妓楼で支払い限度額を越えて愉しんでしまった客を自宅まで
取立てに行く『付け馬』の青年が主人公の一風変わった時代物です。
表紙からも分かるように、主人公の椿 清十郎は
女装しておりますが、ま っ た く女に見えません。
それもそのはずで、付け馬は客の自宅までイヤガラセを
して歩く役割があるからだそうな。
もっとも、清十郎が女装している理由は2巻で明かされますが、
その動機がまた、人情味溢れる理由であります。
物語は全編通して『人情』と『不自由の中の自由』等の作家さんの
伝えたいものが詰まっており、非常に完成度が高い漫画だと思います。
恐らく、これを執筆なさる段階で、かなりの推敲を
繰り返されたのではないでしょうか。
そして花街の漫画ではありますが、お色気シーンよりも戦闘が多く、
女性の露出よりも、何故か男性の露出が多いという不思議・・・!
作中、何回フンドシシーンが出たか数えてみるといいかもしれません(笑)
登場人物は清十郎以外に、彼と対極の存在となる武家の中年男性、
私生活はズボラな花魁、若き人斬り等、魅力溢れるキャラクターが登場し、
華やかな物語を更に彩り鮮やかにしております。
ですが、花街の優雅さだけでなく、そこに住む人々の哀しみや憂いも描かれて
おります。決して陰惨にならず、むしろ希望に満ちた結果で締められている
構成である為、読後感は非常に爽やかです。
絵柄も華やかで、戦闘シーンの見所あり、キャラクターの描き分けも
ばっちりで、絵とストーリー構成共に優れた作家さんだと思います。
吉原関連が好きな人にも、そうでない人にも一読をオススメしたい漫画でした。
そして、表紙裏も一見の価値ありです(笑)

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×天[ばってん](1) (モーニング KC) コミック – 2007/6/22
安宅 十也
(著)
「付け馬」椿清十郎は、江戸・吉原中の人気者。ド派手な女物の着物に身を包んでは、花代払えぬ連中の後ろに付きまとい、道中、歌って踊って囃し立てる。気楽な商売に見えるものの、どっこい取り立て稼業は揉めごとだらけ。真剣抜いた野暮な輩と対峙する場面も数知れず。それでも椿は剣を抜かず、手近な小道具で軽~あしらってみせる。そんな粋な日常をとくとご覧アレ!
吉原に咲き誇る椿清十郎、鮮やかに登場!!
欲深き遊廓で繰り広げられる剣舞。
闘いの中、問われるのはそれぞれの生き様。
吉原に咲き誇る椿清十郎、鮮やかに登場!!
欲深き遊廓で繰り広げられる剣舞。
闘いの中、問われるのはそれぞれの生き様。
- 本の長さ194ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2007/6/22
- ISBN-104063726096
- ISBN-13978-4063726091
商品の説明
著者について
安宅十也
血液型AB型。「週刊少年マガジン」から『ゴジラを創った男たち』でデビュー。その後、モーニング増刊「モーニング・ツー」で『×天[ばってん]』を連載! 洋食より和食、肉より魚を好み。少食。メシより漫画を描くほうが好き。とにかく漫画を描くことが好き。応援よろしくお願いします。
血液型AB型。「週刊少年マガジン」から『ゴジラを創った男たち』でデビュー。その後、モーニング増刊「モーニング・ツー」で『×天[ばってん]』を連載! 洋食より和食、肉より魚を好み。少食。メシより漫画を描くほうが好き。とにかく漫画を描くことが好き。応援よろしくお願いします。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2007年7月5日に日本でレビュー済み
──付け馬とは
遊郭で花代を払えない客の自宅までつきまとう取り立て屋
要はイヤガラセである──
この作品は、
欲深き遊郭・吉原遊郭指折りの付け馬として、
日々悠々と過ごす主人公・椿 清十郎の快刀乱麻の活躍を描いたもの。
椿 清十郎は、付け馬としての遊女のいでたち、
一見軽そうな言動や立ち居振る舞いからは想像できない武道の達人であり、
時にはかつて武家であったという一面をうかがわせる。
漫画として特筆すべきは、戦闘シーンが非常に美しく、
その大木の花が風で散らされるような自然さと、力強さと、
華やかさが両立され、見る者を魅了せずにおかない点だろう。
不定期刊行でありながら毎号が多くのコンビニに並ぶ「モーニング2」誌、
その連載作品の中でもひときわ異彩を放つこの作品は、
今後が楽しみでなかなか侮れない。
「斬れる男の刀はむきだしじゃねェ
ふんどしの中に収めるもんだぜ」
遊郭で花代を払えない客の自宅までつきまとう取り立て屋
要はイヤガラセである──
この作品は、
欲深き遊郭・吉原遊郭指折りの付け馬として、
日々悠々と過ごす主人公・椿 清十郎の快刀乱麻の活躍を描いたもの。
椿 清十郎は、付け馬としての遊女のいでたち、
一見軽そうな言動や立ち居振る舞いからは想像できない武道の達人であり、
時にはかつて武家であったという一面をうかがわせる。
漫画として特筆すべきは、戦闘シーンが非常に美しく、
その大木の花が風で散らされるような自然さと、力強さと、
華やかさが両立され、見る者を魅了せずにおかない点だろう。
不定期刊行でありながら毎号が多くのコンビニに並ぶ「モーニング2」誌、
その連載作品の中でもひときわ異彩を放つこの作品は、
今後が楽しみでなかなか侮れない。
「斬れる男の刀はむきだしじゃねェ
ふんどしの中に収めるもんだぜ」
2008年1月9日に日本でレビュー済み
舞台は江戸吉原、それぞれの生き様で剣と縁のある登場人物達。
かなり濃厚な既視感がある登場人物達は、しかしながらというかそれゆえにというか、造
形は至極明快です。ストーリもそれにつられてか明快で爽快な印象です。
特筆すべきは山田浅右衛門という登場人物。
実際の歴史上は、日本版死刑執行人サンソンといったらわかりやすいと思います。
今後のストーリ展開では、どういう役どころに発展していくのか期待は大いに膨らんでい
るのですが、もしかしたら主人公をくってしまうかもしれません。
個人的には、もうこの1巻目でくっちゃってると思っていますが、まずはアンチヒーロと
して出色です。
願わくは、丁寧に発酵させて、日本マンガ史上、無類の敵役として仕立てていってほしい
です。
かなり濃厚な既視感がある登場人物達は、しかしながらというかそれゆえにというか、造
形は至極明快です。ストーリもそれにつられてか明快で爽快な印象です。
特筆すべきは山田浅右衛門という登場人物。
実際の歴史上は、日本版死刑執行人サンソンといったらわかりやすいと思います。
今後のストーリ展開では、どういう役どころに発展していくのか期待は大いに膨らんでい
るのですが、もしかしたら主人公をくってしまうかもしれません。
個人的には、もうこの1巻目でくっちゃってると思っていますが、まずはアンチヒーロと
して出色です。
願わくは、丁寧に発酵させて、日本マンガ史上、無類の敵役として仕立てていってほしい
です。