ハンター・S・トンプソンを知ったのは、「ROLLING STONE」誌の思い出に始まる。
きっかけは学生時代読んだスティーブン・キングの小説「ファイヤー・スターター」。特殊な能力を持った少女が、アメリカの国家機関に軍事目的から隔離被研究体とされるも脱出、身内や理解者を失いながらも強大な追手から逃げのびる。
ラスト、ひとりぼっちになった少女が巨悪の恐るべき企みを告発するべく門を叩いたのは、NYタイムズでもCNNでもなく、ROLLING STONE誌だった、、、。
ま、キングの思い入れもあったんだろうが、既存メディアとは違い、国家権力の干渉もはねのけるロックな精神を持つカウンターカルチャー世代の代弁者としてのその雑誌の存在に、当時20歳の若者として関心を抱き、以後入手出来る機会があれば購入、拙い英語力ながら読んでいたのだが、その頃も、まだ誌面に於けるトンプソンの位置付けは花形的なものであったと記憶する。
その後、テリー・ギリアムとジョニー・デップのコンビによる「ラスベガスをやっつけろ」の原作である「ラスベガス★71」を読み、トンプソンが、その破天荒な行動と型破りな言動と共に、カウンターカルチャー世代のカリスマ的旗手であった事を改めて認識した。
以上、すっかり前置きが長くなってしまったが、今作は、トンプソンの自由奔放で刺激的な一生に追った優れた長編ドキュメンタリー。
既に、その“華麗なる”経歴と行状の数々、そして今作の見処については、Bo-he-mian氏のレビューに余す事なく網羅されているので、それ以上語るべき事もないのだが、敢えて付加しておくと、60年代にアメリカで一大ムーブメントとなっていたカウンターカルチャー世代による社会変革の流れと人々の高揚感と敗北感が、ニュースフィルムも交えジャーナリスティックに解説されていて資料的価値観があるのと、エキセントリックで背徳的なイメージに反して、トンプソンのその極めて真っ当なリベラルな感覚と高い政治意識に触れられる処だろうか。
72年の大統領予備選から本選についても多く語られているが、もしトンプソンらが熱烈支持したマクガヴァンが勝っていたら、アメリカのリベラリズムは成熟したであろう。そして、同様にマクガヴァンを支持していた映画人が多かった70年代のハリウッドもまた作家性と言う意味合いでは方向性が変わって行ったんじゃないかと思う。
トンプソンをして「アメリカン・ドリームは死んだ」と言わしめた68年の民主党シカゴ大会の暴力と圧殺に関しては、奇しくもアメリカの良心的名カメラマンであったハスケル・ウエクスラーの傑作「アメリカを斬る」がDVD化され近く発売されるので、興味のある方はそちらも是非フォローされる事をお薦めしたい。
そう言えば、スピルバーグもシカゴ・セブンについて企画を進めていたように思えるが、あれはどうなったのかな。
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フォーマット | 色, ドルビー, ワイドスクリーン |
コントリビュータ | ダグラス・ブリンクリー, チャールズ・ペリー, アレックス・ギブニー, ジョニー・デップ |
言語 | 英語 |
稼働時間 | 1 時間 59 分 |
登録情報
- アスペクト比 : 1.78:1
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 言語 : 英語
- 製品サイズ : 30 x 10 x 20 cm; 83.16 g
- EAN : 4527427648777
- 監督 : アレックス・ギブニー
- メディア形式 : 色, ドルビー, ワイドスクリーン
- 時間 : 1 時間 59 分
- 発売日 : 2011/9/2
- 出演 : ジョニー・デップ, チャールズ・ペリー, ダグラス・ブリンクリー
- 字幕: : 日本語
- 言語 : 英語 (Dolby Digital 5.1)
- 販売元 : アミューズソフトエンタテインメント
- ASIN : B00565FKTA
- 原産国 : 日本
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 22,009位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 107位外国のドキュメンタリー映画
- - 336位ドキュメンタリー (DVD)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年9月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2014年10月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ハンタートンプソンのクールな面があまり現れて無いので、ちと残念でした。
2013年6月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ハンターSトンプソンに興味がわいたらこれを見たら大体がわかる。
2021年12月4日に日本でレビュー済み
ジャーナリストでもある彼は
ピストル自殺だとされているが、
誰かに撃たれて死んだと
ベンジャミン・フルフォード氏は言う。
9.11の真相を掴もうとして
闇の組織DSに殺されたと。
奥さんも夫が自殺するわけがないと言っている。
真相は分からない。
ただ私たちはこの世界の裏には
闇の組織があることを知らなければならない。
そいつらは邪魔する者はすべて消し
人類を家畜だとみなし支配しようとしている。
私たちが気づかぬところで私らのカネをむしり取っている。
アメリカ政府や日本政府ですらそいつらの言いなりだ。
「俺は家畜ではない!」
そう思っているとしたら
陰謀論にも目を向けて、真実を探し出そうぜ!
