高機能障害や発達障害者の方々の見方が変わりました。
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天才が語る サヴァン、アスペルガー、共感覚の世界 単行本 – 2011/2/1
「この正真正銘の天才は、自分の脳を“実験台”にして、脳宇宙の探検に乗り出している」
『脳が知りたい!』のノンフィクション・ライター野村進さん絶賛!
円周率22500桁を暗唱し10ヵ国語を話す天才・ダニエル・タメットが、自分の脳をのぞいてみた!
前作『ぼくには数字が風景に見える』は18ヵ国語に翻訳され、全世界で50万部超の読者に受け入れられ、英国『サンデー・タイムズ』紙、米国『ニューヨーク・タイムズ』紙のベストセラーにもなった。また、ダニエル・タメットは『レイトショー・ウィズ・デイヴィッド・レターマン』『60ミニッツ』『グッドモーニング・アメリカ』など多くのテレビ番組に出演したほか、『タイムズ』『ガーディアン』『テレグラフ』『ニューヨーク・タイムズ』『シュピーゲル』『ル・モンド』各誌で取り上げられた。
『脳が知りたい!』のノンフィクション・ライター野村進さん絶賛!
円周率22500桁を暗唱し10ヵ国語を話す天才・ダニエル・タメットが、自分の脳をのぞいてみた!
前作『ぼくには数字が風景に見える』は18ヵ国語に翻訳され、全世界で50万部超の読者に受け入れられ、英国『サンデー・タイムズ』紙、米国『ニューヨーク・タイムズ』紙のベストセラーにもなった。また、ダニエル・タメットは『レイトショー・ウィズ・デイヴィッド・レターマン』『60ミニッツ』『グッドモーニング・アメリカ』など多くのテレビ番組に出演したほか、『タイムズ』『ガーディアン』『テレグラフ』『ニューヨーク・タイムズ』『シュピーゲル』『ル・モンド』各誌で取り上げられた。
- 本の長さ338ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2011/2/1
- ISBN-104062155133
- ISBN-13978-4062155137
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商品の説明
著者について
ダニエル・タメット
作家、言語学者、教師。1979年、ロンドンに生まれる。9人きょうだいのいちばん上として育つ。2004年、円周率の暗唱でヨーロッパ記録を樹立。それをきっかけに制作されたTVドキュメンタリー「ブレインマン」は40ヵ国以上で放映され、大きな話題を呼んだ。自伝 Born on a Blue Day は世界中でベストセラーとなった。日本でも『ぼくには数字が風景に見える』として出版され、好評を博す。現在は、自身のウェブサイトoptimnem で、外国語学習プログラムを展開している。フランス南部のアヴィニョンに暮らしている。
古屋 美登里
(ふるや・みどり)
早稲田大学教育学部卒業。翻訳家。エッセイスト。おもな訳書に、ダニエル・タメット『ぼくには数字が風景に見える』、リサ・ジェノヴァ『静かなアリス』(ともに講談社)、エドワード・ケアリー『望楼館追想』、ジャネット・ターナー・ホスピタル『暗号名サラマンダー』(ともに文藝春秋)、アイラ・モーリー『日曜日の空は』(早川書房)などがある。
作家、言語学者、教師。1979年、ロンドンに生まれる。9人きょうだいのいちばん上として育つ。2004年、円周率の暗唱でヨーロッパ記録を樹立。それをきっかけに制作されたTVドキュメンタリー「ブレインマン」は40ヵ国以上で放映され、大きな話題を呼んだ。自伝 Born on a Blue Day は世界中でベストセラーとなった。日本でも『ぼくには数字が風景に見える』として出版され、好評を博す。現在は、自身のウェブサイトoptimnem で、外国語学習プログラムを展開している。フランス南部のアヴィニョンに暮らしている。
古屋 美登里
(ふるや・みどり)
早稲田大学教育学部卒業。翻訳家。エッセイスト。おもな訳書に、ダニエル・タメット『ぼくには数字が風景に見える』、リサ・ジェノヴァ『静かなアリス』(ともに講談社)、エドワード・ケアリー『望楼館追想』、ジャネット・ターナー・ホスピタル『暗号名サラマンダー』(ともに文藝春秋)、アイラ・モーリー『日曜日の空は』(早川書房)などがある。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2011/2/1)
- 発売日 : 2011/2/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 338ページ
- ISBN-10 : 4062155133
- ISBN-13 : 978-4062155137
- Amazon 売れ筋ランキング: - 785,398位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 97,789位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年4月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
自閉症でサヴァン症候群でもあり、かつ共感覚の持ち主が著書ということで、
従来にはなかった切り口を期待して購入しましたが、
いたって"普通のサイエンスライター"が書いた"脳の本"といった感じです。
正直期待外れ。
広範囲に調査をしたことが伺える記述が多々ありますが、
知っている内容も結構多く、
当然それらは自閉症でサヴァンである著者の感性とは関連性がなく、
がっかりしました。
普通の"脳の本"としては及第点かな?
