「事実は小説より奇なり」は、イギリスの詩人バイロンの詩からの諺らしい。
アメリカの作家マーク・トウェイは「事実は小説より奇なり。なぜなら、小説は実現可能性にこだわらざるをえないが、事実はそうではないからだ」と、皮肉屋マーク・トウェインらしい言葉をバイロンの諺に付け足しています。
本書の「序」で著者のマーク・トウェインは「ここに記す冒険物語は、大半が実際にあった話である。
「大半」という言葉を用いているところに「小説は実現可能性にこだわらざるをえないが、事実はそうではないからだ」の言葉を思いだし、マーク・トウェインらしいと思ってしまいました。
評者が子供の頃に読んだ子供向け抄訳版ではない『トム・ソーヤの冒険』を、読みたくなり、つい入手してしまいました。
「マーク・トウェイン」という意味は「水深12フィート」であることが、マーク・トウェインが若いころミシッシッピ河の蒸気船の水先案内人をしていた時の思い出からペンネームにしたことを、都甲幸治氏の解説で初めて知りました。
評者が前に読んだダニエル・デフォーの『ロビンソン・クルーソー』は、18世紀初めに書かれた本であり、デフォが熱心な非国教派の信徒だったから内容が今一説教臭く感じましたが、マーク・トウェインの『トム・ソーヤの冒険』では、おばさんに連れられ日曜日に行く教会で牧師の説教などアホらしいと聞き流すトトム・ソーヤの姿から著者トウェインのピューリタニズムへの皮肉を読みとることができます。
第21章の「女学生の作文」で『西部の女性による散文と詞』と題する書物からそっくりそのまま拝借して掲載し、その歯の浮くような文章にトウェインが我慢できないことを訴えています。
「幻想」という詞のところでトウェインは「この悪夢は原稿にして10ページほども続き、長老派教会の信者でない人間どもの希望を完膚なきまでに打ち砕く御教訓をもって締めくくられていたので、これが一等賞を獲得した」と皮肉っぽく語っています。
訳者の土屋京子氏の「あとがき」で、アメリカの友人たちに「トム・ソーヤーの原文って難しいんだね」という話をしたら、「アメリカじゃマーク・トウェイン」なんてインテリが読むものよ」という答えが返ってきたそうです。(原文では難しい単語や文章を使用しているようです)
翻訳された本書でも小学生くらいでは物語の本当の意味を理解できないところもあるかもしれません。
トム・ソーヤ―の悪ガキぶりや冒険などは面白く読むことはできますが、南北戦争前のミズーリ州の田舎町を時代背景として想像しながら読みとることは難しいと思います。
アメリカの漱石とも言われるマーク・トウェインの『ハックルベリー・フィンの冒険』も読むことにして本書を楽しく読み終えました。
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トム・ソーヤーの冒険 (光文社古典新訳文庫) 文庫 – 2012/6/12
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トム・ソーヤーは悪さと遊びの天才だ。退屈な教会の説教をクワガタ一匹で忍び笑いの場に変えたり、家出して親友のハックたちと海賊になってみたり。だがある時、偶然に殺人現場を目撃してしまい……。小さな英雄たちの冒険を瑞々しく描いたアメリカ文学の金字塔。トウェインの自伝的作品。
- 本の長さ544ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2012/6/12
- ISBN-104334752519
- ISBN-13978-4334752514
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商品の説明
出版社からのコメント
『トム・ソーヤーの冒険』のすばらしさといえば、なんといっても時代を選ばず読む者に驚きと感動を与えてきたことでしょう。本書を読むことで、子どもたちは日々が冒険に満ちていることを発見し、大人たちには自分たちが忘れてしまった感性を取り戻すことと思います。本書は1876年に書かれた作品ですが、いま読んでもまったく古いところを感じさせないところに、文豪トウェインの力量がうかがえます。
