3.11から1年弱が経ったときに刊行されたアンソロジーを10年経って読む。「2012年には、たしかにこんなふうにヒリヒリした感じだった」と思い出す。
福島第一原発事故を背景とした多和田葉子「不死の島」、川上弘美「神様 2011」、地震と津波による喪失を描いた重松清「おまじない」、寓話的な明川哲也「箱のはなし」、私小説さらにはエッセイ、詩など内容は幅広い。私は上に示した4編が印象に残った(川上弘美の作品は既読だったが)。

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それでも三月は、また 単行本 – 2012/2/25
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あの日を心に刻む、胸に迫るアンソロジー。東日本大震災により、甚大な被害を受けた日本。大きく魂を揺さぶられた作家、詩人たちは、何を感じ、何を考えたのか? 谷川俊太郎、多和田葉子、重松清、小川洋子、川上弘美、川上未映子、いしいしんじ、J.D.マクラッチ、池澤夏樹、角田光代、古川日出男、明川哲也、バリー・ユアグロー、佐伯一麦、阿部和重、村上龍、デイヴィッド・ピース。日米英同時刊行!
あの忘れられない日を心に刻む、胸に迫るアンソロジー。2011年3月11日に発生した東日本大震災により、甚大な被害を受けた日本。福島第一原発の重大事故との闘いは、今後何十年も続く。大きく魂を揺さぶられた作家、詩人たちは、何を感じ、何を考えたのか? 谷川俊太郎、多和田葉子、重松清、小川洋子、川上弘美、川上未映子、いしいしんじ、J.D.マクラッチ、池澤夏樹、角田光代、古川日出男、明川哲也、バリー・ユアグロー、佐伯一麦、阿部和重、村上龍、デイヴィッド・ピース。
日本、アメリカ、イギリス同時刊行!本書の著者印税相当額/売り上げの一部は震災復興のため寄付されます。
あの忘れられない日を心に刻む、胸に迫るアンソロジー。2011年3月11日に発生した東日本大震災により、甚大な被害を受けた日本。福島第一原発の重大事故との闘いは、今後何十年も続く。大きく魂を揺さぶられた作家、詩人たちは、何を感じ、何を考えたのか? 谷川俊太郎、多和田葉子、重松清、小川洋子、川上弘美、川上未映子、いしいしんじ、J.D.マクラッチ、池澤夏樹、角田光代、古川日出男、明川哲也、バリー・ユアグロー、佐伯一麦、阿部和重、村上龍、デイヴィッド・ピース。
日本、アメリカ、イギリス同時刊行!本書の著者印税相当額/売り上げの一部は震災復興のため寄付されます。
- 本の長さ290ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2012/2/25
- 寸法13.4 x 1.9 x 19.3 cm
- ISBN-104062175231
- ISBN-13978-4062175234
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2012/2/25)
- 発売日 : 2012/2/25
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 290ページ
- ISBN-10 : 4062175231
- ISBN-13 : 978-4062175234
- 寸法 : 13.4 x 1.9 x 19.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 223,896位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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著者について
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大阪府生まれ。2007年、デビュー小説『わたくし率イン 歯ー、または世界』で第1回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞受賞。2008年、『乳と卵』で第138回芥川賞を受賞。2009年、詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』で第14回中原中也賞受賞。2010年、『ヘヴン』で平成21年度芸術選奨文部科学大臣新人賞、第20回紫式部文学賞受賞。2013年、詩集『水瓶』で第43回高見順賞受賞。短編集『愛の夢とか』で第49回谷崎潤一郎賞受賞。2016年、『あこがれ』で渡辺淳一文学賞受賞。「マリーの愛の証明」にてGranta Best of Young Japanese Novelists 2016に選出。村上春樹との共著『みみずくは黄昏に飛びたつ』、『すべて真夜中の恋人たち』など著書多数。
2019年、第73回毎日出版文化賞受賞した『夏物語』は、20年ニューヨーク・タイムズが選ぶ「今年読むべき100冊」やTIMEの「今年のベスト10冊」などにも選ばれ、現在40カ国以上で刊行が進められている。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年3月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ものがきが東日本大震災をどう感じ、どう表現したか知りたくて手にしました。
17人のうち知っている作家はわずか6名で作品を複数読んだことのある人は2名だけでした。
多和田葉子の「不死の島」は福島の人々が読んだらどう思うのだろうと少し心配になりました。
重松清の「おまじない」はとても分かり易く情景が印象に残りました。
川上宏美の「神様2011」は震災前にすでに発表されていた「神様」を再掲し、
次に震災後を反映した「神様2011」を並べる新しい手法です。
川上未映子の「三月の毛糸」は作家の力を再認識しました。
