国際災害・難民支援NGOの最前線で働く女性の視点で展開される幸福論であり、人心掌握術であり、ビジネス書としても大変に参考になる。
著者は大変な頑張り屋さんだけに、決して凡庸なタイプではないが、それにしても平和な日本では体験しえない支援活動を通して、また支援団体のマネジメントを通して、皮膚感覚で得てきた言葉の数々には誰しもが傾聴に値する説得力がある。
「あとがき」には幸福の要件が「自立」であるとして、その自立とは「自己を肯定し、降りかかる災害や苦難をも自分のこととして引き受け、よりよい未来を信じて進んでいく力、とでも言うべき人間の底力」であると。またそれは「孤立とは違い、支え合う仲間と一緒に、自分の足で前に進んでいくこと」であると結論づけているが、まさしく至言である。この言葉に出会えただけで、本書を読んだ価値が大いにあったと思う。
一方、日本であまり馴染みのないNGOの活躍の様子も大変興味深く紹介されており、今回の東北の大震災でもこれらのNGOが中間組織として活躍して頂くことで、現地の「人間の自立」に焦点を当てた支援ができるのではないだろうかと思った。

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誰かのためなら人はがんばれる 国際自立支援の現場でみつけた生き方 単行本(ソフトカバー) – 2010/12/22
木山 啓子
(著)
紛争・災害で貧窮する地に赴き、人々の精神的・経済的な自立をサポートする--。人々が幸せを取り戻すためには何が必要か、身をもって人のいのちと向きあい、人の心を生まれ変わらせてきた著者が、圧倒的な説得力をもって語る幸せ観・仕事観。どうしようもない難事にぶつかったとき、苦しみや悲しみにおそわれたとき、著者のひとこと、ひとことが胸にひびき、生きる力をわきたたせてくれる一冊。
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社かんき出版
- 発売日2010/12/22
- ISBN-104761267259
- ISBN-13978-4761267254
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商品の説明
著者について
特定非営利活動法人ジェン(JEN)理事・事務局長。大学卒業後、電機メーカーなどに約7年間勤務。その後ニューヨーク州立大学大学院(社会学)修士課程修了。1994年AMDAネパール勤務を経てJEN創設に参加し、旧ユーゴスラビア現地統括責任者として6年間駐在。2000年から現職。以降、モンゴル雪害、アフガニスタン内戦、インド西部地震、エリトリア帰還難民、イラク復興、新潟県中越地震、パキスタン地震、スマトラ沖地震、レバノン難民、中越沖地震、南部スーダン帰還難民、ミャンマー・サイクロン災害、ハイチ地震などの支援活動に従事、指揮する。
一方で「自立支援とは?」や「難民・被災者の教え」「極限の中で人は何を求めるのか」「学び方・働き方」などをテーマに、全国各地で講演活動を展開、多忙の日々を送っている。2005年エイボン女性功績賞受賞、日経ウーマン誌ウーマン・オブ・ザ・イヤー2006大賞受賞。
一方で「自立支援とは?」や「難民・被災者の教え」「極限の中で人は何を求めるのか」「学び方・働き方」などをテーマに、全国各地で講演活動を展開、多忙の日々を送っている。2005年エイボン女性功績賞受賞、日経ウーマン誌ウーマン・オブ・ザ・イヤー2006大賞受賞。
登録情報
- 出版社 : かんき出版 (2010/12/22)
- 発売日 : 2010/12/22
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 240ページ
- ISBN-10 : 4761267259
- ISBN-13 : 978-4761267254
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,149,082位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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2010年12月25日に日本でレビュー済み
世界各地で起きた紛争や自然災害などで、厳しい状況に置かれた人々の「自立」を支援を行うNGOの運営責任者である木山啓子さんの16年に亘る活動から見えてきたものが、実感をもって優しい言葉で語れている。理想と現実、理念と現場とのギャップと相克を埋めようと日夜努力を重ねる新しいタイプの仕事に挑戦する女性の貴重な記録である。
JEN(ジャパン・エマジェンシー・NGOs)というNPOは、「自立支援」を旗印に19ヶ国で160万人以上の人たちの支援をしてきた。木山さんはボスニア・ヘルツエゴビナ、アフガニスタン、ハイチなどでJENの活動をしており、「幸せとは何か」「どのような支援をすべきか」「どのように自分は生きるべきか」を自問しながら奮闘を重ねている。
全体のお膳立てをする立場・JENの事務局長・理事である木山さんの問題意識は以下に示されており、共感を覚える。
* 今の私の人生のミッションは、地球上にいるすべての等しく尊い人々が幸せになろうとする努力を支えること。
* 自分の力で、すべての問題を解決するためには、自分の頭で考えなければならない。
* プロジェクトはデザインが命、設計次第で相当に効果を高めることができます。
* 得られた情報を全体像を捉えながら関連付けて考え、仮説を立てることも必要です。
* この仕事の楽しいところのひとつは、現場にいる人たちが、日々改善を考え、実行しようとし、そのために協力する精神も行動も伴っているところかもしれません。
