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錨を上げよ(下) (100周年書き下ろし) 単行本 – 2010/11/30
百田 尚樹
(著)
なぜ自ら嵐に飛び込むのか。それとも、この男が嵐を呼び寄せるのか。
大阪を飛び出した又三は、東京へ、そして日本最東端の地へ――
予想もつかない大展開! 又三の航海に終わりはあるのか!
16世紀の悪漢小説(ピカレスクロマン)を現代の日本を舞台に甦らせた、途方もないエネルギーに満ちた物語。感動の最終章!
大阪を飛び出した又三は、東京へ、そして日本最東端の地へ――
予想もつかない大展開! 又三の航海に終わりはあるのか!
16世紀の悪漢小説(ピカレスクロマン)を現代の日本を舞台に甦らせた、途方もないエネルギーに満ちた物語。感動の最終章!
- 本の長さ626ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2010/11/30
- 寸法14.5 x 3.7 x 19.5 cm
- ISBN-104062167018
- ISBN-13978-4062167017
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2010/11/30)
- 発売日 : 2010/11/30
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 626ページ
- ISBN-10 : 4062167018
- ISBN-13 : 978-4062167017
- 寸法 : 14.5 x 3.7 x 19.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 327,558位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1956年、大阪生まれ。同志社大学中退。放送作家として人気番組「探偵!ナイトスクープ」など多数を構成。2006年、特攻隊の零戦乗りを描いた『永遠 の0(ゼロ)』で作家デビュー。高校ボクシングの世界を舞台にした青春小説『ボックス!』が圧倒的な支持を集め、2010年、映画公開(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『影法師』(ISBN-10:4062162245)が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年3月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読み応えのあるものでした。長編でしたが、一気に読めました。お薦めです。
2019年4月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
破天荒の極みのような男、作田又三の物語、その後編です。
社会人になってからも彼の奔放な生き様は変わることなく、本巻においてもその姿がスリリングに描かれています。
各地を転々とし、様々なトラブルを巻き起こし、あるいは巻き込まれ、傷つき、打ちのめされながらも、自らの思いや欲望に抗うことなく激情のままに生きていきます。
しかし、本書の後半過ぎ辺りから物語は大きな転換点を迎えることになります。
そのキーパーソンとなるのが、久子、保子、そして影山の3名のキャラクターです。
この3人を通じて、又三は自分が有する「愛」というものの正体について、その欺瞞性を知らしめられることになります。
決定打となったのが放浪中にタイで知り合った影山から投げつけられた言葉であり、これにより又三は、これまでの自分が如何に身勝手な感情を相手の女性たちにぶつけていたのかを思い知らされます。
それまでの人生において、自らの気持ちに嘘偽りなく、彼流の誠実さをもって多くの女性たちに愛を捧げてきた又三。
しかしながら、真に彼のことを愛したと思しき2人の女性に対し、彼の態度はあまりに無慈悲で冷酷で、身勝手なものでした。
風俗嬢として働いていた過去を持つ久子に対しては、その過去を受け入れること出来ず、酷い非難の言葉を浴びせかけた上で一方的に付き放してしまいます。
かと思えば、一度その怒りが収まると、今度は体よく復縁を迫ったりと、全く節操がありません。
唯一人結婚して幸せで満ち足りた生活をやっと手に入れたと思った保子に対しては、たった一回の過ちを赦すことが出来ず、泣きすがる彼女の話をまともに聞こうともせず、こちらも一方的に離婚してしまいます。
確かに、浮気現場を直接目にしてしまっては憤懣やるかたない激情に襲われるのは当然ではありますが、それじゃお前はどうなんだという思いが込み上げてきたりもして・・・ここでの又三の態度には本当に辟易させられました。
・・・で、案の定後になってまたもや未練がましい想いを彼女に対して持ち続けたりもしています。
という具合に、とにかく彼の態度は終始身勝手なものであり、僕の個人的な感覚とは全く相容れないものでありました。
物語の終章になって登場した影山という男は、そんな僕のモヤモヤとした気持ちを一気に吹き払ってくれた存在であり、又三の「愛」の欺瞞性をものの見事に喝破してくれたのです。
ここに来てようやく、この物語全体が内包していた主テーマの一端が明らかにされたという思いを強く抱くことができました。
男性が女性に対して抱くありとあらゆる形での情愛。
その本質について熟考させるのが本作の大きなテーマのひとつである。
