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心のケア――阪神・淡路大震災から東北へ (講談社現代新書) 新書 – 2011/9/16
「心のケア」とは何だろう? そこで大切なことは?
阪神・淡路大震災以来、16年間にわたり、多くの自然災害や人為災害において心の傷(トラウマ)の回復に尽くしてきた精神科医・加藤寛が、ノンフィクションライター・最相葉月に語る。
【目次】
第1章 東日本大震災後五十日の記録
第2章 被災者の心の傷
第3章 阪神・淡路大震災でできたこと、できなかったこと
――復興期の心のケア
第4章 回復への道のり
――肉親を失った二人の経験から
第5章 支援者へのメッセージ
巻末ルポ 1・17から3・11へ――兵庫県心のケアチームの百十一日(最相葉月)
阪神・淡路大震災以来、16年間にわたり、多くの自然災害や人為災害において心の傷(トラウマ)の回復に尽くしてきた精神科医・加藤寛が、ノンフィクションライター・最相葉月に語る。
【目次】
第1章 東日本大震災後五十日の記録
第2章 被災者の心の傷
第3章 阪神・淡路大震災でできたこと、できなかったこと
――復興期の心のケア
第4章 回復への道のり
――肉親を失った二人の経験から
第5章 支援者へのメッセージ
巻末ルポ 1・17から3・11へ――兵庫県心のケアチームの百十一日(最相葉月)
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2011/9/16
- ISBN-104062881217
- ISBN-13978-4062881210
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商品の説明
著者について
加藤 寛
(かとう ひろし)
1958年、宮崎県生まれ。1984年、神戸大学医学部卒業。精神科医。医学博士。都立墨東病院などで精神科救急に携わり、1995年から阪神・淡路大震災の被災者支援機関「こころのケアセンター」、2004年より、トラウマの専門機関「兵庫県こころのケアセンター」に所属。現在は同センター副センター長・診療所長。著書に『消防士を救え!――災害救援者のための惨事ストレス対策講座』、共編著に『生き残るということ――えひめ丸沈没事故とトラウマケア』、共訳書にカーディナー『戦争ストレスと神経症』など。
最相 葉月
最相 葉月(さいしょう はづき)
1963年、東京都生まれ、神戸育ち。関西学院大学法学部卒業。ノンフィクションライター。著書に『絶対音感』(小学館ノンフィクション大賞受賞)、『青いバラ』、『星新一 一〇〇一話をつくった人』(大佛次郎賞、講談社ノンフィクション賞受賞)など。
(かとう ひろし)
1958年、宮崎県生まれ。1984年、神戸大学医学部卒業。精神科医。医学博士。都立墨東病院などで精神科救急に携わり、1995年から阪神・淡路大震災の被災者支援機関「こころのケアセンター」、2004年より、トラウマの専門機関「兵庫県こころのケアセンター」に所属。現在は同センター副センター長・診療所長。著書に『消防士を救え!――災害救援者のための惨事ストレス対策講座』、共編著に『生き残るということ――えひめ丸沈没事故とトラウマケア』、共訳書にカーディナー『戦争ストレスと神経症』など。
最相 葉月
最相 葉月(さいしょう はづき)
1963年、東京都生まれ、神戸育ち。関西学院大学法学部卒業。ノンフィクションライター。著書に『絶対音感』(小学館ノンフィクション大賞受賞)、『青いバラ』、『星新一 一〇〇一話をつくった人』(大佛次郎賞、講談社ノンフィクション賞受賞)など。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2011/9/16)
- 発売日 : 2011/9/16
- 言語 : 日本語
- 新書 : 240ページ
- ISBN-10 : 4062881217
- ISBN-13 : 978-4062881210
- Amazon 売れ筋ランキング: - 462,092位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,645位講談社現代新書