今回、新訳をしてくださったのは土屋京子さん。『トム・ソーヤーの冒険』といえば児童文学として知られていることが多いのですが、やはり作者のトウェインはこの作品を、子供だけでなく大人にも読んでもらいたいと考えていました。ですから、そもそもの原文は子供向けというよりはウィットに満ちた、知的でものものしくもある文章なのですが、土屋さんの新訳は、そんな原文の味を忠実に再現しつつ、会話などはまさに少年たちの声が聞こえてくるような瑞々しさです。500頁を超える大作ですが、テンポよくあっという間に読めてしまいます。
また原書の初版のときから読者に愛され続けている、トゥルー・ウィリアムズの挿画も多数収録しました。 解説は、早稲田大学文学学術院教授の都甲幸治さんです。
今回、新訳をしてくださったのは土屋京子さん。『トム・ソーヤーの冒険』といえば児童文学として知られていることが多いのですが、やはり作者のトウェインはこの作品を、子供だけでなく大人にも読んでもらいたいと考えていました。ですから、そもそもの原文は子供向けというよりはウィットに満ちた、知的でものものしくもある文章なのですが、土屋さんの新訳は、そんな原文の味を忠実に再現しつつ、会話などはまさに少年たちの声が聞こえてくるような瑞々しさです。500頁を超える大作ですが、テンポよくあっという間に読めてしまいます。
また原書の初版のときから読者に愛され続けている、トゥルー・ウィリアムズの挿画も多数収録しました。 解説は、早稲田大学文学学術院教授の都甲幸治さんです。
著者について
1835-1910。アメリカの作家。ミズーリ州フロリダに生まれる。印刷工、ミシシッピ河を運航する蒸気船の水先案内人、新聞記者などの職業を経て、作家となる。1867年、最初の単行本『キャラヴェラス郡の名高き跳び蛙』を刊行。以後、『トム・ソーヤーの冒険』『王子と乞食』『ハックルベリー・フィンの冒険』『アーサー王宮廷のコネチカット・ヤンキー』等の小説を発表するほか、『ミシシッピ河の生活』等のエッセイや評論も多数執筆。ユーモアと痛烈な文明批判を織り交ぜた作風は、後世に多大な影響を与える。1910年、コネチカット州レディングの自宅で死去。享年74。
登録情報
- 出版社 : 光文社 (2012/6/12)
- 発売日 : 2012/6/12
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 544ページ
- ISBN-10 : 4334752519
- ISBN-13 : 978-4334752514
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5 星
ディズニーランドの「トムソーヤ島」がきっかけ
ディズニーランドにトムソーヤ島というアトラクションがあります。冒険島のようなアトラクションで、吊り橋やインジャンジョーが死んだ洞窟などが再現されています。このアトラクションは小説のトムソーヤの冒険を舞台にしており、ウォルトディズニーが唯一作ったアトラクションと言われています。このアトラクションがとても面白かったので小説のトムソーヤの冒険を読んでみることにしました。トム率いる悪ガキたちが、インジャンジョーたちの殺人を目撃してしまいます。そこから洞窟探検やイカダでミシシッピ川を下ったりします。思春期に入る前、10〜12歳ごろの男の子の心情がうまく書かれています。挿絵も味があってなんだかオシャレなんですよね。この本を読んで、自分も少年だった頃を思い出して冒険に出たくなりました。男はいつまで経っても冒険野郎です。
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上位レビュー、対象国: 日本
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2023年3月31日に日本でレビュー済み
2023年12月12日に日本でレビュー済み
主人公のトムは叔母ポリーに育てられ、学校や教会よりも、友人ハックやジョーとの海賊ごっこや宝探しに夢中です。彼らは殺人事件に巻き込まれたり、宝を見つけたりするなど、予想外の出来事に直面します。この物語の主題は、子供の自由と大人の世界の対立で、トムは自由を求めつつも、大人への一歩を踏み出していきます。トムの冒険は笑いとスリルに満ちており、特に墓場での殺人目撃や洞窟での迷子エピソードやトムが自分の葬式に忍び込んだりシーンは印象に残りました。この作品は、子供の視点から見たアメリカの歴史や文化を楽しめる名作です。