また日本版とイギリス版のカバーのデザインに毛糸玉が使われていますが、この作品の流れでしょうか。
「箱の話」には目眩がする程の衝撃を感じました。著者の明川哲也など全く知りませんでした。
小説ですが、全編が詩です。
詩人でなくては書けないと思い、少し調べてみたらあの叫ぶ詩人ドリアン助川氏の別名でした。
この人の作品に触れただけでもこの本を買った価値がありました。これぞ文学による昇華でしょう。
「日和山」は具体的な日常を綴る佐伯一麦ならではの期待を裏切らない作品です。
デイヴィッド・ピースの「惨事の後、参事の前」は芥川竜之介や川端康成、今東光が体験した関東大震災が素材です。
ものがき一人ひとりの感じ方、表現、つたえたいもの、昇華の仕方を知り、そしてその力が見えます。
本書は著者印税と売り上げの一部が震災復興のために寄付されるそうです。
新刊を買って読みましょう。
17人のうち知っている作家はわずか6名で作品を複数読んだことのある人は2名だけでした。
多和田葉子の「不死の島」は福島の人々が読んだらどう思うのだろうと少し心配になりました。
重松清の「おまじない」はとても分かり易く情景が印象に残りました。
川上宏美の「神様2011」は震災前にすでに発表されていた「神様」を再掲し、
次に震災後を反映した「神様2011」を並べる新しい手法です。
川上未映子の「三月の毛糸」は作家の力を再認識しました。
また日本版とイギリス版のカバーのデザインに毛糸玉が使われていますが、この作品の流れでしょうか。
「箱の話」には目眩がする程の衝撃を感じました。著者の明川哲也など全く知りませんでした。
小説ですが、全編が詩です。
詩人でなくては書けないと思い、少し調べてみたらあの叫ぶ詩人ドリアン助川氏の別名でした。
この人の作品に触れただけでもこの本を買った価値がありました。これぞ文学による昇華でしょう。
「日和山」は具体的な日常を綴る佐伯一麦ならではの期待を裏切らない作品です。
デイヴィッド・ピースの「惨事の後、参事の前」は芥川竜之介や川端康成、今東光が体験した関東大震災が素材です。
ものがき一人ひとりの感じ方、表現、つたえたいもの、昇華の仕方を知り、そしてその力が見えます。
本書は著者印税と売り上げの一部が震災復興のために寄付されるそうです。
新刊を買って読みましょう。
2017年4月26日に日本でレビュー済み
個人的に印象に残った作家は、重松清(=地に足ついた感じが流石)、明川哲也(=震災小説とは一見感じられないシュールで美しい作品)、川上弘美(=震災後、他の作家に先駆けて真っ先に作品を発表した作家さんだが、やっぱりこの作品は良いなあ)。木村朗子「震災後文学論」(青土社)で本書は詳しく論じられているが、そこでの説明を読んで成程なと思ったのが、川上未映子(=彼女の作品が本書の英題と装丁で扱われている)、多和田葉子(=色んな意味でリスクを取った度胸を感じるが、日本の外部にいる人だから、ここまで突き放した作品が書けたのだろう)。
読み応えという点でバラツキがあったので星は一つ削ったが、震災を書くという難題に立ち向かった作家や詩人達の姿勢に星を四つ。美しい装丁も栞紐の色まで計算されており、お見事である。なお、英語版には載っているが本書(日本語版)からは外されたという漫画作品(西岡兄妹「鵺と少女」)についても、上記の「震災後文学論」で紹介されていて参考になった。この漫画作品の扱いを巡るエピソード自体が、この国のムラ社会ぶりと表現の危機的状況を象徴するものだが、その「どうしようもなさ」は原発を巡るこの国の暗部に通底するものだ。だからこそ、講談社にはもうちょっとだけ戦ってほしかったように思う。
読み応えという点でバラツキがあったので星は一つ削ったが、震災を書くという難題に立ち向かった作家や詩人達の姿勢に星を四つ。美しい装丁も栞紐の色まで計算されており、お見事である。なお、英語版には載っているが本書(日本語版)からは外されたという漫画作品(西岡兄妹「鵺と少女」)についても、上記の「震災後文学論」で紹介されていて参考になった。この漫画作品の扱いを巡るエピソード自体が、この国のムラ社会ぶりと表現の危機的状況を象徴するものだが、その「どうしようもなさ」は原発を巡るこの国の暗部に通底するものだ。だからこそ、講談社にはもうちょっとだけ戦ってほしかったように思う。
2012年4月16日に日本でレビュー済み
あの東日本大震災の悲劇を小説や詩で表現することは
おそらく不可能だろうと思いつつも、読んでしまいました。
予想通りといいますか、やはりそれぞれの作家さん達の、
苦しい言葉の中からなんとか表現だけはしておかなくては
いけない、といった焦燥感のようなものを感じることが
多いアンソロジーでした。
印象に残ったのはいしいしんじさん、池澤夏樹さん、
古川日出男さん、佐伯一麦さん、デビッドピースさん
らのものです。
まだまだ現実の厳しい状況が被災地および日本全体を覆って
いるのでこれから何十年もしないと文学作品としては昇華
できないと思いますが、果敢にその困難な仕事に立ち向かって
いらっしゃる作家さん達を是非応援していきたい気も
しています。いずれ被災地の方の中から、この困難な仕事を
達成される表現者が現れてくれると期待したいです。
おそらく不可能だろうと思いつつも、読んでしまいました。
予想通りといいますか、やはりそれぞれの作家さん達の、
苦しい言葉の中からなんとか表現だけはしておかなくては
いけない、といった焦燥感のようなものを感じることが
多いアンソロジーでした。
印象に残ったのはいしいしんじさん、池澤夏樹さん、
古川日出男さん、佐伯一麦さん、デビッドピースさん
らのものです。
まだまだ現実の厳しい状況が被災地および日本全体を覆って
いるのでこれから何十年もしないと文学作品としては昇華
できないと思いますが、果敢にその困難な仕事に立ち向かって
いらっしゃる作家さん達を是非応援していきたい気も
しています。いずれ被災地の方の中から、この困難な仕事を
達成される表現者が現れてくれると期待したいです。