- - 67,215位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1963年、東京生まれの神戸育ち。関西学院大学法学部卒。科学技術と人間の関係性、スポーツ、近年は精神医療、カウンセリングをテーマに取材。
97年『絶対音感』で小学館ノンフィクション大賞。2007年『星新一 一〇〇一話をつくった人』で大佛次郎賞、講談社ノンフィクション賞、日本SF大賞、08年同書で日本推理作家協会賞、星雲賞。
ほかのノンフィクションに『青いバラ』『セラピスト』『ナグネ 中国朝鮮族の友と日本』『れるられる』『証し 日本のキリスト者』『中井久夫 人と仕事』など、エッセイ集に『なんといふ空』『最相葉月 仕事の手帳』『辛口サイショーの人生案内』『辛口サイショーの人生案内DX』『母の最終講義』、児童書に『調べてみよう、書いてみよう』、共著に『心のケア 阪神・淡路大震災から東北へ』『胎児のはなし』など。
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年6月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
現場の体験と深い洞察を兼ね備えた良書。聞き手もすぐれています。
2011年9月19日に日本でレビュー済み
阪神・淡路大震災での経験をどのように実践するかについて本章で詳細に語った加藤寛氏は、
『おわりに』でこのようにまとめる。
その中で繰り返し痛感したのは、心のケアはあまり歓迎されないということです。...受け入れて
もらうためには、心のケアを強調しすぎないこと、現実的な支援をしながら地道な関係作りをする
こと、そして何よりも害を与えないこと、これらの基本的な態度が重要でした。(P198)
そして、
仙台市宮城野区に派遣された、「兵庫県・心のケアチーム」とその受け入れ先となった仙台市と
住民の方々による三ヶ月間の活動の様子を最相氏がレポートした『巻末ルポ』はこう語る。
救急医療隊も通常ニ泊三日で交代する。被災地に害を与えず迷惑をかけず、任務を果たし、
健康も損なわずに帰還する。そうでなければ次の支援が続かない。(PP2124-215)
支援者はたいそうなことをする必要はない。テーブルが汚れていたらそっと拭き取るような
あたりまえの気遣いがあればいいんです。...そっと見守る。なにもしないでいるということは
結構勇気がいることなんですよ。(P222)
安心できる場所も確保されていないうちから、PTSD、PTSDといわんほうがいいと思うよね。
...、といいながら感情が出てくることでしょう。そういうことができて初めて、医療が
関与するかどうかを考えていくことが大切なんじゃないか。(P226)
阪神・淡路の経験と元に東日本大震災で実践されたことを、インタビュー形式で記した本なので、
内容が具体的で、地に足がついた説得力があります。
「心のケア」にたずさわろうとする者の『善意』や『使命感』だけでは、
惨事を経験した人をケアできないむずかしさもとてもよくわかります。
現実の厳しさやむずかしさは、想像以上であることを思い知らされました。
勉強になりました。
『おわりに』でこのようにまとめる。
その中で繰り返し痛感したのは、心のケアはあまり歓迎されないということです。...受け入れて
もらうためには、心のケアを強調しすぎないこと、現実的な支援をしながら地道な関係作りをする
こと、そして何よりも害を与えないこと、これらの基本的な態度が重要でした。(P198)
そして、
仙台市宮城野区に派遣された、「兵庫県・心のケアチーム」とその受け入れ先となった仙台市と
住民の方々による三ヶ月間の活動の様子を最相氏がレポートした『巻末ルポ』はこう語る。
救急医療隊も通常ニ泊三日で交代する。被災地に害を与えず迷惑をかけず、任務を果たし、
健康も損なわずに帰還する。そうでなければ次の支援が続かない。(PP2124-215)
支援者はたいそうなことをする必要はない。テーブルが汚れていたらそっと拭き取るような
あたりまえの気遣いがあればいいんです。...そっと見守る。なにもしないでいるということは
結構勇気がいることなんですよ。(P222)
安心できる場所も確保されていないうちから、PTSD、PTSDといわんほうがいいと思うよね。
...、といいながら感情が出てくることでしょう。そういうことができて初めて、医療が
関与するかどうかを考えていくことが大切なんじゃないか。(P226)