従来にはなかった切り口を期待して購入しましたが、
いたって"普通のサイエンスライター"が書いた"脳の本"といった感じです。
正直期待外れ。
広範囲に調査をしたことが伺える記述が多々ありますが、
知っている内容も結構多く、
当然それらは自閉症でサヴァンである著者の感性とは関連性がなく、
がっかりしました。
普通の"脳の本"としては及第点かな?
2011年3月14日に日本でレビュー済み
自閉症でサヴァン症候群であり且つ共感覚者であるタメットが自身の体験を最近の脳科学を踏まえ脳の働きについて考察した。
.芸術と感覚(脳)の関係
人の脳は膨大な情報を刹那刹那に瞬時に処理している。
芸術作品は、作品だけでなく個々人の内面(思考、記憶、情動、予測)へと誘っていき脳の感覚システムを刺激する。
具体的には辺縁系に信号を送り込み喜びの感覚を生み出す。具体例として例えば、「少ないほど豊か」。俳句のように。
他にもある。そのことが脳を興奮状態にする。
芸術と脳は共生関係にある。脳は情報に依存している。
.言葉(言語能力、知識の原子)の世界と数字(計算能力)の世界
ひとつの言語に含まれる単語の数は無限である。
文章も文法が離散組み合わせ構造となっているところから無限である。
数字も無限である。
そして、言語の数学的複雑さとサヴァンの計算とは極めて似ている。数字を視覚化することで数字同士のさまざまな繋がりが見えてすぐに理解できる。
.自伝的記憶(自分自身に関する事柄の記憶)は三層構造となっている。
まず、数秒間の短期記憶が辺縁系の海馬に流入する。次に、海馬により整理され数分〜数か月間の中期記憶が新皮質(側頭葉)におさめられる。そして、強化された数か月〜数十年の長期記憶が側頭葉におさめられる。これらを組み合わせることにより新皮質(前頭葉)で絶えず再編成されている。
そして、海馬と新皮質のみが新生する。
.想起においても脳の中に記憶を保存する単独の場所、領域はないのでそれを想い出すときの関心、知識、特に感情の度合いを手掛かりにして再編成している。
人の記憶とは体験の再生ではなくその都度の解釈による再編成である。決して固定化したものではなく過去からも現在からも影響を受けている。記憶喪失者は現在に絡み取られている状態である。
.サヴァン症候群の人たちは普通の人たちの能力と多くの面でよく似ている。
どうやって考えるかにあるのではなく、なにを考えられるかという点にある。紛れもなく人間的なものである。
結論的に言えば、それは顔か。数字かということである。
また、独創性とは、シナプスの過剰結合の結果ではないか。
共感覚とは、混線(諸感覚の分離以前)ではないか。
刺激的な内容である。
.芸術と感覚(脳)の関係
人の脳は膨大な情報を刹那刹那に瞬時に処理している。
芸術作品は、作品だけでなく個々人の内面(思考、記憶、情動、予測)へと誘っていき脳の感覚システムを刺激する。
具体的には辺縁系に信号を送り込み喜びの感覚を生み出す。具体例として例えば、「少ないほど豊か」。俳句のように。
他にもある。そのことが脳を興奮状態にする。
芸術と脳は共生関係にある。脳は情報に依存している。
.言葉(言語能力、知識の原子)の世界と数字(計算能力)の世界
ひとつの言語に含まれる単語の数は無限である。
文章も文法が離散組み合わせ構造となっているところから無限である。
数字も無限である。
そして、言語の数学的複雑さとサヴァンの計算とは極めて似ている。数字を視覚化することで数字同士のさまざまな繋がりが見えてすぐに理解できる。
.自伝的記憶(自分自身に関する事柄の記憶)は三層構造となっている。
まず、数秒間の短期記憶が辺縁系の海馬に流入する。次に、海馬により整理され数分〜数か月間の中期記憶が新皮質(側頭葉)におさめられる。そして、強化された数か月〜数十年の長期記憶が側頭葉におさめられる。これらを組み合わせることにより新皮質(前頭葉)で絶えず再編成されている。
そして、海馬と新皮質のみが新生する。
.想起においても脳の中に記憶を保存する単独の場所、領域はないのでそれを想い出すときの関心、知識、特に感情の度合いを手掛かりにして再編成している。