・・・個人的には、本作についてそのような作品であったのではないのかと、思うようになりました。
ただし、それは明らかに本作を語る上での一側面にしか過ぎないであろうことは、僕も重々理解はしているつもりです。
本書には、又三が生きたこの時代に存在していた、ありとあらゆる社会的及び思想的な背景も網羅されており、著者は折に触れそうした諸々についても主人公を通じて再三に渡って浮かび上がらせています。
そうした部分も絡めながらこの作品は熟読していかないと、その奥深いところにある核心を知ることは出来ないと思うのです。
百田さんは、本作品を「純文学」として上梓されています。
上辺にある読みやすさだけにつられてさぁーっと読み切ってしまうと、とんでもない誤読を犯してしまう危険性を内包した作品であるとも思います。
本来は、何度も読み返すのがベストな作品であるとは思いますが、如何せん尺が長いため、おいそれとそういう訳にもいきません。
本作が有する真の主題_それは一つではないような気はしますが_、それを知悉するには、まだまだ長い長い時間が掛かりそうです。
社会人になってからも彼の奔放な生き様は変わることなく、本巻においてもその姿がスリリングに描かれています。
各地を転々とし、様々なトラブルを巻き起こし、あるいは巻き込まれ、傷つき、打ちのめされながらも、自らの思いや欲望に抗うことなく激情のままに生きていきます。
しかし、本書の後半過ぎ辺りから物語は大きな転換点を迎えることになります。
そのキーパーソンとなるのが、久子、保子、そして影山の3名のキャラクターです。
この3人を通じて、又三は自分が有する「愛」というものの正体について、その欺瞞性を知らしめられることになります。
決定打となったのが放浪中にタイで知り合った影山から投げつけられた言葉であり、これにより又三は、これまでの自分が如何に身勝手な感情を相手の女性たちにぶつけていたのかを思い知らされます。
それまでの人生において、自らの気持ちに嘘偽りなく、彼流の誠実さをもって多くの女性たちに愛を捧げてきた又三。
しかしながら、真に彼のことを愛したと思しき2人の女性に対し、彼の態度はあまりに無慈悲で冷酷で、身勝手なものでした。
風俗嬢として働いていた過去を持つ久子に対しては、その過去を受け入れること出来ず、酷い非難の言葉を浴びせかけた上で一方的に付き放してしまいます。
かと思えば、一度その怒りが収まると、今度は体よく復縁を迫ったりと、全く節操がありません。
唯一人結婚して幸せで満ち足りた生活をやっと手に入れたと思った保子に対しては、たった一回の過ちを赦すことが出来ず、泣きすがる彼女の話をまともに聞こうともせず、こちらも一方的に離婚してしまいます。
確かに、浮気現場を直接目にしてしまっては憤懣やるかたない激情に襲われるのは当然ではありますが、それじゃお前はどうなんだという思いが込み上げてきたりもして・・・ここでの又三の態度には本当に辟易させられました。
・・・で、案の定後になってまたもや未練がましい想いを彼女に対して持ち続けたりもしています。
という具合に、とにかく彼の態度は終始身勝手なものであり、僕の個人的な感覚とは全く相容れないものでありました。
物語の終章になって登場した影山という男は、そんな僕のモヤモヤとした気持ちを一気に吹き払ってくれた存在であり、又三の「愛」の欺瞞性をものの見事に喝破してくれたのです。
ここに来てようやく、この物語全体が内包していた主テーマの一端が明らかにされたという思いを強く抱くことができました。
男性が女性に対して抱くありとあらゆる形での情愛。
その本質について熟考させるのが本作の大きなテーマのひとつである。
・・・個人的には、本作についてそのような作品であったのではないのかと、思うようになりました。
ただし、それは明らかに本作を語る上での一側面にしか過ぎないであろうことは、僕も重々理解はしているつもりです。
本書には、又三が生きたこの時代に存在していた、ありとあらゆる社会的及び思想的な背景も網羅されており、著者は折に触れそうした諸々についても主人公を通じて再三に渡って浮かび上がらせています。
そうした部分も絡めながらこの作品は熟読していかないと、その奥深いところにある核心を知ることは出来ないと思うのです。
百田さんは、本作品を「純文学」として上梓されています。
上辺にある読みやすさだけにつられてさぁーっと読み切ってしまうと、とんでもない誤読を犯してしまう危険性を内包した作品であるとも思います。
本来は、何度も読み返すのがベストな作品であるとは思いますが、如何せん尺が長いため、おいそれとそういう訳にもいきません。
本作が有する真の主題_それは一つではないような気はしますが_、それを知悉するには、まだまだ長い長い時間が掛かりそうです。
2019年1月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
上巻では比較的なじみのある昭和三十年代から下巻では昭和60年頃までの時代背景で描かれています。
残念ながら小説の風景が個人的には想像の域を超えることがなく上巻ほどの脳内視覚化は出来ませんでした。
はらはら、ドキドキのめちゃくちゃ「又三」ですが、女性に対する”愛”は、それなりに極めて真摯であることが書き上げられており、タイプの違う”女性愛”観も登場し、自分を省みると今は失くしてしまった”甘酸っぱい”感覚が甦ってきます。
エンターテイメント作品であれば読後に”プロット巧みさ”など、作品自体によって完結されると思うのですが、この「碇を上げよ」(上・下)では、作品と会話をして、読者自身が作品を補完して完成される感じました。