2023年1月15日に日本でレビュー済み
ディズニーランドにトムソーヤ島というアトラクションがあります。冒険島のようなアトラクションで、吊り橋やインジャンジョーが死んだ洞窟などが再現されています。このアトラクションは小説のトムソーヤの冒険を舞台にしており、ウォルトディズニーが唯一作ったアトラクションと言われています。
このアトラクションがとても面白かったので小説のトムソーヤの冒険を読んでみることにしました。
トム率いる悪ガキたちが、インジャンジョーたちの殺人を目撃してしまいます。そこから洞窟探検やイカダでミシシッピ川を下ったりします。
思春期に入る前、10〜12歳ごろの男の子の心情がうまく書かれています。
挿絵も味があってなんだかオシャレなんですよね。
この本を読んで、自分も少年だった頃を思い出して冒険に出たくなりました。男はいつまで経っても冒険野郎です。
このアトラクションがとても面白かったので小説のトムソーヤの冒険を読んでみることにしました。
トム率いる悪ガキたちが、インジャンジョーたちの殺人を目撃してしまいます。そこから洞窟探検やイカダでミシシッピ川を下ったりします。
思春期に入る前、10〜12歳ごろの男の子の心情がうまく書かれています。
挿絵も味があってなんだかオシャレなんですよね。
この本を読んで、自分も少年だった頃を思い出して冒険に出たくなりました。男はいつまで経っても冒険野郎です。

ディズニーランドにトムソーヤ島というアトラクションがあります。冒険島のようなアトラクションで、吊り橋やインジャンジョーが死んだ洞窟などが再現されています。このアトラクションは小説のトムソーヤの冒険を舞台にしており、ウォルトディズニーが唯一作ったアトラクションと言われています。
このアトラクションがとても面白かったので小説のトムソーヤの冒険を読んでみることにしました。
トム率いる悪ガキたちが、インジャンジョーたちの殺人を目撃してしまいます。そこから洞窟探検やイカダでミシシッピ川を下ったりします。
思春期に入る前、10〜12歳ごろの男の子の心情がうまく書かれています。
挿絵も味があってなんだかオシャレなんですよね。
この本を読んで、自分も少年だった頃を思い出して冒険に出たくなりました。男はいつまで経っても冒険野郎です。
このアトラクションがとても面白かったので小説のトムソーヤの冒険を読んでみることにしました。
トム率いる悪ガキたちが、インジャンジョーたちの殺人を目撃してしまいます。そこから洞窟探検やイカダでミシシッピ川を下ったりします。
思春期に入る前、10〜12歳ごろの男の子の心情がうまく書かれています。
挿絵も味があってなんだかオシャレなんですよね。
この本を読んで、自分も少年だった頃を思い出して冒険に出たくなりました。男はいつまで経っても冒険野郎です。
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2016年12月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
訳者は、マークトウェインの「ゴチック建築のような」文体に合う訳文を心がけたそうで、初めのうちは何だかぎこちない読み心地だったが、だんだん慣れるにつれてあまり気にならなくなり、すらすらと読み終わりました。
2012年6月23日に日本でレビュー済み
1876年に出版されているので日本では西南戦争が起きる前年。そして、米国は南北戦争の終結後のゴタゴタがまだくすぶり、
同時に大量のヨーロッパからの移民がなだれ込んできて、人々が耐え忍ぶように生きていた、
そんな厳しい時代に書かれたとは思われないほどおおらかな少年時代の日々を描いた作品だ。
宮崎駿氏が「本へのとびら」の中で、児童文学50冊の一つに選んだ作品でもある。
氏は児童文学について、「生きていてよかったんだ、生きていていいんだというふうなことを、子供にエールとして送ろう、子供に向かって絶望を説くなということなのです。児童文学はやり直しがきく話で、世の中は酷いが生きるに値することがあるという話なのです」と語っている。
