぜ英語を学ばせないのかという話を良くしてきます。お金が必要なら出すと。でも本当に今の時期にそこまで英語教育にお金を掛ける事が大切な事なのかと、将来本当に大学に進学した時に教育費が必要な時期に蓄えがなくなるようなら、子供にとってはむしろそっちの方が不幸な話ではないかと感じます。
私の父のような人にはぜひこの本を手に取って自分の考え方を振り返って貰いたい。そのぐらいの印象深いお薦めの本です。
2015年3月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者は、アメリカで長年、日本に戻れば「帰国子女」と呼ばれることになる子どもたちの「補習授業」に携わって帰国した人らしい。英語を子どもの時期に学ぶことのダークサイドの事例がいくつも紹介されていて興味深い。自身に外国語習得の体験がないのに、こうすれば身に付くはずだ、という議論をする人が日本に溢れているが、その毒消しとなると思う。この種の本は、こうすればバイリンガルに育つ(確率が高くなる)という話をしないと売れないのだと思うが、最後の章にアドバイス風に書かれているのは、一般的な教育論に近く、肩透かしを食らった感があって、減点。
2013年12月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私の子供は海外で生まれ、1歳半から6歳まで英語で幼児教育を受けてきました。
小学校に上がるにあたり、本人が日本語で勉強したいと言い出しました。
私としてはこのまま英語でバイリンガルを目指してほしくショックを受けたのですが、
子供のたっての希望で日本人学校に進学することにしました。
せっかく5年間で身に着けた英語を忘れさせないために、どういった教育をしていけば
よいか模索中にこの本を手に取りました。
ひとつ救われたのは、英語力を鍛えるには母語を鍛えること、さらに自分の立ち位置(日本人ということ)
自覚しなくては、国際人になれないということがわかったことです。
この考えは、おそらく多くの人が賛同されているため、レビューの評価もいいのでしょう。
筆者の言ってることは至極もっともだと思います。
その意味で、子供の選択といえども、日本人学校は間違っていないのではないかと
考え直しました。
しかし一方で現実問題、そこまで目指さなくてもいいかなという気がしないでもありません。
適度に英語を身に着けて帰ってきた帰国子女でも、会話は国内で学んだ人よりずっとうまいし
なんだかんだいっていい企業に入り、外国人と気軽に話し、その分交友関係も広く、
生活をエンジョイしているように見えます。
国家機関は別として、実際に多くの企業が求めるのは、筆者が主張する『国際人』ではなく、
単にインターナショナルな人でいいように見えます。
つまり、なに人であっても、なに人にみえようとも、根なし草でもかまわない。
そのポジションに合う仕事ができればいいのです。とくに女の子は質より量で、
筆者のいうセミリンガルであってもいろんな言葉で会話できたほうが、
外国でいろんな人種の母親と付き合う際にも役立ちます。
高度な語学力を狙うあまり、結局母語のみにとどまってしまう例も多いでしょうし。
小学校に上がるにあたり、本人が日本語で勉強したいと言い出しました。
私としてはこのまま英語でバイリンガルを目指してほしくショックを受けたのですが、
子供のたっての希望で日本人学校に進学することにしました。
せっかく5年間で身に着けた英語を忘れさせないために、どういった教育をしていけば
よいか模索中にこの本を手に取りました。
ひとつ救われたのは、英語力を鍛えるには母語を鍛えること、さらに自分の立ち位置(日本人ということ)
自覚しなくては、国際人になれないということがわかったことです。
この考えは、おそらく多くの人が賛同されているため、レビューの評価もいいのでしょう。
筆者の言ってることは至極もっともだと思います。
その意味で、子供の選択といえども、日本人学校は間違っていないのではないかと
考え直しました。
しかし一方で現実問題、そこまで目指さなくてもいいかなという気がしないでもありません。
適度に英語を身に着けて帰ってきた帰国子女でも、会話は国内で学んだ人よりずっとうまいし
なんだかんだいっていい企業に入り、外国人と気軽に話し、その分交友関係も広く、
生活をエンジョイしているように見えます。
国家機関は別として、実際に多くの企業が求めるのは、筆者が主張する『国際人』ではなく、
単にインターナショナルな人でいいように見えます。
つまり、なに人であっても、なに人にみえようとも、根なし草でもかまわない。
そのポジションに合う仕事ができればいいのです。とくに女の子は質より量で、
筆者のいうセミリンガルであってもいろんな言葉で会話できたほうが、
外国でいろんな人種の母親と付き合う際にも役立ちます。
高度な語学力を狙うあまり、結局母語のみにとどまってしまう例も多いでしょうし。
2011年3月6日に日本でレビュー済み
米国で、米国駐在の日本人ビジネスマンの子どもを対象に
13年間「塾」をやっていた筆者が、
子どもの英語早期教育に警鐘を鳴らす本。
曰く、
英語を早く始めればバイリンガルになれるというのは甘い幻想、
仮に流暢にしゃべれるようになったとしても、
重要なのはしゃべる「中身」であり、
英語の勉強より、論理的思考力を鍛える方が大切、等々。
経験に裏打ちされた筆者の言葉には迫力があり、
納得のいく内容であった。
私の息子も英語サークルに通っており、今は楽しんでいるが、
本人が嫌がりだしたら無理強いせずやめさせようと思った。
13年間「塾」をやっていた筆者が、
子どもの英語早期教育に警鐘を鳴らす本。
曰く、
英語を早く始めればバイリンガルになれるというのは甘い幻想、
仮に流暢にしゃべれるようになったとしても、
重要なのはしゃべる「中身」であり、
英語の勉強より、論理的思考力を鍛える方が大切、等々。
経験に裏打ちされた筆者の言葉には迫力があり、
納得のいく内容であった。
私の息子も英語サークルに通っており、今は楽しんでいるが、
本人が嫌がりだしたら無理強いせずやめさせようと思った。
2015年6月9日に日本でレビュー済み
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liked it very much!!!!!!!!!!!!!!!!!
2014年1月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本語も構築されていない子どもに英語教育する
害について触れてあり、共感しました。
国を存続させるには国語でしょう。
害について触れてあり、共感しました。
国を存続させるには国語でしょう。