明治は面白い!
以下、目次です。
第一部 明治夢幻録
その一――――明治維新は革命か 〈革命の三条件と三つの謎〉
その二――――桑と茶 〈失業と貧窮の首都〉
その三――――大村益次郎暗殺 〈破格な登用は命取り〉
その四――――奇兵隊反乱 〈民間兵の失業と解体〉
その五――――浦上四番崩れ 〈新たな宗教思想の模索〉
その六――――入力車の時代 〈没落士族と奉公人の失業問題〉
その七――――あぐら鍋 〈文明開化と肉食ブーム〉
その八――――絞首刑の採用 〈近代的な死刑の追求〉
その九――――海棠 〈ある東北藩士の懐慨〉
その十――――広沢真臣暗殺 〈新政府がおった負債と賠償〉
その十一―――普仏戦争と日本人 〈近代日本のモデルとなった国〉
その十二―――版籍奉還 〈武士の財産は回収できるか〉
その士三―――岩倉使節団 〈西欧社会で見た「近代」の風〉
その十四―――円の誕生 〈財政と貨幣制度の一元化〉
その十五―――尾去沢鉱山事件 〈巨大化する大蔵省の権限〉
その十六―――マリア・ルス号事件 〈万国公法と国際世論のあいだで〉
その十七―――銀座煉瓦街 〈公共事業をめぐる利権争い〉
その十八―――鉄道開設 〈交通網整備と資金調達の壁〉
その十九―――徴兵令 〈国のために血を流すのは誰か〉
その二十―――山城屋和助憤死事件 〈大臣の口利きと成金商人〉
その二十一――敵討禁止令 〈武断統治から法治国家への移行〉
その二十二――征韓論 〈東洋的秩序との軋礫〉
第二部 明治反乱録
その一――――ざんぎり頭 〈頭髪は時代を映す〉
その二――――秩禄処分 〈職業としての武士を潰すまで〉
その三――――明治六年政変 〈外征派と内治派の争い〉
その四――――東京新繁昌記 〈活字が描いた新風俗〉
その五――――地租改正 〈米から金へと変わった租税制度〉
その六――――岩倉具視暗殺未遂 〈反政府勢力の二極化と後遺症〉
その七――――警視庁創設 〈行政執行力としての警察〉
その八――――樺太・千島交換条約 〈領土帝国主義から国境を守るには〉
その九――――佐賀の乱 〈士族反乱の蜂起と鎮圧〉
その十――――台湾出兵 〈新生国家初の海外派兵〉
その十一―――島津久光ごねる 〈旧藩体制と新中央政府の確執〉
その十二―――小野組の没落 〈ある大商人の先見性と没落〉
その士三―――三井と三菱 〈財閥という大企業連合の誕生〉
その十四―――讒謗律 〈反政府的言論の封殺〉
その十五―――江華島事件 〈弱肉強食こそ外交の国是〉
その十六―――廃刀令 〈郷愁なき武装解除の受容〉
その十七―――神風連の乱 〈新しい時代を拒絶した士族〉
その十八―――萩の乱 〈不平士族反乱の連鎖〉
その十九―――西郷隆盛暗殺計画 〈文明開化か「第二の維新」〉
その二十―――西南戦争 〈最後にして最大の士族反乱〉
その二十一――西郷星 〈西郷は政敵か英雄か〉
その二十二――紀尾井坂の変 〈明治維新激動期の完結〉
あとがき

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勝海舟の腹芸: 明治めちゃくちゃ物語 (新潮新書 455) 単行本 – 2012/2/1
野口 武彦
(著)
- 本の長さ255ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2012/2/1
- ISBN-104106104555
- ISBN-13978-4106104558
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2012/2/1)
- 発売日 : 2012/2/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 255ページ
- ISBN-10 : 4106104555