作品を読んで、ますびっくりさせられるのは、子供の心の変化がこれ以上ないというほど非常にうまく描かれていることである。
遊び疲れて、夕焼けを見ながら、なんだか寂しくなり無性に家が懐かしくなって、走って家に帰った子供時代の記憶等などが作品を読みながら次々と浮かんできて、本を読んでいる間、僕は完全に少年時代の自分になっていた。
宮崎駿氏のこの作品へのコメントだが、「少年を見事に描いていて半端な作品ではない。
驚嘆すべき中身を持っています。だから今読んでもああ面白いとなる。」
本当に、同感だ。500ページの作品だが、readability高く翻訳されているので、僕の場合は4時間ほどで読み終えたが、
楽しく本書を読ませてもらった。小説を読みながら、主人公のトムになりきって、心の変化を彼と同じように感じながら、
冒険できて、とても素晴らしい時間を過ごすことができた。
ドラマやアニメーションにもなっていて、あらすじは良く知られていると思う。
でも、残念ながらドラマやアニメーションでは主人公の心の変化を体験することはできない。
だから、アニメーションが好きだった人や、話のあらすじは知っているけど、実際に読んだことがない人は手に入れて読んでみてください。
素晴らしい時間を過ごせると思います。
本書では、子供も読めるように難しい字にはルビが振ってある事、また初版に付けられたトウルー・ウイリアムズの挿絵が60点近く付けられていること、さらにnative americanについての差別的な表現について、子供たちに配慮した解説もついているので、子供にも十分に勧められる内容になっています。
ただし、作品のアメリカ文学の地位やその影響の大きさを考えると、もう少し詳しい作品解説があっても良かったのではないかなと感じ、その点は少し物足りなかった。
心がワクワクする本を求めている人、話題の本を読んでいるが感動できなくて感性が劣化してるのではないかとか心配している人におすすめします。
同時に大量のヨーロッパからの移民がなだれ込んできて、人々が耐え忍ぶように生きていた、
そんな厳しい時代に書かれたとは思われないほどおおらかな少年時代の日々を描いた作品だ。
宮崎駿氏が「本へのとびら」の中で、児童文学50冊の一つに選んだ作品でもある。
氏は児童文学について、「生きていてよかったんだ、生きていていいんだというふうなことを、子供にエールとして送ろう、子供に向かって絶望を説くなということなのです。児童文学はやり直しがきく話で、世の中は酷いが生きるに値することがあるという話なのです」と語っている。
作品を読んで、ますびっくりさせられるのは、子供の心の変化がこれ以上ないというほど非常にうまく描かれていることである。
遊び疲れて、夕焼けを見ながら、なんだか寂しくなり無性に家が懐かしくなって、走って家に帰った子供時代の記憶等などが作品を読みながら次々と浮かんできて、本を読んでいる間、僕は完全に少年時代の自分になっていた。
宮崎駿氏のこの作品へのコメントだが、「少年を見事に描いていて半端な作品ではない。
驚嘆すべき中身を持っています。だから今読んでもああ面白いとなる。」
本当に、同感だ。500ページの作品だが、readability高く翻訳されているので、僕の場合は4時間ほどで読み終えたが、
楽しく本書を読ませてもらった。小説を読みながら、主人公のトムになりきって、心の変化を彼と同じように感じながら、
冒険できて、とても素晴らしい時間を過ごすことができた。
ドラマやアニメーションにもなっていて、あらすじは良く知られていると思う。
でも、残念ながらドラマやアニメーションでは主人公の心の変化を体験することはできない。
だから、アニメーションが好きだった人や、話のあらすじは知っているけど、実際に読んだことがない人は手に入れて読んでみてください。
素晴らしい時間を過ごせると思います。
本書では、子供も読めるように難しい字にはルビが振ってある事、また初版に付けられたトウルー・ウイリアムズの挿絵が60点近く付けられていること、さらにnative americanについての差別的な表現について、子供たちに配慮した解説もついているので、子供にも十分に勧められる内容になっています。
