ナンニ・モレッティ監督によるエッセイ風喜劇。
・ずっと撮りたかった映画があるのに全然準備が進まない。
・支持してきた左派は、今度の選挙でも負けそうだ。
・おまけに子供が生まれてくる!
ただでさえテンパリやすい主人公のところに
職業・家族・政治の3つについて大きな出来事(映画制作・選挙・出産)がやってきます。
とうぜん主人公は混乱し、動揺していき、ますます迷走するのです。
それぞれのシーンにエネルギーが内蔵され、
動転した主人公の見せるおかしなズレが頬をゆるませてくれます。
そして、エネルギーはどんどん溜まってゆき
主人公もどんどんどんどん追いつめられて行き
(といっても調子はあくまでコメディのまま)
やがて、春になります。
4月。出産。生命の誕生。
言葉にすると陳腐なのですが強烈な肯定で押し出されており、
後味は実に爽やか。
これまでのストレスが全て解放されるかのような
バイクでの疾走シーンが素晴らしい。
政治的にリベラルだったりしてモレッティの政治信条にあるていど共感できる方、
取り組みたかったけどなかなか取り組めないことがある方
そして、もうすぐ子供が生まれるという方、
バッチリです。ぜひご覧になって下さい。