東映制作で原作:篠原とおる、音楽:菊池俊輔なため「女囚さそりシリーズ」に近い作風(主題歌の雰囲気がかなり近い)ではあるが、“あれはあれ、これはこれ”で充分楽しめる。
“杉本美樹が大根だ” だの “劇画がどうだ、映画がどうだ” だのいう人もいますが、そういう方は根本的にこの時代の東映ピンキー・バイオレンス映画と向き合わない方がよい。
杉本美樹が“大根”であるから回りのドタバタ具合が面白くなるし、“アナーキー”なモノに理屈や動機を求めてもどうしようもないんです。「ヤりたいからヤる」、「暴れたいから暴れる」、「ヤられたからにはヤりかえす」それだけのこと。
この時代の東映内部はかなりドタバタしており、作り手側はかなり切迫した状態で撮影を進行していたそうです。その空気に演者も本気で応えたからこそ生まれた映画でしょう。
こうした力作・怪作が揃った結果、東映バイオレンスムービーの評価は年々増しているのだと思います。
上記のように音楽は菊池俊輔大先生ですが、「さそりシリーズ」は全体的に緊張感を増すための“効果音”的な劇伴でしたが、今作はとくに後半は躍動感に満ちており、同時期の「バーディ大作戦」や後年の「Gメン'75」に通じる劇伴です。
ファッションもイカしてます。荒木一郎の虎刺繍ジージャンカッコよすぎ!
この映像作品の中の空気感全てにそそられる。