阪神・淡路の経験と元に東日本大震災で実践されたことを、インタビュー形式で記した本なので、
内容が具体的で、地に足がついた説得力があります。
「心のケア」にたずさわろうとする者の『善意』や『使命感』だけでは、
惨事を経験した人をケアできないむずかしさもとてもよくわかります。
現実の厳しさやむずかしさは、想像以上であることを思い知らされました。
勉強になりました。
2016年9月28日に日本でレビュー済み
震災以後、こころのケアについて、どう臨むべきかについて、非常に実践的にそして、甘えなき経験値として語られた本。被災とは何をもたらすのかを考えるうえで非常に参考になった良書。
2011年9月24日に日本でレビュー済み
東日本大震災では、直接被害を受けていない日本人も、少なからず精神的な影響を受けました。「何かをしたい」という気持ちと「何もできない」という罪悪感、そして、いぜんとして解決しない原子力発電所と放射能の問題に対する怒りが、多くの人々の心をささくれ立ったものにしています。被災地に入り込んでボランティアをされた方々の勇気と行動力には頭が下がる思いでいますが、被災で心に傷を負った方々に接する心の準備ができているのかどうか、それも気になっていました。
本書は、ノンフィクション作家の最相葉月氏が、阪神・淡路大震災以降、被災された方々のケアや調査研究に従事され、事件や事故、災害の犠牲になった方々のトラウマ治療やその支援者の方々への研究に携わってこられた精神科医の加藤寛氏を取材する形の共著です。東日本大震災後に兵庫県チームの司令塔として被災地で活動された加藤氏の語る「心のケア」をぜひ読んでみたいと思いました。
まず、「心のケア」という言葉ですが、最相氏が書いておられるように「阪神を機によく使われるようになったこの言葉について、多くのメディアで情報が錯綜しているが、精神科医や心理士で構成される心のケアチームが災害直後に行うのは、被災者に被災体験を聞いてカウンセリングすることではない」のです。これを知っている人は少ないのではないでしょうか。
「心のケア」がそれだけの言葉では説明しきれない、広範囲で、深く、しかも、多様性や柔軟性があるものだということは、誤解を防ぐためにもぜひ本書を読んでいただきたいのですが、私にとってショックだったのは、分かったつもりでいて、分かっていなかったこと、想像できるつもりで、できなかったことの多さです。特に、地元の役所や保健所の職員の方々の「心のケア」の必要性については、もっと多くの人に知っていただきたいと思いました。
ボランティアにかかわる方だけでなく、遠く離れた場所にいて「何もできない」と思う方にも、大切なメッセージがこめられている本です。
本書は、ノンフィクション作家の最相葉月氏が、阪神・淡路大震災以降、被災された方々のケアや調査研究に従事され、事件や事故、災害の犠牲になった方々のトラウマ治療やその支援者の方々への研究に携わってこられた精神科医の加藤寛氏を取材する形の共著です。東日本大震災後に兵庫県チームの司令塔として被災地で活動された加藤氏の語る「心のケア」をぜひ読んでみたいと思いました。
まず、「心のケア」という言葉ですが、最相氏が書いておられるように「阪神を機によく使われるようになったこの言葉について、多くのメディアで情報が錯綜しているが、精神科医や心理士で構成される心のケアチームが災害直後に行うのは、被災者に被災体験を聞いてカウンセリングすることではない」のです。これを知っている人は少ないのではないでしょうか。
「心のケア」がそれだけの言葉では説明しきれない、広範囲で、深く、しかも、多様性や柔軟性があるものだということは、誤解を防ぐためにもぜひ本書を読んでいただきたいのですが、私にとってショックだったのは、分かったつもりでいて、分かっていなかったこと、想像できるつもりで、できなかったことの多さです。特に、地元の役所や保健所の職員の方々の「心のケア」の必要性については、もっと多くの人に知っていただきたいと思いました。
ボランティアにかかわる方だけでなく、遠く離れた場所にいて「何もできない」と思う方にも、大切なメッセージがこめられている本です。
2012年3月10日に日本でレビュー済み
心のケアという言葉には、医療行為から隣人の見守り活動まで、幅広い次元が含まれる。
この本は、東日本大震災直後から2011年8月にかけて、「心のケア」がどのように行われたか、被災のもたらす心理的な影響を紹介する。次に、阪神淡路での知見と事例、支援者支援の目線と兵庫県心のケアチームの活動ルポと、多岐にわたる内容である。