人の記憶とは体験の再生ではなくその都度の解釈による再編成である。決して固定化したものではなく過去からも現在からも影響を受けている。記憶喪失者は現在に絡み取られている状態である。
.サヴァン症候群の人たちは普通の人たちの能力と多くの面でよく似ている。
どうやって考えるかにあるのではなく、なにを考えられるかという点にある。紛れもなく人間的なものである。
結論的に言えば、それは顔か。数字かということである。
また、独創性とは、シナプスの過剰結合の結果ではないか。
共感覚とは、混線(諸感覚の分離以前)ではないか。
刺激的な内容である。
2011年4月5日に日本でレビュー済み
サヴァンである著者が自分の脳や認知を足場に人間の持つ知能や才能について考察を巡らした書である。
あくまでの人間の知能や才能の限界や特性が主題であり、サヴァンとしてのライフヒストリーやドラマを期待する人にはいまひとつであろう。
個人としての著者に興味がないわけではないが、本書は著者個人でなく、著者が自分も含めて人間という存在について様々な側面から語っているということが本書の魅力につながっているであろう。
興味深いのは著者はサヴァンの能力は特別優れたものではなく、ある種の方向性の違いとしてとらえているところである。特別な能力を持つ人々ではなく、特別な方向性を持つだけであり、能力の質の違いはあれど量については変わりないということであろう。
アスペルガー症候群の人には多いのであるが、著者も人間の顔を見分けるのが苦手である。
人間の顔は常に一定ではない。様々に移り変わる表情の中から一定の個人である指標を見分けなければならない。そしてその移り変わる表情から背景にある感情や思惑を読み取らねばならない。表情理解には非常に多くの情報処理を必要としている。また、我々が普段何気なく使用している言葉。ここにも大量の情報処理が要求されている。「健常」といわれる人々も普段の生活で膨大な情報処理を行っている。サヴァンの人々の超絶的と思われる知能はこのような誰もが持っている情報処理能力の別の表れであるというのが著者の理解である。
つまりはサヴァンと呼ばれる人々の知能は統一を失ったある種の混線状態である。
通常の人々ではつながっていない領域と領域が接続されている状態である。
著者は言語と数学が結びついており、言葉を語るように数学を語るとのことである。
そして自閉症・アスペルガー症候群の人々に見られる創造性も同じ根から生じているとの著者の理解は個人的には頷けるところのあるものであった。
本書は著者が自分の特性の理解を通じて人間の持つ知性や才能について独自の見解を披露した書である。
独自といっても独りよがりの独白ではない。認知や知性についてのこれまでの研究を広く調べ、様々な研究成果を多く引用して考察を深めている。サヴァンについての偏見を否定しつつ、同じ人間として理解してほしいという願いも垣間見える。先行研究を踏まえているからこそ手記ではなく、当事者研究といえる内容に仕上がっているのであろう。これまでの研究成果と著者の見解の織りなす世界はこれまでにない人間の限界と可能性を感じさせるものである。
あくまでの人間の知能や才能の限界や特性が主題であり、サヴァンとしてのライフヒストリーやドラマを期待する人にはいまひとつであろう。
個人としての著者に興味がないわけではないが、本書は著者個人でなく、著者が自分も含めて人間という存在について様々な側面から語っているということが本書の魅力につながっているであろう。
興味深いのは著者はサヴァンの能力は特別優れたものではなく、ある種の方向性の違いとしてとらえているところである。特別な能力を持つ人々ではなく、特別な方向性を持つだけであり、能力の質の違いはあれど量については変わりないということであろう。
アスペルガー症候群の人には多いのであるが、著者も人間の顔を見分けるのが苦手である。