- ISBN-13 : 978-4106104558
- Amazon 売れ筋ランキング: - 715,659位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,329位新潮新書
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年7月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「勝に不思議の勝あり、負に不思議の負なし」とは、
プロ野球の名将・野村監督の言葉としても有名になりましたが、
もともとは江戸時代、平戸藩主で名随筆家としても知られる
松浦静山の剣術指南にある言葉だそうです。
幕末の鳥羽伏見に始まる戊辰戦争のことを思うとき、
この箴言が頭に去来します。
野口先生の「幕末バトル・ロワイヤル」シリーズを読むと、
徳川慶喜と旧幕閣、会津・桑名藩、新撰組のいわゆる「旧幕・徳川方」が
圧倒的な数的有利、制海権などもっていたのに、何故敗北してしまったのか、
よく描かれていると思います。相変わらず分かりやすく面白い。
ドラマなどでは、しばしば薩摩藩を中心とした新政府軍が「好戦的」に描かれますが、
江戸攪乱作戦の影響とはいえ、旧幕府方の方が好戦的(当然か、幕府は本質的に軍事政権なのだから)。
その主戦派におされ、慶喜は「討薩の表」を書かざるをえない状況になります。
軍事対決にゴーサインを出してしまったのに、慶喜は「昔夢会筆記」では
「朝廷から上京をうながされただけ」「自分は風邪で熱があった」
と言い訳(優柔不断なのか、後出しジャンケンで自己弁護なのか)。
鳥羽伏見では、最前線の旧幕兵が押し問答で足止め。まったく戦うつもりがあったのか、
主戦派指揮官とは思えない(油断、不意をつかれて敗)。
また、別ルートの会津兵が京都進軍への街道を行き、新政府軍の背後をつける
状態にあったのに、それをせず(部隊同士の連携不足)結局敗北。
錦の御旗が翻る(朝敵化・大義名分の喪失)や、慶喜は大坂城を船で脱出してしまいました(将兵置き去り)。
天皇のいる京都を背に、劣勢で西郷が「必勝」を期していたとは思えぬ状況。ですが、
優勢なはずの旧幕、慶喜側には「敗因」が次々と顕わに出てきます。
勝海舟は本当にすこししか出てきませんが、旧幕主戦派の退いた後(というか、更迭の後)、
それまで慶喜からは距離を置かれていたのに、「後始末は任した」と
丸投げされたのは可哀想か。
ま、西郷(旧幕改革派に対する親派)と勝(幕府内改革派・親薩派)
だからこそ、江戸無血開城はなるのですけど…
ぜひ、そういう人物像と関係性を知ってほしいですね。
プロ野球の名将・野村監督の言葉としても有名になりましたが、
もともとは江戸時代、平戸藩主で名随筆家としても知られる
松浦静山の剣術指南にある言葉だそうです。
幕末の鳥羽伏見に始まる戊辰戦争のことを思うとき、
この箴言が頭に去来します。
野口先生の「幕末バトル・ロワイヤル」シリーズを読むと、
徳川慶喜と旧幕閣、会津・桑名藩、新撰組のいわゆる「旧幕・徳川方」が
圧倒的な数的有利、制海権などもっていたのに、何故敗北してしまったのか、
よく描かれていると思います。相変わらず分かりやすく面白い。
ドラマなどでは、しばしば薩摩藩を中心とした新政府軍が「好戦的」に描かれますが、
江戸攪乱作戦の影響とはいえ、旧幕府方の方が好戦的(当然か、幕府は本質的に軍事政権なのだから)。
その主戦派におされ、慶喜は「討薩の表」を書かざるをえない状況になります。
軍事対決にゴーサインを出してしまったのに、慶喜は「昔夢会筆記」では
「朝廷から上京をうながされただけ」「自分は風邪で熱があった」
と言い訳(優柔不断なのか、後出しジャンケンで自己弁護なのか)。
