本書は普通の文庫本よりも文字が大きめの大文字版。おかげで小さな文字を読むという負担から解放され、内容に集中できた。章ごとに割り込んでくる訳者の解説はときに煩わしいが、ピンポイントで説明されると内容が良く分かり有益だった。
マキャヴェッリの『君主論』はこれまでにも何度か読んだことはあったが、あまり理解できた気はしなかった。そもそもマキャヴェリズムとは何を意味するのか。それは一般にイメージされているように、権力を自己目的化し、権力の獲得と維持のためにはいかなる手段も正当化するということなのか。それともそれは王政の秘密を暴いた暴露本なのか。ボクにはマキャヴェッリの思想がそれほど悪意に満ちたものには思われず、それで何が問題なのかよく理解できずにきたのだ。マキャヴェッリの思想は決して悪意に満ちたものではなく、政治をリアルに見つめた結果でしかない。マキャヴェッリの思想とは、君主は立派な人だから君主になったのだという「君主=有徳者」論への批判であり(129頁)、「君主は自らの地位を維持するためには、良くない人間になること」も学ばなくてはならないということだ(128頁)。これだけのことなら敬遠する必要はなかった。もっと早く読んでいればよかったと悔やまれる。
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君主論 (講談社学術文庫) 文庫 – 2004/12/11
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近代政治学の古典として名高い『君主論』。その著者マキアヴェッリは、都市国家が並び立つルネサンスのイタリアにあって、共和政のフィレンツェ市書記官として活躍。国際政治の荒波のなか、軍事、外交にわたり東奔西走の日々を送った。その豊かな体験を生かして権力の生態を踏まえた統治術として執筆した名著を、政治学の第一人者が全訳し解説する。(講談社学術文庫)
近代政治学の名著を平易に全訳した大文字版。乱世のルネサンス期、フィレンツェの外交官として活躍したマキアヴェッリ。その代表作『君主論』を政治学の第一人者が全訳し権力の獲得と維持、喪失の原因を探る。
近代政治学の名著を平易に全訳した大文字版。乱世のルネサンス期、フィレンツェの外交官として活躍したマキアヴェッリ。その代表作『君主論』を政治学の第一人者が全訳し権力の獲得と維持、喪失の原因を探る。
- ISBN-104061596896
- ISBN-13978-4061596894
- 出版社講談社
- 発売日2004/12/11
- 言語日本語
- 寸法10.8 x 0.9 x 14.8 cm
- 本の長さ216ページ
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2023年8月6日に日本でレビュー済み
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2017年5月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
権謀数術の本という思い込みがあったが、どちらかと言うと現実的な統治の仕方。孫子の兵法に近い印象。
孔子が説く、道徳的な君主に対し、マキャベリは人民を守り、国を守るためには、時として冷酷になる必要がある。という主張で、現実的な方策も書いている。
原文も古いせいもあるだろうが、文章が少々読みづらいのが難点。
孔子が説く、道徳的な君主に対し、マキャベリは人民を守り、国を守るためには、時として冷酷になる必要がある。という主張で、現実的な方策も書いている。
原文も古いせいもあるだろうが、文章が少々読みづらいのが難点。
2017年6月15日に日本でレビュー済み
この本を読む前に、マンガで読破シリーズを先に手にとっていたため
概要の理解の大きな助けになった。
やはり出版年が古いためか文章が難しい、というか読みにくい。
もちろん当時の権力者に宛てたものであるから
崩した文章にする訳にもいかないのだが。
どんなことが書いてあるのかをしりたいというだけであれば、
現代人向けに書かれたものを読めば十分だろう。
そこからもしマキャベリに関心を持つことがあれば、
この本読めばいい。
傭兵だのみの戦争を繰り返し、柔弱な君主のもとで働いていたからか、
自国軍を持つことの重要さと強い君主の必要性を何度も説いている。
そしてチェーザレ・ボルジアの名前が何度も出てくる。
よほどマキャベリにインパクトを与えたのだろう。
概要の理解の大きな助けになった。
やはり出版年が古いためか文章が難しい、というか読みにくい。
もちろん当時の権力者に宛てたものであるから
崩した文章にする訳にもいかないのだが。