人間の顔は常に一定ではない。様々に移り変わる表情の中から一定の個人である指標を見分けなければならない。そしてその移り変わる表情から背景にある感情や思惑を読み取らねばならない。表情理解には非常に多くの情報処理を必要としている。また、我々が普段何気なく使用している言葉。ここにも大量の情報処理が要求されている。「健常」といわれる人々も普段の生活で膨大な情報処理を行っている。サヴァンの人々の超絶的と思われる知能はこのような誰もが持っている情報処理能力の別の表れであるというのが著者の理解である。
つまりはサヴァンと呼ばれる人々の知能は統一を失ったある種の混線状態である。
通常の人々ではつながっていない領域と領域が接続されている状態である。
著者は言語と数学が結びついており、言葉を語るように数学を語るとのことである。
そして自閉症・アスペルガー症候群の人々に見られる創造性も同じ根から生じているとの著者の理解は個人的には頷けるところのあるものであった。
本書は著者が自分の特性の理解を通じて人間の持つ知性や才能について独自の見解を披露した書である。
独自といっても独りよがりの独白ではない。認知や知性についてのこれまでの研究を広く調べ、様々な研究成果を多く引用して考察を深めている。サヴァンについての偏見を否定しつつ、同じ人間として理解してほしいという願いも垣間見える。先行研究を踏まえているからこそ手記ではなく、当事者研究といえる内容に仕上がっているのであろう。これまでの研究成果と著者の見解の織りなす世界はこれまでにない人間の限界と可能性を感じさせるものである。
2011年2月24日に日本でレビュー済み
著者は、世界にほんのわずかしかいない自閉症でサヴァン症候群でもあり、かつ共感覚の持ち主であるという。そして、その能力はすさまじい。円周率は22500桁を暗誦し、10ヶ国語を操るそうである。本書は、そんなダニエル・タメット氏が脳をテーマに、その働きと力について描いた一冊である。
◆本書の目次
第1章 空より広い
第2章 脳を測る---知能と才能
第3章 ないものを見る
第4章 言葉の世界
第5章 数字本能
第6章 独創性という現象
第7章 視覚の不思議
第8章 思考の糧
第9章 数学的な考え方
第10章 脳の未来
ここ最近読んだ本の大半が、この一冊に集約されるのではないかと思うくらい、濃厚な一冊になっている。通常なら、本章の一章分のネタで一冊の本が書けるくらいではないだろうか。そして、そこに描かれているのは、実に不思議な世界である。
著者は円周率を暗記したとき、頭の中で数字が入り組んだ多次元の、色のついた質感のある形として現れて、風景として見ることができたそうである。ちなみに、1は明るく、11は丸く、111は明るくて、でこぼこしており、1111はさらにそれが回転していたとのこと。また、バルカン語とスカンジナビア諸語の語彙と文法構造を基にし、「マンティ」という新しい言語を創作してしまったエピソードも紹介されている。そして、この著者の最も優れているのは、この現象や要因への考察を伝達するための「自己説明能力」なのである。
著者が、ここまで自分をさらけ出してでも伝えたかったことは、人格への尊重ということではないだろうか。その天才的な個性が、サヴァンだからの一言で片づけられてしまうということに、幾度となく絶望してきたのであろう。しかし、花粉症に罹っている人の能力が千差万別であるように、自閉症やサヴァン症候群に罹っている人の能力も千差万別なのである。人格は決して方程式では解けないのだ。
◆本書の目次
第1章 空より広い
第2章 脳を測る---知能と才能
第3章 ないものを見る
第4章 言葉の世界
第5章 数字本能
第6章 独創性という現象
第7章 視覚の不思議
第8章 思考の糧
第9章 数学的な考え方
第10章 脳の未来
ここ最近読んだ本の大半が、この一冊に集約されるのではないかと思うくらい、濃厚な一冊になっている。通常なら、本章の一章分のネタで一冊の本が書けるくらいではないだろうか。そして、そこに描かれているのは、実に不思議な世界である。