鳥羽伏見では、最前線の旧幕兵が押し問答で足止め。まったく戦うつもりがあったのか、
主戦派指揮官とは思えない(油断、不意をつかれて敗)。
また、別ルートの会津兵が京都進軍への街道を行き、新政府軍の背後をつける
状態にあったのに、それをせず(部隊同士の連携不足)結局敗北。
錦の御旗が翻る(朝敵化・大義名分の喪失)や、慶喜は大坂城を船で脱出してしまいました(将兵置き去り)。
天皇のいる京都を背に、劣勢で西郷が「必勝」を期していたとは思えぬ状況。ですが、
優勢なはずの旧幕、慶喜側には「敗因」が次々と顕わに出てきます。
勝海舟は本当にすこししか出てきませんが、旧幕主戦派の退いた後(というか、更迭の後)、
それまで慶喜からは距離を置かれていたのに、「後始末は任した」と
丸投げされたのは可哀想か。
ま、西郷(旧幕改革派に対する親派)と勝(幕府内改革派・親薩派)
だからこそ、江戸無血開城はなるのですけど…
ぜひ、そういう人物像と関係性を知ってほしいですね。
2012年2月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
週刊新潮に連載されていた物で、幕末バトルロイヤルの続編です。本書は、慶応3年から明治2年位の幕末と明治の移行期を描いています。学生時代の歴史教科書では、官軍が鳥羽伏見の戦い、戊辰戦争で勝利し、明治政府が樹立された程度にしか記されていませんが、この本を読むと中々そう一筋縄ではいかなかったようです。慶喜がもう少し胆力があり、直言できる優秀な家臣がいれば、歴史は変わっていたかもしれません。そうなれば、日本は、もっと内乱が続き、諸外国列強の分割支配を受けていた可能性もあります。ともかく、著者が、明治めちゃくちゃ物語とサブタイトルを付けているように、まさに何でも御座れの時代でした。これは、ひとえに慶喜の指導力、カリスマ性の無さ、また、官軍側も玉石混合の寄せ集めだった事に起因します。鳥羽伏見の戦いでも幕府側にもう少し知恵者がいれば、勝利は逆転していたでしょう。なにしろ戦力的には、幕府側が圧倒的に有利だったんですから。一方官軍側も戦費の面では、非常に苦労しましたが、富商からの強引な借り入れ、太政官札の発行で、何とかこれを乗り切りました。戊辰戦争の犠牲者だけでも両軍との死者数千人にのぼり、かなり大きな内乱だった事がわかります。
著者が述べているように、敵と味方はは互換的で、昨日の友は今日の敵は、日常茶飯事でした。そして、文字通り、勝てば官軍、負ければ賊軍で・・また、最初は、大坂遷都が考えられていた事、東京は最初とうけいと呼ばれていたこと等興味は尽きません。ともかく五稜郭落城で時代は、大きく変わっていきます。
なお、巻末には、主要人物一覧表、簡単な年譜もついています。ともかく面白かった!!一気呵成に読まさせて頂きました!!
著者が述べているように、敵と味方はは互換的で、昨日の友は今日の敵は、日常茶飯事でした。そして、文字通り、勝てば官軍、負ければ賊軍で・・また、最初は、大坂遷都が考えられていた事、東京は最初とうけいと呼ばれていたこと等興味は尽きません。ともかく五稜郭落城で時代は、大きく変わっていきます。
なお、巻末には、主要人物一覧表、簡単な年譜もついています。ともかく面白かった!!一気呵成に読まさせて頂きました!!
2012年5月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
傑作「幕末バトルロワイヤル」シリーズの後継。
天保の改革からはじまったシリーズ、いよいよ明治編に突入!
みなもと太郎の大大傑作「風雲児たち〜幕末編〜」も是非!!
このシリーズが好きな人、必読です。
天保の改革からはじまったシリーズ、いよいよ明治編に突入!
みなもと太郎の大大傑作「風雲児たち〜幕末編〜」も是非!!
