中編2作を収録。うーん、うまく作品の世界に入り込めなかった。
重苦しく、常に不安がつきまとうような空気が漂い、読んでいて気持ちのいい作品ではなかったです。
「真昼の花」はバックパッカーで当てもなく東南アジアを旅する女性の話で、旅好きの角田さんならではの設定という気がしました。
私にはこんな旅をする度胸はないし、主人公の危機感のなさも信じがたいけれど、
何かを失ったり、責任を伴わなければいけない何かに解放されたときに、
「どうにでもなれっ!」とプチンと糸が切れたように旅したくなる衝動はわかる気がします。
表題作の「地上八階の海」は、離れて暮らす家族・ストーカーになった元恋人に振り回されつつも、モヤッとした孤独を抱える女性の話。
これは着陸点が見つからないまま終わってしまい、読後感も良くありません。スッキリせず、記憶に残らなそうなお話でした。
だけど、あとがきは若くてもやっぱり角田光代!!
このころから私の好きな角田光代はすでに出来上がっていたんだなと感じ、なんだか嬉しかったです。
本編はイマイチだったけど、あとがきで救われました。

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地上八階の海 単行本 – 2000/1/1
角田 光代
(著)
- 本の長さ189ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2000/1/1
- ISBN-104104346012
- ISBN-13978-4104346011
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
母は目に見えない何かに怯えはじめ、兄嫁はとめどもなくしゃべり続け、赤ん坊は鬱陶しい泣き声を響かせ、昔の男はストーカーになった。癒しようのない孤独を抱えた私の毎日を描く表題作ほか、1編を収録。
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2000/1/1)
- 発売日 : 2000/1/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 189ページ
- ISBN-10 : 4104346012
- ISBN-13 : 978-4104346011
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,828,899位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 43,857位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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1967年、神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。
90年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞、98年『ぼくはきみのおにいさん』で坪田譲治文学賞、『キッドナップ・ツアー』で99年産経児童出版文化賞フジテレビ賞、2000年路傍の石文学賞、03年『空間庭園』で婦人公論文芸賞、05年『対岸の彼女』で直木賞、06年「ロック母」で川端康成文学賞、07年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞を受賞。著者に『三月の招待状』『森に眠る魚』『くまちゃん』など多数。2010年7月には、毎日新聞の連載『ひそやかな花園』も単行本化された。
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