インタビューを中心にした柔らかい話口調で、説明もよく噛み砕かれており、専門家ではないけれども被災者支援に関わるであろう人を意識して書かれている。
ここに書かれていることは、阪神淡路から災害支援に関わり続けてきた人が、阪神淡路のときに知っておけばよかったと思うことである。
命の安全や安心が確保されるのが一番。命の危機を感じている間は、安心できるわけがない。落ち着けるわけがない。必要とする時間には個人差があるとしても、7割の人は回復する力を持っている。みんながみんなに専門的な治療が必要になるわけではない。そういった、災害支援に関わってきた医療者の常識が惜しみなく、かつ、もったいぶらずに語られている。
まだ、たったの一年だ。今後にも役立つ、今だから役立つことも多いと思われる。これが専門家にとっての常識から、日本人の、世界の災害に出会う危険性を持っているすべての人、すべての隣人の常識になればいいなぁ。
この本は、東日本大震災直後から2011年8月にかけて、「心のケア」がどのように行われたか、被災のもたらす心理的な影響を紹介する。次に、阪神淡路での知見と事例、支援者支援の目線と兵庫県心のケアチームの活動ルポと、多岐にわたる内容である。
インタビューを中心にした柔らかい話口調で、説明もよく噛み砕かれており、専門家ではないけれども被災者支援に関わるであろう人を意識して書かれている。
ここに書かれていることは、阪神淡路から災害支援に関わり続けてきた人が、阪神淡路のときに知っておけばよかったと思うことである。
命の安全や安心が確保されるのが一番。命の危機を感じている間は、安心できるわけがない。落ち着けるわけがない。必要とする時間には個人差があるとしても、7割の人は回復する力を持っている。みんながみんなに専門的な治療が必要になるわけではない。そういった、災害支援に関わってきた医療者の常識が惜しみなく、かつ、もったいぶらずに語られている。
まだ、たったの一年だ。今後にも役立つ、今だから役立つことも多いと思われる。これが専門家にとっての常識から、日本人の、世界の災害に出会う危険性を持っているすべての人、すべての隣人の常識になればいいなぁ。
2012年4月6日に日本でレビュー済み
この本はいろんな角度から”心のケア”の有り様について示唆してくれます。上から目線はまったくなく広い角度で捉え、伝えたい語りたい、と二人が粘り強く語ります。幾度もハっとさせられる言葉に出会いました。加藤寛と最相葉月の出会いはわたしにとってもとても幸運な事であったと思っています。
東北地方では、”がんばろう東北”という旗印をあちこちで見かけます。たいへん結構な呼びかけだと思う一方、身体のどこかで違和感を感じ続けてきました。それがこの本を読んで腑に落ちました。この本の中に「鋏状格差」という言葉が出てきます。大きな痛みから徐々に抜け出せる人がいる一方、日常を取り戻せず益々深い悲しみの連鎖に引きずり込まれていく人がいる。日が経つにつれ広げた鋏の様にその格差が広がっていく。と加藤氏は過去の経験から語ります。阪神・淡路大震災から10年後にPTSDを発症した人もこの本でつらい体験を語っています。
被災地に住むわたしは広い意味での被災者ですが、そんな鋏を手に持つ事なく日々を過ごしてきました。しかし、頭のどこかで、”そんな鋏があるのでは・・”と意識してた気がします。そしてどこか避けていた気がします。
多くのいろんな人達に読んでもらいたい一冊です。
東北地方では、”がんばろう東北”という旗印をあちこちで見かけます。たいへん結構な呼びかけだと思う一方、身体のどこかで違和感を感じ続けてきました。それがこの本を読んで腑に落ちました。この本の中に「鋏状格差」という言葉が出てきます。大きな痛みから徐々に抜け出せる人がいる一方、日常を取り戻せず益々深い悲しみの連鎖に引きずり込まれていく人がいる。日が経つにつれ広げた鋏の様にその格差が広がっていく。と加藤氏は過去の経験から語ります。阪神・淡路大震災から10年後にPTSDを発症した人もこの本でつらい体験を語っています。
被災地に住むわたしは広い意味での被災者ですが、そんな鋏を手に持つ事なく日々を過ごしてきました。しかし、頭のどこかで、”そんな鋏があるのでは・・”と意識してた気がします。そしてどこか避けていた気がします。
多くのいろんな人達に読んでもらいたい一冊です。