ただし、作品のアメリカ文学の地位やその影響の大きさを考えると、もう少し詳しい作品解説があっても良かったのではないかなと感じ、その点は少し物足りなかった。
心がワクワクする本を求めている人、話題の本を読んでいるが感動できなくて感性が劣化してるのではないかとか心配している人におすすめします。
2019年11月17日に日本でレビュー済み
"かくしてこの物語は終わる。これはあくまで少年の物語であるからして、ここで終わらねばならない。これ以上先へ行ったら、じきに大人の物語になってしまうだろう。"1876年発刊の本書は、アニメ化やゲーム化はもちろん、モデルの街となったハンニバルの地元のお祭として『塀塗り競争』も続く、世界中で愛される冒険娯楽小説。
個人的には、続編にして【文学史的にはこちらの方が概ね評価の高い】『ハックルベリーフィンの冒険』の読書会を開催した際に、そう言えば。と何十年ぶりに本書を思い出して再読してみました。
さて、そんな本書は多くの方がご存知の通り、ミシシッピ川のほとりの小さな街を舞台にして、主人公のトマス・ソーヤ少年(トム)が、ハックルベリーフィン(ハック)や仲間たちと様々な"冒険"を繰り広げるのですが。外見や年齢などか描写されず【意図的に普遍性のあるキャラクター】として描かれているトムに以前読んだ時はかっての自分の少年時代を重ねて【懐かしく思った】のですが。再読した今回は、お節介ながら今の子供にとっては彼らの牧歌的な姿は【ファンタジーもしくは失われた世界】と感じるのではないか?とか邪推してしまったり。
一方で続編の『ハックルベリーフィンの冒険』で、より明確に描写されていますが、少年少女の冒険娯楽小説なれど【人種問題や宗教的狭量さ】を本書でも【皮肉的ユーモアをもって背景的に描いている】事を今回の再読を通じて初めて気づき。逆説的ですが、この辺りが続編になって、より前景的になったのか。としみじみと感じる所がありました。
子供時代に山や海で秘密基地ごっこや海賊ごっこをした大人たちへ。あるいは普遍性のある冒険娯楽小説を探している誰かへ。
個人的には、続編にして【文学史的にはこちらの方が概ね評価の高い】『ハックルベリーフィンの冒険』の読書会を開催した際に、そう言えば。と何十年ぶりに本書を思い出して再読してみました。
さて、そんな本書は多くの方がご存知の通り、ミシシッピ川のほとりの小さな街を舞台にして、主人公のトマス・ソーヤ少年(トム)が、ハックルベリーフィン(ハック)や仲間たちと様々な"冒険"を繰り広げるのですが。外見や年齢などか描写されず【意図的に普遍性のあるキャラクター】として描かれているトムに以前読んだ時はかっての自分の少年時代を重ねて【懐かしく思った】のですが。再読した今回は、お節介ながら今の子供にとっては彼らの牧歌的な姿は【ファンタジーもしくは失われた世界】と感じるのではないか?とか邪推してしまったり。
一方で続編の『ハックルベリーフィンの冒険』で、より明確に描写されていますが、少年少女の冒険娯楽小説なれど【人種問題や宗教的狭量さ】を本書でも【皮肉的ユーモアをもって背景的に描いている】事を今回の再読を通じて初めて気づき。逆説的ですが、この辺りが続編になって、より前景的になったのか。としみじみと感じる所がありました。
子供時代に山や海で秘密基地ごっこや海賊ごっこをした大人たちへ。あるいは普遍性のある冒険娯楽小説を探している誰かへ。
2014年11月11日に日本でレビュー済み
各社からいろいろな翻訳が出ているので、選択に悩む。
本書(土屋訳)は、原作の雰囲気を日本語で再現しようとしており、
それが成功している。結構自由に訳している部分がありそうな気も
するが、日本語として完全にストレスのない文章になっているのは
訳者の高い技量のおかげだろう。
時代の雰囲気を伝える挿絵を含めたのも成功要因。
どの翻訳にするか迷うときは、本書をファーストチョイスに推したい。
本書(土屋訳)は、原作の雰囲気を日本語で再現しようとしており、
それが成功している。結構自由に訳している部分がありそうな気も
するが、日本語として完全にストレスのない文章になっているのは
訳者の高い技量のおかげだろう。
時代の雰囲気を伝える挿絵を含めたのも成功要因。
どの翻訳にするか迷うときは、本書をファーストチョイスに推したい。