ピストル自殺だとされているが、
誰かに撃たれて死んだと
ベンジャミン・フルフォード氏は言う。
9.11の真相を掴もうとして
闇の組織DSに殺されたと。
奥さんも夫が自殺するわけがないと言っている。
真相は分からない。
ただ私たちはこの世界の裏には
闇の組織があることを知らなければならない。
そいつらは邪魔する者はすべて消し
人類を家畜だとみなし支配しようとしている。
私たちが気づかぬところで私らのカネをむしり取っている。
アメリカ政府や日本政府ですらそいつらの言いなりだ。
「俺は家畜ではない!」
そう思っているとしたら
陰謀論にも目を向けて、真実を探し出そうぜ!
2011年9月11日に日本でレビュー済み
今年どうしても観たい映画のひとつだった。しかし震災が起こって、それどころではなくなってしまった。そして今やっとDVDで観る事がかなった。同じ思いの方も多いのではないだろうか。
「ならず者ジャーナリスト ハンター・S・トンプソン」彼の破天荒な生き様は、数多の伝説となって知られている。
ローリングストーン誌編集部で、注射器でラム酒をヘソにぶちこむ(実話)
自宅には20挺以上の銃・常に装填状態。サブマシンガンでイノシシ狩り(実話)
自分が支持する大統領候補の政敵を、捏造スキャンダル記事で追い落とす(実話)
かねての予告通り拳銃で自殺し、息子は敬意を表し、空に向かって3発撃った(実話)
'60年代に「GONZO(風変わり、異常、偏った主観、の意)」という、従来の常識を覆すジャーナリズムのスタイルを確立したハンター・S・トンプソン。
この映画は、ハンターの家族や知人らによる前例のない協力を得、何百枚もの写真に200時間を越える録音テープ、未発表原稿や手紙、秘蔵映像を入手。そして世界初となる私有地での撮影を実現。彼を知る人々のインタビューと、本人の言葉のみで構成された(本人の手記の朗読はジョニー・デップだ!)伝説の実像に迫るドキュメンタリーだ。
トンプソン伝説の中で最も有名なもののひとつに、当時謎の存在だったバイク集団「ヘルズ・エンジェルズ」の取材リポートがある。彼はエンジェルズの中にどっぷり浸かって1年間生活を共にし、一緒にバイクで暴走し、ジャーナリズムの常識だった「客観性」と真逆ともいえる、自らが物語の主人公になるという極めて「主観的」な取材を敢行。これが彼の取材スタイルの原型となり話題を呼ぶ。そして、長年の盟友となるイラストレーターのラルフ・ステッドマンと初めて組んだケンタッキー・ダービーの取材では、いきなり現地でLSDをステッドマンに与え、保守的なコミュニティーで育ったステッドマンは「初めてぶっ飛んだ幻覚状態」で下品な南部の上流階級の観客たちをグロテスクにデフォルメした戯画にし、トンプソンの憎悪に満ちた文体はその狂気のイラストと絶妙に融合し未曾有の世界が誕生。ここに「GONZO」ジャーネリズムのスタイルが確立される。
そして、テリー・ギリアム監督、ジョニー・デップ主演の映画『ラスベガスをやっつけろ』で知られる、ドラッグ漬けのハチャメチャなオートバイレースリポート道中記など、その後の伝説には枚挙にいとまがない。
その奇人・変人ぶりばかりがクローズアップされてきたトンプソン。このドキュメンタリーでは、錚々たる顔ぶれの「知人」たちが銘々の言葉でトンプソンを語る。
トンプソンの最初の妻、2番目の妻、息子(空に発砲した本人)といった家族に、ヤン・ウェナー(ローリングストーン誌共同創設者)、ラルフ・ステッドマン(トンプソンの盟友・イラストレーター)、ソニー・バージャー(ヘルズ・エンジェルズ・オークランド支部長)、トム・ウルフ(トンプソンの録音テープを流用して「クール・クール LSD交感テスト」で売れっ子になっちゃった作家。「ライトスタッフ」の著者)、ジョージ・マクガバン(トンプソンが熱狂的に支持した元大統領候補・上院議員)、ジミー・カーター(第39代アメリカ合衆国大統領。これまたトンプソンが支持)etc.etc.・・・。
彼らの言葉から浮かび上がってくる、トンプソン像は。
