決闘が合法の時代。しょっちゅう決闘している。いつも命がけ。言葉一つでも無礼だとなれば時間と場所を決めて決闘になるから、ある意味今の時代より言葉使いも気を付けないといけなかったろう。
勇気や君主への忠誠心が重んじられた時代。忠誠と礼儀作法の枠で一応の秩序を保ちながら、恋と冒険に生きてるような時代です。君主や権力者がどんなに愚かだったりひどくても従わなくてはならない時代。場合によっては生きたまま八つ裂き！？とか残酷な刑も合法的に行われた時代。
神の存在が今よりも深く信じられており、神の前に立った人間としての罪が、重く考えられていた時代。
そのようなロマンチックな時代に、それぞれユニークで魅力的なキャラクターたちが何人も登場し、出会いと冒険を果たす。
作者の筆致はさまざまなキャラクターの男女の、様々な場面でのそれぞれの気持ちをちゃんと描き分け、それぞれの立場で必死に生きているその瞬間の息使いを浮き彫りにしています。主人公たち貴族の銃士の立場だけでなく、従僕、宿屋の主人、小間使い・・・さらに凄みのある悪役たちに至るまで。どの立場においても嘘っぽくないので、読んでいて気持ちいいし、冒険や話の成り行きでワクワクします。
また、どんなに死が身近のこの時代でも、スープから始まってワインを飲み肉を剣に刺して脂を食べる、ヨーロッパ肉食文化の原点のような暮らしを見るようで、面白いです。泥と汗にまみれたとしても、帽子は羽飾りがついていますし。
バッキンガム公の宮殿に初めて入ったダルタニアンがその豪華さに驚くのですが、バッキンガム公の宮殿って、バッキンガム宮殿ですよね？今エリザベス女王たちがお客をもてなしたりして使っている？フランス王宮を知っているダルタニアンが驚くのだから、日が沈まない国だったイギリスって、やっぱお金持ちだったんだなー、と思いました。
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