モーツァルトが未完のまま残したハ短調ミサ曲は、ものすごく聴かせるのが難しい曲だ。
オペラ風にやれば、世俗的で下品。立派にやれば、重くて退屈、つまらないまとまりのない曲。
スッキリと透明な声で、弦と合唱のバランスをとって、もたれないテンポで、ちゃんとした自分の校訂譜を使って、と言えばガーディナーしかない。
合唱団も、独唱陣も極めつけ、これ以外に考えられぬベストメンバー。
エリック・スミスの解説付き。
とにかく、この曲はこの演奏なし、この校訂なしには絶対に語れない。
再発を至急お願いします。
なお、現代楽器ではショルティ盤のみが何とかこの曲の本質を聴かせてくれるものの、あくまで二番手です!