* JENのような非営利の団体は、収益を上げることが目的ではありません。ですので、「この組織は何のために存在しているのか?」という「理念」がとても大切になります。
* JENがJENらしい活動を各地で実施していくには、JENの遺伝子を伝える作業、もしくはJENの理念を共有する作業が必要になってきました。
* 全体の風景、、全体像、、全体観、、俯瞰、、納得感、、、、、。
* JEN「今日からできる国際協力5つのお願い」−「知って下さい」「行動してください」「続けてください」「忘れないでください」「伝えてください」
2010年の日本政府のODA予算は6187億円、そのうちNGO経由での支出は1.8%の110億円でしかない。アメリカは2兆4千億円うち6割の1兆4千億円がNGO経由である。こういった援助活動を実践しているNGOをそれぞれの立場で支援することが大切なことだと思う。「支援は、「支援を受ける側」だけでなく、「支援をする側」も幸せにしてくれます。」という言葉にも納得する。
「前に進もうとすると風を受けます。風を受けると進みにくいと感じるけれど、風に向かって進むからこそ工夫が生まれ、力がつくと思います。」と言い切る木山啓子さんの姿はすがすがしい。そういった「工夫」に自分のできることはないかと自問しながら読み終えた。
NGOの世界、国際援助協力の世界を知り、女性の生き方について考える材料を提供するだけでなく、読者に行動を促す力を持っている本である。
JEN(ジャパン・エマジェンシー・NGOs)というNPOは、「自立支援」を旗印に19ヶ国で160万人以上の人たちの支援をしてきた。木山さんはボスニア・ヘルツエゴビナ、アフガニスタン、ハイチなどでJENの活動をしており、「幸せとは何か」「どのような支援をすべきか」「どのように自分は生きるべきか」を自問しながら奮闘を重ねている。
全体のお膳立てをする立場・JENの事務局長・理事である木山さんの問題意識は以下に示されており、共感を覚える。
* 今の私の人生のミッションは、地球上にいるすべての等しく尊い人々が幸せになろうとする努力を支えること。
* 自分の力で、すべての問題を解決するためには、自分の頭で考えなければならない。
* プロジェクトはデザインが命、設計次第で相当に効果を高めることができます。
* 得られた情報を全体像を捉えながら関連付けて考え、仮説を立てることも必要です。
* この仕事の楽しいところのひとつは、現場にいる人たちが、日々改善を考え、実行しようとし、そのために協力する精神も行動も伴っているところかもしれません。
* JENのような非営利の団体は、収益を上げることが目的ではありません。ですので、「この組織は何のために存在しているのか?」という「理念」がとても大切になります。
* JENがJENらしい活動を各地で実施していくには、JENの遺伝子を伝える作業、もしくはJENの理念を共有する作業が必要になってきました。
* 全体の風景、、全体像、、全体観、、俯瞰、、納得感、、、、、。
* JEN「今日からできる国際協力5つのお願い」−「知って下さい」「行動してください」「続けてください」「忘れないでください」「伝えてください」
2010年の日本政府のODA予算は6187億円、そのうちNGO経由での支出は1.8%の110億円でしかない。アメリカは2兆4千億円うち6割の1兆4千億円がNGO経由である。こういった援助活動を実践しているNGOをそれぞれの立場で支援することが大切なことだと思う。「支援は、「支援を受ける側」だけでなく、「支援をする側」も幸せにしてくれます。」という言葉にも納得する。
「前に進もうとすると風を受けます。風を受けると進みにくいと感じるけれど、風に向かって進むからこそ工夫が生まれ、力がつくと思います。」と言い切る木山啓子さんの姿はすがすがしい。そういった「工夫」に自分のできることはないかと自問しながら読み終えた。
NGOの世界、国際援助協力の世界を知り、女性の生き方について考える材料を提供するだけでなく、読者に行動を促す力を持っている本である。
2011年1月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
リーダー論、幸せ論、自己啓発術、交渉術、危機管理術、この本から、何を読み取るか。それは今、あなたにとって必要なメッセージがウカビアガリ、受け取れると思います。 平易に書かれていますので、さらっと読めてしまいますが、作者の稀有な経験を通じてエッセンスとなった言葉です。「消費される本」ではありません。 作者が私たちに大切な言葉や経験を開示してくれたことに、感謝です。
2011年3月1日に日本でレビュー済み
木山さんの生き方は、その「ツボ」を教えてくれる。
仕事でも人生でも、必ずミッションがあり、そのミッションと自分の生き方が
合致した時、人生の楽しさ、そして楽しく前向きな生き方を開花させてくれる。
そしてその生き甲斐を発見した時こそが、成長実感を味わうことを教えてくれる。
「伝説に残るような失敗談」をどれだけ語れるか、それもまた前向きな生き方が
出来るからこそである。
そして「感謝される仕事」、そしてそれを楽しむことがガンバリズムの源になる。
身の丈でいい・・という、「楽ちん」な生き方を示唆してくれる優れモノの本であった。
仕事でも人生でも、必ずミッションがあり、そのミッションと自分の生き方が
合致した時、人生の楽しさ、そして楽しく前向きな生き方を開花させてくれる。
そしてその生き甲斐を発見した時こそが、成長実感を味わうことを教えてくれる。
「伝説に残るような失敗談」をどれだけ語れるか、それもまた前向きな生き方が
出来るからこそである。
そして「感謝される仕事」、そしてそれを楽しむことがガンバリズムの源になる。
身の丈でいい・・という、「楽ちん」な生き方を示唆してくれる優れモノの本であった。