その意味から30歳で読まれた方と還暦を過ぎた昭和三十年生まれが読んだ場合では全体の感想は大きく異なるとおもいます。 又同じ読者でも作品のど真中の20代、30代で読まれた場合と60過ぎで読まれた場合では読後観は全く異なるのではないでしょうか。
私は昭和三十年生まれですが、高校同窓会で男同士で話題となる一冊となること請け合いです。
残念ながら小説の風景が個人的には想像の域を超えることがなく上巻ほどの脳内視覚化は出来ませんでした。
はらはら、ドキドキのめちゃくちゃ「又三」ですが、女性に対する”愛”は、それなりに極めて真摯であることが書き上げられており、タイプの違う”女性愛”観も登場し、自分を省みると今は失くしてしまった”甘酸っぱい”感覚が甦ってきます。
エンターテイメント作品であれば読後に”プロット巧みさ”など、作品自体によって完結されると思うのですが、この「碇を上げよ」(上・下)では、作品と会話をして、読者自身が作品を補完して完成される感じました。
その意味から30歳で読まれた方と還暦を過ぎた昭和三十年生まれが読んだ場合では全体の感想は大きく異なるとおもいます。 又同じ読者でも作品のど真中の20代、30代で読まれた場合と60過ぎで読まれた場合では読後観は全く異なるのではないでしょうか。
私は昭和三十年生まれですが、高校同窓会で男同士で話題となる一冊となること請け合いです。
2014年2月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
百田氏の作品は永遠の0、海賊と呼ばれた男の2作品が非常に良いのだが、本作は自叙伝を大げさに味付けしてみましたという印象の小説である。稚拙な恋愛に関する記述も多く、読んでいてちょっとしょっぱい。しかも多くの男性が経験するようなことがたくさん書いてある。しかも長すぎ。
2020年3月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
百田先生と同年です。若い多感な時機にこの本があればなんと心強かったか!と思います。
齢63となっても魂を多いに揺さぶられる感動の一冊、いや二冊です。
齢63となっても魂を多いに揺さぶられる感動の一冊、いや二冊です。
2016年8月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
手ごろな値段で購入しましたが、商品も大切に保存されており満足しています。
2013年10月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
上巻では主人公・作田又三が同志社大学を中退するところで終わり、
上巻まで読み終えた段階では、『錨を上げよ』の『錨』が何かの
メタファーであると思っていたが、それだけでは無く、子供の頃、
勉強は出来なかったにもかかわらず、頭は良いという人物ではいるものの、
短気で場当たり的な生き方ゆえに東京で右翼団体に潜り込んだり、
レコード店でクラシック音楽のレコードを輸入したかと思えば、
北海道でウニの密漁船に乗り、ソ連と海上保安庁の巡視船に
追われながら荒稼ぎをしたり、大阪に戻ってテレビの構成作家になり、
同時に人並みの幸せを掴みかけたと思ったら、バンコクでまたもや
危ない橋を渡りかけるという、僅か三十余年の人生で恐ろしいほどの
波瀾万丈ぶりが描かれている。
主人公・作田又三に対する共感は無く、ある程度のインテリジェンスが
ありながら、彼が波瀾万丈な人生を選んでしまうのは、
彼の根底にある自己愛(無意識に、自身が愛されていないと感じ取り、
自分自身を愛することによって愛を満たそうとしたものと思われる)と
周囲に対する反発心から来るものなのだろう。
一度きりの人生、自分にとって一番大事な事は何か? を考え、
それを求道者のように求め続けることは決して悪い事では無いが、
それが間違った思い込みであったり、情報が不足した状態のまま何かを
判断してしまったり、物事を甘く見て足元をすくわれては元も子も
無いなと感じながら、最後まで読み進めていました。
上巻まで読み終えた段階では、『錨を上げよ』の『錨』が何かの
メタファーであると思っていたが、それだけでは無く、子供の頃、
勉強は出来なかったにもかかわらず、頭は良いという人物ではいるものの、
短気で場当たり的な生き方ゆえに東京で右翼団体に潜り込んだり、
レコード店でクラシック音楽のレコードを輸入したかと思えば、
北海道でウニの密漁船に乗り、ソ連と海上保安庁の巡視船に
追われながら荒稼ぎをしたり、大阪に戻ってテレビの構成作家になり、
同時に人並みの幸せを掴みかけたと思ったら、バンコクでまたもや
危ない橋を渡りかけるという、僅か三十余年の人生で恐ろしいほどの
波瀾万丈ぶりが描かれている。
主人公・作田又三に対する共感は無く、ある程度のインテリジェンスが
ありながら、彼が波瀾万丈な人生を選んでしまうのは、
彼の根底にある自己愛(無意識に、自身が愛されていないと感じ取り、
自分自身を愛することによって愛を満たそうとしたものと思われる)と
周囲に対する反発心から来るものなのだろう。
一度きりの人生、自分にとって一番大事な事は何か? を考え、
それを求道者のように求め続けることは決して悪い事では無いが、
それが間違った思い込みであったり、情報が不足した状態のまま何かを
判断してしまったり、物事を甘く見て足元をすくわれては元も子も
無いなと感じながら、最後まで読み進めていました。