著者は円周率を暗記したとき、頭の中で数字が入り組んだ多次元の、色のついた質感のある形として現れて、風景として見ることができたそうである。ちなみに、1は明るく、11は丸く、111は明るくて、でこぼこしており、1111はさらにそれが回転していたとのこと。また、バルカン語とスカンジナビア諸語の語彙と文法構造を基にし、「マンティ」という新しい言語を創作してしまったエピソードも紹介されている。そして、この著者の最も優れているのは、この現象や要因への考察を伝達するための「自己説明能力」なのである。
著者が、ここまで自分をさらけ出してでも伝えたかったことは、人格への尊重ということではないだろうか。その天才的な個性が、サヴァンだからの一言で片づけられてしまうということに、幾度となく絶望してきたのであろう。しかし、花粉症に罹っている人の能力が千差万別であるように、自閉症やサヴァン症候群に罹っている人の能力も千差万別なのである。人格は決して方程式では解けないのだ。
2011年6月11日に日本でレビュー済み
本書の原題は『Embracing The Wide Sky(≒(心は)大空より広く)』で、著者の好きな詩から想を得た、あくまで著者個人の思い入れの強い題なのに、何故『天才が語る』という第三者がインタビューしたみたいな、かつ不遜なものに変更したのか。
さて肝心の内容だが、はっきりいって寄せ集め、つぎはぎ。しかも間違いもある。
脳科学に関しては、例えばA.R.ルリヤ、オリヴァー・サックス、ダニエル・ゴールマン、V.S.ラマチャンドラン関連本の読者なら知っている話が多く、しかも直接引用以外のネタ元を明かしていないのは疑問。取材もせずに引用しまくり。サックスらが少なくとも自身の実経験(臨床・対象を取材)をベースに書いているのと大きな差がある。特にサックスを「自閉症の誤ったイメージ(≒差別)を広めた」犯人のごとく批判する割に、彼経由のネタをそうと明かさず使用しているのは・・・。しかもサックスは『火星の人類学者』において自閉症者の素晴らしい可能性を謳い広めた、擁護方面の第一人者なのだ。著者の批判はまるで見当違い。引用の羅列は得意だが正確なリサーチが出来るわけではないようで、これではいくつ言語を理解しても宝の持ち腐れである。
数学についても同様。フィールズ賞候補者のような「天才」と比べたら、著者をそう呼ぶのはおこがましい。絶対音感の持ち主が必ずしも天才音楽家ではないように、円周率を数万桁も暗記し高次元数学を理解しても独創的な「天才」ではないのである(ただしそもそも著者は自ら天才を名乗ったりしていない。日本版の題は大失敗と思う)。
サヴァンのイメージを覆したい狙いは理解できるが、成功しているとは言えず。ノーベル賞受賞者もいる、などを強調すればするほど、「社会に認められたごく少数(世界で数十人)の社会性のある・しかも社会に有効な分野で才を発揮するサヴァン」以外の人を無視しており、裏を返せば、エリート以外を「区別」する結果になっていないか。高機能自閉症者の問題面(悪い面・・・例えば、症状が軽度である著者ですら人の多い場所に行くとパニックを起こす、車の運転は出来ない・・・)に全く触れていないのも不自然。
また(ひがみも込めて言うと)サヴァンの原因がシナプスの過剰結合(>共感覚)なら、それを前提にした著者の言語能力・暗記法は一般人には真似様も無く参考にならないTT
脳科学・数学の専門書としては不足、といって著者のアイデンティティー(有名になるまでの差別や同性愛者であること)を真に問う内容でもない。社会に何か提案をするわけでもない。取材もせず(出来ず)、結びの章まで引用だらけのこの本、一体、誰に向けたのだろう。サックスの件と言い、第三者がもっとディレクションすべきだったのではないか。
なお全体的にユーモアの欠如したそっけなさ、何を求められているのか分かっていない点(著者は、何であれ噂を楽しむことが出来ない≒自分の噂に関しても同様であろう・・・を認めている)において、申し訳ないが「らしさ」を感じてしまった。著者は1979年生まれでまだ若い。人生経験を積んでからの文章に期待したい。