このシリーズが好きな人、必読です。
2014年11月9日に日本でレビュー済み
先行レビューにもありましたが、タイトルはミスリーディングというか、羊頭狗肉というか。だって勝海舟、チラッとしか登場しないですよ。
あと、出だしは少々読みにくい。いや、もともとこの時代について知識を持っている読者にとっては何でもないのだろうが、私には情報の密度が高すぎて、この本の世界に入り込むのに苦労した。正直に言うと、前に一度入り口付近で挫折して書架の肥やしになってしまい、たまたま次の巻を入手したのを機会に気合を入れて読み直した次第です。
でも、最初の部分さえ乗り越えれば、あとは順調に読めました。もちろん面白い。
ところで、「幕末バトル・ロワイヤル」シリーズの『井伊直弼の首』で桜田門外の変の顛末を読んだとき強く感じたのですが、この著者は修羅場の描写にものすごい精力を注いでいるのではないでしょうか。この巻でも、戦いの現場を異様なリアルさで描き出していて、これホントに資料的な裏付けあるのかな、ほとんど小説の域に踏み込んでないかなと、幽かな疑問も抱きました。
ま、しかしいいじゃないですか、面白いんだから。おかげでこの時代について、頭の中に鮮烈なイメージが立ち上がりました。
あと、出だしは少々読みにくい。いや、もともとこの時代について知識を持っている読者にとっては何でもないのだろうが、私には情報の密度が高すぎて、この本の世界に入り込むのに苦労した。正直に言うと、前に一度入り口付近で挫折して書架の肥やしになってしまい、たまたま次の巻を入手したのを機会に気合を入れて読み直した次第です。
でも、最初の部分さえ乗り越えれば、あとは順調に読めました。もちろん面白い。
ところで、「幕末バトル・ロワイヤル」シリーズの『井伊直弼の首』で桜田門外の変の顛末を読んだとき強く感じたのですが、この著者は修羅場の描写にものすごい精力を注いでいるのではないでしょうか。この巻でも、戦いの現場を異様なリアルさで描き出していて、これホントに資料的な裏付けあるのかな、ほとんど小説の域に踏み込んでないかなと、幽かな疑問も抱きました。
ま、しかしいいじゃないですか、面白いんだから。おかげでこの時代について、頭の中に鮮烈なイメージが立ち上がりました。
2012年4月12日に日本でレビュー済み
明治の「め」は「めちゃくちゃ」の「め」と、幕末のバトルロワイヤルを描き抜いた著者は先ず断じて、その「めちゃくちゃ」な10年の最初の2年、すなわち明治の最初の2年にして、1868年と1869年の前半の新政権と旧政権の「めちゃくちゃ」を描き出す。
旧政権にはビジョンがなく、新政権にはビジョンも金も人材もない。
そして、そのいずれもが、民草への思いなど微塵も持ち合わせていない。
それでも、一年とちょっと 戊辰戦争を日本各地で行う中で、残るべき人が残り、去るべき人が去る、最初の篩がかかっているとの著者の言葉が腑に落ちる整理になっている。
ちょっと意外に思ったのは、著者が、勝を高く評価していることは「幕末バトルロワイヤル」から一貫しているので驚くことでもない(本書でも、唯一めちゃくちゃを収拾する立場からサブタイトルにされている)しかし、土方への評価の高さには、間違いとは何ら思わないが、意外の感はあった。おそらくは、ブレまくり、行き当たりばったりの「めちゃくちゃ」だらけの中で、土方は、それが正解かどうかは別にして、一貫した自身の道を貫いたことでの評価の高さだろうか。
個人的には、ご当地水戸の弘道館(戦場となった)でも隠蔽に近い状態の明治になっての水戸ウチゲバの顛末を克明に描いたところが面白かった。見ようによっては、彼を将軍にしたいというところから、幕末の一端は始まっているのであって、その幕末をオシマイにした本人が、その幕末の挙句の果てをヒッソリと水戸で遭遇し、どんな気持ちであったのかと思うと、非常に興味深い。
旧政権にはビジョンがなく、新政権にはビジョンも金も人材もない。
そして、そのいずれもが、民草への思いなど微塵も持ち合わせていない。
それでも、一年とちょっと 戊辰戦争を日本各地で行う中で、残るべき人が残り、去るべき人が去る、最初の篩がかかっているとの著者の言葉が腑に落ちる整理になっている。
ちょっと意外に思ったのは、著者が、勝を高く評価していることは「幕末バトルロワイヤル」から一貫しているので驚くことでもない(本書でも、唯一めちゃくちゃを収拾する立場からサブタイトルにされている)しかし、土方への評価の高さには、間違いとは何ら思わないが、意外の感はあった。おそらくは、ブレまくり、行き当たりばったりの「めちゃくちゃ」だらけの中で、土方は、それが正解かどうかは別にして、一貫した自身の道を貫いたことでの評価の高さだろうか。
個人的には、ご当地水戸の弘道館(戦場となった)でも隠蔽に近い状態の明治になっての水戸ウチゲバの顛末を克明に描いたところが面白かった。見ようによっては、彼を将軍にしたいというところから、幕末の一端は始まっているのであって、その幕末をオシマイにした本人が、その幕末の挙句の果てをヒッソリと水戸で遭遇し、どんな気持ちであったのかと思うと、非常に興味深い。