日中の活動の質を上げるためには睡眠の質を上げることが大切である。医師の立場から、睡眠の質を上げることが何故大事なのかを解説する。日中目から入っていくる情報を膨大であるので、眼をつぶるだけでもその情報をシャットアウトし、休息効果があるというのは新たな発見だった。日中のパフォーマンスを上げるための睡眠に興味がある方におすすめ。
【学びのポイント】
１）睡眠不足で生活を送ることは飲酒運転のようなもの
・睡眠不足の状態で日常生活を送るということは、アルコール（お酒）を飲んで車を運転しているようなものなのです。
・そんな状態では、質の高い仕事や勉強ができるはずはありません。
・当然、満足な成果を上げることも期待できないのです。
２）５分以内で眠れる人は「注意が必要」
・「日中、眠気を感じることはほとんどないから、睡眠は足りているだろう」と思っている人も注意が必要です。
・なぜなら、日中に眠気を感じていなくても睡眠不足の人が多くいるからです。
・たとえば、ベッドに入って５分以内に眠れる人。
・「寝付きがいいこと」、それ自体はすばらしいことですが、体が危険信号を発しているのかもしれません。
・睡眠不足は、疲労と同じようにどんどん蓄積されていきます。これを「睡眠負債」と呼びます。
・睡眠負債が多い人ほど寝付きはよくなります。
・ですから、５分以内で眠れる人は「注意が必要」と申し上げたのです。
３）一分間目をつぶることの効果とは？
・目からは、じつにさまざまな情報が飛び込んできます。
・脳はそれらのさまざまな情報を逐一処理しているわけですから、それこそ膨大な仕事量です。
・脳にとっては、目から入ってくる視覚情報は大きな負担なのです。
・そこで目をつぶって１分間、外の世界からの視覚情報をシャットアウトしてやります。
・たったこれだけのことで脳細胞、とくに大脳皮質が休まります。
・「目を休める」ということは、すなわち「脳を休息させる」ことです。
・もちろんごく短い時間ですから、夜の睡眠と同じ効果は期待できませんが、少しでも脳を休めることで、仮眠する前より、集中力は高まり、仕事の効率は高まることでしょう。
・集中力の高まった「質の高い時間」が増えることで、満足行く成果や毎日の充実感を手に入れることができ、結果として、あなたの人生の質を高めることにつながっていくのです。
４）仮眠は30分以上とってはいけない
・一番よくないのは、30分以上の仮眠を取ることです。
・30分以上眠ってしまうと「睡眠慣性」が強く働くからです。
・「睡眠慣性」とは眠気をいい換えたものと考えてください。
・強い「睡眠慣性」が働くと、起きたあともしばらくの間は眠気が続き、仕事や勉強に戻るまでに時間がかかります。
・つまり長く寝すぎると、本来のパフォーマンスが発揮できる状態になるまで時間がかかるのです。
・なので、平日の日中に仮眠を取るときは、30分以上仮眠を取ることはおすすめできません。
５）寝る前に一度、体温を一気に上げてやると寝付きが良くなる
・布団に入る前に「深部体温」を下げてやると寝付きがよくなります。
・「深部体温」と聞いて、きっとあなたはこう思ったことでしょう。
・「それは、体温計で測る普通の体温とは違うの？」はい、違います。
・体温計で測れるのは皮膚の表面の体温です。
・それに対して深部体温とは、体のなかの温度を指します。
・深部体温が下がると副交感神経が優位になってリラックスしてきます。
・同時に脳の睡眠中枢から体の各部に「指令」が伝えられます。
・「体温が下がってきたから、もう寝た方がいい」という指令です。
・結果、スムーズに眠りにつくことができるのです。
・では、深部体温を下げるにはどうしたらいいのか。
・寝る前に一度、体温を一気に上げてやればいいのです。
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