1987年4月のライブ録音。ゆったりとしたテンポでニューヨークフィルが丁寧に演奏しています。優秀なライブ録音。弦には厚さだけでなく鋭さと透明感があります。弦と管とのブレンドも秀逸。ニューヨークフィルによる熱演が伝わってくるアルバムです。
マーラーの2番では他にショルティ/シカゴ交響楽団、ベルティーニ/ケルン放送交響楽団、テンシュテット/ロンドンフィルハーモニー管弦楽団、シャイー/ロイヤル・コンセルトヘボウなどによる名演がありますが、このバーンスタイン/NYPOの演奏はそれらのなかで最も抒情的な作品だと思います。手元にあるこれらの各楽章の演奏時間を比較すると以下のようになります。
・ショルティ/シカゴ交響楽団(録音:1980年)
第1楽章20:36、第2楽章11:14、第3楽章10:22、第4楽章04:51、第5楽章33:48
・バーンスタイン/NYPO(ライブ録音:1987年)
第1楽章24:53、第2楽章11:54、第3楽章11:24、第4楽章06:18、第5楽章38:38
・テンシュテット/ロンドンフィルハーモニー管弦楽団(ライブ録音:1989年)
第1楽章25:02、第2楽章12:10、第3楽章11:24、第4楽章06:14、第5楽章38:00
・ベルティーニ/ケルン放送交響楽団(録音:1991年)
第1楽章21:35、第2楽章10:42、第3楽章10:03、第4楽章05:46、第5楽章33:21
・シャイー/ロイヤル・コンセルトヘボウ(録音:2001年)
第1楽章23:03、第2楽章10:52、第3楽章10:47、第4楽章05:34、第5楽章37:28
バーンスタイン/NYPOとテンシュテット/ロンドンフィルがほぼ同じくらいゆっくりとしたテンポで演奏していることが分かります。この交響曲に対するバーンスタインの思いが感じられます。