どんなことが書いてあるのかをしりたいというだけであれば、
現代人向けに書かれたものを読めば十分だろう。
そこからもしマキャベリに関心を持つことがあれば、
この本読めばいい。
傭兵だのみの戦争を繰り返し、柔弱な君主のもとで働いていたからか、
自国軍を持つことの重要さと強い君主の必要性を何度も説いている。
そしてチェーザレ・ボルジアの名前が何度も出てくる。
よほどマキャベリにインパクトを与えたのだろう。
2011年5月23日に日本でレビュー済み
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「マキャヴェリズム」という言葉のイメージになっている暴力礼賛的な論ではなく、乱世の16世紀において、ローマ帝国を中心とした過去に滅んだ国々と君主をケース・スタディとして、君主を成立させる要件、君主の成立の仕方による違い、君主が統治を行っていく上で必要な要素と必ずしも必要ではない要素を冷静に論じています。
そこで論じられているのは手段としての暴力に対する冷静な評価であり、あくまで安定した支配を成立させるためには、という目的論から、軍事や君主の性質、制度論も含めて君主が取るべき行動を、観念論ではなく具体的な行動や制度として議論しており、この示唆は現代の組織統治(特に危機的環境下の)においても極めて参考になります。
マキャヴェッリは冷徹な現実主義者に徹したわけではなく、草稿を書き上げたときは彼は四十半ばだったようですが、まだ見ぬ統一イタリアへの思いを、最終26章にてこの本を献上する先の読み手、将来的かつ希望的なイタリアの君主足りえる者、への呼びかけで終えるといった情熱ものぞかせています。
政治学者であり東京大学法学部学長を務めた佐々木毅が各章ごとに簡単な解説コメントを追加しているのも、理解の補助線になります。その解説で、この君主論はローマ共和制を論じた同じくマキャヴェッリの「リヴィウス論」を参照にすることでより立体的な理解が進むことが分かりました。
そこで論じられているのは手段としての暴力に対する冷静な評価であり、あくまで安定した支配を成立させるためには、という目的論から、軍事や君主の性質、制度論も含めて君主が取るべき行動を、観念論ではなく具体的な行動や制度として議論しており、この示唆は現代の組織統治(特に危機的環境下の)においても極めて参考になります。
マキャヴェッリは冷徹な現実主義者に徹したわけではなく、草稿を書き上げたときは彼は四十半ばだったようですが、まだ見ぬ統一イタリアへの思いを、最終26章にてこの本を献上する先の読み手、将来的かつ希望的なイタリアの君主足りえる者、への呼びかけで終えるといった情熱ものぞかせています。
政治学者であり東京大学法学部学長を務めた佐々木毅が各章ごとに簡単な解説コメントを追加しているのも、理解の補助線になります。その解説で、この君主論はローマ共和制を論じた同じくマキャヴェッリの「リヴィウス論」を参照にすることでより立体的な理解が進むことが分かりました。
2020年5月24日に日本でレビュー済み
君主論自体は古典であり必読であるが、この版は訳文が良くない。すこしは推敲したのだろうか。東大の先生にお説教するのもおこがましいが断言しよう。一読してその意が通じない文章は悪文なのだ。
一例を挙げる。
p.175
「その上勝利なるものは何にも気がねする必要がないほど、特に正義に対して配慮せずにすむほど決して完璧なものではない。」
なんだこれは。中学生以下の翻訳能力である。進研ゼミで勉強し直せ。
つまり訳者には、人に物事を伝える才能と、そのための努力が欠落しているのだ。
章ごとに、原文の後、いちいち訳者の見解が挟まれているのも煩わしい。
この本を手にする読者の殆どはマキャベリに興味があるのであって、佐々木毅にではない。訳者はその道の権威なのかもしれないが、研究者に慢心は禁物だ。マキャベリに少しでも敬意を抱くのなら原著を尊重すべきだ。つまり、解説は巻末に纏めて述べなさい。
最高学府の名前が泣いている。
つよし、しっかりしなさい!
一例を挙げる。
p.175
「その上勝利なるものは何にも気がねする必要がないほど、特に正義に対して配慮せずにすむほど決して完璧なものではない。」
なんだこれは。中学生以下の翻訳能力である。進研ゼミで勉強し直せ。
つまり訳者には、人に物事を伝える才能と、そのための努力が欠落しているのだ。
章ごとに、原文の後、いちいち訳者の見解が挟まれているのも煩わしい。
この本を手にする読者の殆どはマキャベリに興味があるのであって、佐々木毅にではない。訳者はその道の権威なのかもしれないが、研究者に慢心は禁物だ。マキャベリに少しでも敬意を抱くのなら原著を尊重すべきだ。つまり、解説は巻末に纏めて述べなさい。
最高学府の名前が泣いている。
つよし、しっかりしなさい!