※1957年生まれのジョン・エルダー・ロビソン(ダニエルと同じくアスペルガー)が2007年に記した(すなわち50歳の作)『眼を見なさい!』が好対照なので、読み比べをおすすめします。
さて肝心の内容だが、はっきりいって寄せ集め、つぎはぎ。しかも間違いもある。
脳科学に関しては、例えばA.R.ルリヤ、オリヴァー・サックス、ダニエル・ゴールマン、V.S.ラマチャンドラン関連本の読者なら知っている話が多く、しかも直接引用以外のネタ元を明かしていないのは疑問。取材もせずに引用しまくり。サックスらが少なくとも自身の実経験(臨床・対象を取材)をベースに書いているのと大きな差がある。特にサックスを「自閉症の誤ったイメージ(≒差別)を広めた」犯人のごとく批判する割に、彼経由のネタをそうと明かさず使用しているのは・・・。しかもサックスは『火星の人類学者』において自閉症者の素晴らしい可能性を謳い広めた、擁護方面の第一人者なのだ。著者の批判はまるで見当違い。引用の羅列は得意だが正確なリサーチが出来るわけではないようで、これではいくつ言語を理解しても宝の持ち腐れである。
数学についても同様。フィールズ賞候補者のような「天才」と比べたら、著者をそう呼ぶのはおこがましい。絶対音感の持ち主が必ずしも天才音楽家ではないように、円周率を数万桁も暗記し高次元数学を理解しても独創的な「天才」ではないのである(ただしそもそも著者は自ら天才を名乗ったりしていない。日本版の題は大失敗と思う)。
サヴァンのイメージを覆したい狙いは理解できるが、成功しているとは言えず。ノーベル賞受賞者もいる、などを強調すればするほど、「社会に認められたごく少数(世界で数十人)の社会性のある・しかも社会に有効な分野で才を発揮するサヴァン」以外の人を無視しており、裏を返せば、エリート以外を「区別」する結果になっていないか。高機能自閉症者の問題面(悪い面・・・例えば、症状が軽度である著者ですら人の多い場所に行くとパニックを起こす、車の運転は出来ない・・・)に全く触れていないのも不自然。
また(ひがみも込めて言うと)サヴァンの原因がシナプスの過剰結合(>共感覚)なら、それを前提にした著者の言語能力・暗記法は一般人には真似様も無く参考にならないTT
脳科学・数学の専門書としては不足、といって著者のアイデンティティー(有名になるまでの差別や同性愛者であること)を真に問う内容でもない。社会に何か提案をするわけでもない。取材もせず(出来ず)、結びの章まで引用だらけのこの本、一体、誰に向けたのだろう。サックスの件と言い、第三者がもっとディレクションすべきだったのではないか。
なお全体的にユーモアの欠如したそっけなさ、何を求められているのか分かっていない点(著者は、何であれ噂を楽しむことが出来ない≒自分の噂に関しても同様であろう・・・を認めている)において、申し訳ないが「らしさ」を感じてしまった。著者は1979年生まれでまだ若い。人生経験を積んでからの文章に期待したい。
※1957年生まれのジョン・エルダー・ロビソン(ダニエルと同じくアスペルガー)が2007年に記した(すなわち50歳の作)『眼を見なさい!』が好対照なので、読み比べをおすすめします。
2011年6月18日に日本でレビュー済み
目新しさを期待して読むとちょっと肩透かしに感じるかなと思いますが。
原書で読みました。簡易な英語で簡潔に書かれており、とても読みやすいです。英語を読む練習に最適だと思います。高校生くらいから挑戦してもいいくらいじゃないかと思います。(夏休みにいかがでしょう。)割と知られたことを他の本(といくつかの論文)からの引用いている部分が多く、類書のまとめのようになっており、この書き方も読み易くしているんだと思います。
原書で読みました。簡易な英語で簡潔に書かれており、とても読みやすいです。英語を読む練習に最適だと思います。高校生くらいから挑戦してもいいくらいじゃないかと思います。(夏休みにいかがでしょう。)割と知られたことを他の本(といくつかの論文)からの引用いている部分が多く、類書のまとめのようになっており、この書き方も読み易くしているんだと思います。