時系列でその半生を追い、「伝説」のみでなく「人間・トンンプソン」・・・彼がただのアウトローでなく、ベトナム戦争を、ニクソンを憎み、アメリカという国を変えようともがいていた心の裡、一方でスタージャーナリストとなってしまった事で道化と化していく自分自身への葛藤、を描きだしてゆく。
「アメリカン・ドリームはまだ見つからない・・・」
トンプソンに興味のある方なら、間違いなく必見!である。
「ならず者ジャーナリスト ハンター・S・トンプソン」彼の破天荒な生き様は、数多の伝説となって知られている。
ローリングストーン誌編集部で、注射器でラム酒をヘソにぶちこむ(実話)
自宅には20挺以上の銃・常に装填状態。サブマシンガンでイノシシ狩り(実話)
自分が支持する大統領候補の政敵を、捏造スキャンダル記事で追い落とす(実話)
かねての予告通り拳銃で自殺し、息子は敬意を表し、空に向かって3発撃った(実話)
'60年代に「GONZO(風変わり、異常、偏った主観、の意)」という、従来の常識を覆すジャーナリズムのスタイルを確立したハンター・S・トンプソン。
この映画は、ハンターの家族や知人らによる前例のない協力を得、何百枚もの写真に200時間を越える録音テープ、未発表原稿や手紙、秘蔵映像を入手。そして世界初となる私有地での撮影を実現。彼を知る人々のインタビューと、本人の言葉のみで構成された(本人の手記の朗読はジョニー・デップだ!)伝説の実像に迫るドキュメンタリーだ。
トンプソン伝説の中で最も有名なもののひとつに、当時謎の存在だったバイク集団「ヘルズ・エンジェルズ」の取材リポートがある。彼はエンジェルズの中にどっぷり浸かって1年間生活を共にし、一緒にバイクで暴走し、ジャーナリズムの常識だった「客観性」と真逆ともいえる、自らが物語の主人公になるという極めて「主観的」な取材を敢行。これが彼の取材スタイルの原型となり話題を呼ぶ。そして、長年の盟友となるイラストレーターのラルフ・ステッドマンと初めて組んだケンタッキー・ダービーの取材では、いきなり現地でLSDをステッドマンに与え、保守的なコミュニティーで育ったステッドマンは「初めてぶっ飛んだ幻覚状態」で下品な南部の上流階級の観客たちをグロテスクにデフォルメした戯画にし、トンプソンの憎悪に満ちた文体はその狂気のイラストと絶妙に融合し未曾有の世界が誕生。ここに「GONZO」ジャーネリズムのスタイルが確立される。
そして、テリー・ギリアム監督、ジョニー・デップ主演の映画『ラスベガスをやっつけろ』で知られる、ドラッグ漬けのハチャメチャなオートバイレースリポート道中記など、その後の伝説には枚挙にいとまがない。
その奇人・変人ぶりばかりがクローズアップされてきたトンプソン。このドキュメンタリーでは、錚々たる顔ぶれの「知人」たちが銘々の言葉でトンプソンを語る。
トンプソンの最初の妻、2番目の妻、息子(空に発砲した本人)といった家族に、ヤン・ウェナー(ローリングストーン誌共同創設者)、ラルフ・ステッドマン(トンプソンの盟友・イラストレーター)、ソニー・バージャー(ヘルズ・エンジェルズ・オークランド支部長)、トム・ウルフ(トンプソンの録音テープを流用して「クール・クール LSD交感テスト」で売れっ子になっちゃった作家。「ライトスタッフ」の著者)、ジョージ・マクガバン(トンプソンが熱狂的に支持した元大統領候補・上院議員)、ジミー・カーター(第39代アメリカ合衆国大統領。これまたトンプソンが支持)etc.etc.・・・。
彼らの言葉から浮かび上がってくる、トンプソン像は。
時系列でその半生を追い、「伝説」のみでなく「人間・トンンプソン」・・・彼がただのアウトローでなく、ベトナム戦争を、ニクソンを憎み、アメリカという国を変えようともがいていた心の裡、一方でスタージャーナリストとなってしまった事で道化と化していく自分自身への葛藤、を描きだしてゆく。
「アメリカン・ドリームはまだ見つからない・・・」
トンプソンに興味のある方なら、間違いなく必見!である。