「マッド・サイエンティストの娘たち」シオドラ・ゴス
題名通りの話だが、悲惨な事実が語られるのに、ほっこりした読後感。好きだわ。
「リラクタンス――寄せ集めの町」シェリー・プリースト
ゾンビが好きな人には面白いのかな?
「銀色の雲」 ティム・プラット
浮力を持つ雲素とそれを覆う銀からなる雲から雲素を取ったら銀落下で国家殲滅。
「ぜんまい仕掛けの妖精たち」キャット・ランボー
語り手がヴィクトリア朝の教育を受けた正しい男尊女卑思想の持ち主で当然のように「種の起源」を完全否定するような色男という設定が上手過ぎる。
「ストーカー・メモランダム」ラヴィ・ティドハー
語り手がブラム・ストーカーでラスボスが延命装置に繋がれたバベッジ卿で(語りの中だけだが)ホームズを初め多種多様の登場人物に溢れ、しかもイギリス王家がトカゲ型エイリアンなお話。
「奇跡の時代、驚異の時代」アリエット・ドボダール
ヒト(生物)の神を打ち破ったのは子を産む機械の神であったが、真の勝利者はどちらの想いも飲み込んだ大地の祖母神であった。手塚のロボイドを思い出す。
特集解説「ネオ・スチームパンクとは何か?」小川隆
それがスチームでもパンクで無かったりする辺りが面白い。
「『惑星ソラリス』理解のために[二]――タルコフスキーの聖家族〈前篇〉」忍澤勉
今回は映画の詳細分析。よって、まだ続く。
「河を下る旅」ロバート・F・ヤング
自殺途中の男女が自らが構築した河の流れる空想世界で出会って…… 展開は読める。どちらかというとマシスン風味。
「パラフィクション論序説」佐々木敦
繋ぎって感じ。
リーダーズ・ストーリィ「幽霊ゆらり」坂倉剛
『波動関数は収縮しない』が『世界の分岐も起こらない』そのココロは? 生と死の重ね合わせで見える人には生者に重なって死者が見えるというアイデアが素晴らしい。
SFのある文学史 第七回『白縫譚』――幕末<グインサーガ>伝説
平賀源内は元祖やおい作家であって画に描かれた同性に惚れるという珍しいお話『根南志具佐』を書いたらしい(非現実的青少年画萌え)。
SFまで1000光年 106「造物主の安打」水玉螢之丞
阪神タイガースの金本選手が昨シーズン終了時点で打ったヒット2441本を1本=1年として西暦になぞらえた年表を筆者はいただいたそうです。
その他連載「是空の作家・光瀬龍」「金子隆一さんの科学コラム」「サはサイエンスのサ」「乱視読者の小説千一夜」「アナログ誌レビュー」「逆襲のスタトレコロジー」「現代SF作家論シリーズ」はいつもながら健在であった。

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S-Fマガジン 2012年 07月号 [雑誌] 雑誌 – 2012/5/25
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年6月3日に日本でレビュー済み
今月はスチームパンク特集。
スチームパンクってどうだろう(個人的にはあんまり面白くないと感じているのだけど)ということで、
偏見バリバリなのですが。。
確かに、映画のシャーロックホームズや三銃士もこのジャンルに入ると言われると、ああそうなのかとか
どうも大変な広がりを見せているみたいなのですが、やっぱり興味をもてません。
これは、この時代の欧米の歴史に詳しくないせいかなと思いながら、心を改めて紹介されている作品を読んで見ましたが
やっぱり作品自体に力がないのではと、いうのが今のところの結論です。
そんな中、本号のイチオシはロバート.F.ヤングの短編「川を下る旅」。
なぜ今頃1965年の作品を訳出と思って読み始めたのですが、
伊藤典夫氏により丁寧に訳出されていて、お話に新規さはないけど、いいんだな。疲れた時に心が暖かくなる佳作です。
「是空の作家・光瀬龍」やっと光瀬氏が千歳さんと結婚できて、話はSF黎明期の作家たちの話へ広がっていき
俄然面白くなって来ました。今日泊亜蘭氏の写真必見です。
「『惑星ソラリス』理解のために[二]――タルコフスキーの聖家族〈前篇〉」
楽しみにして読んでいますが、タルコフスキーを理解するためには、彼がどの程度、思想弾圧下で苦しんだかという
理解抜きにしては語れないと思います。
米国のクライテリオン版の『惑星ソラリス』のDVD/blurayを購入するとそのあたり、タルコフスキー学者による音声解説と
ハリー役のナタリア・ボンダルチュクのインタビューで描かれていて、タルコフスキーが精神的、金銭的においつめられていて、
床に落ちた食物まで口に入れて食べたエピソードや『ストーカー』の場合フィルム完成後フィルムがすべて破壊されてしまい、
再度全て撮影しなおしたエピソード等、壮絶で、僕の場合『惑星ソラリス』も『鏡』も、『ストーカー』やそれ以降の作品も
怖くて、普通の気持ちで見れなくなってしまいました。やっぱり、このあたりの掘り下げはタルコフスキーの作品を、
語るときに是非必要だと思いました。
「パラフィクション論序説」「SF挿絵画家の系譜」等の連載も絶好調です。
スチームパンクってどうだろう(個人的にはあんまり面白くないと感じているのだけど)ということで、
偏見バリバリなのですが。。
確かに、映画のシャーロックホームズや三銃士もこのジャンルに入ると言われると、ああそうなのかとか
どうも大変な広がりを見せているみたいなのですが、やっぱり興味をもてません。
これは、この時代の欧米の歴史に詳しくないせいかなと思いながら、心を改めて紹介されている作品を読んで見ましたが
やっぱり作品自体に力がないのではと、いうのが今のところの結論です。
そんな中、本号のイチオシはロバート.F.ヤングの短編「川を下る旅」。
なぜ今頃1965年の作品を訳出と思って読み始めたのですが、
伊藤典夫氏により丁寧に訳出されていて、お話に新規さはないけど、いいんだな。疲れた時に心が暖かくなる佳作です。
「是空の作家・光瀬龍」やっと光瀬氏が千歳さんと結婚できて、話はSF黎明期の作家たちの話へ広がっていき
俄然面白くなって来ました。今日泊亜蘭氏の写真必見です。
「『惑星ソラリス』理解のために[二]――タルコフスキーの聖家族〈前篇〉」
楽しみにして読んでいますが、タルコフスキーを理解するためには、彼がどの程度、思想弾圧下で苦しんだかという
理解抜きにしては語れないと思います。
米国のクライテリオン版の『惑星ソラリス』のDVD/blurayを購入するとそのあたり、タルコフスキー学者による音声解説と
ハリー役のナタリア・ボンダルチュクのインタビューで描かれていて、タルコフスキーが精神的、金銭的においつめられていて、
床に落ちた食物まで口に入れて食べたエピソードや『ストーカー』の場合フィルム完成後フィルムがすべて破壊されてしまい、
再度全て撮影しなおしたエピソード等、壮絶で、僕の場合『惑星ソラリス』も『鏡』も、『ストーカー』やそれ以降の作品も
怖くて、普通の気持ちで見れなくなってしまいました。やっぱり、このあたりの掘り下げはタルコフスキーの作品を、
語るときに是非必要だと思いました。
「パラフィクション論序説」「SF挿絵画家の系譜」等の連載も絶好調です。