2010年6月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
塩野七生さんの『わが友マキアヴェッリ』で興味を持ち、読んだ。
『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』や『ローマ人の物語』を読んでいると、マキアヴェッリのあげている歴史的事例がわかりやすい。
というより、これを読んで思ったのは、塩野七生さんの数々の歴史著作の原点はここにあったのだなあということ。
良識的なタテマエに対して、マキアヴェッリの論は、逆説でありホンネである。
文章にリズムがあって、情熱がほとばしっている。その言葉の新鮮さは、500年たっても失われていないと思った。
訳者佐々木毅氏による解説が冒頭にあり、さらに各章ごとに短いコメントがつけられている。
勘ぐれば、良識派として「誤解しないでね」といったコメントのようにも思われた。
『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』や『ローマ人の物語』を読んでいると、マキアヴェッリのあげている歴史的事例がわかりやすい。
というより、これを読んで思ったのは、塩野七生さんの数々の歴史著作の原点はここにあったのだなあということ。
良識的なタテマエに対して、マキアヴェッリの論は、逆説でありホンネである。
文章にリズムがあって、情熱がほとばしっている。その言葉の新鮮さは、500年たっても失われていないと思った。
訳者佐々木毅氏による解説が冒頭にあり、さらに各章ごとに短いコメントがつけられている。
勘ぐれば、良識派として「誤解しないでね」といったコメントのようにも思われた。
2017年8月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
マキャベリズムという言葉は聞いた事があるけれど、何だかよくわからなかった。
本著は分裂時代の中世イタリアの成立と言えども内容は今日にも十分転用可能である。
表面は獅子で、本質は狐で(表向きはいい人でも裏ではずる賢く)等、綺麗事じゃ通用しない社会の生き方を教えてくれる。
但し、資料に乏しい中世イタリアを取り巻く政治状況を前提として持っておかないと、理解は正直難しいかもしれない。
本著は分裂時代の中世イタリアの成立と言えども内容は今日にも十分転用可能である。
表面は獅子で、本質は狐で(表向きはいい人でも裏ではずる賢く)等、綺麗事じゃ通用しない社会の生き方を教えてくれる。
但し、資料に乏しい中世イタリアを取り巻く政治状況を前提として持っておかないと、理解は正直難しいかもしれない。
2020年10月1日に日本でレビュー済み
本書は、活字が大きく、年表も索引もある。極めつけは各章の終わりに、佐々木先生の解説が加えられている。実に親切な作りになっている。
最近首相に就任した菅官房長官の愛読書は『君主論』だそうだ。菅首相が何を良しとして『君主論』を読んでいるかは不明だが、読む価値のある本であることに変わりはない。では、『君主論』から何を読み取れるのだろう。
政治は何かしら道徳的なものを要求する。マキアヴェッリの道徳は残酷なものになりかねない。だから彼は反道徳者とみなされ、嫌われることになる。岸見一郎『嫌われる勇気』などという馬鹿げたことは言わないが、偶然が支配する世界で集団生活を維持するには、政治権力の強制以外に方法は見当たらない。だから集団生活は地獄なのだ。『君主論』はこの地獄で如何に政治を行えばよいかを説いたものだ。
キーワードは、イタリア語でいえばヴィルトゥ(virtú)となろう。英語ならvirtueなので本書では徳と訳されている。しかしイタリア語のヴィルトゥはラテン語由来の意味を残しており、徳ばかりでなく勇気や勇敢さも含んでいる。一般に「力量」と訳されているようだ。
偶然が支配する世界、つまり運命を認めるとしても、それは半分にしかすぎない。そう考えて、残りの半分を人の力量で切り開くことを鼓舞した。彼が描くのは、自己愛にさまたげられない共同生活の誕生である。
人間にできることは限られていると、無気力になりがちだ。マキアヴェッリの時代もそんなムードが漂っていた。分裂と侵略にさらされたイタリアの統一を悲願するマキアヴェッリは、支配を復活させたメディチ家に希望を託して、『君主論』を献呈したのである。
最近首相に就任した菅官房長官の愛読書は『君主論』だそうだ。菅首相が何を良しとして『君主論』を読んでいるかは不明だが、読む価値のある本であることに変わりはない。では、『君主論』から何を読み取れるのだろう。
政治は何かしら道徳的なものを要求する。マキアヴェッリの道徳は残酷なものになりかねない。だから彼は反道徳者とみなされ、嫌われることになる。岸見一郎『嫌われる勇気』などという馬鹿げたことは言わないが、偶然が支配する世界で集団生活を維持するには、政治権力の強制以外に方法は見当たらない。だから集団生活は地獄なのだ。『君主論』はこの地獄で如何に政治を行えばよいかを説いたものだ。
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偶然が支配する世界、つまり運命を認めるとしても、それは半分にしかすぎない。そう考えて、残りの半分を人の力量で切り開くことを鼓舞した。彼が描くのは、自己愛にさまたげられない共同生活の誕生である。
人間にできることは限られていると、無気力になりがちだ。マキアヴェッリの時代もそんなムードが漂っていた。分裂と侵略にさらされたイタリアの統一を悲願するマキアヴェッリは、支配を復活させたメディチ家に希望を託して、『君主論』を献呈したのである。